荒井陸幕長が定例記者会見 米出張の成果、日出生台演習場での10式戦車事故後の訓練、調査などについて(5月19日)
- 日本の防衛
2026-5-22 08:30
防衛省 陸上幕僚監部は令和8(2026)年5月19日(火)、公式サイトにおいて、同日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。
陸幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
陸幕長からの発表事項
米出張の成果について
本日は私から1点、米国出張成果について、お知らせいたします。 私は、5月11日から17日の間、米国に出張し、太平洋地上軍シンポジウム・LANPAC、日米豪比ランドフォーシズ・ダイアログ・LFD及び日米シニア・リーダーズ・セミナー・SLSに参加してまいりました。 各プログラムへの参加を通じ、インド太平洋地域における平和と安定を促進し、自由で開かれたインド太平洋地域を構築するにあたり、緊密な日米・多国間協力が重要であるということを再確認することができました。 また、9カ国の陸軍参謀総長等と懇談し、同志国・同盟国との関係強化を図ることができ、抑止力の強化に資することができたと認識をしております。 陸上自衛隊は、引き続き、インド太平洋地域全域及び欧州にわたる努めて多くの同盟国・同志国の陸軍種との関係強化を通じ、各国陸軍種とのネットワーク、いわゆる「ランドパワー・ネットワーク」の強化に努めてまいります。 私からは以上です。
記者との質疑応答
先島地域(沖縄県)で初の「陸上総隊演習」について
記者 :
17日から先島地域で始まった陸上総隊演習についてお伺いします。今回、宮古島では初めて米軍参加の訓練が実施されていますが、今後も宮古島で米軍の訓練を実施していきたい考えはあるのでしょうか。
幕僚長 :
まず、陸上総隊演習、今般の訓練を含めまして、南西地域への機動展開については、抑止力・対処力の実効性の向上を図り、あらゆる事態に対応するために非常に重要なことであると認識しております。今後とも必要な訓練、これを着実に実施してまいりたいと思います。
日出生台(ひじゅうだい)演習場での10式戦車事故について
記者 :
先日あったですね、10式戦車の事故について、その周辺のことでお尋ねしたいと思います。むろん現在、調査中のことなんで、お話しできないことであろうかと思いますが、その前提としてですね、10式戦車や90式戦車の射撃の時にですね、実は訓練で、本来、自動装填装置を使うところを手動で装填しているという話を聞いたことがあるんですけれども、これは本当でしょうか。それから、前回の事故もそうなんですけれども、訓練に際して衛生の隊員や救急車は待機していたんでしょうか。
幕僚長 :
はい、今お尋ねのありました件については、事故調査中のことでありまして、その内容等について今詳細を申し上げることはできません。お尋ねのありました2点ですね、手動で装填していたのではないかということについてはですね、基本的に不測事態等の訓練以外については、手動で装填をするということはありませんので。今回どの時点の手動で装填している、していないについて、私はわかりませんが、そういうことは一般的、基本的な射撃訓練の中ではあまり実施しないものと認識をしております。2点目の衛生救護態勢のお尋ねだと思います。詳細に確認しているところではありますが、射撃訓練でありますので、所要の衛生要員、あるいはその自衛隊の救急車ですね、野外の救急車ですね、これは待機をしております。
記者 :
すみません。その件に関して、取材で聞いた話で真偽は分からないんですけれども、結局、外部の救急車ないしは、ドクターヘリを入れようと話が出てですね、それが押し問答で演習地に入れる、入れないということがあって、時間を要したという話を聞いているんですけれども、これは事実なんでしょうか。それからもう1点、これは事故と直接関係ないのですけれども、戦車や装甲車、航空機、陸自の、そういう車両とかですね、いわゆる車載用の救急品、昔は12単位と呼ばれていて軟膏とか色々入っていたと言う話なんですけれども、2010年くらいから、これ中身が空になっていると言う話を聞いているんですが、これは事実でしょうか。
幕僚長 :
まず1点目のご質問に対してはですね、取材をされたということでありましたが、真偽は不明ということであればですね、私、お答えすることは今できかねます。他方で事故調査の中では、この射撃訓練に関する全般の態勢、当然、この衛生救護態勢等入っておりますので、その中で確認することになると思っています。今仰ったような事実については、現時点では私は報告を受けておりません。2点目については、今回の事故には関係はないという前提ではありますが、その野外救急車の中の、その救急品箱の搭載品の内容だと思いますが。
記者 :
野外救急車ではなく、戦車や装甲車両、航空機に搭載している携行衛生品です。
幕僚長 :
分かりました。そちらの中身が入っていないうんぬんかんぬんという話もですね、細部確認の必要があると思っております。現時点ですね、その全部入っていないとか、入っていないものがあるんじゃないかというのは、私は今報告を受けておりません。
記者 :
今の10式戦車の事故関連で伺います。その事故の後からですね、射撃訓練は一旦中止ということになっているかと思いますが、まあ総火演も間もなくということで、今後に向けたそこら辺の訓練態勢については、どのようになっていく予定でしょうか。
幕僚長 :
現在ですね、ご指摘のありましたとおり、10式戦車の戦車砲による射撃訓練、それから、90式戦車による対戦車りゅう弾を使用した射撃訓練を中止をしております。一方でですね、これからの訓練の、ということですが、機甲科部隊の任務遂行に万全を期すという観点からですね、平素から訓練を積み重ね、また、部隊・隊員の練度を維持・向上するということは不可欠であるということは、忘れないようにしております。このためですね、事故調査が完了し、射撃訓練が再開されるまでの間においても、10式戦車については、シミュレータによる訓練、それから非実射による操砲訓練、砲塔を動かしたりとか、そういうものの訓練があります。非実射による操砲訓練、それから機関銃の射撃については今のところ制限をかけておりませんので、砲塔についている機関銃による射撃訓練等を実施するとともに、90式戦車に関しては、対戦車りゅう弾以外の弾種による射撃等、その他の訓練を実施することにより、戦車射撃、あるいは戦車部隊の行動に関する練度の維持・向上に、出来るだけ、可能な限りですね、影響がないように努めているところであります。
事故調査期間中、シミュレータ等の非実射訓練での練度の維持について
記者 :
すいません、重ねてですが、今、できない部分に関するカバーのお話ありました。今、この時期ですね、新たな訓練の時期ということで非常に重要な時期だというふうなお話も聞きます。まあそこらへんが今出来ないことについての、まあ練度の懸念というのが聞こえてきたりもしますが、そこらへんについては如何考えていらっしゃるのかというのと、今仰って頂いたシミュレータ等々における非実射の訓練で、そこら辺はどれぐらいまでカバーできるというふうにお考えでしょうか。
幕僚長 :
はい、影響はやはり、完全にですね、良い状態でできる、すなわち実弾射撃をするような状態の中での練度の維持と、それから今申し上げたような制限をかけてる中でのですね射撃訓練、その練度に係る事項は影響が出る、これはご指摘のとおりだと思います。したがいましてですね、事故調査、これをですね、できるだけ早めに進める、もちろん、急がせるためにですね、事故調査の内容を疎かにするとかいうわけではありませんが、出来るだけスケジュール管理をしっかりして、事故調査の方を早めに進めるということ、その上で、繰り返しになりますが、今申しましたような、10式戦車に関しては、シミュレータ、非実射、あるいは機関銃による射撃訓練、これでですね、何とか練度をカバーしていきたいというふうに考えております。
事故調査の進捗状況及び報告時期について
記者 :
この訓練の原因究明についてなんですけども、例えば、2023年に宮古島であったUHヘリの墜落事故に関しては、最終的な事故調査の結果が大体1年後になっておりました。今回の原因究明までは、1年くらいのスパンを見ているということでよろしいでしょうか。
幕僚長 :
現在調査中でありまして、事故調査の進捗状況及び報告時期についてですね、予断をもって回答するということについては、控えさせていただきますが、事故調査結果をとりまとめた後に、調査結果について公表させていただきます。ただ、先程のご質問でありましたとおり、急がせることなく、確実にその事故調査を究明という観点の中でも、スケジュール管理をしっかりして、早急、というかですね、早めに事故調査が完了するよう努力をしていきたいと思っております。いずれにしましても、今後二度とこのような事故を起こさないようにするということ、また、ご心配をおかけしている国民の皆様にご安心を頂けますよう、この事故原因の究明、それから再発防止策の検討、これに全力で取り組んでいきたいと思っております。
中止している射撃訓練の全面的な再開時期について
記者 :
あともう1点お願いします。現在中止している射撃訓練の全面的な再開の時期についてなんですけれども、先程、UHヘリの場合だと、事故調査の原因究明があって、それを受けてから再開したというタイミングだったと思うんですけど、今回の射撃訓練の再開というのも原因究明がなされたタイミングが適切だと、どういうふうにお考えなのでしょうか。
幕僚長 :
10式戦車のですね、射撃、戦車砲の射撃については、基本的には、事故調査の完了を待って、実施をしたいと思っております。現時点ではですね、そのように思っております。
第93回自民党大会での鶫(つぐみ)3曹による国歌歌唱について
記者 :
先日の自民党大会の時の鶫3曹の歌唱について伺いしたいのですが、先日質問した時に謝礼はなかったとお話聞いたんですけども、その時にお車代の話も聞いたんですけども、これお車代もなかったのかということがまず1つと、もう1点、その出演依頼があったのが、幕僚長はイベント会社を通じてあったと言うお話をされたと思うのですね、ただ高市総理は、これは友人から頼まれてという話がありまして、こういうふうに説明なさっておりまして、これ矛盾しているのではないかと思うのですけども、どちらが正しいのでしょうか。
幕僚長 :
まず報酬関連についてですけど、お車代等も含めてということで、報酬等は受け取っていないと報告を受けております。それから高市総理の発言ですが、私ちょっと、承知しておりませんので、その内容の真偽とか今回の対応の関連でですね、お答えすることっていうのは今できかねます。
記者 :
幕僚長、前回の会見の時にお話されたんですけども、私人であるからこれは問題ないんだと自衛隊のその官姓名を紹介されて職務と同じ歌を歌っても問題ないんだというお話でしたけども、そうすると陸上自衛隊としては、民間の営利企業、もしくは政党に対して、自衛官が私人であれば今後も制服を着て役務を提供することは問題ないというお考えでしょうか。
幕僚長 :
今のは政党の話でしょうか
記者 :
営利企業も含めてです。今回、結局イベント会社からの依頼っていうことで受けて、そのクライアントが政党だったわけですね、ですからいまお話したのは、民間の営利企業、ないしは政党という形でお尋ねしたのですが。
幕僚長 :
まず今後のことというふうに私認識をしましたので、今後のことについてですね仮にそういうものがあるかどうか含めて、仮定の質問についてお答えを差し控えさせていただきます。他方ですね、そのような観点を含めてよくですね、我々もよく引き続き確認等しながら適切な対応を実施してまいりたいと思っております。
第1普通科連隊のロゴマーク公表後の使用中止について
記者 :
話題は変わりますが、陸上自衛隊の部隊のロゴマークのデザインが、4月29日にSNSに投稿され、交戦的ではないか等と批判され、その後に使用が中止になった事案があるかと思います。陸幕長の受け止めをお聞かせください。
幕僚長 :
第1普通科連隊のロゴマークの件というふうに認識をしました。まず部隊のロゴマーク、まあ、ワッペン、そういうものについてはですね、我々部隊のあるいは隊員の士気向上、それから、あるいはその部隊に帰属をしているというような意識の高揚目的で作成しております。国民の皆様にですね、より適切に部隊をご理解いただくということ、それから親しみを持っていただく、という観点も重視をすべきであるということをですね、今回の事象を通じてですね、我々も受け止めたところであります。そういうものをですね、最終的に、そして、総合的に考慮した結果ですね、第1普通科連隊のロゴについては、使用を中止することといたしました。今回の事象を受けてですね、繰り返しになりますが、この、部内的な士気高揚等の目的で作るものとしてもですね、だとしても、やはり自衛隊、陸上自衛隊として、国民の皆様に、より適切に部隊を理解いただく、あるいは親しみをできるだけ持っていただくという観点で、しっかりと気を付けながらですね、こういう取組に、実施をしていきたいと思っております。
記者 :
関連して、今のこの親しみを持っていただく、適切に理解いただくという点にも関連するところかと思うのですが、今回このデザインにある動物であったり、髑髏のマークであったり、小銃といったデザインをあしらった、こうワッペンなり、ロゴマークというのは自衛隊の他部隊でもあるかと思いますし、海外の軍隊でも散見されるかと思います。今回のものとの違いというと、今回使用中止となったロゴとの、その違いは何になるんでしょうか。
幕僚長 :
今回ですね。今、ご指摘がありましたとおり、我々の陸上自衛隊、あるいは海空自衛隊、それから諸外国の軍隊等ですね、先程申し述べたような概ね多分その目的で、色んなロゴマークとか、そういうものを作っているというふうに認識をしております。今回についてはですね、やはり、今回公表した時にですね、様々な受け止めとか、様々なご意見があったというふうに認識しており、その一つ一つに、これがどうだったからこうだ、というのは一概には言えないんですけれど、先程申しましたとおり、繰り返しになりますように、やはり、この陸上自衛隊というもの、その部隊を理解いただく、あるいは親しみを持ってもらうという観点もやはり考慮しなければいけないんだというふうに思っております。そこのところに、違いがあったのかなと認識をしております。
記者 :
全体の、こうデザインの印象でというようなことですか。それぞれ、一つ一つのそのデザインがどうこうというよりは、その全体としてという認識ですかね。
幕僚長 :
今回の、その、ロゴマークですか。
記者 :
はい。
幕僚長 :
そこの、個別に、例えば今例示がありましたように、動物とか、あるいは持っているものとか、そういう個々の物だけではなく、全体の印象だけでもなく、正しく総合的に判断してという形になっております。
部隊ロゴマーク等への生成AIの利活用について
記者 :
デザインでいうと、隊員が生成AIで作成されたという経緯があるということなんですが、この点については如何でしょうか。この、生成AIで作成されたという点については如何でしょうか。
幕僚長 :
陸上自衛隊については、生成AIの利活用にあたってはですね、やはり、そういう物から出てくる期待する効果、課題、リスク、これを認識した上でですね、政府あるいは防衛省の方針に基づき対応していくという、大きな方針というのは部隊の方には示しております。ただ今回事象がありましたとおり、生成AIを使う場合についてはですね、しっかりと注意をする、それから、今申しましたような方針というのを改めて部隊の方に周知徹底をしてまいりたいと思っております。
記者 :
注意をするという点でいうと、いわゆる著作権侵害などのリスクがないか注視して判断していくという意味合いでしょうか。
幕僚長 :
それもですね、先程来申し上げております、総合的にということで、国民の皆様に、その理解をいただくとか、親しみを持っていただくとか、そういう観点から、やはり、当然我々そのロゴマークだけではなくて、色々な物をデザインするときとか、そういうものに著作権というもの、法令に反しないようにというのは、このロゴマークだけではなくて、全てに、考慮しなければならないので、そういう大きな、そういう物も含めて、注意をしてまいりたいと思っております。
今回の部隊ロゴマークに対する中国軍の批判について
記者 :
ロゴマークの件で、1件追加で伺いたいのですけど、中国軍の方がですね、SNS上で、今回のロゴマークについて、兵士の亡霊を加える加工を施したものを投稿した上で、この好戦的な考え方は日本の平和憲法の精神に対する裏切りだというような批判を投稿しておりまして、そういった中国軍の批判に対する陸幕長の受け止めというのをお願いいたします。
幕僚長 :
今ご指摘がありましたとおりですね、中国メディアにおいて、そのような指摘がなされているということは承知をしております。当該ロゴの作成及び使用については、先程来、繰り返しになりますが、あくまで部内における隊員の士気向上、それから帰属意識の高揚、これを目的としたものであります。この今回中国メディアからご指摘をいただいたようなですね、陸上自衛隊の運用、あるいは、我が国の防衛政策を示すものでは当然ありませんし、陸上自衛隊については、我が国の専守防衛の考え方、これに何ら変更はなく、これまでどおり憲法及び関係法令に基づき、陸上自衛隊、それから国防の任務を遂行していきたいというふうに考えております。
防衛予算の拡大に反した需品調達数の縮小について
記者 :
えっと予算関係について、お尋ねしたいんですけれども、この5年近くで、だいたい前は1%、GDP1%だった予算がですね、1.8倍くらいに上がってきていると。その反面、いろんな買い物ができるようになった反面ですね、需品に関して言いますと今年度需品関連の会社聞くと、いや売り上げは大きく下がりましたよと。下手すると半分くらいと言う会社が結構あるんですね。その、これだけこう予算が増えているのになんでこう需品の調達がそんなに少なくなっているのかがまず1点と、あと極端に需品を削ればいいじゃないかという姿勢があるんじゃないかと。これ具体的な社名を出すと差しさわりがあるので出しませんけども、ある会社は自衛隊で採用されて、何千個も年に生産するためにラインを拡大したと何年も生産してきたら、いきなり来年ゼロだよと。そうするとその会社は小さい会社なんで、ラインを閉じる、もしくは、かなり縮小しなければいけなくて、雇った社員さんも解雇しなきゃいけない、そうすると、例えば、じゃあ、再来年以降、じゃあまた増やしますって言っても、それラインをじゃあ復活できるかって言うと、できないもしくはしない可能性があります。そうすると、たとえば陸自の方で毎年また5000よろしく頼むって言っても、いや、うちはもう400しかできませんとかっていう形にね、なるんじゃないかと。そういう長期のこう、中長期のこう調達という目途がたたないと、特に小さい会社は事業計画が立たないんですよ。そうなると、せっかく防衛省のほうで、防衛産業を育成するんだとおっしゃっているのに、その猫の目のような調達の数が変わったりとかすると、それはもう付き合いきれんよっていう話になってしまうんじゃないかと思うんですよ。これは私たまたま聞いた話が1社だけなんですけども、今回そういう需品がかなり削られているという話なんで、そういう会社があるのではないかと心配しているんですけども、そういう防衛産業の育成という観点でね、ちゃんと継続的に発注していくというようなことというのは、幕僚長としてはどういうふうにお考えでしょうか。
幕僚長 :
まずですね、今ご指摘のありました予算は増えているのに売り上げは減っていくとかですね、そういうふうな事例っていうのはですね、1つ1つですね、確認を個別にしたり、それをこの場で言うのは差し控えをさせていただきますが、まず一般論として、政府としてですね、この前の安保関連3文書以降、防衛生産基盤、それから、技術研究基盤、これをしっかりと整えていこうっていう流れっていうのができている中でですね、今、仰ったのは、例えば防衛関係の、例えば装備品等に関する将来予見性とか、そういう観点だと思うのですが、そういうものは、いろいろな全般状況の中で留意していかなければ、やはり企業の立場に立ってみると大変なんだろうなと思っておりますので、陸上自衛隊についてはですね、今ご指摘のありました需品器材、やはり隊員の身に着ける装備品とか、小規模なもの、あるいは小さいですけど多量に使うものとか、陸上装備品の特性がありますので、しっかりとそこは政府の方針に反しないように、あるいは企業側の意見等もしっかりと確認をしながら留意をしていきたいというふうに思っております。
第14普通科連隊の徒歩行進訓練について
記者 :
金沢駐屯地の第14普通科連隊の徒歩行進訓練についてお伺いします。これについては、地域の不安や中止を求める声など様々なものが出ておりますが、幕長の受け止めについてお聞かせください。
幕僚長 :
今回の第14普通科連隊による徒歩行進訓練をめぐりですね、先週の金曜日実施をされましたが、これに関連をして、地域において様々な意見が示されていることは承知をしております。お尋ねの徒歩行進訓練についてはですね、今年4月に入隊したばかりの新隊員である自衛官候補生の訓練として、以前より継続的に実施している訓練です。この中で、隊員の基本的行動、あるいは基礎動作を修得させることを目的としたものであり、小銃を含めまして、この任務遂行に必要な装備品を携行した状態で実施することが必要不可欠というふうに認識をしております。小銃については、皆様ご承知かもしれませんが、約4キログラム程度、それから他の背のう、バックパックみたいな装備品を含めますと、数十キロの重量で行動するような、自衛官としての基本的な訓練があります。入隊して間もない自衛官候補生がですね、こうした実際の装備品の重量、こういうものを体感して、体で感じて、任務に際して、まあ置かれた状況、あるいはその厳しさを実感するためには極めて重要な訓練というふうに考えております。この訓練については、弾薬は携行しておりません。更に、安全管理を徹底した上で実施しております。安全管理に万全を期しながら、それから隊員ですね、健康状態等を確認しながら、必要な訓練だということでですね、国民の皆様にご理解いただけるよう丁寧な説明それから適切な情報提供に努めてまいりたいと思っております。
前出の事故調査中の10式戦車と90式戦車の射撃訓練の制限の判断基準について
記者 :
すみません、さっきの戦車の射撃に関して1件だけ追加で。90式はですね、HEAT(ヒート)弾以外の訓練は続行ということかと思いますが、ちょっと10はもちろん、当該戦車だったということはあると思うんですけれども、10がオッケーで90についてはHEAT(ヒート)弾以外はオッケーと、こちら射撃訓練ですね、そこら辺の、こう判断基準というのは、どういうところにあるのでしょうか。
幕僚長 :
10式戦車の射撃は制限されているのに、90式戦車の射撃、まあ対戦車榴弾を除く、これは制限されないのか、というふうな、ご質問だというふうに思っております。90式戦車と10式戦車についてはですね、それぞれ戦車砲、それから、砲塔内にある自動装填装置、それから砲尾、戦車砲の一番砲塔内側にある弾を込めるところですね、砲尾周辺の装置など射撃に関連する部位の構造が、これは異なっております。互換性のある部品等も一切使用していないということで、まず射撃に係る装置については共通する部品はないだろうというのが1つです。それから、このためですね、現時点においては、今回の訓練、射撃訓練の事故と90式戦車の射撃訓練、これはですね直接的な関連性は、現時点ではないだろうということで、90式戦車の、対戦車榴弾を除く戦車砲の射撃訓練の制限を行う必要はないと判断しております。他方ですね、その上で、90式戦車の射撃の実施に当たっては、隊員への教育、それから実施前の入念な点検等、各種の安全対策については、改めて、もう既に決められてやっていることなんですが、それをより、確認等を再確認するとか、しっかりと実行の監督をして実施していくということで、やっていきたいというふうに思っております。
第15旅団による沖縄での無人偵察機「スキャンイーグル」の飛行訓練について
記者 :
すみません、最後、陸上自衛隊第15旅団が6月、来月ですね、6月に沖縄県本部(もとぶ)町の新里(しんざと)漁港で無人偵察機スキャンイーグルの飛行訓練を予定していることについて伺います。飛行訓練を民間の漁港で、実施する目的を教えてください。また、地元の本部町長は、訓練の趣旨を確認した上で使用許可を判断するとしています。沖縄県内では自衛隊や米軍による民間地での訓練が相次ぎ、住民からは不安の声も上がっています。地元の理解を得るために、今後どのようにはたらきかけていくかお聞かせください。お願いします。
幕僚長 :
今ご質問ありました、スキャンイーグルの飛行訓練については、陸上自衛隊第15旅団那覇駐屯地に所在いたします第15情報隊がですね、洋上における飛行能力、特に災害対処に資する能力の向上を図ることを目的として実施をするものです。今回の訓練においては、海上における目標の捜索・把握等の一連の行動を演練する必要がありますから、海域に隣接した空域ですね、海に近い空域を使用できる場所というのが適切なんですが、それが今回は本部新里漁港及びそこに連接する空域・海域を活用することとしております。こうした訓練はですね、災害時における被害状況の把握や要救助者の捜索などに活用することを想定しておりますので、実際の地域・環境を踏まえて訓練を行わせていただくということは極めて重要であるというふうに考えております。地元自治体との関係につきましては、関係機関と必要な調整を行いながら適切に対応しているところであります。本部町長のご発言も承知をしておりますので、引き続き、今申し上げましたような今回の訓練の趣旨、それから内容についてですね、丁寧に説明を行い、理解が得られるように努めてまいりたいと思っております。
次期軽装甲機動車について
記者 :
すみません。最後に1つ、次期軽装甲機動車について、お尋ねしたいのですけども、これに関してですね、ずっと対処が失敗、この10年くらい失敗が続いているのですが、これを公表してこなかったのはなぜなのかということなんですね。というのは、これ当初は軽装甲機動車が新しい排ガス規制に耐えられないから改造しようということで、やってみたら値段が高くなって財務省から蹴られたと、これは僕が聞くとそういうことでしたと教えてくれるんですけども、そういうことをまず陸自として公表してなかった。その次にしきり直して、小型装甲車というプロジェクトを立ち上げて、そこでオーストラリアのハウケイとあとはスイスのイーグルという2車種、これを買ってみて実験したんだけども、これも調達にならなかった。聞くところによると値段が高すぎたというお話なんですけども、もしそうであれば、それ初めから分かっていたでしょという話だと思うんですね。その、そういう調達計画を立ち上げたにもかかわらず、失敗した。なぜ失敗したのかを、それを言ってこなかった。その次にまた仕切り直して、今度次期軽装甲機動車プロジェクトを立ち上げて、民間のトヨタのランクルとかを使って安くあげようというお話でやっているというふうに聞いているんですけれども、これに関してもどういう形でやってらっしゃるのか情報がない。聞くところによると単価を2、3000万円であげようって伝わってくるので。いやいや、それは常識的に考えても不可能なんじゃないですか。そのまま、ほぼほぼ装甲なしでやるんであれば、それは可能かもしれないんですけれども、装甲車の後継としては、それはあり得ないんじゃないかというふうなことが、結局ずっと時間と税金を使って失敗が続いているのにもかかわらず、それを公表してこなかった。これはオスプレイに積む汎用軽機動車もそうで、6両調達したんです。けれども、これ結局、オスプレイに乗りませんでしたということで、これも陸自はアナウンスはしていない、なぜ駄目だったのかという話をしていないんですね。ですから、こういう不利なこととか失敗したことは特に、情報公表されていくべきだと思うのですけども、陸幕長はどのようにお考えでしょうか。
幕僚長 :
次期軽装甲機動車に係る一連のその状況ですね。そのとき、そのときのですね、全般的な判断の中で公表、あるいはご指摘のあった非公表という形をとってきているというふうに認識をしております。いずれにせよ装備品の調達、それから当然、この運用に係る事項が入ってきておりますので、公表できる情報とできない情報とありますので、今後ともですね、この観点に関しては適切に検討、考慮しながら取り組んでまいりたいと思っております。
記者 :
すみません、諸外国でいうと普通に公表している計画の概略であるとか、たとえばフランスであれば陸軍のやつでスコーピオン計画とか、始めからどういう車両をどれくらい買って、どういう予算をつけて、どういうものを開発するか、どういう、たとえば電子機器を搭載するかまで、詳細に公表しているんですよ。自衛隊だけが、それを言えませんというお話をしているんで。諸外国と比べても、こう、自分達のトランスペアレンシーと言いますか、その情報公開をね、どの程度のレベルまでするかっていうことを、お考えになったりとかされないのですか。
幕僚長 :
諸外国の情報等についての、我々の分析要領等についてはですね、それぞれ陸上自衛隊がどのような形で考えているのかということを察知される可能性がありますので、ここで申し上げることはありません。引き続きですね、この装備品の調達に関してはですね、国の方針に従いながら、あるいは、その防衛力整備計画等に従いながらですね、適切適時に実施していきたいと思っております。
前出の10式戦車事故の調査終了まで射撃訓練が中止される理由について
記者 :
陸上自衛隊日出生台演習場での戦車事故の関係で、すみません。さきほど10式戦車は調査が終了するまで射撃訓練は実施しないという旨の発言があったかと思うのですけれども、終了まで実施しない理由について、改めて確認させていただければと思います。
幕僚長 :
そこの部分はですね、今回が、いま事故調査中なので、細部申し上げられないことがあるのですが、砲塔内での事故ということで、戦車砲、砲塔、あるいは弾薬、あるいは状況によっては人的要因ということでですね、そこのところ、実際に事故調査で詳細に原因を追究してからではないと、この10式戦車の、戦車砲の射撃、これの再開というのは、現時点では当然できないものと考えております。
(以上)
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