小泉防衛大臣が記者会見 12月8日の地震、中国軍機によるレーダー照射、「もがみ」型護衛艦の輸出関連、安保三文書改定など(12月9日)
- 日本の防衛
2025-12-11 08:31
令和7(2025)年12月9日(火)08時35分~08時45分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、国会議事堂本館閣議室前で閣議後の記者会見を行った。
内容は、以下の通り。
大臣からの発表事項
昨日は夜遅くまでお疲れ様でした。まず昨日の地震の続報から申し上げたいと思います。
昨日の地震を受けまして、自衛隊は航空機延べ23機、固定翼8機、ヘリ15機、これにより、上空からの情報収集を行っておりますが、今朝も行っております。また、ファストフォースが、岩手駐屯地及び函館駐屯地などから揺れの強かった地域に向けて前進し、青森県、岩手県、北海道で情報収集を行いました。さらに青森県庁をはじめ、28の自治体に連絡員を派遣し、情報収集を継続しております。現時点で、大規模な被害情報の報告は受けておりません。この地震に伴いまして、津波警報も発表されたことから、安全が確保されるまでの間、海上自衛隊八戸航空基地及び陸上自衛隊八戸駐屯地を一時的な避難所として開放し、最大約620名、車両約270台など地元住民の方々を受け入れ、毛布800枚を準備し提供いたしました。現時点では、数名の方々が、引き続き、避難中であるということであります。防衛省・自衛隊としては、引き続き、緊張感をもって必要な即応態勢をとり、今後の地震への対応に万全を期してまいります。
記者との質疑応答
中国軍機による空自戦闘機へのレーダー照射について
記者 :
中国軍機によるレーダー照射に関してお伺いします。中国側は、自衛隊機の妨害があったとした上で、探索レーダーを作動させるのは各国で一般的な行為であり、飛行安全を確保するため正常な操作と主張しています。受け止めと中国の主張に反論した事例があれば教えてください。
あわせて日中防衛当局間のホットラインに関して、機能していないとの指摘がありますが、ホットラインが活用されていない要因と今後とるべき対策についてお願いいたします。
大臣 :
まず今般レーダー照射を受けた際、自衛隊機は安全な距離を保ちながら、終始プロフェッショナルな態様で対領空侵犯措置を実施しており、自衛隊機の妨害があったとする中国側の主張は当たりません。
また、戦闘機のレーダーは艦艇のレーダーと異なり、捜索のみならず、火器管制の目的も有しており、照射を受けた側は、その目的を必ずしも明確に判別できません。そのため、一般に視界が悪い時などにおいて、安全確保の観点から、周囲の捜索等のためレーダーを用いる場合であっても、今般の事案のような形で、断続的に照射をすることはありません。
このように、むやみに戦闘機のレーダーが用いられることはない中で、今回のような断続的な照射を自衛隊の戦闘機、とりわけ対領空侵犯措置を実施中の自衛隊の戦闘機に対して行うことは、危険な行為であると判断しています。今、正に私がお答えしてる内容が中国側の主張に対する反論であり、今後も引き続き中国側との意思疎通を図って、必要な場合は適宜適切に主張していく考えでありますし、先般マレーシアで日中防衛相会談で、私から董軍国防部長に対して伝えたとおり、日中間では具体的かつ困難な懸案から目を背けず、むしろ懸案があるからこそ、率直な議論と意思疎通を粘り強く重ねることが必要不可欠だという思いは変わりません。
こうした考えの下、ホットライン、この関係もありましたけれども、日中防衛当局間では、年次会合及び専門会合の開催、艦船・航空機間での直接連絡、そしてホットラインから構成される海空連絡メカニズムをはじめ、様々なチャンネルで意思疎通を行える状態を確保しています。なお、日本からのホットラインに中国が応じなかったとの報道があることを承知しておりますが、ホットラインの使用状況については、相手国との関係において、円滑な意思疎通をしっかりと確保していくとの観点から、これまでもお答えをしてきておらず、本件に関しても、使用したか否かについてはお答えをしておりません。
記者 :
レーダー照射の関連でお伺いします。まだですね、アメリカ政府からの目立った反応というのはないのですけれども、このタイミングで昨日グラス大使がXに日米同盟はこれまで以上に強化団結していると、このタイミングで投稿しています。改めてですね、今回の事案を受けて、同盟国・同志国との連携の必要性についてどのようにお考えでしょうか。また今後、他国との電話会談、こうしたものは予定されていますでしょうか。
大臣 :
今回、グラス大使からもこのタイミングでですね、日米の連携は揺るがないと。日米同盟は揺るぎがないとこういったメッセージがあったというのは、同盟関係は常にこの抑止力として機能しているということを示し続けることは、こういった状況であっても、重要なことでありますので、これからも引き続き、同盟国との意思疎通・連携、これを強化していきたいと思いますし、今その同盟国に、私が会ったばかりのオーストラリアのマールズ国防大臣も行かれた上で、今オーストラリアとアメリカの「2+2」、これも行われたところでもあります。
引き続き、同盟国・同志国とタイムリーに様々な意思疎通を、個人的な信頼関係の下に、また積み重ねていきたいと思います。また、他の国々との会談の調整という話もありましたけれども、そういったものが決まったら、公表させていただきますし、常にそういった機会をもつことは重要なことだと思っております。
記者 :
レーダー照射問題について、中国側はですね、事前に訓練を通知していたが、日本がそれを無視している、侵害していると主張していますが、実際中国側から訓練の通知はあったのかどうか教えてください。
大臣 :
中国側は、今発言があったように、事前に公表していたというふうに発信をしていますが、遼寧の艦載機等の訓練海空域に関するNOTAM、これは航空情報と言われるものですが、このNOTAMや航行警報が事前に通報されていたとは認識しておりません。
「もがみ」型護衛艦のオーストラリア輸出について
記者 :
話題変わります。オーストラリアに輸出する予定の「もがみ」型の護衛艦についてお伺いしたいと思います。まず一部報道で、大臣が来年3月に「もがみ」の契約締結式に出席するためにオーストラリアを訪問される予定だと報道ありますけれども、その調整状況の状況について教えてくださいというのが一点目で、もう一点目が、韓国の企業がオーストラリアで「もがみ」を作る予定の企業の出資比率を上げるという計画を立てていまして、それに関してオーストラリアメディアがですね、先般の日豪の防衛相会談で日本側から懸念を伝えたと報じていますけれども、事実関係について教えてください。
大臣 :
まず3月のオーストラリア訪問という報道がありますけども、現時点で具体的に決まっているものではありません。そして、韓国企業によるオーストラリア造船企業への出資比率、この報道も承知をしていますが、オーストラリアとの間では、年度内の契約締結に向けて様々な調整を行っているところですが、そのやり取りの細部につきましては、相手方との関係があることからお答えすることは差し控えます。
その上で、日オーストラリア政府間では、これまでにも、我が国の技術情報や知的財産の保護の重要性について緊密に意思疎通を行っており、本移転に際して技術情報及び知的財産の保護を確実にしていくための措置をしっかりと講じてまいります。
安保三文書の改定について米国からの影響は
記者 :
先日、発表されたアメリカの国家安全保障戦略で、日本や韓国が名指しで防衛費の増額の必要性が強調されていました。ヘグセス国防長官も集団防衛の役割を果たさない同盟国には結果が伴うというような発言もしてます。今取りまとめている安保三文書にどのような形で反映させていくかお考えをお聞かせください。
大臣 :
まず、我々がこれから改定をする三文書自体は、我々日本自身が主体的に定めて、そして改定をしていくものだということが大前提であります。その上で、ヘグセス長官のことにも触れられましたが、10月29日に日本に来られて、私と共同記者会見をした時のヘグセス長官のメッセージが、私はこれが一番重要だろうと思っております。ヘグセス長官からはアメリカから日本に対して何か要求したことは一切なく、アメリカがプレスの質問に答える形でも、日本は相互尊重、共通の価値観、互恵的関係に基づき、情勢認識も共有しており、日本に何をすべきか指示する必要はないと、こういった発言があったところでありますし、この発言があった後も、マレーシアでもより緊密な意思疎通をしておりますので、今後も意思疎通をしっかりした上で、三文書の改定については、我々が主体的な判断の下、具体的かつ現実的に議論を積み上げて内容に反映させたいと思います。
(以上)
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