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[国会答弁]陸自第1師団1普連のロゴマークと行政における生成AI活用の在り方に関する質問と答弁(5月26日)

  • 日本の防衛

2026-5-28 10:14

 令和8(2026)年5月26日(火)、第221回国会(特別会)に提出された「陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊のロゴマーク及び行政における生成AI活用の在り方に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。

 その質問主意書と答弁書を以下に転載する。

質問主意書

質問第48号
令和8年5月15日提出

陸上自衛隊第1師団第1普通科連隊のロゴマーク及び行政における生成AI活用の在り方に関する質問主意書

 右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。

提出者 石垣のりこ

 政府は、行政機関における生成AIの活用を推進している。生成AIについては、文書作成、画像生成、情報整理等において一定の有用性がある。一方、その生成物については、入力する指示語の内容により結果が大きく左右される特性がある。
 陸上自衛隊第1師団第1普通科連隊は令和8年4月29日、新しいロゴマーク(以下「当該ロゴ」という。)をSNSで公開した。その後、好戦的等の批判が続出したことを受け、同連隊は当該ロゴの使用を中止することとし、投稿を削除した。同年5月3日付けの毎日新聞配信記事によれば、当該ロゴは、隊員が生成AI「ChatGPT」に対し、「ゾウ」、「マンモス」、「かっこいい」、「青い炎」、「擬人化」、「自衛隊」といった指示語を入力して作成したとされている。また、当該ロゴは、タイの国境警備警察に関連したとみられるロゴと酷似しており、「著作権を侵害しているのでは」との指摘もあったとされている。
 生成AIは、利用者の意図や価値観、知識、表現能力等を強く反映するものである。そのため、行政機関における活用に際し、利用する職員の理解能力や判断能力が欠如している場合、不適切な生成物や誤解を招く生成物が公的に発信されるおそれがある。また、生成AIが作成したことを理由として、生成物に係る説明責任や責任主体が曖昧になれば、行政に対する国民の信頼が損なわれるおそれもある。さらに、生成AIの利用に当たっては、既存画像への依拠や類似画像生成による著作権その他知的財産権上の問題が生じる可能性がある。
 以上を踏まえて、以下質問する。

一 当該ロゴについて、政府は、前記報道において例示された指示語を入力して作成したものであることを確認しているか示されたい。確認している場合、例示された指示語のみを入力したか、併せて入力したその他の指示語が存在するかを示されたい。

二 前記報道において例示された指示語を用いて生成AIによる再現を試みたところ、当該ロゴにあるようなドクロ、鎖、小銃等は表現されなかった。当該ロゴを作成した際、生成AIに入力した全ての指示語及びその他作成過程において入力した指示の内容を全て示されたい。

三 陸上自衛隊において、部隊等が独自にロゴ、エンブレムその他これに類する対外的表示物を作成、公表又は使用することは可能か示されたい。可能である場合、その根拠、作成及び使用に係る手続、承認権者並びに最終的な判断責任者をそれぞれ示されたい。また、そのような権限及び手続を設けている理由について、政府の見解を示されたい。

四 前記の他のロゴとの酷似に係る指摘について、当該ロゴの作成過程において、他のロゴ等の画像を生成AIに読み込ませた事実又は参照させた事実の有無を政府として確認しているか示されたい。確認している場合、その内容を示されたい。

五 政府は、生成AIの利用者の指示内容及び修正過程が生成物に重大な影響を及ぼすと認識しているか示されたい。また、政府は、生成AIが作成したことを理由として説明責任や責任主体を曖昧にすることなく、最終的な責任は利用者及び承認者にあると認識しているか示されたい。

六 行政機関において生成AIを活用する際には、単に導入するのみならず、利用する職員の知識、倫理観、表現能力、著作権等に関する理解及び判断能力を向上させることが不可欠と考えるが、政府の見解を示されたい。また、行政機関における生成AIの活用について、生成AIを過信するのではなく、利用する職員の能力向上及び適切な判断能力の醸成を重視すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

七 政府は、行政機関における生成AIの活用により、著作権侵害、意匠の類似、既存画像への依拠その他知的財産権上の問題が生じる可能性を認識しているか示されたい。

八 政府は、行政機関における生成AIの活用に当たり、利用する職員に対してどのような教育、研修、ガイドラインの周知又は注意喚起を行っているか示されたい。生成AI利用時における著作権、知的財産権及び類似画像の生成リスク等に関する教育、研修又は注意喚起を実施している場合、その対象者、頻度、規模及び内容を具体的に示されたい。現在実施していないが今後実施する計画がある場合、その対象者、頻度、規模及び内容を併せて具体的に示されたい。

 右質問する。

答弁書

参議院議員石垣のりこ君提出陸上自衛隊第一師団第一普通科連隊のロゴマーク及び行政における生成AI活用の在り方に関する質問に対する答弁書

一、二及び四について

 人工知能関連技術(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53号)第2条に規定する人工知能関連技術をいう。以下同じ。)を用いて、お尋ねの「当該ロゴ」を作成する過程において入力した情報について、防衛省において網羅的に確認しているものではないが、現時点で、「かっこいいゾウでミリタリー風で擬人化、背景は赤い炎で片目からも炎がでている。体に鎖とドクロ、手には20式小銃を持っている丸型のワッペン、ロゴにエレファントと 1st Infantry Regt./4th Co. を入れる。」及び「炎を青」と入力していること及びお尋ねの「他のロゴ等の画像を生成AIに読み込ませた事実又は参照させた事実」はないことを確認している。

三について

 お尋ねの「ロゴ、エンブレムその他これに類する対外的表示物」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないため、「作成、公表又は使用することは可能か」について一概にお答えすることは困難であるが、例えば、防衛省・自衛隊の広報活動においては、当該活動を効果的かつ適正に行うため、防衛省の広報活動に関する訓令(昭和35年防衛庁訓令第36号。以下「訓令」という。)を定めており、陸上自衛隊においては、訓令第10条において、「自主的広報活動に必要な資料等を準備するとともに、適宜部外に配布又は配信」することとしていることを踏まえ、必要な広報活動を行っているところであり、また、訓令第3条第4号及び第5号に基づき、陸上幕僚長又は駐屯地司令若しくは部隊等の長まで必要に応じて決裁を行った上で、広報活動を行っているところである。

五について

 前段のお尋ねについては、お尋ねの「生成AIの利用者の指示内容及び修正過程が生成物に重大な影響を及ぼす」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
 後段のお尋ねについては、お尋ねの「生成AIが作成したことを理由として説明責任や責任主体を曖昧にすることなく、最終的な責任は利用者及び承認者にある」の意味するところが必ずしも明らかではないが、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律第13条に基づき策定した「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」(令和7年12月19日人工知能戦略本部決定。以下「AI指針」という。)において、人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性を確保するため、「国民が特に取り組むべき事項」として、「AIを利用する際は、得られる情報の出所、正確性等を理解し、人間の判断、責任の下で意思決定を行うとともに、不当な偏見・差別、誹謗中傷、偽・誤情報の拡散等を目的とした不適切な行為を行わない」こととしているところである。

六について

 前段のお尋ねについては、AI指針において、「国及び地方公共団体の職員はもちろんのこと、全ての主体が、倫理、法令、人権、安全等に関する課題を理解し、責任ある利用者としての自覚をもって行動できるように、社会全体におけるAIリテラシーの向上を図ることが求められる」としている。
 後段のお尋ねについては、国の行政機関においては、「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」(令和7年5月27日デジタル社会推進会議幹事会決定。以下「本ガイドライン」という。)において、各府省庁の「AI統括責任者(CAIO)」(以下「AI統括責任者」という。)は、「AIリテラシー向上に向けた研修」を行うこととしており、「文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルに基づくAI」(以下「生成AI」という。)を利用する職員における御指摘の「能力向上及び適切な判断能力の醸成」は必要と考えている。

七について

 お尋ねの「著作権侵害、意匠の類似、既存画像への依拠その他知的財産権上の問題が生じる可能性を認識」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本ガイドラインにおいて、「生成AIによるリスク」として「知的財産権等の侵害」が生じ得ることや、「生成AIシステム特有のリスクケースの例」として、「利用者が生成AIにより既存の作品に類似し、著作権の侵害等の問題が生じる可能性が高いコンテンツを意図せず生成し、利活用したことで当該作品に係る権利者等から削除等の申出を受け」るといった可能性があることを示しているところである。

八について

 お尋ねの「教育、研修」については、国の行政機関においては、本ガイドラインに基づき、各府省庁のAI統括責任者は、「各府省庁におけるAIガバナンスの構築及び実践の司令塔として、」「AIリテラシー向上に向けた研修」を行うこととしているほか、デジタル庁においては、各府省庁のAI統括責任者が当該各府省庁の職員に対して実施する研修に活用できるよう、全府省庁の職員が受講可能な「情報システム統一研修」において、生成AIの利活用における知的財産権等の侵害等のリスクの周知及び当該リスクへの対応を含む生成AIに関する研修を、オンラインにより随時受講可能な形で四半期ごとに提供しているところである。
 また、お尋ねの「ガイドラインの周知又は注意喚起」については、同庁においては、各府省庁のAI統括責任者で構成される「各府省庁AI統括責任者(CAIO)連絡会」等を開催し、各府省庁のAI統括責任者や担当部局に対して、生成AIの利活用に関する留意事項を含む本ガイドラインの概要を説明するとともに、各府省庁の職員に対して本ガイドラインの周知を図るよう求めている。

(以上)

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