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統合・陸上・海上・航空の4幕長が年頭の挨拶(2026年1月1日)

  • 日本の防衛

2026-1-2 18:00

 令和8(2026)年1月1日(木)、統合幕僚監部および陸・海・空自衛隊の公式サイトにおいて、各幕僚長が年頭の挨拶を掲載した。

 いずれの幕僚長も、一層厳しくなる日本の安全保障環境に触れたうえで、具体的な方策や装備に言及し、それぞれ率いる隊員たちの長として令和8年に期する抱負を語っている。

 以下に全文を転載する。

統合幕僚長から皆様へ

  新年のご挨拶-新たな統合運用体制で迎える新年、至誠で未来を拓く

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。皆様におかれましては、平素より自衛隊の活動に温かいご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

 世界情勢に目を向けますと、国際秩序が揺らぎ、不安定要因が輻輳する中、我が国を取り巻く安全保障環境もかつてない厳しさに直面しています。中国は周辺海空域での活動を拡大・活発化し、北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返しています。中東情勢は緊張を孕み、ロシアはウクライナ侵略を続けつつ中国・北朝鮮との連携を強めています。また、近年、地震、台風、線状降水帯による大雨、林野火災などの多様な自然災害が激甚化し、頻繁に国民の安寧を揺るがしています。

 このような情勢下にあって、自衛隊は国民の命と平和な暮らし、そして領土、領海、領空を守り抜くため、昼夜を問わず警戒監視や情報収集にあたるとともに、領域横断作戦能力の向上に努めています。また、海賊対処、国際平和協力活動など、国際社会の安定に寄与する任務にも誠意をもって取り組み、災害の発生に際しては迅速に部隊を派遣して人命救助や生活支援を実施し、実績を積み重ねてまいりました。

 本年も、統合運用を進化させる五つの柱 Integration(一体化)、Interoperability(相互運用性)、Inter-connectivity(連結性)、Intensity(強度)、Innovation(変革)を重視し、安全保障の諸課題に至誠をもって冷静かつ毅然と対応してまいります。また、日米同盟の抑止力と対処力の強化、同志国との協力深化を通じ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に貢献してまいります。併せて防衛力の抜本的な強化と次代を見据えた検討においても役割を果たしていく所存です。

 自衛隊の活動は、国民の皆様のご理解と信頼によって支えられております。皆様の温かい励ましの言葉を胸に刻み、駿馬のように力強さとスピード感をもって新たな目標に挑み続けます。

 新しい一年が、皆様にとって健やかで幸多きものとなりますよう、心より祈念し、新年のご挨拶といたします。

[統合幕僚長 内倉浩昭(うちくら・ひろあき) 空将]

(以上)

令和8年陸上幕僚長年頭の辞

~「強靭な陸上自衛隊の創造」に向けて~

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。平素より陸上自衛隊に対する御理解と御厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

 さて、国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入しており、中国による軍事活動の拡大・活発化、北朝鮮による核・ミサイルの増強、ウクライナ侵略を行う中でのロシアによる軍事活動の継続、不透明な中東情勢の継続等、我が国は依然として戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しております。

 このような中、昨年、陸上自衛隊は、林野火災や台風22・23号の発生に伴う八丈島への災害派遣を始めとした、国内外における各種任務を遂行しつつ、防衛力の抜本的強化に係る取組を推進してまいりました。また、同盟国・同志国等との防衛協力・交流を通じた連携強化、過去最大規模での米海兵隊との実動訓練の実施や日米豪共同指揮所演習及び米豪軍との実動訓練の連接による訓練効果の増大など、作戦遂行能力を向上させ、地域の平和と安定に寄与してまいりました。

 本年、陸上自衛隊は、政府が目指す安保関連三文書の改定を見据え、防衛力の変革に係る各種検討に積極的に参画するとともに、「防衛力整備計画」の4年目として、情勢の変化や技術の急速な進展等に伴う戦い方の変化に適応しつつ、陸上防衛力の抜本的強化を引き続き推進してまいります。また、統合運用体制下、事態等に即応し、任務を必ず成し遂げて国民の負託に応えるべく、強固な団結、厳正な規律、旺盛な士気を保持しつつ、精到な訓練等を通じて、所望の練度・能力を備えた部隊等を創造・育成してまいります。

 隊員一人一人が自らの役割を至当に認識し、それを果たすべく、積極進取の気概と姿勢をもって、任務や訓練に励むことが、抑止力・対処力を確固たるものにし、国防の任を全うすることになるという認識の下、「強靭な陸上自衛隊の創造」に向け職責を全うすることをお誓い申し上げますとともに、皆様にとって心穏やかな一年になるよう心からお祈り申し上げます。

[陸上幕僚長 荒井正芳(あらい・まさよし) 陸将]

(以上)

海上幕僚長メッセージ

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 旧年中賜りました数々の御支援、御厚情に対し、海上自衛隊を代表して心より御礼申し上げます。

 昨年を振り返りますと、海上自衛隊は、インド太平洋方面派遣を中心に、共同訓練等により同盟国・同志国等との連携を強化しました。特に、8月からの英空母打撃群との訓練や交流は、わが国の防衛協力の幅を広げ、海洋安全保障における信頼関係を一層深める機会となりました。また、数多くの人的交流も行いました。特に、10月には米海軍・海兵隊創設250周年記念行事に参加し、米海軍作戦部長等に祝意を直接お伝えして強固な日米同盟を再確認するとともに、同行事に参加した各国海軍代表者との交流を深めてまいりました。

 一方、国際社会は戦後最大の試練の時を迎えています。世界平和の既存の秩序は深刻な挑戦を受け、わが国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑なものとなっています。中国の海洋進出、これに伴う台湾海峡や南シナ海における緊張、ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮の弾道ミサイル発射など、国際秩序を揺るがす行動が続いています。さらに、サイバー空間や宇宙領域における脅威も増大し、複合的な安全保障課題への対応が不可欠です。私は、この現実を直視し、海上自衛隊が果たすべき役割はますます重要になっていると強く認識しています。

 こうした中、海上自衛隊は、精強で誠実な組織として任務を遂行することを基本に、能力強化を進めています。スタンド・オフ防衛能力の整備はその象徴です。護衛艦「ちょうかい」は本年にトマホーク巡航ミサイルを搭載し、海上におけるスタンド・オフ防衛能力の先駆けとして新たな役割を担います。「いずも」型護衛艦の改修とF-35Bの着実な整備は、海上・航空の統合運用の強化につながり、統合作戦司令部の統合運用能力を高める取組と連動し、即応性と抑止力を飛躍的に向上させるものです。加えて、無人化技術や人工知能の活用など、革新技術を積極的に取り入れた持続的な防衛態勢の構築も不可欠です。

 また、豪州の次期汎用フリゲートに「もがみ」型護衛艦能力向上型が選定されたことは、日豪防衛協力の深化を象徴するものであり、わが国の技術と信頼が国際的に高く評価された証です。こうした成果は、わが国の技術力と国際的な役割の拡大を示すものであり、今後の防衛協力の基盤となります。

 さらに、海上自衛隊を より精強・誠実 にするための取り組みである『「 よりS2 」検討』も開始から早1年以上が経過し、日々様々なことに取り組んでおります。今後も検討会議などで導出した取り組みを継続してまいります。 人的基盤の確保も喫緊の課題です。多様な人材の募集を強化し、処遇改善などを進めることで、隊員が安心して力を発揮できる環境を整えます。勤務環境の充実やライフプランとの両立を図り、将来にわたって精強な部隊を維持するための基盤を築いてまいります。加えて、昨年は女性・平和・安全保障(WPS)推進計画を策定しましたが、引き続き本年も多様な人材の活躍を促す環境整備にも取り組んでまいります。

 結びに、海上自衛隊は、国民の負託に応えるべく、使命達成に邁進する決意を新たにいたします。本年が皆様にとって健やかで実り多き一年となりますことを心より祈念申し上げるとともに、引き続き御理解と御協力をお願い申し上げ、年頭の御挨拶といたします。

令和8年1月1日 海上幕僚長 海将 齋藤 聡(さいとう・あきら)

航空幕僚長挨拶

 航空自衛隊ホームページをご覧の皆様、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 旧年中、航空自衛隊に対する深いご理解と温かいご支援を賜り、心より御礼申し上げます。

 また、昨年発生した複数の事故により、多大なご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。航空自衛隊一丸となって安全確保に全力を尽くしてまいります。

 さて、昨年を振り返りますと、ロシアによるウクライナ侵略の終結の兆しが見えない中、中東情勢も混迷を極め、6月にはイスラエルとイランの攻撃の応酬が続きました。このため、邦人等の輸送準備を目的として、航空自衛隊輸送機をジブチ共和国へ派遣しました。

 我が国周辺においても、尖閣諸島周辺における中国海警船搭載ヘリによる領空侵犯をはじめ、中国無人機による南西域での飛行、沖縄本島と南大東島等の間における中国空母からの戦闘機等の複数回の発着艦、中露の爆撃機による東シナ海から四国沖の太平洋にかけての長距離にわたる共同飛行が確認されるなど、航空活動の活発化が顕著な状況です。さらに、中国空母2隻が同時に太平洋で活動するとともに、電磁カタパルトを採用した空母が就役し、北朝鮮も弾道ミサイル等の発射を繰り返すなど、我が国を取り巻く安全保障環境は、年々「厳しさ」と「複雑さ」を増しています。

 航空自衛隊が将来にわたり国民の負託に応え続けるためには、急速に変化する時代に適応し、自ら変革を遂げ、統合運用に資する精強な組織であり続けなければなりません。また、力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境を創出するためには、同盟国のみならず、一か国でも多くの国々との連携強化が極めて重要です。

 このような中、国家防衛戦略に示された7つの重視分野(スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセット防衛能力、領域横断作戦能力、指揮統制・情報関連機能、機動展開能力・国民保護、持続性・強靭性の獲得・強化)の完整に向け、F-35Bの配備を開始するなど、防衛力整備を着実に推進しました。さらに、多国間の関係強化に注力し、特に昨年9月には、航空自衛隊の戦闘機が輸送機及び空中給油・輸送機と連携し、初めてカナダ及び欧州(イギリス、ドイツ)に展開しました。これにより、欧州・大西洋及びインド太平洋の安全保障が不可分であり、相互に連関しているという認識を航空自衛隊として体現することで、信頼関係を強化させてまいりました。

 本年は、宇宙作戦団(仮称)の新編を予定するなど、航空自衛隊が「航空宇宙自衛隊」へと飛躍を遂げる上で極めて重要な一年となります。予断を許さない安全保障環境下において、航空自衛隊が真に精強な組織であり続けるべく、スピード感をもって防衛力整備を進めるとともに、防衛交流や各種共同訓練の機会を最大限に活用し、同盟国や同志国等との連携強化、相互運用性の向上に努めてまいります。また、処遇改善にも引き続き注力し、隊員一人ひとりが誇りをもって職務に専念できる環境作りに取り組んでまいります。

 本年も、変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。

令和8年1月1日 航空幕僚長 空将 森田 雄博(もりた・たけひろ)

(以上)

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