小泉防衛大臣が臨時会見 真駒内・千歳基地視察、25式高速滑空弾の配備などに言及(5月23日)
- 日本の防衛
2026-5-27 11:00
令和8(2026)年5月23日(土)17時10分~17時20分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、航空自衛隊千歳基地において、臨時記者会見を行った。この会見は、陸上自衛隊真駒内駐屯地及び航空自衛隊千歳基地視察後の臨時会見で、以下のように大臣からの発表と記者との質疑応答が行われた。
大臣からの発表事項
本日、陸上自衛隊真駒内駐屯地に所在する自衛隊体育学校冬季特別体育教育室と航空自衛隊千歳基地を視察しました。真駒内駐屯地内には、今年で10年目を迎える自衛隊体育学校の冬季特別体育教室があり、全国の部隊から選抜された隊員が集結し、クロスカントリースキー競技や、バイアスロン競技といった東京オリンピック種目の錬成を目的として日々の練習を重ねています。これらの競技は射撃能力や持久力といった自衛官にとって重要な基礎技能と親和性が高く、競技教育と職務能力の両立をさせるものとして位置付けられています。また競技選手と懇談する中で、隊員からは様々な要望がございました。真駒内からメダリストを輩出できるよう、また安心して訓練に集中できるよう努力してまいります。
その後、協力団体の皆様や隊員の御家族の方々との交流を通じて、改めて皆様の多大なる御支援・御声援により、競技選手たちが日々の厳しい訓練に専念できていることを実感した次第です。こうした周囲の支えが選手一人一人の力を最大限に引き出し、我が国の代表としての活躍を力強く後押ししているものと考えています。この場をお借りして改めて心より感謝申し上げます。
そして、ここ航空自衛隊千歳基地では、我が国の領空を侵犯する恐れがある航空機に対し、緊急発進などを行う第2航空団を視察しました。ここではスクランブルのデモンストレーション展示を視察したほか、隊員が緊急発進に備えて待機する待機所においてブリーフィングを受けました。こうした対領空侵犯措置は24時間365日態勢で対応する必要がある体力的にも精神的にも厳しい任務です。戦闘機に搭乗するパイロットのみならず、地上の管制官や整備員が、この任務に従事する隊員一人一人が、いずれも高い士気を維持し、一丸となって任務に当たっている姿を目の当たりにし、大変頼もしく感じました。隊員からは意見交換の中で様々な要望をいただきましたので、持ち帰って検討したいと思います。
さらに、近隣に所在する陸上自衛隊北千歳駐屯地、北恵庭駐屯地、南恵庭駐屯地の機甲科部隊の隊員とその御家族との時間を設けました。先月、日出生台演習場で発生した事故を受けて、隊員やその御家族に不安な思いを持たれている方もいらっしゃいます。このため、少しでもその不安を和らげるよう、陸上幕僚長とともに安全管理の徹底に関する御説明などをさせていただいたところです。
今回の視察を通じ、部隊の現状について理解を深めたとともに、自衛隊が世界で最も隊員の命を大切にする組織であるため、必要な措置に全力で取り組み、防衛大臣として隊員の先頭に立って、国民の命や平和な暮らしを守り抜く。そしてその任務に当たる隊員一人一人とその御家族を守り抜くという強い覚悟を改めて胸に刻みました。今日はこの後、航空自衛隊千歳基地の協力団体の皆様や隊員の御家族の方々と交流の機会を得る予定です。日頃からお世話になっている方々に、防衛大臣として心からの感謝をお伝えしたいと思います。冒頭は私からは以上です。
記者との質疑応答
ロシア機への緊急発進と北の守りの重要性
記者 :
北の守りの最前線である北海道の自衛隊の重要性について伺います。政府は南西シフトを進めておりますけれども、昨年度のロシア軍に対するスクランブルは200回を超えるほど、極東地域におけるロシア軍の活動は依然として活発な状況です。さらに、ロシア・中国が日本周辺で共同飛行を行うなど両国での活動も活発化していますが、こうした脅威とですね、最前線で対峙する同盟部隊の重要性や意義について、改めて教えてください。
大臣 :
ロシアは北方領土を含む極東地域において活発な軍事活動を継続しており、例えば、令和7年度のロシア機に対する航空自衛隊の緊急発進回数は、御指摘のように200回を超えています。さらに、昨年12月には、中国・ロシア両国の爆撃機が我が国周辺において長距離にわたる共同飛行を行うなど、ロシアの軍事動向は中国との戦略的な連携と相まって、防衛上の強い懸念となっています。
こうした中、ここ千歳基地に所在する第2航空団は、24時間365日態勢で我が国周辺の空域を監視し、領空侵犯の恐れがある航空機を発見した場合には、戦闘機を緊急発進させて対応しています。また、真駒内駐屯地の部隊は、万が一我が国への侵攻があった場合にも、日本の防衛を全うできるよう、日夜厳しい訓練に取り組んでいます。本日視察したこれらの部隊をはじめ、北の守りにおいて重要な役割を果たし、防衛の最前線で任務に当たる隊員を防衛大臣として誇りに思います。
このように、南西地域の防衛体制強化の重要性が高まる中においても、北海道は我が国防衛にとって重要な地域で在り続けることに変わりはなく、引き続き、防衛省として、我が国防衛に万全を期すため、隙のない防衛体制を保持していくことが重要であると考えています。
道内部隊の将来像と安保三文書の改定
記者 :
道内部隊の将来像について伺います。道内の部隊はもともと冷戦期に対ソ連防衛を想定し、敵の着上陸に備え部隊、火砲などが多く編成されています。ただ、今の安全保障環境は当時と大きく変わり、道内の部隊の装備や役割は少しずつ変化しつつあります。少子化も避けられない中、今後の道内の部隊の規模感や定員の在り方、重視する戦力について、どのような問題意識をお持ちでしょうか。問題意識を踏まえ、安保三文書の改定に当たって、どう議論していく考えか、お考えを伺います。
大臣 :
1954年の自衛隊の創設以来、北海道の皆様におかれては、70年以上の長きにわたって、多くの部隊や隊員をあたたかく受け入れていただいており、防衛大臣として改めて感謝を申し上げたいと思います。ロシアは、北方領土を含む極東地域においても活発な軍事活動を継続しており、近年は最新の装備が極東方面にも配備される傾向にあります。南西地域の防衛体制強化の重要性が高まる中においても、引き続き、北海道において隙のない防衛体制を保持することは重要であり、北海道の部隊は、北の守りにおいて重要な役割を果たしています。
今後、我が国の少子高齢化に伴う人口減少は、安全保障・防衛にとっても避けることのできない厳しい現実です。一方で、我が国を取り巻く安全保障環境が加速度的に厳しさを増す中、人口減少の中にあっても、国民の皆さまの命や平和な暮らしを守り抜くため、防衛力を一層強化していくことが必要です。このため、無人アセットの導入や既存アセットの無人化、自動化改修を徹底的に進め、効率的・効果的に戦力発揮をするための組織体制の構築等を推進し、防衛力の一層の強化や変革につなげていくことが必要と考えています。
北海道における将来の自衛隊部隊の体制や定員についてお尋ねがありましたが、こうした点については、先程申し上げたような内容も踏まえて検討していくべきものですので、現時点で決まったものではなく、軽々に申し上げること、申し上げるべきことでもないと考えておりますが、引き続き、本年中の三文書の改定に向けた検討をしっかりと進めてまいりたいと思います。改めて申し上げますが、南西、この地域の防衛体制強化の重要性が高まる中でも、引き続き、北海道においての部隊の重要性、北の守りにおいては、不可欠だとこういった認識に変わりはありません。
25式高速滑空弾の上富良野駐屯地配備時期
記者 :
反撃能力の関係で伺います。陸自上富良野駐屯地に配備予定の島嶼防衛用高速滑空弾の具体的な配備時期について教えてください。
大臣 :
25式高速滑空弾については、今後、上富良野駐屯地に部隊配備する計画ですが、具体的な時期は現時点で検討中であり、決まり次第、地元の皆様に対し、事前にしっかりとお知らせしたいと考えております。
(以上)
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