中谷防衛大臣が記者会見 T-4練習機墜落事故の捜索状況、今後の対策について(5月23日)
- 日本の防衛
2025-5-27 10:45
令和7年5月23日(金)9時02分~9時08分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟10階記者会見室において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下の通り。
大臣からの発表事項
T-4練習機の墜落事故について
大臣 :
5月14日に発生した航空自衛隊T-4練習機の墜落につきまして、搭乗員2名の死亡が確認をされました。
今回の事故により大切な隊員の命が失われたことは、防衛大臣としては誠に残念でなりません。両名は、これまで戦闘機のパイロットとして崇高な使命感と責任感をもって厳しい訓練を重ね、国防の最前線で対領空侵犯措置を始めとした、任務の遂行のために頑張ってくれた極めて優秀な隊員でありました。自衛隊にとっても、国家にとっても、そして家族にとってもかけがえのない大切な存在でありました。大切な肉親を亡くされた御家族のことを思いますと断腸の思いであります。謹んで両名の御冥福をお祈りを申し上げます。
今後は、原因究明に万全を期すとともに、こうした貴重な人命が失われる事故が二度と起きないように、航空機を含めた全ての部隊の安全管理、これを徹底してまいります。また、同時に、この悲しみを乗り越えて、そして国民の負託に応えるべく、一層気を引き締めて、引き続き国防の任務に全力で取り組んでまいります。
記者との質疑応答
墜落事故の最新の捜索状況と今後の対策など
記者 :
T-4練習機の墜落事故について関連で伺います。機体などの最新の捜索状況を教えてください。また、捜索に当たっては、現地の自然や環境面にはどのように配慮しながら進められているか、取組を教えてください。このほか、事故の原因究明や今後の対策について、最新の検討状況を教えてください。
大臣 :
現在も現場周辺の捜索活動は行っておりまして、水平尾翼の一部、エンジンノズルと思われる構成品などを確認をいたしております。機体につきましては、捜索活動の進捗、また墜落場所の特徴等に応じて引き揚げを検討しているところであります。その一環として、サルベージ関連企業に対しまして、作業に必要な費用の見積もりなどを依頼しております。
機体が墜落した入鹿池は、平成27年に世界かんがい施設遺産に登録をされていると承知をしておりまして、日本でも有数の農業用ため池であると認識をいたしております。6月から始まると言われております田植えを念頭に、地元からの御要望も踏まえまして、入鹿池の水質調査を開始をしております。当面の間、定期的に採水を行いまして、水質の把握に最大限努めてまいります。また、入鹿池における油の浮遊につきまして、流出した油の拡散防止及び回収に向けて全力で対応しているところであります。
また、墜落をめぐる詳細な状況、また事故原因につきまして、現時点では明らかになっておりませんが、引き続き、これらの点について解明を進めてまいります。
その上で、今般の事故が発生をしたということを重く受け止め、私から、事故当日には、全自衛隊の全ての航空機に対して飛行前後の入念な点検、全自衛隊全ての操縦者に対しまして安全管理や緊急時の手順についての教育について、指示を発出をし、改めて、陸・海・空全ての自衛隊における安全管理に万全を期すことを徹底をしたところでございます。
今後、飛行の安全を確保して航空機を運用するということは当然の大前提でありますが、引き続き今般の事故原因の究明を進めるとともに、今一度、隊員一人一人が安全管理に係る認識を新たにしていただき、そして防衛省・自衛隊全体として、国民の信頼を失うことがないように、安全確保の一層の徹底をはかり、同種の事故の再発防止に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
(以上)
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