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防衛省・自衛隊70周年記念観閲式を朝霞訓練場で挙行(11月9日)

  • 日本の防衛

2024-11-12 12:05

 令和6(2024)年11月9日(土)10時から11時45分、陸上自衛隊朝霞訓練場において、防衛省・自衛隊70周年記念観閲式が執り行われた。

 自衛隊では、陸・海・空による毎年持ち回りで「観閲式」「観艦式」「航空観閲式」を行っており、その目的は、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣(観閲官)の観閲を受けることにより、隊員の使命の自覚および士気の高揚を図るとともに、防衛力の主力を展示して国民の理解と信頼を深めることである。

◎防衛省・自衛隊公式動画チャンネルのアーカイブ配信はこちら→防衛省・自衛隊70周年記念観閲式(令和6年度自衛隊記念日記念行事)

 今回は石破茂(いしば・しげる)内閣総理大臣と中谷元(なかたに・げん)防衛大臣が出席し、首相官邸および防衛省・自衛隊の公式サイトでは、式典における石破総理の様子、訓示の全文、中谷防衛大臣の様子を掲載した。
 その掲載内容は、以下の通り。(一部の写真は省略)

防衛省・自衛隊70周年記念観閲式(首相官邸 公式サイト)

 令和6年11月9日、石破総理は、陸上自衛隊朝霞訓練場で開催された防衛省・自衛隊70周年記念観閲式に出席しました。
 総理は、状況報告を受け、巡閲及び訓示し、観閲行進を観閲しました。その後、栄誉礼・儀じょうを受けました。

到着する石破総理 写真:首相官邸
旗手申告 写真:防衛省
状況報告を受ける石破総理(防衛省提供)
観閲式式場(自衛隊朝霞訓練場) 写真:首相官邸
巡閲する石破総理 写真:首相官邸
訓示する石破総理 写真:首相官邸
観閲行進を観閲する石破総理 写真:首相官邸
観閲行進を観閲する石破総理 写真:首相官邸
栄誉礼・儀じょうを受ける石破総理 写真:首相官邸
栄誉礼・儀じょうを受ける石破総理 写真:首相官邸

(以上)

防衛省・自衛隊70周年記念観閲式 石破内閣総理大臣訓示(首相官邸 公式サイト)

 本日、この朝霞の地において、内閣総理大臣、そして、自衛隊最高指揮官として、士気旺盛なる隊員諸官の姿に接し、大変心強く思います。

 今から70年前、冷戦の最中、戦争の記憶がまだ色濃く残る昭和29年7月、自衛隊は生まれました。
 冷戦の時代、自衛隊は、装備や人員の充実など防衛力の整備に努めるとともに、厳しい教育訓練を実施して隊員の練度の維持向上を図ることで、我が国に対する侵略の未然防止に寄与をいたしてまいりました。
 長い冷戦が終結した後、世界は大きく動きました。国際平和協力活動、テロ対策支援、弾道ミサイルへの対応など、自衛隊に期待される役割は拡大の一途をたどりましたが、諸官は与えられた任務を粛々とこなしてきました。
 今や国民の9割は自衛隊に良い印象を持っています。これはこの70年の間、ただひたすらに任務に当たってきた隊員諸官の地道な努力の賜物(たまもの)に他なりません。
 全ての隊員諸官に対し、心からの敬意を表します。

 今から17年前、同じくこの朝霞で、私は防衛大臣として観閲式に臨んでおりました。あれから17年、我が国を、そして世界を取り巻く安全保障環境は激変をいたしました。
 国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアが隣国ウクライナを侵略し、戦闘はいまだ続いております。中東情勢も緊迫し、大勢の人々が命を落としています。
 我が国周辺においては、本年、中国及びロシアの軍用機が相次いで我が国領空を侵犯しました。これは我が国の主権の重大な侵害であるだけでなく、安全を脅かすものであり、全く受け入れることはできません。
 加えて、中国海軍航空母艦が我が国領海に近接する海域を航行しました。さらに、北朝鮮はかつてない高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。

 このように、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、国民の命と暮らしを守り抜くため、外交力と防衛力の両輪をバランスよく強化をいたしてまいります。
 日米同盟は日本外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤であります。この同盟の抑止力・対処力を一層強化させるため、私は就任早々、バイデン合衆国大統領と電話会談を行い、日米同盟を更に力強く発展させていくことを確認いたしました。トランプ次期大統領とも一昨日、電話会談を行い、日米同盟を新たな高みに引き上げるために協力していくことを確認いたしました。今後とも、日米同盟の更なる強化に共に取り組んでまいりたいと存じます。
 また、自由で開かれたインド太平洋の実現のため、同盟国・同志国間のネットワークを有機的・重層的に構築し、抑止力を強化するとともに、地域の安全と安定を一層確保するための取組を主導してまいります。

 こうした外交力の強化とともに、我が国自身の防衛力を抜本的に強化すべきことは論を俟(ま)ちません。
 スタンド・オフ防衛能力を始めとする将来の中核となる能力の強化、可動数向上や弾薬・燃料の確保といった継戦能力の確保、統合作戦司令部の創設による統合運用の実効性強化と日米それぞれの指揮・統制枠組みの向上。これらの取組を、国家安全保障戦略等に基づき、着実に実現をいたしてまいります。

 そして何よりも、防衛力の最大の基盤は、自衛官諸官であり、どんなに立派な装備品を整備しても、それを運用するのは自衛官であります。その自衛官の定員が十分に満たされてはおりません。
 自衛官諸官が、安んじて、国防という極めて枢要な任務に誇りと名誉をもって専念できるよう万全の体制を構築することが必要であります。このため、生活・勤務環境や処遇の改善のほか、若くして定年退職を迎える自衛官が、現役時代に努力して身に着けた能力を最大限にいかしながら、退職後も社会で存分に活躍できる生涯設計を描くことができるよう、私を長とする関係閣僚会議を設置し、議論を重ねているところであります。昨日も会議を開催したところであり、今後、令和7年度予算で実施すべき項目は年内に取りまとめ、早急に実現をいたしてまいります。

 防衛省・自衛隊は、国民にとっての最後のよりどころです。
 だからこそ、日本国におけるありとあらゆる組織の中で、最も規律厳正であり、最もお互いに対する思いやりがあり、そして最も国民に信頼される組織でなければなりません。

「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえる。」
 この服務の宣誓がいかに重いものか、22年前に防衛庁長官を命ぜられて以降、私自身もこれまで何度もかみしめてまいりました。
 今日この機会に、私は諸官に改めて問いかけたいと思います。
「この服務の宣誓に、自分は今日一日、忠実であっただろうか。」
「自分の働きが、我が国の独立と平和、地域と世界の安定につながっているという満足感を持てているだろうか。」
 自衛隊の活動は、国民の理解と信頼がなければ決して成り立ちません。そのことを改めて徹底するとともに、強い覚悟と責任感を持って自らの任務を遂行されんことを心より期待します。

「日本を守る」、「国民を守る」、「我が国の独立と平和を守る」。これは私どもの取組の柱であります。私は諸官の先頭に立ち、日本国、国民を、守り抜く覚悟であります。そして、今この瞬間にも、懸命に汗を流して任務に当たる隊員諸官一人一人の努力が、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守っております。このことを常に胸に刻みつつ、職責を果たしてまいる所存であります。
 この決意を申し述べるとともに、隊員諸官が各々の任務に全身全霊を尽くされんことを強く要望し、私の訓示といたします。

令和6年11月9日
内閣総理大臣 石破茂

(以上)

中谷防衛大臣の動静 防衛省・自衛隊70周年記念観閲式(防衛省・自衛隊 公式サイト)

 11月9日、中谷元防衛大臣は、陸自朝霞訓練場で行われた防衛省・自衛隊70周年記念観閲式において、観閲官である内閣総理大臣の出席のもと、巡閲などを行いました。また、観閲式終了後には観閲式の運営に当たった隊員を激励しました。
 観閲式は、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣の観閲を受けることで、隊員の使命の自覚及び士気の高揚を図ることを目的に実施しています。

観閲行進。中谷大臣は石破総理の後ろ。 写真:防衛省
巡閲。中谷大臣は1/2tトラックに乗車。 写真:防衛省
栄誉礼・儀じょう。 写真:防衛省
観閲式終了後の記念撮影。写真:防衛省

(以上)

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