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木原防衛大臣、4月11日の臨時会見 うるま市における陸自訓練場の整備計画取りやめ

  • 防衛省関連

2024-4-11 18:35

 令和6(2024)年4月11日(木)18時15分から、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は防衛省A棟1階エントランスにおいて、沖縄県うるま市における陸上自衛隊訓練場の整備計画に関する臨時会見を行った。

大臣からの発表事項

大臣 :今日お集りいただいたのは、沖縄県うるま市における陸上自衛隊訓練場の整備計画についてでございます。
 防衛省としては、防衛力整備計画に基づきまして、南西地域の防衛体制を強化する一環として、令和9年度までに、沖縄に所在する陸上自衛隊第15旅団を師団化することを計画しております。これに伴い、沖縄本島において追加的に発生する訓練や物資の集積等の所要を満たすことが必要になるものと考え、昨年12月にうるま市における訓練場の整備計画を地元に御説明いたしました。
 この計画に関しては、本年2月の17日だったと思いますが、私が沖縄に訪問した際に、自分の目でその当該候補地をですね、上空からヘリで視察するとともに、中村うるま市長や自民党県連の皆様からの要請を受けまして、それを重く受け止め、我が国の防衛を全うする観点とともに、一番大事なのは住民生活との関係を重視するという観点から、取得後の土地の利用の在り方について改めて検討するよう事務方にその後指示を行いました。
 それ以降ですね、今日までの間、省内において検討を進めてきたところですが、私自身として、様々な地元の意見を直接、あるいは間接聴取し、特に本日ですね、中村うるま市長及び自民党の島袋県連幹事長からの重ねてのですね、要請を受けた結果、現在の取得候補地、ゴルフ場跡地においてはですね、住民生活と調和しながら訓練所要等を十分に満たすことは不可能であると判断したことから、うるま市における訓練場の整備計画を取りやめることとし、先ほど省内で幹部会議を緊急で行いましてですね、その旨を伝達をいたしました。そしてその後、記者の皆さんにお呼びかけをしたところでございます。
 防衛省としては、まずは何をおいてもうるま市をはじめですね、地元の皆様方にお詫びを申し上げます。また、この決定につきましては、事務方を通じて、うるま市等に速やかにお伝えするように指示を行ったところであります。
 加えて、防衛省としては、本島における陸上自衛隊の追加的な訓練所要を満たすための取組というものは、これは沖縄県民はもとより、国民の生命・財産を守り抜くために必要なことと考えております。したがって、今後は15旅団の師団化に伴う訓練等の在り方について、幅広い視点から再検討を行うよう、指示を行ったところであります。
 その再検討においては、省内でしっかり連携を図り、周囲の生活環境を含めた地元の状況をしっかりと、きめ細かく把握、そして分析した上で作業を進めていくよう、先ほどの決定に合わせてですね、関係幹部に指示を行ったところであります。

記者との質疑応答

記者 :今回、土地の取得というかですね、計画自体を取りやめるということだと思うんですが、今後ですね、沖縄県内にほかの訓練場の用地の取得とか、具体的なその計画、今後の計画についてあればお聞かせください。

大臣 :先ほど再検討と言いました、防衛力整備計画というのは令和9年度までの計画ですが、それまでの間にですね、15旅団を師団化するというその計画に変更はないわけであります。それに伴いですね、1個普通科連隊を増やすということ、当然、その隊員が増えるということは訓練もしなければいけません。訓練をしないとですね、これは部隊の能力を発揮することができませんし、その点においてはですね、玉城(たまき)沖縄県知事も理解をしていただいていると思います。
 先般、この15旅団は旅団長が代わったんですけども、確か今週だったと思いますけど、挨拶に行かれたときにですね、その15旅団のこれまでの功績といいますか、不発弾処理であるとか、あるいは離島においてですね、急患の輸送であったり、そういったことに対して評価をいただいております。また、その15旅団のヘリの急患輸送が1万回を達成した時には、感謝状も15旅団はいただいているところであります。
 そういった観点からすると、この15旅団の師団化というのは沖縄のために、あるいは沖縄県民のためにとっては欠かせないものだと、そういう評価だと思っておりますから、沖縄本島に所在する15旅団を師団に改編する、その一環として普通科連隊の2個目を新編する計画においてですね、訓練場の不足というのは補わないといけないということになるわけであります。
 このため、今般の整備計画は取りやめるものの、陸上自衛隊の追加的な訓練所要を満たすための取組は必要であるということから、今後はですね、15旅団の師団化に伴う訓練等の在り方について、幅広い視点から再検討を行うことといたします。今、先ほどの判断を私行ったばかりでありますから、現時点について、その内容について予断をもってお答えするということは、今難しいわけですが、あらゆる選択肢を検討して、適切な結論を速やかに得たいというふうに思っております。

記者 :訓練場の不足は補わないといけないということなんですけれど、大臣、先日の安全保障委員会の方で、予算を土地取得費を盛り込んでいることについて、今回の予定地が購入できなくても、本島内で訓練場を準備しないといけないからだというふうにおっしゃっていましたが、その考えは今も変わらないということで、引き続き、予算、土地の取得費は維持していくということでよろしいのでしょうか。

大臣 :沖縄本島において訓練場が不足するということになります。これ物理的な問題ですよね。そこで今後どうするかというのは、15旅団のですね、師団化になって訓練等の在り方、そこからやっぱり検討しなければいけないんだろうと、そういった幅広い視点から再検討を行うことになります。その上でですね、いろんな選択肢があると思いますから、あらゆる選択肢は排除せずに検討し、その中で適切な結論を得たいと思います。そういうことですから、令和6年度予算の中に不動産取得費でしたかね、その品目はちょっと正確でないかもしれませんが、そこは計上しておりますが、そこはですね、しっかりと活用させていただきたいというふうに思っております。ただ、今年度予算ですけども、15旅団の師団化というのは、令和9年度までですが、ちょっと多少ずれますけども、しかし、速やかに訓練場を獲得するという観点からですね、この予算というものは引き続き防衛省の中でですね、検討していくことになります。

記者 :東山のカントリークラブ、ゴルフ場の跡地の土地取得自体も取りやめるという理解でまずよろしかったかというのが1点と、今日、大臣、午前の安全保障員会でも取りやめるというお話はされていなくて、要請受けて、また状況を見ていくというような御答弁だったと思うのですけれども、それから夕方うるま市長、先ほどですね、御要請を受けて、今この公表に至るまで非常に短い時間だと思うんですけども、このタイミングで取りやめを表明されたというのは、要請を受ける前までにそういうお気持ちというか判断がある程度固まっていたからなのか、それとも全く、うるま市長の要請を受けてそういうに判断に急転したのかという部分、改めてお伺いできればと思います。

大臣 :まずゴルフ場跡地ですね、石川のゴルフ場跡地は取得しないということであります。前段はそういうことですね。
 それで後段の質問は、私はもうこのゴルフ場については取得をした後、その使用の方法についてですね、再検討を指示したわけです。取得した上で、住民生活との関係を重視するという観点からですね、いろいろと国会の中でも答弁をさせていただいたと思います。いわゆる教育施設の近いところのですね、市民の皆さんとの交流の場にするであるとか、あるいは訓練場の一部をですね、防災拠点化するであるとか、そういった地元の皆様方に理解を得やすいような提案をですね、再提案を指示していたわけです。逐次ですね、その再提案についてはこうだ、ああだ、こういうのはできるかということをですね、逐次報告は受けていたところです。
 その中で、いろいろな再提案でもですね、私としては決め手となるようなですね、提案、つまり住民生活との関係を重視する、そして訓練場の使用と並行してそれが成立するかどうかということを考えたときに、いろいろと結論に至るまではそれなりに時間はございましたので、別に今日の昨日というわけではございませんで、そして決め手となったのは今日ですね、うるま市長が、地元の首長ですから、自ら市ヶ谷に足をお運びになった、そしてその市議会での決議の経緯などもお聞きしましたし、そして島袋県連幹事長からもですね、県連としてですね、あるいは自民党の県連としてのお考えということも改めてお伺いしました。
 また、島尻安伊子(しまじり・あいこ)代議士も、地元の選出の国会議員としての立場としての御意見も承る中でですね、それがちょうど今日受けたのが4時でしたけれども、4時でしたね、そして4時半ぐらいには解散をしましたが、その後、私は熟慮に熟慮を重ねてですね、5時に緊急幹部、関係する局長クラス以上を集めまして、そこに指示を出して、急遽集まってもらいですね、5時に揃いましたので、そこで私なりの考えを一通り述べさせていただいてですね、そして今申し上げたような最終的な判断、指示を出したということになります。
 そして今6時半に至るということですので、私の中では短い時間というよりも、結構、2月の17日にですね、上空を自らの目で視察して以降、それまでの間、時間は十分にかけながらですね、それでも最後まで、やはり土地の取得、そして利用の在り方を考えるということ、この軸はずっと持ってましたけれども、今回、この時点においてですね、5時10分だったと思いますけれど、そういう結論に至ったと、ある意味政治判断になります。

記者 :今回、これまでの経緯を振り返ってですね、事前に地元との調整が不足していたとかですね、そういったことを今、お感じになっているでしょうか。

大臣 :地元に対する説明等ですね、私は沖縄防衛局をはじめ、丁寧に行ってきたというふうには思います。しっかりと、従来、これまでもですね、土地取得というのは、いろんなところで行ってきております。沖縄だけではなくて、全国各地行っておりますが、そのプロセスについてはちゃんと踏まえていたんだというふうに思います。しかしながら、地元の幅広い層から厳しい意見が、また徐々に起こってきたということを考えるとですね、結果として、今回は取得、整備計画を取りやめということになりましたので、そういうことを踏まえると、もっと地元の状況についての把握、そして分析、検討が結果として不十分だったというふうに私は評価をしているところであります。

記者 :今回、計画の取り下げを判断されたわけですけれど、候補地の選定から、地元との調整に至るまで、どこに一番問題があったというふうに大臣はお考えですか。

大臣 :訓練場の候補地が、住宅地やその教育施設と近接しているというところ、それがやっぱり最大の起因ではないかなと思います。その要請の文言なんかを見てもそうではないかなと思います。

記者 :候補地の選定がそもそもやっぱり、適してない場所を選んでしまったという、そこの判断が間違っていたということでしょうか。

大臣 :近接していてもですね、その程度の問題もあると思いますし、あるいは訓練場の使い方によってそれを克服する方法もあったかと思います。それを私どもは追求していたわけですよね。土地取得後の利用の在り方について、住民の方々と妥協点はないかということを追求してきたわけです。全国各地の基地・駐屯地の中でもですね、そういう所がいくらでもございますので、ですから、今回もそれが可能ではないかということをぎりぎりまで追求していたということになります。程度の問題だと思います。ですから、そもそも、先ほどと同じになりますけれども、このゴルフ場跡地を選考するに当たっての状況の把握とか分析とか検討はですね、不足してたということなんだろうと思います。

記者 :先ほど御説明の中で、今の土地だと住民生活との調和が不可能だという判断されたということなんですけれども、今後、師団化するに当たって検討していく中身としては、新たな案は住民生活との調和というのが条件となると考えてよろしいかどうかとういうのと、今回の取りやめの判断の材料に地権者の意向であったり、地権者との交渉の状況というのが反映されているかどうか教えてください。

大臣 :再検討に当たってはですね、これは沖縄の今回の件に限らずですね、これは住民生活との関係を重視するという観点というのは、防衛省・自衛隊は常にこの観点は持っています。今回においても、省内でですね、これはやっぱりしっかり連携を図りながら、訓練場の周囲の生活環境を含めた地元の状況、よりきめ細かくですね、把握して、そして先ほど言ったように分析をして、作業というものを進めなければいけないというふうに思います。

記者 :地権者との交渉の状況であったり、地権者の意向というのが今回の判断の材料になったのかどうかということは。

大臣 :地権者とは民間の方ですので、当然交渉をする中でですね、地主さんとは様々な価格の問題、交渉の条件とか、価格とかそういった問題もあると思うんですけれども、今回はそういったことが交渉*を取りやめる材料になったとは思っておりません。

* 大臣発言中、交渉(誤)を計画(正)に修正

以上

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