内倉統幕長が定例会見 空母「遼寧」に関する誤情報への対応(6月26日)
- 日本の防衛
2026-7-1 12:10
令和8(2026)年6月26日(金)14時00分~14時11分、内倉 浩昭(うちくら・ひろあき)統合幕僚長は、防衛省A棟10階会見室において、定例記者会見を行った。
統合幕僚長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
発表事項
なし。
記者との質疑応答
中国海軍艦艇に関する中国国営メディアの報道とSNSによる反論発信について
記者 :
中国側の動向に関連して伺います。中国の国営メディアが空母「遼寧」を含む中国海軍艦艇が訓練中に、日本側から妨害があったと主張していることについて、統合幕僚監部はSNSで主張は事実ではないと発信しています。まず、この中国側の主張に対する受け止めをお願いします。その上で、こうした主張に対して自衛隊側からSNS上での発信というのは異例のことと思います。統幕としてこうした発信の狙いについてどのようにお考えか伺います。
統幕長 :
まず、お尋ねのありました中国国営メディアの報道については、承知しております。中国国営メディアは、自衛隊が空母「遼寧」を含む中国海軍艦艇に対し、あたかも妨害や挑発を行ったかのように報じておりますが、こうした主張は事実ではありません。自衛隊は、国際法をはじめとする関係法規に基づいて適切に対応しております。
防衛省・自衛隊としては、引き続き、冷静かつ毅然とした姿勢の下、安全確保を大前提としつつ、我が国周辺の海空域における警戒監視をプロフェッショナルかつ着実に実施し、我が国の主権及び安全の確保に万全を期してまいります。これが受け止めです。
次に、防衛省・自衛隊における情報発信につきましては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の皆様の理解と信頼を確保し、また、国際社会に対して我が国の取組を正確に伝えていくという観点から、極めて重要であると認識しております。
とりわけ近年においては、認知領域を含む情報戦が重要性を増しており、偽情報や誤情報への適切な対応とともに、迅速かつ分かりやすく、正確な情報を発信していくことが強く求められております。このため、防衛省・自衛隊としては、情報の収集・分析・発信を一体的に行う態勢の強化や、SNS等のデジタル媒体を活用した多様な発信手段の充実に取り組んでいるところです。
また、国内に対しては、自衛隊の任務や活動実態を丁寧に説明し、透明性の確保に努めるとともに、若年層を含めた幅広い層に対して理解を深めていただくための広報活動を推進しております。さらに、国際社会に対しても、英語をはじめとする多言語での情報発信や各種広報資料の充実などを通じて、我が国の取組に対する理解と信頼の醸成に努めております。
統幕といたしましても、こうした取組を踏まえつつ、関係部局と緊密に連携し、防衛大臣、報道官、各幕僚長とチーム一丸となって、正確かつタイムリーな情報発信に努めるとともに、国民及び国際社会からの信頼確保に資する情報発信の在り方について、引き続き不断に検討してまいります。
偽情報・誤情報への対応について
記者 :
認知戦が非常に重要視されているという点と、デジタル媒体での発信の重要性について触れられていましたが、今回は中国側の発信ではありましたが、特定の国に限らず、例えば日本側の主張と異なる情報があった場合には、今後も自衛隊として発信を続けていくという考えでよいでしょうか。
統幕長 :
まず、お尋ねの冒頭部分の認知戦の重要性について再確認をいたします。私もこの職に就いてから、改めて各戦闘領域、あるいは作戦領域と言われております、従来の陸上・海上、これは水中も含みます、航空・宇宙、そしてサイバー・電磁波、この6つの領域についてリテラシー、知見を高めてまいりました。そして、ここにきて認知戦を深く理解するに当たり、認知戦はなかなか防護できないため、その難しさを日々感じております。サイバーはファイアウォールを作ることによってウイルスをカットできますが、認知戦は一旦届いてしまいます。そういったことから、先ほど申し上げました迅速かつ的確に対応しないと大変なことになってしまう、それに対応するためには、膨大なエネルギーと時間がかかってしまうということで、迅速かつ的確な対応ということに尽きると感じるようになっております。そういった観点から、他の国に対してという前提がありましたが、仮定の質問についてはお答えできませんので差し控えたいと思います。その上であえて申しますと、偽情報あるいは誤情報と確認できた場合におきましては、迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。
イラン情勢・ホルムズ海峡の安全確保への対応について
記者 :
イラン情勢の関連で、自民党側からは、完全な停戦が実現した後の機雷掃海のための自衛隊派遣を求める声も上がっていますが、どのように受け止めますでしょうか。また、ホルムズ海峡の安定をめぐる日本の国際貢献の在り方について、どのようにお考えでしょうか。
統幕長 :
自民党の中での声については、私も一部耳にしておりますが、その一つ一つについてお答えする立場にありませんので、差し控えたいと思います。ホルムズ海峡の安全確保につきましては、今回の覚書が着実に実施され、自由で安全な航行が実際に確保されるとともに、イランの核問題等について最終的な合意が1日も早く実現することを強く期待しております。いずれにしましても、自衛隊は関係省庁及び関係国と緊密に連携し、情報収集に努め、中東地域で活動する部隊等の安全確保を図りつつ、適切に対応してまいりたいと思います。なお、自衛隊の活動任務については何ら決まったものはありません。
認知戦への総合的な対応戦略について
記者 :
認知戦関連についてお尋ねしたいと思います。先ほど迅速な対応ということを強調されましたが、例えば、SNSを含んだその他の媒体において、迅速な対応ということでどのような戦略を持って、どのような発信の仕方をされていくのか、今回はSNSでの発信ということだと思いますが、認知戦対応ということについて、より総合的にどのような戦略を持って対応していこうというふうにお考えでしょうか。
統幕長 :
二つに分けてお答えします。まず、総合的な認知戦に対する戦略如何というお尋ねをいただきましたが、まさに文字どおり、我々の手の内を明らかにすることになりますので、回答は控えたいと思います。
2点目の細部についてですが、今回は媒体としてSNSを使いましたが、お尋ねのとおり様々な媒体、デジタルのみならず紙といったものもありますので、そういったあらゆる媒体を活用しながら、多様な発信手段を用いて、偽情報・誤情報に迅速かつ分かりやすく、そして正確に対応してまいりたいと考えております。先ほど総合的な戦略についてはお答えできないと申しましたが、取組につきましては、防衛省・自衛隊として情報の収集・分析・発信を一体的に行う態勢の強化について、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
ホルムズ海峡機雷掃海への回答は差し控え
記者 :
ホルムズ海峡の機雷掃海の関連でお伺いします。仮に停戦が成立した場合であっても、自衛隊が活動するにはイラン側の同意が不可欠となるのか、その辺りはどのようにお考えでしょうか。
統幕長 :
仮定の話については、お答えすることは差し控えたいと思います。先週も同じような問いにお答えしましたが、様々な法律や国際法の範囲の中で出来ることをしっかり検討していきたいと考えております。
記者 :
一般論で結構ですが、機雷を敷設した国が遺棄機雷であるという認定があった上で、初めて安全に機雷掃海ができるのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
統幕長 :
一般論としてお尋ねのような解釈もあろうかと思いますが、いずれにしましても、今まさに現在進行形で起きている事ですので、そこについて予断を持って私の解釈を申し述べることは控えたいと思います。
(以上)
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