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《インタビュー》統合防空ミサイル防衛の切り札「IBCS」の日本採用へ向けて

  • 特集

2026-3-12 15:05

「IBCSは導入国の既存システムを代替せず、陸・海・空で別々に機能するそれらを束ねて、強靭な統合防空を創り出します」ノースロップ・グラマン社のIBCS担当ケン・トドロフ氏から日本へのメッセージを、稲葉義泰がお届けします。稲葉義泰 INABA Yoshihiro

ノースロップ・グラマン社でIBCSを担当するケン・トドロフ バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー 写真:編集部

 近年、空から迫りくる脅威は実に多様化している。伝統的な航空機や巡航ミサイル、弾道ミサイルに加えて、各種サイズの無人兵器や極超音速兵器などが登場しており、これらが組み合わさって攻撃が実施されるというシナリオが現実のものとなっている。

 こうした脅威に対処するためには、既存の防空兵器の能力強化だけではなく、これらを一つの「防空システム」として統合化する「統合防空ミサイル防衛(Integrated Air and Missile Defense:IAMD)」能力の実装を進めることが重要となる。

 このIAMDを実装するうえで欠かすことのできない「異なる防空兵器やセンサー群を結び合わせる機能」を提供するのが、アメリカの大手防衛関連企業であるノースロップ・グラマン社が開発・製造する 統合戦闘指揮システム IBCS (Integrated Battle Command System)だ。すでにアメリカ陸軍で制式採用され、また初の海外導入事例となったポーランド軍においても2025年に完全作戦能力(FOC)が宣言されるなど、IBCSは着実にその能力を実証して見せている。

 日本でもその導入が見込まれる中、筆者はノースロップ・グラマン社でIBCSを担当するバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのケン・トドロフ氏にインタビューする機会を得た。

IBCSでの日本企業との協業──新たな輸出の機会も

稲葉義泰(以下、稲葉): まず、IBCSに関する日本企業との協業についてお伺いします。特に三菱電機との協力の現状について教えていただけますか。

ケン・トドロフ(以下、トドロフ): 三菱電機とは2024年1月に協業契約(teaming agreement)を締結しました。正式な協力枠組みが発効してからすでに2年以上が経過しています。同社との協議は現在も非常に良好に進展しています。今週(取材は2026年2月第3週)も当社チームが三菱電機と技術的協議を行う予定です。

 議論の核心は、「日本向けIBCSにおいて三菱電機がどのような役割を担うのか」という点です。詳細については控えますが、三菱電機は主としてソフトウェア分野で重要な役割を果たし、加えて一定範囲でハードウェア分野にも関与する見込みです。日本向けIBCS全体に占める日本国内産業のコンテンツ比率は、おおよそ50%程度に達する可能性があると見ています。

 三菱電機に限らず、日本国内の他パートナーとの産業協力は、防衛省および日本政府がIBCSの自衛隊への導入を最終決定するうえで重要な要素になると考えています。

 これは、日本企業にとって輸出の機会を見込める話でもあります。現在、世界の20か国以上がアメリカ政府に対しIBCSへの正式な関心を表明しています。日本の産業基盤を活用し、その成果を他のパートナー国へ展開する可能性もあります。ノースロップ・グラマンは、その橋渡し役を担う用意があります。

稲葉: 現在、日本政府は防衛装備品の輸出拡大を明確に打ち出しており、日本企業の考え方も10~20年前と比べて変化していると感じます。例えば、陸上自衛隊の防空システムをIBCSと組み合わせて他国へ輸出するような産業協力の可能性について、どのように考えますか。

トドロフ: 非常に現実的な機会だと考えます。

 統合防空・ミサイル防衛(IAMD)を巡る脅威環境は、悪化する一方です。従来からの脅威である弾道ミサイルに加えて、より高い殺傷力を持ち長射程化したミサイルや無人機によるスウォーム攻撃など、脅威は質的にも量的にも拡大し、その迎撃手段も多様化が進んでいます。

 そのため、アメリカの同盟国やパートナー国は、IAMD能力の近代化を急務としています。この分野に日本企業が技術を提供することは、極めて現実味のある話です。仮に日本がIBCSを採用すれば、それは日本の防衛産業にとっても大きな輸出機会となるでしょう。

IBCSはJADGEを置き換えない——既存システムを活かし、補完する

稲葉: 日本は現在、航空自衛隊が運用する自動警戒管制システムであるJADGE(ジャッジ、自動警戒管制組織)を有しています。自衛隊がIBCSを導入した場合、JADGEとの関係はどうなりますか。

トドロフ: 明確に申し上げますが、IBCSはJADGEを置き換えるものではありません。むしろJADGEのレイヤーを補完するものです。JADGEが担う機能の中には、IBCSが想定していないものもあります。IBCSはあくまで統合防空・ミサイル防衛に特化した指揮統制(C2)ノードおよびネットワークであり、相互補完関係にあります。JADGEのいかなる要素も代替するものではありません。

JADGE(自動警戒管制システム)による弾道ミサイル防衛のイメージ図。JADGEは対領空侵犯措置の指揮管制も担うシステム。ただし、様々なセンサー情報を融合して追跡・照準する機能や、陸上自衛隊アセットと連携する機能は持たない 画像出典:防衛省資料

 IBCSは統合防空・ミサイル防衛の指揮統制に特化し、迎撃ミサイルに対して射撃統制品質(fire control quality)を高める追跡情報を提供し、目標の迎撃・撃破を可能にするシステムです。私はJADGEの専門家ではありませんが、両者は補完的関係にあると考えています。

 したがって、JADGEとIBCS間のインターフェース設計は今後の重要課題となりますが、技術的には十分実現可能です。すでに日本企業とも協議を行っています。JADGEに精通しているのは日本産業界であり、IBCSとJADGE、さらには他の指揮統制ノードとの接続を実現するうえで、日本企業が中心的役割を果たす可能性があります。

中SAM・短SAM・F-35も統合—— “日本版IBCS” のかたち

稲葉: IBCSはオープンアーキテクチャ設計を採用していますが、日本がIBCSを導入する場合、基本構成はアメリカ陸軍が運用するIBCSそのままになるのでしょうか。それとも自衛隊向けに「日本版IBCS」のような形になるのでしょうか。

トドロフ: 非常に良い質問です。各国でIBCSについて説明する際によく受ける質問でもあります。

 IBCSは「日本のシステム」になります。中核となるのはIBCSですが、日本のIAMD能力近代化の中核を担う、独自の日本仕様システムになります。

 仮に日本が別の名称を付けたいのであれば、それも可能です。例としてポーランドを挙げましょう。同国はすでにIBCSに関して完全運用能力(FOC)を宣言しています。ポーランドはIBCSを基盤とした自国システムを「WISŁA(ヴィスワ)」と呼んでいます。これはポーランドの河川名に由来します。また次段階のIAMD計画は「NAREW(ナレフ)」と呼ばれています。

 ポーランドは自国のネットワークやセンサーなど、アメリカ陸軍のIBCSには存在しない独自要素を統合しています。日本の場合も同様です。中核の「頭脳」はIBCSですが、そこに03式中距離地対空誘導弾(中SAM)、81式短距離地対空誘導弾(短SAM)、航空自衛隊のF-35戦闘機、さらにはCEC(Cooperative Engagement Capability:共同交戦能力)を通じた海上自衛隊のイージス艦との接続など、日本独自のセンサーやシステムを統合することで、独自の多領域統合システムになります。

 つまり、単にアメリカ製のシステムを日本に持ち込むのではなく、日本が構想・設計・実装する「日本独自のIBCS」が出来あがります。一方で中核の頭脳はアメリカ軍で運用されているものと共通であるため、日米間の相互運用性を確保でき、共通作戦状況図(common operational picture)を共有できます。これは現在のような縦割り(stovepipe)型システムと比べ、飛躍的な能力向上になります。

陸上自衛隊で防空火力の中核をなす03式中距離地対空誘導弾(中SAM) 写真:陸上自衛隊
海上自衛隊でCECを搭載するイージス艦2隻のうちの1隻、護衛艦「はぐろ」 写真:海上自衛隊

稲葉: 通常、新規装備の導入は能力ギャップを埋めるために行われます。日本の想定作戦コンセプトにおける能力不足をどう評価し、IBCSがどのようにそれを補完するとお考えですか。

トドロフ: 私は日本の軍事能力の専門家ではありません。しかし、私は現役将校時代に航空自衛隊と共に活動し、協力した経験から、自衛隊の高い専門性とプロフェッショナリズムに非常に感銘を受けています。

 そのうえで述べるなら、IBCSは現在の日本が保有する能力を強化するものです。アメリカでもかつてはセンサー、エフェクター(迎撃手段)、C2(指揮統制)が個別の閉じたエコシステムとして構成されていました。その状態では、仮に電子戦攻撃やサイバー攻撃によりその一部が無力化されると、システム全体が機能停止に陥る可能性があります。

 IBCSはこれを「エコシステム同士の接続」に変えます。センサーが妨害されても、別のセンサーフィードからデータを取得できます。その基盤となるのが統合火力管制ネットワーク(Integrated Fire Control Network:IFCN)です。

 例えるなら、かつてはPCとプリンターをケーブルで直接接続していましたが、現在はネットワーク接続です。IBCSも同様に、高度な射撃統制品質のデータを共有する共通作戦ネットワークを構築し、地上・空・海・宇宙を含む戦域全体を統合した共通作戦状況図を生成します。

 これにより、日本は状況認識能力を拡大し、冗長性(redundancy)と強靭性(resiliency)を高め、最終的な防衛効果を向上させることができます。

IBCSの防空システムを可視化したBattle Oneのビジョン。部隊や軍種の垣根を越えて個々の防空システムを連携させる 画像:Northrop Grumman

大規模なハードウェア改修はなし——インターフェースは「Aキット/Bキット」

稲葉: 現在、陸上自衛隊は中SAMや短SAMなど国産防空システムを運用しています。IBCSを導入する場合、ハードウェア改修は必要でしょうか。それともソフトウェア対応で可能でしょうか。

トドロフ: ポーランドの事例が参考になります。同国は自国の既存システムをIBCSに統合しましたが、大規模なハードウェア改修は必要ありませんでした。

 既存システムとIBCSの間にはインターフェースが設けられます。これを「Aキット/Bキット」と呼びます。BキットがIBCS側、Aキットが防空システム側に取り付けられます。Aキットは主にソフトウェアで、ラップトップPC程度の装置上で動作可能です。

 ハードウェア本体を改修する必要はありません。データを一方向でIBCSに流す構成も可能です。

 必要なのは主にソフトウェア統合作業であり、当社エンジニアは多くの外国パートナーとセンサーやシューター(迎撃装置)を統合してきた実績があります。技術的には難易度は高くなく、大規模なハード改修も不要です。

グアム防衛を沖縄に応用──IBCSが島嶼と本土をIAMDで結ぶ

稲葉: 現在アメリカ軍はグアムを戦略的な拠点と位置付け、その防衛能力を強化しています。いわゆる「グアム防衛システム」です。グアムでの経験は、日本にとって戦略的に極めて重要な沖縄防衛にも役立つと個人的に考えています。そこで、グアム防衛システムにおけるIBCSの重要性について教えていただけますでしょうか。

トドロフ: 非常に的確なご指摘です。私自身、軍歴の中で嘉手納基地に長く滞在した経験がありますが、沖縄とグアムには地理的・戦略的に明確な類似点があります。

 グアム防衛システムにおいて、IBCSはIAMDアーキテクチャの中核となる指揮統制システムです。アメリカ陸軍は、IBCSをその中心的構成要素とすることを強く求めています。

 沖縄も日本南西部に位置する島嶼であり、日本全体の防衛上きわめて重要です。IBCSは沖縄と日本本土をネットワークで結びつける能力を有します。これは、沖縄を他地域の自衛隊防衛ネットワークと接続する上で重要です。グアムでも同様に、ハワイやアメリカ本土と統合防空ネットワークを接続する構想があり、長距離にわたる拡張接続能力を持っています。

 また、本システムの特徴は、戦術レベルの交戦から、作戦レベル、さらには戦略レベルに至るまで同一アーキテクチャで運用可能な点です。戦術部隊のオペレーターが見る画面と、より上位の戦略レベルで見る画面は基本的に同じ共通作戦状況図です。

 IBCSは統合航空作戦センター(CAOC)のような地域統合指揮所での運用も想定されていますが、同時に前線の戦術部隊でも使用可能です。そのため、階層ごとに別システムを再教育する必要がありません。共通インターフェース、共通状況図により、人員削減や訓練負担軽減にもつながります。

稲葉: グアム防衛システムでは、IBCSはアメリカ陸軍システムだけでなく、アメリカ海軍の陸上配備型イージス・システム、洋上のイージス艦、アメリカ空軍のシステム、さらにはミサイル防衛庁(MDA)のレーダーなどとも接続する必要があります。沖縄にもアメリカ陸軍のパトリオット部隊や陸上自衛隊の中SAM部隊、航空自衛隊のパトリオット部隊が存在し、海上自衛隊も防衛作戦に関与します。もし自衛隊が沖縄にIBCSを導入すれば、これらは単一アーキテクチャで常時接続されるという理解でよろしいでしょうか。

トドロフ: それこそがIBCSの主要な利点の一つです。本来、相互接続を前提として設計されていなかったシステム群を、統合火力管制ネットワークの下で接続することができます。

 重要なのは、全く新しい装備体系を一式購入する必要はないという点です。既存のセンサー、迎撃システム、指揮統制装置を活用しながら、それらをIBCSに統合することが可能です。

 ご指摘のシナリオのように、アメリカ陸軍のパトリオット、陸上自衛隊の中SAM、海自アセットなどを既存能力のままIBCSを通じて統合することが可能です。これはポーランドですでに実証されており、現在IBCSに関心を示している20か国以上においても同様の統合アーキテクチャ設計を進めています。

航空自衛隊 南西高射群(司令部は那覇基地)の地対空ミサイル ペトリオットPAC-3 写真:航空自衛隊

他領域システムとの接続——ポーランドはバルト海の試験成功でFOC宣言

稲葉: 先ほどイージス艦との接続に関するご説明に際してCECについて言及されました。アメリカ陸軍が海軍のイージス・システムと連接する場合、それはCEC経由なのでしょうか。それとも他の通信システムが必要になるのでしょうか。

トドロフ: CECとIBCSの間の接続能力はすでに存在しています。これは「JTMCブリッジ」と呼ばれる仕組みです。JTMCは、Joint Track Management Capability(統合トラック管理能力)の略です。

 アメリカのミサイル防衛局に私は軍歴最後のポストとして副長官代理(Deputy Director)として勤務していました。当時、アメリカ陸軍がIBCSを導入し、アメリカ海軍が海上領域の能力を有していることを踏まえ、両者を接続する必要があると判断し、このJTMCブリッジの開発に取り組んでいました。

 この接続能力は現在すでに実証済みであり、アメリカ軍による試験も実施されています。技術的にIBCSとCECを接続することは十分可能です。

 さらに、これは海上領域と地上領域の接続だけではありません。空中領域ではF-35との接続も試験・実証済みですし、他の航空プラットフォームとも接続可能です。加えて、宇宙領域との接続能力も有しています。

 ポーランドの例を挙げます。同国はIBCSの完全運用能力(FOC)宣言のための最終試験を実施しました。これはバルト海上約500kmに及ぶ広範囲で行われ、スターリンク衛星通信を介してIBCSと司令部を接続しました。

 試験では複数の目標が飛行し、そのうち1つは電子戦による妨害を実施しました。しかしIBCSは妨害を回避する経路を構築し、2目標の迎撃に成功しました。この結果をもってポーランドはFOCを宣言しました。非常に広範囲かつ多領域の接続を伴う印象的な試験でした。

稲葉: スターリンクのような商用衛星通信でも接続可能ということは、軍用専用システムでなくても接続可能ということでしょうか。

トドロフ: その試験では商用回線を使用しましたが、防衛用途のプラットフォーム経由での接続能力も存在します。ポーランドが自ら設計した主権的(sovereign)試験であり、我々もアメリカ軍も基本的に「ハンズオフ」で、経過を見守るのみでした。

 つまり、この試験においてIBCSはポーランド独自の主権的システムとして運用されました。日本も同様に主権的システムを構築可能です。アメリカはそのループの外におり、成功を見守る立場でした。非常に誇らしい成果です。

2025年12月、ポーランドはIBCSの完全作戦能力を宣言した 写真:ポーランド国防省

世界20か国が注目——IBCSはに広がる国際的需要

稲葉: 台湾がIBCSベースのアーキテクチャ導入を検討しているとの報道もあります。この件について、現在具体的な取り組みや正式な手続きは進んでいるのでしょうか。

トドロフ: 特定の国について言及することは控えさせていただきます。
 ただし、これまで申し上げてきた通り、世界で20か国以上がアメリカ政府に対し正式に関心を表明しています。これは情報提供要求(RFI)や引合受諾書(LOA)関連の正式照会を意味します。関心を示している国々は欧州、中東、そしてインド太平洋地域に及びます。中東地域でもIBCS導入に向け極めて具体的な検討段階に入っている国があります。

 個別の国名は申し上げられませんが、本システムに対する世界的需要は指数関数的に拡大しています。我々のチームは各国軍への説明・情報提供で非常に忙しい状況です。IBCSはゲームチェンジャーとなり得るシステムであり、ノースロップ・グラマンのような技術主導企業が国家防衛に従事する人々に提供できる画期的能力だと考えています。

「IBCSアダプティブ・フレームワーク」——より多様なプラットフォームへの搭載

稲葉: 現在のIBCSは主に車載型(大型トラック搭載)ですが、ウクライナ戦争の状況を見ると、無人機攻撃やミサイル攻撃が広範囲に及んでいます。より小型・分散型の機動プラットフォームへの搭載構想はありますか。

トドロフ: 非常に重要なご質問です。IBCSの将来像について、我々は積極的に研究開発を進めています。現在はフルレート生産段階にあり、現行能力にも誇りを持っていますが、脅威環境の進化を踏まえ、より分散型・機動型アーキテクチャへの展開は最優先事項の一つです。

 中核となるIBCSの“頭脳”は変わりませんが、その実装形態は柔軟化します。我々はこれを「IBCS Adaptive Framework(適応型フレームワーク)」と呼んでいます。

 例えば、顧客が高層建物の上に設置したい場合でも、現在のアメリカ陸軍型車載モデルと同じ外形である必要はありません。「ホステッド・アプローチ」により、能力は様々な形態で搭載可能です。

 ご質問の通り、小型車両への搭載も進めています。例えば歩兵分隊車両(Infantry Squad Vehicle:ISV)への搭載試験も行っており、より分散配置・高機動な運用を想定しています。

 IBCSの本質的価値は“頭脳”にあります。外観や搭載形態は重要ですが、本質ではありません。コア能力を維持しつつ、環境に応じて形態・機能・搭載方法を適応させることが可能です。IBCSの将来像は従来のイメージを覆すものになりつつあり、我々はその発展に大きな期待を抱いています。

アメリカ陸軍のISV(歩兵分隊車両)である、GMディフェンス社のM1301 ISV 写真:米陸軍

ノースロップ・グラマンは、日本の産業界とともに真に役立つ能力を提供する

稲葉: 最後に何か付け加えて、日本の読者に伝えたいことはありますでしょうか。

トドロフ: 冒頭でお話した日本の話題に戻らせてください。ノースロップ・グラマンは、日本にとって選ばれるパートナーとなる用意があります。

 我々は実証済みの能力を持つ企業として、日本の産業界と肩を並べ、次世代の統合防空・ミサイル防衛能力を共同生産・共同開発したいと考えています。それは日米両国の利益を守ることにつながります。

 かつて軍人として勤務していた立場から申し上げれば、現場で国家を守る人々に真に役立つ能力を提供することが、私が今もこの仕事に情熱を持ち続ける理由です。そしてノースロップ・グラマンがその技術を提供できることを誇りに思っています。

稲葉義泰INABA Yoshihiro

軍事ライターとして自衛隊をはじめとする各国軍や防衛産業に携わる国内外企業を取材する傍ら、大学院において国際法を中心に防衛法制を研究。著者に『「戦争」は許されるのか 国際法で読み解く武力行使のルール』『“戦える”自衛隊へ 安全保障関連三文書で変化する自衛隊』(イカロス出版)などがある。

https://x.com/japanesepatrio6

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