小泉防衛大臣が再任後の記者会見 三文書改定、防衛産業融資、F-15トラブルなど(9月18日)
- 日本の防衛
2026-9-24 13:40
令和8(2026)年9月18日(金)15時20分~15時32分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
防衛大臣再任と戦略三文書改定
今日は、冒頭2件あります。引き続き、防衛大臣の任を預かることとなりました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙する中、また年内の三文書改定に向けた重要なこの時期に、改めて防衛大臣に任ぜられたことを大変光栄に思うとともに、自らの職責の重みを改めて痛感しています。
この1年目、防衛大臣として、今までの前例に捉われず、防衛力の抜本的強化、自衛隊員、隊員の御家族のために処遇の改善など、あらゆる政策の実現に向け、変えるべきところは変え、従来の常識に果敢に挑み、スピード感を持って政策実現を推し進めてまいりました。
そこを礎とした上で、三文書の改定の年内までという残された期日はそう多くはないことを強く認識し、1年目以上の速度と強度であらゆる取組を推進していかなければならないという危機感でいっぱいです。三文書の改定は、我が国の安全保障、そして地域全体に大きく関わるものであり、防衛省・自衛隊の総力を結集して、スピード感を持って取り組んでまいります。さらに、昨日、高市早苗(たかいち・さなえ)総理からいただいた御指示を重く受け止め、先ほど隊員への訓示で述べたとおり、防衛大臣としての私の使命を全力で全うする決意です。
なお、本日朝の日本テレビの番組におきまして、あたかも私がアンケートに熱心に書いたという放送がなされていましたが、全くの事実無根であり、日本テレビからも直接取材も確認もありません。冒頭1件目は以上です。
沖縄の基地負担軽減
2件目は、沖縄の基地負担軽減についてです。戦後80年を経た今もなお、沖縄県には多くの米軍施設・区域が集中しており、県民の皆様に大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止めています。今年4月には、喜舎場住宅地区の一部について返還について合意し、昨日新たにキャンプ瑞慶覧の一部土地の返還について日米で合意しました。基地負担軽減において重要なことは、一つ一つ着実に結果を出していくことです。
引き続き、普天間飛行場の一日も早い全面返還を含め、沖縄基地負担軽減を目に見える形で実現できるよう、新知事からの御意見も伺いながら、全力を尽くしてまいります。今日は冒頭2件、以上です。
記者との質疑応答
戦略三文書改定と総理からの指示
記者 :
冒頭の発言と重複するところがあり恐縮なのですけども、防衛大臣に再任され、改めて年内という改定の時期が迫る安全保障三文書について意気込みを教えてください。また、今朝の訓示でも言及されていましたが、高市総理からの指示の具体的な内容とその対応方針についてお伺いします。
大臣 :
三文書に関する私の思いは、今日の訓示でも述べたとおりでありますが、この改定は我が国だけではなくて、地域全体にも関わる、その未来を左右するものです。そして、年内の改定までもうあと2か月ちょっとと、2、3か月という時間ですから、あと僅かしかありません。そして、今の安全保障の状況を鑑みればですね、全く楽観視できるような要素はありません。
いついかなる形で力による一方的な現状変更が起きるか予測できない中で、絶対に新たな戦争を起こさせないために、防衛省・自衛隊の総力を結集させる必要があります。国民の皆様の命と暮らしを守り抜くために何が必要なのか、今後の防衛力の内容について、三文書の今年中の改定に向け、具体的かつ現実的に議論を積み上げていきたいと思います。
また、昨日は総理から指示書をいただきました。
その中身は、防衛力を抜本的に強化しつつ、防衛生産・技術基盤及び自衛隊の人的基盤の強化に取り組むとともに、戦略三文書の見直しに取り組むこと。日米同盟の抑止力・対処力を一層強化すること。二国間・多国間の防衛協力・交流を推進し、「自由で開かれたインド太平洋」を深化させ、地域の安全と安定を一層確保するための取組を主導すること。日英イタリアでの次期戦闘機の共同開発を確実に推進すること。在日米軍再編を進める中で、抑止力の維持を図るとともに、沖縄をはじめ地元の負担軽減を実現すること。緊張感を持って警戒監視・情報収集を行い、事態に応じて法令に基づき適切に対処すること。防衛省・自衛隊の信頼確保に全力を挙げ、任務の着実な遂行に万全を期し、また相次ぐ自然災害に対応し、人命救助や被災者支援に取り組むこと。あらゆる機会を捉えた日本の製品・サービス・インフラの同志国への輸出を増やす交流を行うこと。そして最後に、平和安全法制に関する事務を担当すること。これらの指示をいただきました。
高市総理からいただいたこの御指示を重く受け止めて、隊員への訓示で述べたとおり、防衛大臣として全身全霊で使命を全うする覚悟です。
安保三文書改定における政策議論と国民への説明
記者 :
関連でお伺いしたいです。安保三文書の改定に向けてなのですけれども、防衛力を抜本的に強化し、今後、防衛費も増額することが見込まれています。大臣は、これまで核をめぐってもタブーなき議論を訴えたりとか、原子力潜水艦に関しても選択肢として排除しない考えを示しています。
こうした様々な政策について、安保三文書の改定に当たって、どのように議論を進めていくお考えか、また国民にどのように説明し理解を求めていくお考えなのか、改めて教えてください。
大臣 :
それも今日の訓示の中でも、また今も繰り返し述べたところでありますが、今、日本を取り巻く安全保障環境を見ていただければ、楽観視できる要素は皆無だと言ってもいいと。そういった中で、防衛力の抜本的強化が必要だということは、私は国民の皆さんの理解を一定いただいている状況だと思います。その中で、これだけ厳しい、楽観視できる要素がないと言ってもいい、この状況の中で、あらゆる選択肢を排除せず議論することの必要性、それも今後も丁寧に国民の皆様にも様々な形でお伝えしていきたいと思います。
キャンプ瑞慶覧の一部土地返還
記者 :
先ほど冒頭の発言であった、キャンプ瑞慶覧の一部土地の日米合意について、もう少し詳しく内容を教えてもらえますでしょうか。
大臣 :
詳細につきましては、昨日、私の受けた報告だと、16時に公表してありますので、改めてその資料をお届けしたいと思います。
記者 :
分かりました。
大臣 :
いずれにしても、こういった形で一つ一つ着実に目に見える形で基地の返還、また負担軽減が進んでいくこと、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思います。
防衛産業への民間資金の供給
記者 :
防衛産業についてお伺いしたいと思います。
報道によると、三菱UFJ銀行が近く防衛関連企業に融資するための基準を作るという話が出ています。小泉大臣、この1期目の防衛大臣としてですね、これまで国内の防衛関連企業への民間資金の供給を拡大するために、例えば金融業界の関係者とかですね、意見交換を開くなど活動されてきています。今回のこの三菱UFJ銀行に関する報道についての受け止めを教えてください。
大臣 :
私は、常々、防衛産業は国民の命を守ることに直接つながる非常に重要な産業だと申し上げてきました。防衛関連企業が事業の拡大や継続を行うには、融資等を通じた金融機関の協力が欠かせません。今まで様々意見交換をさせていただいておりましたが、もしも日本の金融機関が日本の防衛産業に対して融資などをしないということであったら、外国のファンド、そしてまたベンチャー・キャピタルなどが日本の防衛産業を支えるけれども、日本は支えないという、こういったことになりかねません。
今年の5月、そういった中で、日本政策投資銀行は国際条約で禁止される非人道的兵器を除いて、武器や武器関連製品の事業に対する投資の制限を撤廃されました。そして本年7月には、私も現場を視察させていただいたプロドローン社がこの日本政策投資銀行から資金調達を行うなど、防衛産業を取り巻く環境も変わってきています。また本年7月に、全国銀行協会、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行等の方々と防衛分野におけるスタートアップを取り巻く金融面の現状や課題について意見交換を行い、スタートアップの防衛分野への参入や防衛産業の強化に向けて、金融機関や投資機関の方々にも後押しいただくようにお願いをさせていただきました。
報道のようにですね、今回、メガバンクが防衛分野への投資方針をより前向きに転換することになれば、防衛産業の成長に向けた非常に大きな一歩となります。防衛省としては、防衛分野に対する投資が進むように関係省庁と連携して、環境整備に取り組んでいきたいと思います。
空自那覇基地所属F-15の相次ぐトラブル
記者 :
航空自衛隊那覇基地所属のF-15戦闘機のトラブルが続発している件について伺います。F-15が、16日夜に米軍嘉手納基地に油圧系統の不具合により緊急着陸しました。8月18日には、那覇空港第2滑走路上で左の主脚が折れて動けなくなった事案がありました。その後、9月1日訓練飛行を再開しましたが、9月10日には油圧系統の不具合が発生しました。1か月で3回、F-15のトラブルが相次いでいますが、これまでどのような再発防止策を講じてきていますか。F-15の飛行停止も検討していますか、大臣の見解をお願いします。
大臣 :
まず現下の厳しい安全保障環境において、那覇の現場で隊員一人一人がスクランブルを含めた厳しい任務を日々しっかりと果たしてくれていることが、我々の平和と国民生活の安心、我々の経済活動を支えてくれているということはしっかりと申し上げておきたいと思います。
その上で、これまでの事案を受け、飛行前後の入念な点検を徹底し、機体の健全性を確認するとともに、操縦者に対し所要の教育を行うことで再発防止を図り、安全確保に最大限努めてきたところです。またこのような事案が生じた際には、安全性に関する過去の記録、事象に至る経緯、事象の概要、推測される原因等について網羅的に確認し、総合的に検討した上で、同型機の飛行停止や飛行見合わせをするか否かをその都度判断することとしていますが、御指摘のいずれの事案においても、飛行停止や飛行見合わせには至らないと判断しています。
引き続き、航空機の運用に当たっては、必要な点検や教育を実施して、飛行の安全確保に万全を期していきます。
(以上)
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