自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び施策について閣議資料を公開(9月15日)
- 日本の防衛
2026-9-17 14:00
防衛省は令和8(2026)年9月15日(火)、令和7年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告について、閣議資料を報道に公開した。
その内容を以下に転載する。
令和7年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告
自衛隊員倫理法(平成11年法律第130号)第4条の規定に基づき、自衛隊員の職務に係る倫理の保持に関する状況及び自衛隊員の職務に係る倫理の保持に関して講じた施策について、国会に報告するものである。
1 各種報告書の提出件数
自衛隊員倫理法(平成11年法律第130号。以下「倫理法」という。)は、国民の疑惑や不信を招く行為の防止を図る観点から、隊員(倫理法第2条第1項に規定する自衛隊員をいう。以下同じ。)に贈与等、株取引等及び所得等について報告することを義務付けている。
(1)贈与等報告書の提出件数
倫理法第6条第1項では、部員級以上の隊員(倫理法第2条第2項各号に掲げる隊員をいう。)は、事業者等から贈与等を受けたとき等は、四半期ごとに、贈与等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員(自衛隊法(昭和29年法律第165号)第30条の2第1項第6号に規定する幹部隊員及び自衛官を除く。以下単に「防衛装備庁の職員である隊員」という。)にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされている。倫理法第6条第3項の規定に基づき、その写しは自衛隊員倫理審査会(以下「倫理審査会」という。)に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。また、倫理法第9条第2項の規定に基づき、贈与等により受けた利益又は支払を受けた報酬の価額が1件につき2万円を超える部分については、閲覧を請求することができる。
令和7年度分の贈与等報告書の提出総数は、1,770件であった。これらのうち、本省審議官級以上の隊員(倫理法第2条第3項各号に掲げる隊員をいう。以下同じ。)に係る報告書の件数は297件、また、閲覧を請求することができる報告書の件数は595件である。
贈与等報告書の提出総数1,770件の内訳を見ると、金銭、物品等の供与関係が401件(提出総数に占める割合22.7%)、飲食の提供等関係が679件(同38.4%)、報酬関係が690件(同39.0%)となっている。本省審議官級以上の隊員に係る297件の内訳を見ると、金銭、物品等の供与関係が116件(本省審議官級以上の隊員に係る報告書の件数に占める割合39.1%)、飲食の提供等関係が133件(同44.8%)、報酬関係が48件(同16.2%)となっている。
(2)株取引等報告書の提出件数
倫理法第7条第1項では、本省審議官級以上の隊員は、前年において行った株券等の取得又は譲渡について、毎年、株取引等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされており、同条第3項の規定に基づき、その写しは倫理審査会に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。
令和7年分の株取引等報告書の提出件数は20件であった。
(3)所得等報告書の提出件数
倫理法第8条第1項では、前年1年間を通じて本省審議官級以上の隊員であった者は、毎年、所得等報告書を防衛大臣(防衛装備庁の職員である隊員にあっては、防衛装備庁長官)に提出しなければならないとされており、同条第4項の規定に基づき、その写しは倫理審査会に送付され、当該報告書については、倫理法第11条の規定に基づき、倫理審査会が審査を行っている。
令和7年分の所得等報告書は、対象者全員から提出され、その件数は117件であった。
2 倫理監督官への届出等の状況
(1)倫理監督官への届出件数
自衛隊員倫理規程(平成12年政令第173号。以下「倫理規程」という。)第8条では、隊員が自己の飲食に要する費用について利害関係者の負担によらないで利害関係者と共に飲食をする場合において、自己の飲食に要する費用が1万円を超えるときは、あらかじめ、倫理監督官に届け出なければならないとされている。
令和7年度における倫理監督官への届出は10件であった。
(2)倫理監督官の承認の状況
倫理規程第9条第1項では、隊員が利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて講演等をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督官の承認を得なければならないとされている。
令和7年度における承認申請件数は359件であり、これらは全て承認された。
3 懲戒処分等の状況
(1)自衛隊員倫理法令違反による処分等の状況
防衛大臣及び防衛装備庁長官は、自衛隊法第46条第1項第3号の規定に基づき、隊員が倫理法又は倫理法に基づく命令に違反する行為(以下「倫理法違反行為」という。)を行った場合には、当該隊員に対し、懲戒処分をすることができる。
令和7年度中に倫理法違反行為に対して懲戒処分が行われた事案は2件(停職4名、減給9名)であった。
事案の概要は、以下のとおりであった。
(事案1)
利害関係者に該当しない事業者から、社会通念上相当と認められる程度を超えて繰り返し供応接待を受けるとともに、物品等の贈与を受けた隊員1名について、停職9日の処分を行った(なお、他の自衛隊法違反行為も併せて懲戒処分を行った。)。また、利害関係者と共にゴルフをするとともに、車両での送迎を受けた隊員1名について、減給1月(俸給の月額の15分の1)の処分を行った。
(事案2)
利害関係者である事業者から物品の贈与を受けた隊員3名について、1名は停職15日の処分を、2名は停職5日の処分を行った。また、利害関係者に該当しない事業者から社会通念上相当と認められる程度を超えて財産上の利益供与を受けた隊員8名について、1名は減給1月(俸給の月額の5分の1)の処分を、4名は減給1月(俸給の月額の6分の1)の処分を、3名は減給1月(俸給の月額の10分の1)の処分を行った。
また、令和7年度中に、倫理法違反行為に対して訓戒等の措置が講じられた事案は、2件(訓戒1名、注意1名)であった。
(2)懲戒処分の概要の公表の状況
倫理法第12条第3項、第18条第1項及び第23条では、防衛大臣及び防衛装備庁長官は、自ら行った懲戒処分につき隊員の職務に係る倫理の保持を図るため特に必要があると認めるときは、倫理審査会の意見を聴いて、その概要を公表することができるとされている。
令和7年度中に倫理法違反行為に対して懲戒処分が行われた事案については、懲戒処分の公表基準に基づいて、概要を公表した。
4 自衛隊員倫理法等の適正な運用の確保及び倫理感のかん養・保持等のための施策
(1)自衛隊員倫理審査会が行った施策
倫理審査会は、倫理法の規定により提出された贈与等報告書、株取引等報告書及び所得等報告書について審査を行った。
(2)防衛省全体として行った施策
① 隊員の倫理に関する意識を高めるため、令和7年度においては令和8年3月の1か月間を自衛隊員等倫理月間とし、当該期間中に次に掲げる施策を実施した。
ア 倫理監督官である事務次官から隊員に向けて倫理の保持に関する通達を発出した。
イ 部外講師による講演(演題「プロフェッショナルとは何か~時代と国民に寄り添う自衛隊員を目指して~」)を開催した。
ウ 全ての隊員を対象に防衛省が独自に作成した教育資料等により倫理に関する教育を行うとともに、教育時等において、管理・監督の地位にある者から自らの倫理観を部下隊員に教示した。
エ 「倫理観をもった行動を!」という内容で倫理法や倫理規程の概要を掲載した啓発用パンフレットを作成し、隊員に配布した。
オ 事業者向けe-ラーニングを作成し、防衛省のホームページに掲載するとともに、そのQRコードを記載した「自衛隊員と関わりのある事業者等の皆様へ~倫理の保持にご協力ください~」という内容の部外用パンフレットを作成し、契約担当部署等を通じ、事業者等に配布した。
カ 隊員としての遵守事項及び事業者等との間で禁止されている行為の基本的な内容を簡潔に記載したカードを作成し、隊員に身分証とともに携帯させた。
② 令和7年度に行われた次に掲げる研修において、隊員の倫理感のかん養・保持等のためのカリキュラムの充実を図った。
ア 新規採用者等初任研修(修了者数 88名)
イ 新規採用者等初任研修(各機関)(同620名)
ウ 令和7年度(第8回)内局研修(係員級)(同31名)
エ 令和7年度(第9回)内局研修(係員級)(同19名)
オ 令和7年度(第10回)内局研修(係員級)(同23名)
カ 令和7年度(第6回)内局研修(係長級)(同24名)
キ 令和7年度(第7回)内局研修(係長級)(同36名)
ク 第17回上級管理職育成研修(同58名)
(3)部内の各機関が行った施策
部内の各機関において講じられた施策としては、次のものがある。
① 服務担当者会議、課長会議等の各種会議において、倫理法の周知徹底等の指示・指導を行った。
② 研修における倫理講座の設定、充実等を行った。
③ 日常業務において、また、文書回覧、課内連絡会議等により、管理・監督の地位にある隊員から部下隊員への指導を行った。
④ 管理・監督の地位にある隊員に対して、会議等における指示・指導を行った。
(以上)
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- 最新レーダーの驚くべき生産拠点 ──最高の製品は最高の工場から
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを更新(5月25日)
- 人事発令 7月12日付け、指定職人事
- 人事発令 令和8年8月1日・2日・3日付け、1佐職人事(陸自241名、海自20名、空自56名)
- 空自 偵察用無人機RQ-4Bグローバルホークが鳥取県沖で墜落(9月15・16・17日、第4報まで)
- 人事発令 令和8年9月15日付け、1佐職人事(空自3名)
- テラドローン、ジェット型迎撃ドローン製品化の具体化に向けた検討を本格化(9月14日)
- 防衛省が第13回処遇・給与部会を開催 自衛官の給与体系見直し提言取りまとめ(8月24日)、議事録を公開(9月10日)
- 防衛省報道官が会見 グローバルホークの通信途絶、防衛費GDP費3.5%報道について(9月15日)
- 人事発令 令和8年9月16日付け、1佐人事(陸自1名)
- 最新レーダーの驚くべき生産拠点 ──最高の製品は最高の工場から
- 防衛省が第13回処遇・給与部会を開催 自衛官の給与体系見直し提言取りまとめ(8月24日)、議事録を公開(9月10日)
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを更新(5月25日)
- 若年定年の自衛官への給付金支給対象者を拡大、政令を公布(7月3日)
- 人事発令 令和8年8月1日・2日・3日付け、1佐職人事(陸自241名、海自20名、空自56名)
- 防衛装備庁が「海洋戦術支援システム」の取得検討で情報提供企業を募集 〆切は9月17日
- 《特集》5つの艦種で構成される海自の主力艦 基礎から分かる「護衛艦」概論
- 人事発令 令和8年8月3日付け、将補人事(陸自20名、海自7名、空自13名)
- 人事発令 令和8年8月7日付け、指定職人事(27名)
- 人事発令 令和8年8月3日付け、将人事(陸自10名、海自6名、空自2名)
- 人事発令 令和8年8月20日付け、1佐職人事(海自1名、空自10名)
- 最新レーダーの驚くべき生産拠点 ──最高の製品は最高の工場から
- 航空自衛隊 千歳基地内で現金を脅し取った疑い 3等空曹を逮捕(8月18日)
- 航空自衛隊がブルーインパルスの2026年度展示飛行スケジュールを更新(5月25日)
- 人事発令 令和8年8月21日付け、1佐職人事(海自12名)
- 人事発令 令和8年8月17日付け、1佐人事(空自6名)
- 人事発令 令和8年8月1日・2日・3日付け、1佐職人事(陸自241名、海自20名、空自56名)
- 人事発令 令和8年8月19日付け、1佐人事(空自9名)
- 人事発令 令和8年8月18日付け、1佐職人事(空自3名)
- 《インタビュー》防衛省・髙橋杉雄さん「日本の防衛における宇宙利用について」

