米国とイスラエルがイランを攻撃 外務省、防衛省の対応(3月2日、3日のまとめ)
- 日本の防衛
2026-3-4 10:52
米国とイスラエルによるイラン攻撃およびイランによる中東諸国への報復攻撃を受けて、外務省では在留日本人の安全を確保するための措置などを講じている。令和8(2026)年3月2日(日)〜3日(月)に防衛省と外務省の公式サイトで発表されたイラン、中東関係の動きを、以下にまとめて転載する。
イラン情勢に係る諸外国との意思疎通(防衛省、3月2日 掲載)
イラン情勢について、小泉進次郎防衛大臣をはじめ、防衛省・自衛隊は、同盟国である米国や中東諸国を含む諸外国との間で緊密に意思疎通を行っています。

※こちらのリリースは3月4日19時15分、記事に追加しました。
小泉防衛大臣閣議後会見(防衛省、3月3日08:42~08:51)

※小泉防衛大臣からの発表事項は、ブルーインパルスの話題なので割愛します。
質疑応答1:中東派遣部隊の活動などに変更は生じるか
記者:
イラン情勢について伺います。攻撃が周辺国にも拡大していますが、中東で活動中の護衛艦や哨戒機、ジブチの部隊などについて活動地域や運用を変更する考えはありますでしょうか。また、中東からの邦人輸送に向けた自衛隊の準備状況や対応をめぐる最新の検討状況を伺います。あわせてですね、大臣は米国の軍事行動の評価について、支持するのか、支持しないのか、改めてお考えをお聞かせください。
大臣:
現在、中東・アフリカ地域においては、約400名の隊員が、海賊対処行動、そして日本関係船舶の安全確保のための情報収集活動に従事していますが、部隊の隊員の安全確保に万全を期すのは当然のことです。今後の活動の具体的な内容については、予断を持ってお答えすることは差し控えますが、引き続き、関係省庁及び関係国と緊密に連携し、情報収集に努め、部隊の安全確保が図られるよう、適切に判断してまいります。次に、邦人輸送につきましては、自衛隊においては、外務省からの要請に応じて、迅速かつ的確に行えるよう、常に、部隊を速やかに派遣する態勢を整えています。引き続き、邦人の安全確保に万全を期すため、関係省庁と緊密に連携し、適切に対応してまいります。最後の点ですが、今回のアメリカの行動の評価についてのお尋ねですが、今回のアメリカによる攻撃につきましては、引き続き、情報収集中であります。外務大臣談話で述べているとおり、イランによる核兵器開発は決して許されないというのが我が国の一貫した立場であり、また、アメリカ・イラン間の協議はイランの核問題の開発のために極めて重要であり、これを強く支持してきました。我が国として、事態の早期鎮静化に向けて、国際社会とも連携し、適切に対応してまいります。
質疑応答2:ホルムズ海峡の封鎖の影響について
記者:
イランの関係で伺います。ホルムズ海峡の封鎖について伺います。今後ですね、閉鎖によって燃料価格が高騰して、国民生活に深刻な影響が出る可能性もあると思いますけれども、小泉大臣、こういった事態をですね、安全保障上の存立危機事態、こういったものの認定につながる可能性があるとお考えでしょうか。
大臣:
まず、存立危機事態とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態を言います。いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断することとなりますが、現在の状況が存立危機事態に該当するといった判断は行っていません。いずれにせよ、ホルムズ海峡をめぐる情勢については、事実関係等について鋭意情報収集を行っているところであります。引き続き、動向を注視して、仮定の質問へのお答えは差し控えたいと思います。
※以下は、普天間基地関連と国際女性デー関連の話題なので割愛します。
茂木外務大臣会見記録(外務省、3月3日17時45分 於:本省会見室)

冒頭発言 イラン情勢への日本の対応
【茂木外務大臣】昨晩、イラン、そして、イスラエルの大使、個別であります。それから、周辺国の大使、もしくは臨時代理大使と面会をいたしました。その件については、既に発表させていただいたとおりであります。
同時に、昨日、イスラエルから退避を希望する邦人について、5名の方、退避の支援を行いまして、無事ヨルダンのアンマンに到着したと、この件についても、既に発表させていただいたとおりであります。
私の方からは以上です。
質疑応答 イラン情勢(戦争長期化の可能性)
【共同通信 恩田記者】冒頭御紹介のありましたイラン情勢について伺います。トランプ米大統領は、対イランの軍事作戦は、必要であれば4週間から5週間続けると述べて、更に長期化の可能性にも触れています。米軍関係者にも犠牲が出ていますが、日本として、今回の攻撃を支持できるかどうか伺います。また、民間人にも被害が出ている中で、早期の停戦に向け、日本として、どう働きかけをするか伺います。よろしくお願いします。
【茂木外務大臣】イランによります核兵器開発。これは国会でも答弁させていただいておりますが、決して許されないというのが我が国の一貫した立場であります。
また、我が国としては、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきました。その上で、我が国として、これまで関係国等とも連携しつつ、イランの核問題の解決に向けた外交努力を行ってきたところであります。そして、米・イラン間の協議、これは、イランの核問題の解決のために極めて重要であり、我が国としては、これを強く支持してきました。
その上で、今、何よりも重要なことは、事態の早期沈静化であると考えております。このために、私自身も 必要な外交努力行ってきておりまして、事態発生翌日の3月1日の朝には、G7の外相会合、これも実施をいたしました。
また、昨晩の大使等の会談につきましては、既に発表したところであります。これからも、電話会談を含めて、様々な働きかけは行っていきたいと思っておりまして、その都度発表させていただきたいと思っておりますが、今後もあらゆる機会を捉えて、関係国との意思疎通、及び連携を深めていきたいと、こんなふうに考えております。
イラン情勢を受けた邦人保護
【産経新聞 永原記者】私もイラン情勢についてお伺いします。大臣、昨日の衆院予算委員会で、イランの周辺国に7,700人の邦人がいることが明らかにされました。この7,700人がどの国に滞在しているのか、詳しい内訳と、今回、イランの攻撃が非常に広範囲に及んでいますが、どういった形で安全確保を図っていくのか、大臣のお考え、方針をお聞かせください。
【茂木外務大臣】申し上げておりますのは、イランだけではなくて、イラン、イスラエルの周辺国という形でありまして、その数が大体全体で7,700名となると。詳しい内訳、必要ですか。
クウェートに約160名、サウジアラビアに約720名、バーレーンに約190名、カタールに約710名、UAEに約5,500名、オマーンに約60名、ヨルダンに約210名、レバノンに約60名、そして、イラクに約120名、こういう内訳になっております。
外務省としては、イラン、イスラエルの周辺国を含みます地域全体の邦人保護、及び、海路・空路の状況把握を行いまして、関係者への情報提供を行うため、周辺国在住の在外公館から、1日3回の定期連絡、これを行うとともに、重要な情報については、即時に領事メール、これを発出しているところであります。
この領事メールは、たびレジ等に登録された方に配信される他、海外安全ホームページに掲載されまして、渡航中の方のみならず、本邦企業であったり留守の御家族の方々にも、広く御覧いただける形となっております。
また、実際現地で困難な状況がある場合には、最寄りの在外公館の領事が、相談・対応する体制、これを整えているところであります。
なお、昨日、3月2日、イスラエルからの出国に関しましては、既に報告をさせていただいたところであります。
引き続き、現地の状況であったりとか、邦人のニーズを踏まえて、万が一の事態に備えて、退避の準備を含めて、邦人の保護に万全を期していきたい、こんなふうに思っております。
失礼しました。オマーン60名と、私、言ったようでありますが、正しくは90名です。
イラン情勢(イランの核開発等)
【パンオリエントニュース アズハリ記者】(以下は英語にて発言)
私の質問もイラン情勢についてです。
日本は、イスラエル及びアメリカによる攻撃について、イランに責任があるとの立場をとっているように見受けられます。これは、イランの核開発の野心がそのような攻撃を正当化し得るものであったことを示唆しているようにも思われます。
日本は、イランが核兵器を追求しているとするその主張を、どのような根拠に基づいて行っているのでしょうか。
また、イスラエルの核兵器についての日本の立場についても御説明いただけますか。イスラエルの核兵器は、中東諸国全体にとっての資産であると考えられているものですが、日本はこれをどのように見ているのでしょうか。
さらに、すべての当事者と良好な関係を維持している日本として、全体としての緊張緩和に向けた何らかの措置を検討しているのでしょうか。
以上、お伺いいたします。
【茂木外務大臣】 これまで日本は、イランの核問題、対話を通じた解決のために、外交努力を続けてきたところでありまして、イランに対しても、米国との協議であったりとか、国際原子力機関(IAEA)との完全な協力を求めてきました。核濃縮がイランにおいて進んでいた、このことについては御存じだと思います。そういう状況の中で、イランは、IAEAとの完全な協力に応じない姿勢を示してきておりまして、イランによります核開発に関する一層の透明性の向上が必要である旨は、日本としても、これまでも、一貫して主張をしてきたところであります。
また、イスラエル、自国の核兵器保有を確認も否定もしないとの方針をとっていると、このように承知をいたしております。いずれにしても、我が国は、国際的な核不拡散体制の維持・強化を重視する立場から、イスラエルを含みます関係国に対して、こうした我が国の考え方、引き続き、しっかりと伝えていきたいと考えているところであります。
イラン情勢(イラン攻撃に対する政府の立場)
【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】 イスラエル情勢について伺います。イランには、米本土を直接攻撃する能力がなく、差し迫った危険性もないにもかかわらず、将来の危険性を理由に、体制転覆を目的とした先制攻撃を行うのは、国際法が禁じている予防攻撃であり、決して正当化できないことは明らかだと思われます。現在は、戦争抑止のための国際法や国際秩序が瓦解するかどうかの歴史的分岐点だと考えます。また、石油危機の再来は、狂乱物価の再来をもたらすと思われます。日本の国益の観点から、また、法的正当性の観点から、この度のイランへの攻撃を、茂木大臣は、どのように御覧になっているでしょうか。
【茂木外務大臣】今、既に、先ほどの質問でお答えさせていただいたことで、今の質問には全てお答えしていると思います。
フランスの核戦力増強
【中国新聞 下高記者】フランスのマクロン大統領が、核弾頭数を増加させると表明しました。大臣の受け止めをお願いします。また、日本政府が重視してきたNPT体制では、核軍縮交渉義務を定めていますが、この体制にどのような影響があると考えますか。また、日本政府が目指す核兵器のない世界に向けた、与える影響も併せて御見解をお願いします。
【茂木外務大臣】現地時間の2日、マクロン大統領が、核抑止に関する演説を実施しまして、フランスの保有する核弾頭数の増加を指示した旨述べたことについては承知をいたしております。
第三国の政策についてコメントをすることは差し控えたいと思いますが、今回公表された方針の背景であったりとか、問題意識について、フランスと緊密に意思疎通を行っていくとともに、事実関係の確認も含めて、関心を持って注視をしていきたいと、こんなふうに思っております。
いずれにしましても、我が国としては、唯一の戦争被爆国として、「核兵器のない世界」の実現に向けて、NPT体制の下、現実的かつ実践的な取組、これを引き続き、推進していきたいと、こんなふうに考えております。
※以下は、カーニー・カナダ首相の訪日の話題なので割愛します。
(以上)
日・オマーン外相電話会談(外務省、3月3日)
3月3日、午後6時25分から約15分間、茂木敏充外務大臣は、バドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ・オマーン国外務大臣(H.E. Sayyid Badr bin Hamad al Busaidi, Foreign Minister of the Sultanate of Oman)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭、茂木大臣は、現下のイランをめぐる情勢について、米国とイランとの間の協議においてバドル外相が自ら仲介を行うなど、オマーンが粘り強い外交努力を行ってきたことを高く評価している旨述べつつ、事態の早期沈静化、対話を通じた問題解決が何よりも重要である旨述べました。
2 また、茂木大臣は、現在のイランをめぐる地域情勢の悪化を深刻に懸念していることを述べた上で、我が国が、イランに対して、核兵器開発及び周辺国への攻撃を含む地域を不安定化させる行動をやめるとともに、外交的解決を強く求めている旨述べました。さらに、オマーンに隣接するホルムズ海峡の安全な航行の確保や地域に滞在する邦人の安全確保等についてオマーンとも連携・協力したい旨述べました。
3 これに対しバドル大臣から、対話を通じた外交手段による問題解決の重要性が強調されるとともに、事態の早期沈静化及び地域の平和と安定のために日本とも連携していきたい旨の発言がありました。
現下の中東情勢を踏まえた「たびレジ」登録・在留届提出のお願い(外務省、3月3日)
現下の中東情勢を踏まえ、イラン周辺国を含む地域全体の邦人保護および海路、空路の状況把握と関係者への情報提供に万全を期するという観点から、現在、イラン周辺の中東諸国に渡航されている「たびレジ」登録者や、在留届の提出者の方に対して、現地の安全情報やフライトの運航状況の最新情報を、在外公館より随時発信しています。
緊急事態が発生した場合には「たびレジ」や在留届を通じて安否確認も行います。日本のご家族や職場の方も追加登録が可能です。「たびレジ」登録・在留届提出をお願いします。
(以上)
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