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小泉防衛大臣、シャングリラ会合中に3度の臨時会見を実施 装備協議で進展(5月30日・31日)

  • 日本の防衛

2026-6-2 13:14

 小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、令和8(2026)年5月30日(土)から31日(日)にかけてシンガポールで開催されたシャングリラ・ダイアローグ(アジア安全保障会議)に出席し、各国防衛大臣との会談やスピーチを行うとともに、現地で計3度の臨時記者会見を行った。
 本記事では、3度の臨時記者会見の内容をまとめて掲載する。

ベトナム国家主席表敬・日豪ニュージーランド/日英/日ニュージーランド防衛相会談後の臨時記者会見(5月30日 12時38分~12時46分)

大臣からの発表事項

大臣
 昨晩、ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席への表敬訪問を行いました。トー・ラム書記長からは、二国間の信頼関係を基に、安全保障関係を強化し、地域の平和と安定に貢献することは極めて重要であるとの認識が示され、今月上旬の日越首脳会談では、高市総理と有意義な議論を行い、安全保障面を含む幅広い分野での強化をしていくことで一致したとのお話がありました。私からは、ベトナム新指導部の発足への祝意を述べるとともに、こうした首脳間の政治的信頼の基に、防衛当局間での連携強化に尽力していきたい旨を述べました。我が国の防衛装備移転制度の改正について御説明をし、防衛装備・技術協力は地域の平和と安定を確保する上で特に重要であり、日・ベトナム間の防衛協力を一層強化することで一致しました。また、ザン国防大臣との間で、私とザン大臣のリーダーシップの下、装備移転に係るワーキンググループにおいて、今まで以上にスピード感を持って、具体的な議論を進め、その成果を両首脳に報告することで一致しました。
 続いて今朝、オーストラリアのマールズ副首相兼国防大臣、ニュージーランドのぺンク国防大臣とともに、初めてとなる日豪ニュージーランド防衛相会談を実施しました。同会談では、地域が直面する現下の課題について、率直な意見交換を行いました。また、「もがみ」型護衛艦「くまの」が、オーストラリアとニュージーランドに寄港し、共同訓練など両海軍との連携を強化する活動を行ったことを歓迎しました。その上で、ニュージーランド政府が「もがみ」型護衛艦の能力向上型を「アンザック」級フリゲートの後継艦の候補の一つとして発表したことを歓迎しました。そして私から、仮にニュージーランドが「もがみ」型護衛艦の能力向上型を選定すれば、3か国間の相互運用性と相互互換性の向上につながり、地域の平和と安定に大きく資する旨述べました。
 次にシャングリラ会合の第1セッションにおいて、アメリカのヘグセス戦争長官のスピーチを聞きました。まず、最も重要なことは、中東情勢が注目を集める中で、ヘグセス長官がシャングリラ会合に来てスピーチを行ったという事実だと思います。これはアメリカがインド太平洋を重視していることを強く明確に示すものです。さらに、ヘグセス長官スピーチのQ&Aセッションでは、私が質問をさせていただきましたが、インド太平洋地域へのアメリカへのコミットメントについて、関与について力強いメッセージをヘグセス長官から聞くことができたことは、地域全体にとっても前向きなことにつながったと思っております。
 続いて、イギリスのヒーリー国防大臣との間で日英防衛相会談を実施しました。会談では、本年5月のイギリス哨戒艦「スペイ」の日本寄港を含め、日英のアセットの往来や共同訓練が継続していることを歓迎するとともに、GCAPを含む日英防衛協力の更なる強化に向けて、引き続き、緊密に連携していくことを確認しました。
 そして先ほど、ニュージーランドのぺンク国防大臣との間で、対面では初めてとなる日ニュージーランド防衛相会談を実施しました。朝の3か国の防衛大臣会談に引き続き、「アンザック」級フリゲートの後継艦について議論をし、私から今後も情報提供をはじめとして緊密に連携していく旨お伝えしました。また、地域情勢についての認識をあわせる上での有意義な意見交換、そして、太平洋島嶼国との協力や共同訓練等を通じて、引き続き、緊密に連携していくことで一致しました。
 そして今日、この後の時間は、日米防衛相会談と日韓防衛相会談を行う予定です。今回7回目となる、ヘグセス長官との日米防衛相会談では、同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けた、突っ込んだ議論を行います。5回目となる、アン長官との日韓防衛相会談では、現下の地域情勢や日韓防衛協力・交流について議論を行い、日韓、日米韓防衛協力を引き続き、推進していく意思を改めて確認したいと思います。現在、インド太平洋地域が厳しい試練に直面しているとの認識の下、活発な意見交換を行いたいと思います。冒頭は以上です。

記者との質疑応答

日豪ニュージーランド防衛相会談と「もがみ」型護衛艦

記者
 日豪ニュージーランド防衛相会談について伺います。大臣の冒頭でもありましたけれども、ニュージーランドが「もがみ」型を後継フリゲート艦の候補に選びました。会談では、日本、オーストラリア、ニュージーランドからそれぞれどのような御発言があったのか、また、輸出や今後の協議の進め方について、どのようなやり取りがあったのかを改めて伺います。また、日・豪・ニュージーランド3か国で初めての枠組みということで、この協議の意義をあわせて教えてください。また、ニュージーランドとは、防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた議論があったかどうかについてもお伺いできればと思います。

大臣
 今回初めて日・オーストラリア・ニュージーランドの3か国による防衛相会談を実施し、大変有意義な議論を行うことができました。会談では、まずニュージーランド政府が「アンザック」級フリゲートの後継艦の候補の一つとして、「もがみ」型護衛艦の能力向上型を発表したことに歓迎の意を述べました。その上で、私から仮にニュージーランドが「もがみ」型を選定すれば、日・ニュージーランドの防衛協力の深化につながることはもちろんのこと、海上自衛隊だけではなく、オーストラリア海軍を含む3か国間の相互運用性と相互互換性の向上につながる可能性があると伝達をしたところです。さらに、ニュージーランド政府に対して必要な情報提供を行うとともに、オーストラリア政府とも連携しながら、積極的に対応していく考えを伝えました。
 オーストラリアは、価値観と戦略目標を共有する同志国連携の中核であり、このオーストラリアの同盟国であるニュージーランドと3か国会談を行った意義は極めて大きいと考えています。具体的には、防衛装備品に関する協力に加え、相互のアセット派遣や共同訓練などを通じて、一層3か国での連携を強化する契機であり、これにより、地域の平和と安定に大きく資するものと考えています。
 また、最後にお尋ねのあった、ニュージーランドとの防衛装備品・技術移転協定に関するお尋ねでありますが、これは協定の締結に向けて前向きに議論を進めていきたいというふうに思います。これについては、今後しっかり外交当局とも連携をして検討していきます。

中国情勢の認識共有と装備移転を通じた抑止力強化

記者
 日豪ニュージーランド会談の関連で伺います。中国軍の活動が西太平洋や南半球にまで広がる中、3か国による会談では、中国情勢についてはどのような認識を共有したのでしょうか。また、ニュージーランドやフィリピンなど同志国への防衛装備品の輸出を通じて、日本として、インド太平洋地域の抑止力強化にどのような役割を果たしていくお考えでしょうか。

大臣
 今回初めてとなる日・オーストラリア・ニュージーランドの3か国会談において、インド太平洋地域の安全保障環境について率直に議論する中で、中国についても議論しました。これ以上の詳細については、先方との関係もあることからお答えできませんが、もちろん地域情勢について、日本とニュージーランドの間でもバイでやったというのも含めて、今後も地域情勢についての認識というのは、緊密に意見交換、また情報共有をしたいと考えています。
 また、防衛装備品輸出を通じたインド太平洋地域の抑止力の強化については、決して新たな戦争を起こさせない、そのための抑止力と対処力を地域全体で広げていくため、同盟国・同志国との連携強化といった観点から、意義のある防衛装備移転を進めていく考えですし、明日、私はスピーチを行いますが、その中でもこの点については触れる考えです。

日米及び日韓防衛相会談後の臨時記者会見(5月30日 18時30分~18時43分)

大臣からの発表事項

 今日の午後3時から約60分間、アメリカのヘグセス長官と7度目となる日米防衛相会談を行いました。会談では、私から防衛装備移転制度の見直し、我が国の防衛力の一層の強化に向けた進捗について説明したところ、ヘグセス長官からは、日本の防衛装備移転制度の見直しを歓迎し、防衛力を強化しようとする日本の取組については、地域の抑止力を向上させ、地域の平和と安定に一層貢献する取組であるとして、支持の表明がありました。また、中国をめぐる諸課題を含む、地域情勢についても幅広く意見交換を行い、日米が引き続き、揺るぎない姿を示しつつ、いかなる事態にも冷静かつ毅然と対応し、一層緊密に連携していくことを確認しました。
 日米防衛協力に関しては、より高度かつ実践的な共同訓練の進捗や、日米間の防衛産業協力などに関する定期協議(DICAS)での議論の進展を歓迎し、SM-3ブロックⅡAやAMRAAM等のミサイルの共同開発・共同生産を含む日米協力の取組を更に加速させていくためのイニシアティブとして「オペレーション・スーパーチャージ」を提案し、具体的な方策について議論しました。オーストラリア・韓国・フィリピンをはじめとする同志国との連携についても話し合い、協力を更に進展させることで一致しました。本年3月の高市総理訪米の成果も踏まえ、首脳間で一致した日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくための、幅広い安全保障協力について、その具体的な実行に切迫感を持って取り組み、ヘグセス長官とともに、日米同盟を更なる高みに引き上げてまいります。
 そして日韓の防衛大臣会談においては、来月6月に約9年ぶりとなる日韓捜索・救難共同訓練「SAREX」を実施することで一致し、私の韓国訪問について、正式に御招待をいただきました。これを受け、韓国訪問に向けて具体的に調整をして、進めていきたいと思います。これらを含め、防衛当局間で活発な交流が実施されていることを歓迎し、このモメンタムを維持することで一致しました。
 明日は日本・シンガポール防衛大臣会談、そして、日本・フィリピン防衛大臣会談を行う予定です。シンガポールとの防衛大臣会談では、二国間の防衛協力の進展について確認するとともに、今後の協力について具体的に議論を行います。フィリピンとの防衛大臣会談では、今月上旬にマニラで行った防衛大臣会談のフォローアップとして、防衛装備・技術協力等について議論を行います。また、第5セッションではスピーチを行います。スピーチでは、自由で開かれた秩序の重要性と、その実現のための日本の行動について発信をします。冒頭は以上です。

記者との質疑応答

中東情勢とホルムズ海峡への艦船派遣

記者
 日米防衛相会談について伺います。会談では、中東情勢やイランをめぐるアメリカの対応について、どのような意見交換を行ったのかをお伺いします。また、米軍が中東に戦力を割いているとして、インド太平洋地域への力の空白を懸念する声もありますが、日本への影響について議論はありましたでしょうか。また、ホルムズ海峡への艦船派遣を含む自衛隊の具体的な協力要請があったのか教えてください。

大臣
 まず、最後にホルムズ海峡への艦船派遣などの具体的な協力要請があったかということですが、具体的な協力要請はありませんでした。そして、私とヘグセス長官の間では、3月に実施した2度の電話会談においても、イラン情勢について意見交換を行うなど、意思疎通を行ってきています。今日の会談では、中国をめぐる諸課題を含む地域情勢について、幅広く時間も使いながら意見交換を行ったということです。その上で、従前からは中東情勢、米軍による我が国周辺の警戒監視態勢に影響しないという説明を受けているのは、従来から説明をしているとおりであります。

安保関連三文書、防衛費、装備協力をめぐる議論

記者
 日米防衛相会談について重ねてお伺いします。年内に改定する日本の安保関連三文書や日本の防衛力整備について、どのような議論があったのでしょうか。防衛費の水準や増額について、ヘグセス長官から要請や言及はあったのでしょうか。また、トマホークの調達・納入を含む装備協力についての議論もお願いします。あわせてですね、今朝のヘグセス長官の演説について、演説の中で日本の防衛力強化についての評価や、また、更なる取組への期待に言及があったと思うのですけれども、大臣のその辺りの受け止めをお願いいたします。

大臣
 まず、今回の会談では、本年3月の高市総理訪米の成果も踏まえ、首脳間で一致した日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していく幅広い安全保障協力について、その具体的な実行にスピード感を持って取り組み、日米同盟を更なる高みに引き上げていくことで一致したところです。私から、我が国の防衛力の一層の強化に向けた進捗について説明をしたところ、ヘグセス長官からは、防衛力を強化しようとする日本の取組について地域の抑止力を向上させ、地域の平和と安定に一層貢献する取組であるとして支持の表明がありました。
 こうした防衛力強化の取組について意見交換をする中で、アメリカ側から防衛費についても言及がありましたが、特定の金額や結論を念頭に置いたやり取りを行っていることはありません。ヘグセス長官からは、昨年10月の訪日時の共同記者会見で、尊敬を持ちながら歴史を認識し、また共通の価値観を共有していきながら互いに何ができるかということを進めていく。したがって、日本に対して何かを要求するということはないと、この発言がありましたけども、今回のやり取りもこの言葉に尽きるというところです。防衛力整備については、自らの国は自ら守ると、この基本姿勢の下、引き続き、我が国自身が主体的な判断で具体的な議論を積み上げていきたいと思います。
 そして、具体的な防衛装備協力・技術協力については、第4回日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)での議論の進展を歓迎し、私から、SM-3ブロックⅡAやAMRAAM等のミサイルの共同生産を含む日米協力の取組を更に加速させていくためのイニシアティブとして、「オペレーション・スーパーチャージ」を提案し、その具体的な方策について議論しました。1月に公表されたアメリカの国家防衛戦略における4つの柱の一つとして、防衛産業のスーパーチャージが掲げられています。このスーパーチャージとは、防衛装備の生産などを加速的に強化することを指している言葉です。世界的なミサイル需要の高まりとも相まって、日米同盟にとっての最重要課題の一つが防衛産業協力となっています。本日の第1セッションで、私がヘグセス長官に質問したように、この地域でアメリカと同盟国や同志国が、いざというときにお互いを支え合うようにすることは、地域の安全保障にとっても重要だと考えています。引き続き、アメリカと緊密に連携して、適切な取得に努めてまいります。
 そして、御質問のトマホークについては、現時点で令和7年度から令和9年度にかけて取得を行う予定であることに変わりはありません。

ヘグセス長官演説における日本評価への受け止め

記者
 すみません。演説につきまして、午前中に大臣から言及ありましたが、Q&Aの部分と別に、演説の中でヘグセス長官が日本の防衛力強化について評価したり、更なる取組への高い期待を示されていましたが、その受け止めをお願いできますか。

大臣
 非常に前向きに日本の取組を信頼をもって見ていただいているということは感じますし、今回の議論の中でも、個人的な信頼関係を積み上げてきたからこそできる具体的な議論、今詳細はお答えすることはできませんが、やはりこの私が大臣に就任して、約半年ちょっとですか、その中で今回7度目という、この緊密な連携があるからこそ、この議論の質が伴ってくるなっていうものがあったことは御紹介しておきたいと思いますし、私が言うよりも、客観的な評価の一つで言えば、私の隣にイタリアのクロセット大臣が、ヘグセス長官のスピーチの時に座ってましたけれど、ヘグセス長官が日本について非常に前向きに期待を込めて言及をされた後に、ポンポンとクロセット大臣から日本はさすがだなと、他の国々の言及する時の表現とはちょっと違いましたよね。そういった受け止めが、私は、各国からの受け止めとしてはあるのではないでしょうか。
 そして、昨夜の夕食会、今日の昼食会、様々なメディアの皆さんが入らない、こういった場でも、ヘグセス長官とは相当緊密に言葉を交わしながら、時には他の国々も巻き込みながら議論をやっていますので、今、日米のトップ同士で相当緊密に連携が取れているということは、私は多くの国々に、今日の朝の私の質問も含めてですね、伝わったのではないかなと思います。

日米を中核とする多国間協力の重要性

記者
 今回のシャングリラ会合ではですね、日米韓、日米豪などマルチの会談はセットされませんでした。一方で、日米豪ではフォトセッションが公表されたところですが、アメリカが西半球重視の姿勢を示す中で、日米を中核とする多国間協力、この重要性について大臣の見解をお伺いします。あわせて、今後の多国間協力推進に向けた対応方針、あとまたですね、先ほどおっしゃられたとおり、様々な場を活用して、こういうマルチの意見交換の場を設けてきた、そういったことへの意気込み、意義をお伺いします。

大臣
 そうですね。まず、各国の防衛大臣をはじめとする地域の防衛関係者が広く集まるこのシャングリラ会合に、ヘグセス長官が参加をしてスピーチを行い、そして、これだけ各国との会談が詰まっている中でも、1時間という時間を割いて、我々日米で会談をしたというこの事実こそがですね、アメリカがインド太平洋を重視しているということを明確に示すものだと考えています。
 また、アメリカが西半球を重視して、アジア太平洋地域へのコミットメントが小さくなっているんじゃないかと、こういったことの不安、そして、思いというのが、様々なところで聞こえているけれども、私がヘグセス長官と話をしたり、コミュニケーションをとっている中では、アメリカのコミットメントは揺るぎないというふうに感じているので、その揺るぎない決意、そして関与というものを各国に共有してもらうべきだという思いから、今日私はあのような質問をしたわけです。そして、ヘグセス長官の回答は、正に明確にそれに応える力強いメッセージをこの地域に与えてくれたというふうに思っています。
 日米防衛大臣会議の概要は今日結果を公表しておりますが、その中でも豪州、韓国、フィリピン、こういった地域とのパートナーとの間で協力を更に進展させていくことで一致をしていますので、今後も私ができることでアメリカの地域に対する明確な関与の姿勢、こういったことについても様々な国々や、また多くの地域の皆さんにも伝えていく、そんな努力も日本ができることの一つではないかというふうに思います。

日星・日比防衛相会談及びシャングリラ会合スピーチ後の臨時記者会見(5月31日 11時28分~11時39分)

大臣からの発表事項

大臣
 シャングリラ・ダイアローグ会合も最終日となりましたが、本日はまず、シンガポールのチャン国防大臣との間で、昨年11月以来の2度目となる日・シンガポール防衛大臣会談を行いました。会談に先立ちまして、昨日の大統領主催夕食会後に、チャン大臣からシンガポールの市内を御案内をいただきました。チャン大臣の御友人を御紹介をしていただいたり、個人的な信頼関係をより一層強固なものとする、非常に濃密な時間を過ごすことができました。
 会談では、ハイレベル交流を中心とした人的交流や、艦艇の寄港等の部隊間交流が活発に行われていることを歓迎し、今後も継続的に実施していくことで一致しました。加えまして、今回新たに、私とチャン大臣の直接の監督の下、両国の防衛当局間のワーキンググループを設置して、海・空領域やサイバー・宇宙領域、防衛産業・技術基盤、情報共有などの協力を迅速に進めることとしました。この進捗を確認し、後押しするために、私とチャン大臣が定期的に会談を行うこととしました。シンガポールはシャングリラ会合のホスト国として長年、地域の平和と安定に大きく貢献するとともに、ASEANの対日調整国であり、我が国にとって重要な戦略的パートナーです。私とチャン大臣のリーダーシップで、シンガポールとの防衛関係を一層強化していく考えです。
 続いてフィリピンのテオドロ国防大臣との間で、今月2度目となる日本・フィリピン防衛大臣会談を実施しました。前回の防衛大臣会談では、政策、運用、装備部門を含むワーキンググループを設置し、包括的な装備協力を実現するため、精力的に議論を進めてまいりました。今回の会談では、ワーキンググループでの議論を踏まえ、テオドロ大臣との間で「あぶくま」型護衛艦については、除籍後速やかに移転をする、そして、TC-90については、除籍する1機を2027年度中に移転する方向で議論を進めることで大筋合意しました。また、これを実現するため、フィリピン海軍への教育訓練、維持整備、移転後の装備品の適切な管理のあり方を含む詳細について、ワーキンググループにおいて議論を進め、早期に成果が得られるよう、私とテオドロ大臣がリーダーシップを発揮していくことで一致しました。
 そして日・フィリピンRAAを適用したアメリカ・フィリピン主催の多国間共同訓練「バリカタン26」への参加や、本年1月のACSAの署名、そして、秘密軍事情報保護協定GSOMIAの正式交渉開始など、制度面と運用面の両輪で防衛協力が大きく進展していることを歓迎し、防衛面での連携を一層強化していくことで一致しました。
 また本日、第5セッションにおいてスピーチを行いました。非常に多くの質問もいただき、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性、我が国の防衛力強化、問題や摩擦があるからこそ、対話すべきこと、防衛装備移転の見直しを含む我が国の防衛政策の考え方、地域の抑止力・対処力向上のため装備協力をはじめ、同盟国・同志国との連携を強化していく方針などを明確に説明することができたと思います。
 今回のシンガポール出張では、本日会談を行ったシンガポール、フィリピンとの会談のほか、アメリカ、イギリス、韓国、ニュージーランド、ベトナムとの会談、初めて行われた、日本・オーストラリア・ニュージーランドの3か国の会談を実施することができました。また、レセプションや食事会の場を含め、同盟国・同志国の国防大臣等と率直な意見交換を行う機会を多く持つことができました。私から、我が国の防衛政策について、しっかりと説明するとともに、カウンターパートと個人的信頼関係を一層強化する機会となったことは、大変有益だったと考えています。
 今回の会合での様々な意見交換を通し、各国のカウンターパートからは、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性への共感、我が国の防衛政策についての理解が示され、日本に対し、地域の平和と安定により、一層貢献してほしいとの期待を感じました。先ほどのスピーチでも申し上げたように、我が国は信頼、透明性、そして対話を重んじながら、同盟国・同志国との連携をより一層強化してまいります。また、頼りになるパートナーとして装備協力を含め、二国間・多国間の枠組みを活用し、各国の自主的な努力を結びつけ、地域の平和と安定に一層の貢献をしていく決意です。冒頭、私からは以上です。

記者との質疑応答

シンガポール・フィリピンとの装備協力と各国からの関心

記者
 フィリピンのテオドロ国防大臣との間で「あぶくま」型護衛艦やTC-90練習機、88式対艦誘導の輸出を含む、防衛装備協力についてどのような議論をしたのか、今月上旬の会談以降の進展があったのか伺います。また、シンガポールとの会談では装備品に関する議論はありましたでしょうか。あわせて防衛装備移転三原則や5類型撤廃後、初めての国際会議出席となりました。日本の装備品や同志国連携に対する各国からの関心や期待を大臣はどのように感じたか教えてください。

大臣
 まず、フィリピンにつきましては今、冒頭申し上げたとおり、ゴールデンウィークにお会いをしたところから更に一歩進んで、今回「あぶくま」型の護衛艦とTC-90について大筋合意、ここまで加速度的にスピードを上げて、議論を積み上げてくることができたのは、日本側の萬浪さんをトップとするチーム、そしてフィリピン側でも、カウンターパートがトップで、この事務方の、このスピードにしっかりとあわせて、様々な調整をやってくれたことが、ここまでたどり着いた要因だと思います。私とテオドロ大臣の個人的な信頼関係はもちろんのこと、日本の防衛省とフィリピンの当局との、この人間関係も大きく寄与していると感じています。そして、テオドロ大臣とは、関心を示している地対艦ミサイルを含む他の装備品の移転可能性についても、議論を進めていくことを、確認をしています。
 またシンガポールのチャン国防大臣との間でも、今回の日本の防衛装備移転制度の改正を踏まえて、防衛装備・技術協力を推進していくということで一致をしたことから、今回、私とチャン大臣の下で、新たに、この枠組みを作ろうということになったわけです。
 そして、今回のシャングリラ会合で、これは正式な会談ではないのですが、例えば、初日の夜の夕食会、あの会場で、これは先方のことがあるから、国名は言いませんけれども、私が来るということで、そして防衛装備移転の政策を日本が変えたということを、把握をしている上で、具体的にレターを持参をしてきて、防衛装備品についての関心があると、ついては、この手紙を書いてきたから、読んだ上で対応を考えてもらいたいと、そういったやり取りがあったことも事実です。ですので、改めてですね、各国とのこの防衛協力がより装備面でも具体化をしていく、この確信を持つことができた、そんなシャングリラ会合にもなりました。

董軍国防部長の欠席と日中防衛当局間の対話

記者
 スピーチでも大臣触れられていましたけれども、今回、中国側は董軍国防部長が出席しなかったということで、昨年11月以降、対話の機会がない状態が続いています。レーダー照射などの事案も発生していますが、中国の防衛当局との対話を、今後どのような形で追求していくのか。また、その重要性についての大臣の考えをお聞かせください。

大臣
 これは昨年11月の私と董軍国防部長の間で確認をしたとおり、日中間では、具体的かつ困難な懸案から目を背けず、むしろ懸案があるからこそ、率直な議論と意思疎通を粘り強く重ねることが必要だと考えています。今回、董軍国防部長が欠席となったのは残念でしたが、日本は常に対話に対して、オープンであるとのメッセージを、今日も私の参加をしたセッションから送り続けていますし、結果として今日、中国の出席者から直接質問を受け、そしてそれに対して、董軍国防部長に対して、私のメッセージを伝えて欲しいと、そういうふうなやり取りを、この公開の場ですることができたことも、私はシャングリラ会合に出席をした一つの意義になったのではないかなと思います。
 日本は引き続き、常に対話に対してオープンです。防衛省としては、引き続き、海空連絡メカニズムを初め、日中間の様々なチャンネルを活用しつつ、あらゆる機会を捉え、中国側との間でしっかりと意思疎通をしていきたいと思います。

中国側からの歴史認識質問への受け止め

記者
 大臣、スピーチお疲れ様でした。スピーチ後の質疑でですね、中国側から出た質問についてお伺いします。質問ではですね、新軍国主義に言及した上で、第二次世界大戦をめぐる歴史認識について問うものでした。大臣の受け止めとともにですね、今ほどおっしゃいましたけれど、今後、中国とどのように向き合っていく考えか、改めて所感をお伺いします。

大臣
 中国側の日本に対して言いたいことがあるならば、ぜひ会談を行いたいですね。その場で、言いたいことを言っていただきたいと、そういった違いがあるからこそ対話をして、そして、これからもお互いの誤解がないようにしっかりとコミュニケーションを図っていく、意思疎通を重ねていく、その重要性を、私は常に申し上げています。
 今日も、そのことを改めて世界中に共有をする、日本が常に対話にオープンであることを強調した上で、かつ出席をしたオランダ側もですね、中国とはいろんな課題を抱えているのも、各国明らかに、多くの皆さんに知られたところではないでしょうか。ですので、こういった同志国等も含めて、引き続き、我々民主主義国は、対話に常にオープンなのだと、こういったことも日本の姿勢に、ともに対話を軸に、透明性の高い防衛政策を進めていく、そんな同志国も新たに広がっているということも感じることができた有意義なセッションだったと思います。

(以上)

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