IHI、衛星コンステレーション計画の運用と衛星データ取得を開始(5月28日)
- 日本の防衛
2026-6-1 10:50
株式会社IHIは、令和8(2026)年5月28日(木)、ICEYE製SAR衛星2基の運用開始により衛星データ取得を開始したことについて、以下のとおり発表した。
IHIの衛星コンステレーション計画においてデータ取得開始~ICEYE製SAR衛星2基の運用開始により日本の主権的地球観測コンステレーション構築に向け本格始動~
IHIは、合成開口レーダー(SAR)衛星(※1)による宇宙からの主権的インテリジェンスの分野で世界をリードするフィンランドのICEYE Oy(アイサイ、本社:フィンランド、共同創設者兼CEO:ラファル・モドジェフスキ、以下「ICEYE」)との衛星を4基調達する契約に基づき、最初のSAR衛星2基について運用および衛星データの取得を開始しました。現在、衛星データの提供に関し、具体的な協議を国内外の政府機関、民間企業と進めています。
これは、IHIが目指す衛星コンステレーションの構築に向けた重要なマイルストーンです。本取り組みは、日本として必要な宇宙インフラを自律的に確保し、日本および同盟国や同志国に対して高品質なインテリジェンスを提供することを目的としています。
昨今、国際的に地政学的緊張が高まる中、持続的な海域監視と、いかなる状況下においても情報収集・分析が可能なインテリジェンス能力に対する需要が高まっています。このたび、IHIがデータ取得を開始したSAR衛星は、昼夜・天候を問わず高解像度の衛星データが取得可能であり、海域監視、重要なサプライチェーンの保護等の安全保障分野において極めて重要な役割を果たす衛星です。
IHIは、2025年10月、ICEYEと、安全保障、公共および商業利用を目的とする地球観測衛星データを提供するため、最大24基のSAR衛星のコンステレーション構築に向け、同社製SAR衛星を調達する契約を締結しました。
IHIは当該契約に基づき4基の衛星を調達し、さらにオプションとして、追加で20基の衛星を製造・運用していく計画です。衛星から取得するデータに関する需要の発掘活動やユースケースの創出活動を通してSAR衛星データの需要を見極めた上で、最大24基体制のコンステレーション構築を目指します。
なお、当該契約の残りのSAR衛星2基は、2026年夏頃から国内で組立・試験工程を実施する計画で、ICEYEとともに準備を進めています。これらのSAR衛星2基の打上げは2026年度第4四半期を予定しています。
IHIが構築を目指す衛星コンステレーションは、将来的にはSAR衛星に加えて、光学センサー、VDES(次世代自動船舶識別システム)、電波収集(RF)、赤外線(IR)、およびハイパースペクトル(高い波長分解能)などの複数の衛星を追加する構想です。陸上や海上での作戦活動に必要な目標検出および追跡能力の提供を可能とすることで、日本の国家安全保障および経済安全保障に貢献します。さらに、衛星データや撮像キャパシティの相互共有を通じて、同盟国や同志国との協力と連携を深化する上でも重要な役割を果たすことを目指しています。
IHIは、「技術をもって社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、ものづくり技術を中核とするエンジニアリング力をもって、衛星コンステレーションの整備を主導します。さらに、IHIグループが一体となり陸・海・空・宇宙の多領域においてあらゆる情報を収集し、ニーズに合わせ分析したデータを提供することで、安全・安心な社会の実現に貢献していきます。
IHI 代表取締役副社長執行役員 航空・宇宙・防衛事業領域長 佐藤 篤のコメント
「ICEYEとのパートナーシップを通じてSAR衛星データの取得を開始できたことを嬉しく思います。これは、宇宙分野におけるIHIの将来事業を実現していくうえで重要な投資です。これまで培ってきた宇宙分野の知見を活かし、日本として必要な宇宙インフラを自律的に確保し、日本およびその同盟国や同志国の安全保障に貢献する地球観測衛星コンステレーションの構築を進めてまいります。」
<ICEYEについて>
ICEYEは、宇宙からの主権的インテリジェンスの分野で世界をリードする企業です。私たちは、地球上のあらゆる地点で生じる変化を検知し、迅速に対応するための持続的な監視能力を提供しています。
ICEYEは、世界最大かつ最も高度なSAR衛星コンステレーションを保有しています。私たちは、お客様に対し、どのような天候下でも、昼夜を問わず、比類のない品質・低遅延・高頻度撮像を備えたインテリジェンスを提供します。また、自らのコンステレーションを運用することを選択する各国政府には、この実績ある能力を主権的システムとして提供しています。
ICEYEが構築したコンステレーションは、防衛・インテリジェンス、環境モニタリング、保険、緊急対応といった分野の顧客に活用されています。私たちは、より安全な未来に資する迅速な意思決定を可能にします。
ICEYEはフィンランドで設立され、本社を同国に置きつつ、ポーランド、スペイン、英国、オーストラリア、日本、アラブ首長国連邦(UAE)、ギリシャ、米国に拠点を構え、世界で1,000名超の従業員を擁しています。私たちは成長を続ける国際的な「ビルダー」チームです。
※1 合成開口レーダー(SAR)衛星
SAR衛星は、観測およびリモートセンシング用に必要な、高精度データの提供を可能とする衛星です。マイクロ波レーダーパルスを使用して、天候や昼夜を問わず地球表面の高解像度画像を生成します。これにより、気候変動の分析や船舶追跡を含む多様な用途で、信頼性が高く継続的な監視が可能となります。ICEYEは、SAR衛星において高度な技術力と多くの製造実績を有しており、非常に高機能かつ長寿命のSAR衛星を量産する技術において、世界をリードしています。
(以上)
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