防衛省が第13回処遇・給与部会を開催 自衛官の給与体系見直し提言取りまとめ(8月24日)、議事録を公開(9月10日)
- 日本の防衛
2026-8-27 11:11
防衛省は令和8(2026)年8月24日(月)、防衛人事審議会の第13回処遇・給与部会を開催し、自衛官の給与体系の独自見直しに関する事項を議題として審議した。
8月25日(火)に公式サイトで同部会の会議資料2件が公表され、9月10日(木)には議事録も掲載されたので、以下に転載する。※この記事は9月10日に更新しました。
会議資料1は、指定職相当の自衛官や自衛隊医官の給与体系の現状を整理するとともに、自衛官固有の特殊性として「24時間勤務態勢下での業務への拘束性」「自衛官固有の危険性・困難性を伴う任務への対応」「我が国防衛という任務の性格に起因する広域・地方間異動の頻度等」の3点を挙げ、これらを給与などに反映するための検討状況を示したもの。
会議資料2は、創設以来約70年間、見直しが行われてこなかった自衛官の給与体系について、同部会の中間提言を取りまとめ、ポイントを示したもの。
議事録は、宿日直・夜勤手当・休日給における一般職との差の拡大、広域異動の考慮、医療費の無償化と喫煙・飲酒に由来する生活習慣病や虫歯への対応、処遇と給与の公平性・納得性などについて、委員らの意見を収録したもの。これらをまとめて年末の最終提言に向けて議論を継続するとしている。
会議資料1 第13回処遇・給与部会
































会議資料2 自衛官の給与体系の見直し(防衛省 処遇・給与部会)の中間提言のポイント


第13回処遇・給与部会 議事録
日時:令和8年8月24日(月) 10:00~11:30
場所:防衛省会議室
出席者:(部会委員)井上部会長、浦岡委員、金野委員、千葉委員、磯部委員、可部委員、中山委員 (防衛省)上田人事教育局長、末富大臣官房審議官、髙津給与課長、松浦統幕総務部長、牧野陸幕人事教育部長、清水海幕人事教育部長、尾山空幕人事教育部長 他
井上部会長の開会の辞に引き続き、防衛省より資料の説明等を行い、その後、意見交換。
委員: 宿日直勤務、夜勤手当及び休日給について、実態に即して説明をしてもらい、一般職と比較して差が目立ってきていると改めて認識した。これに対して処遇上の措置を講ずるのは適切と考える。
自衛官に対する医療の取扱いにおける傷病ごとの整理について、今後さらに整理を進めていくと思うが、傷病には遺伝的要因、個人的要素がある一方、職務負荷といった要素もあることを踏まえ、無理のない、かつ納得性のある整理となるよう留意されたい。
広域・地方間異動について、自衛官の配置や転属状況を踏まえた何らかの措置が検討されることは望ましいと考える。一般職との比較でも広域異動の頻度は多いということなので、部隊運用など自衛隊の特殊性を考慮した新たな措置を検討することができれば望ましい。
委員: 長期不在の場合については、任務・演習等で長期不在する者だけでなく、残って基地等の業務に対応する者への配慮も必要であると思った。
また、医療の取扱いについては、職務起因性と業務遂行性という2つの考え方のベクトルがあり、それぞれの整理だけでは必ずしも整合しない部分もあると思うので、今後よく検討していただきたい。
委員: 中間提言案について、昨年来の議論をよくまとめていただき感謝する。
管理職に対する調整額について、今後調整率を見直していく中で、整理が必要であると認識した。今回までの説明で、様々な論点を概ね網羅的にあげてもらったと認識している。これから年末に向けてしっかり議論を深めていきたい。
委員: 基本的な原則として、自衛官の業務への拘束性や重い業務負担のうち、現在評価されていない部分があるのであれば、今般の見直しにおいて適切に評価すべきと考える。
医療の取扱いについて、任務遂行可能な身体状態を維持・回復し、自衛隊の即応性を確保するという目的は、合理的であると考える。同時に、医療費の無償の範囲を広げるということは、メリットとして疾病等の早期発見・回復につながるが、デメリットとしては医療費の自己負担がないのであれば健康に気を付けなくなる、そういった予防意識の低下といったモラルハザードの問題も考慮しなければならないと考える。例えば、煙草、アルコールの過剰摂取といった不適切な生活習慣に起因する疾病、虫歯等の自己管理との関係があるものまでも、無条件に一律に医療費無償とするのは、国民の理解が得られにくいのではないか。無償とする場合には、自己管理をしっかり行っている等の何らかの要件が必要だと考える。
委員: 今あった委員の御意見のように、医療費を条件なく完全に負担ゼロとするのはあまりよくないのではないかと思う。また、配置によって診療へのアクセスに格差が生じている問題は改善し、不公平感がないようにしていくべき。
また、先日海上自衛隊横須賀地区に部隊視察へ行ったが、できるだけ現場の声を汲み取って議論をしていきたい。
委員: 最終提言に向けた意見として、まず、部隊における公平感や各隊員の負担感と、実際の処遇との間のずれに対して適切な措置を行っていくといった、全般的なポリシーとして考えられていることを、しっかりと明文化して示していただきたい。
次に、医療の取扱いについて、中間提言案13ページの「米英独は基本医療サービス無料」というのも重要な点だと思う。今般の中間報告では、この部分は概略的な説明に留まっており、今後検討していくという趣旨だと思うが、医療費負担については、一般国民の理解への配慮も重要である一方、自衛隊の即応態勢を確保するための任務遂行可能な身体状態の維持・回復ということが重要であるという点について、より明確に記載してもよいのではと感じた。
最後に、中間提言案の参考資料にある「処遇・給与部会の開催状況」については、関係閣僚会議以降の、本部会の当初からの流れ全体を記載するのがよいと思う。
防衛省: 医療の取扱いに関する各委員の御指摘はそれぞれ重要な論点と考えている。委員から御指摘をいただいた、即応態勢の維持というのは、自衛官が特有の医療費制度を設けている中核となる考えであり、中間提言案でも「求められる即応態勢の水準が高くなる中で」といった記載を盛り込んでいる。
また、各隊員の負担に応じた給与を実現するという、見直し全般に係るポリシーは、秋以降の議論で具体化し、最終提言でしっかり明記したい。
次に、委員から話があった点については私も現地で確認した。同時に、今般の給与体系の見直しにおいては、全ての自衛官への影響や、平素だけでなく事態が厳しくなる場面においても使用する給与制度であるといった点も全て考慮して、検討していくことが必要であるという点も重要であると感じた。これらの要素を総合的に考慮しながら、最も良い制度を作りたいと考えている。
同時に、今般の見直しの検討結果が形になった段階においては、部隊の各隊員になぜこのような給与制度となったのか、何が評価されてこのような処遇となっているのかといったことについて、説明の準備を行い、しっかり伝える取組みも必要だと考えている。今般の検討では、どのような勤務状況であっても皆が同じ給与ということではなく、部隊の運用とも折り合う形で、負担に見合った適正な給与上の差を設けるということも、給与制度としては大切だと考えている。ここまで頂いた御指摘を踏まえながら、次回部会においてしっかり説明できるように準備していきたい。
最後に、委員御指摘の当部会の開催状況については、給与体系見直しに関することは初回から取り扱っていることから、第1回処遇・給与部会から整理して記載する形としたい。
委員: 処遇・給与において、公平性や納得性は重要な要素だと考える。一口に公平性といっても、民間との公平性、他の公務員との公平性、さらに自衛隊の中での公平性なども考慮していかなければならないが、給与はモチベーションにも直結する部分もあるので、実質的な負担に対してしっかり処遇がされるような形にしていただきたい。
民間大手でも賃上げ率3年連続で5%超えと非常に高水準で推移しており、そのような中で公平性・納得性のある処遇の実現について、この中間提言を踏まえて年末に向けて議論をお願いしたい。
井上部会長: 本日の御意見は中間提言に反映したいと思うが、その内容については私に御一任いただき、事務局と調整の上セットしたいと考えているが、よろしいか。(部会長一任で了承。)
(以上)
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