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荒井陸幕長が定例会見 令和8年度富士総合火力演習の実施について(5月26日)

  • 日本の防衛

2026-5-29 11:30

 防衛省 陸上幕僚監部は令和8(2026)年5月26日(火)、公式サイトにおいて、同日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。
 陸幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

陸幕長からの発表事項

 本日は私から1点、令和8年度富士総合火力演習について、お知らせをいたします。陸上自衛隊は、6月7日に東富士演習場において富士総合火力演習を実施をいたします。本演習は、陸上自衛隊の学生等に対し火力戦闘の実相を教育する目的で実施するものであります。先般の10式戦車の隊員死傷事案を踏まえ、現在も事故原因の調査を継続しているところですが、教育訓練の意義、情報発信の必要性、安全確保等を総合的に検討した結果、所要の安全対策を講じた上で、実施することといたしました。
 こうした中、5月19日には司令官・総監等に対し、ビデオ会議を実施をし、当面の具体的な安全施策について徹底を図りました。また、5月23日、北千歳、北恵庭、南恵庭各駐屯地の機甲科部隊の隊員とそのご家族との時間を設け、少しでもその不安を和らげるよう、小泉防衛大臣と共に安全管理の徹底に関するご説明等をさせていただきました。加えて、昨日は、私自身が東富士演習場に赴き、総合火力演習に向け練成を行っている富士学校長をはじめとする部隊・隊員に対し、直接指導を行ってまいりました。具体的には、
 ①精神的な面にとどまらず、当面の具体的な安全施策を徹底すること
 ②戦車部隊のみならず、整備部隊と密接に連携し、より安全に留意した点検・整備を確行すること
 ③不安を少しでも軽減するため、各級指揮官の統率の下、隊員を適切に指導すること等を指導してまいりました。
 陸上自衛隊としては、引き続き、こうした取組を着実に進めながら、安全の確保に万全を期しながら、総合火力演習の実施に向けて尽力してまいります。 私からは以上です。

記者との質疑応答

富士総合火力演習の目的や募集効果などについて

記者
 冒頭ありました総火演について伺います。総火演、隊員の練成と学生の教育の目的に加えてですね、募集の観点での効果というものをどのように考えられてるか教えてください。
 また陸自は令和5年度からですね、一般の来場者の現地での観覧というものを取り止めていますけれども、そういった理解の点ですね、一般の国民の方に理解を広げるにあたり、どのように考えられているか教えてください。

陸幕長
 はい、まず部外者の招待の予定の全般でございます。防衛省、陸上自衛隊の取組について、よりご理解いただくため、国会議員や有識者の方々、東富士演習場及び北富士演習場に平素からご理解をいただいている地方公共団体の長の皆様、そして自衛隊の運用に関してご協力をいただくこととなる在日米軍の幹部、関係省庁の幹部、在京の武官等を招待する予定です。
 ただいまお尋ねのありました募集の観点ですが、特に自衛官の活躍、あるいは自衛隊の活動等についてですね、それを観ていただくことにより自衛官、あるいは自衛隊という職業の魅力、これを感じて頂くことが重要だと考えております。こうした観点から、青少年やその友人、保護者、募集に協力をいただいている方々、こちらの方々を招待して、その募集効果に努めたいと思っております。その他付け加えますと、再就職支援等でご協力をいただいている自衛隊以外の協力団体の方々、あるいは関係協力者についてもご招待をして、ご理解をいただくようにしたいと思っております。
 それから一般公開の件のお尋ねがあったと思います。島嶼防衛を想定した統合運用及び領域横断作戦環境下における陸上自衛隊の戦い方を展示する本火力演習については、この実弾の射撃、これの総合火力を見る機会が限られる自衛官、それから防衛大学校の学生、予備自衛官等にとっては貴重な教育機会ということでこれに専念をしたいというふうに考えております。
 他方ですね、この本演習に一般の方々を広くご招待することはできませんが、この演習の模様については、リアルタイムのライブ映像、それからSNSを通じた編集映像の配信により、積極的に対外発信をしてまいります。またですね、陸上自衛隊としては、この総合火力演習に限らずともですね、各駐屯地において、創立記念行事等を開催し、装備品展示や体験搭乗等の様々な広報活動を行い、国民の皆様に陸上自衛隊に直接触れていただく機会を設けて、国民の皆様にご理解を得る努力、これを続けて参りたいと思っております。

記者
 すみません、関連でお伺います。いまご紹介ありましたけれども、この総火演が、新隊員や学生の募集についても、一定の効果があるものだというふうに陸幕長お考えになられているということでよろしいでしょうか。

陸幕長
 はい、募集等の効果あるいは成果ですね、数字等、我々の実際している活動がですね、きっちりとその計数的に、あるいは数字が確実にこう反映するというような性質のものでは、募集というのはなかなか難しいものであると思いますが、やはりですね、これだけの規模で実弾射撃、あるいは自衛隊の活動の一端、それから今年は研究開発中の色々な無人アセット等もちょっと紹介をしようかなと思っていますので、やはり自衛隊に対して、まず関心を持っていただく、そして自衛隊を志している方々に関してはより深く理解をする機会ですので、定性的ではありますが、募集には効果があるというふうに考えております。

10式戦車の安全施策に関する隊員との懇談について

記者
 冒頭でも少し触れていただきましたが、先週末に北海道で10式戦車を運用する隊員や、家族の方たちとの時間を設けられて、大臣とともに安全対策について説明されたということですけれども、具体的に陸幕長からどのようなお声がけを隊員の方にされたのかと、それを受けた隊員や隊員家族の皆さんの反応について、不安の声など聞かれなかったかどうかを教えてください。

陸幕長
 はい、5月23日土曜日にですね、小泉防衛大臣とともに、航空自衛隊千歳基地等においてですね、近傍の機甲科部隊の隊員と懇談を行いました。その際にですね、まず大臣からあるいは私からですね、今回の事案を受けても、まず隊員1人、1人が、それぞれの持ち場において、任務に尽力していることに敬意を表するということ、そして引き続きこの射撃訓練、あるいは戦車の訓練に関わらずですね、それ以外も含めて、この安全の確保、様々な面での安全確保には、最優先に、基本に忠実な行動を徹底するように、私の言葉では伝えたところであります。
 また、懇談の中では、やはり隊員、あるいはそのご家族の方々からですね、事故原因の早期究明あるいは再発防止の徹底を求める声などが総じて聞かれたところであります。こうした声に対しまして、大臣、それから私の方からも、改めまして、この安全施策、具体的に、今取りうる具体的な安全施策をしっかりやっていくということをですね、改めてお伝えしたところであります。いずれにしましても、この時だけではなく、隊員が安心して、あるいはご家族が少しでもこの不安が軽減できるような施策というのは、しっかりと私達やっていきたいというふうに思っております。

総火演にて10式戦車の射撃を実施しないことについて

記者
 総火演での10式戦車の見解についてお伺いします。総火演では10式戦車の射撃っていうのは大きいトピックだと思いますが、今回射撃がなされないっていうことについての受け止めをお願いします。

陸幕長
 はい、まず10式戦車の射撃についてはですね、やはりこの重大な事故の直後でありますので、戦車砲の射撃含めて、これを実施をしないということはですね、当然だというふうに思っております。
 これは2つの観点ですね、やはり隊員の安全を守る、それから、これだけ国民の皆様にですね、重大な関心を及ぼしたということで、その直後ということもありまして、今回は10式戦車の射撃を中止するのは、今回は当然だろうと考えております。

6月に予定されている実動訓練「レゾリュート・ドラゴン26」について

記者
 来月のレゾリュート・ドラゴンの関係でお伺いしたいんですけども、今回、先島諸島で災害対応の想定ということで、石垣島、宮古島と普天間にあるV-22オスプレイを運用するということでして、今回、陸自のオスプレイが、沖縄の在日米軍基地の方を活用するのが初めてというところ伺ってまして、今後の南西地域への機動展開等を踏まえて、こうした演習で今後、米軍基地の活用というものが拡大をしていかれるようなお考えがあるのかどうかというところをお願いします。

陸幕長
 はい、まず来月のレゾリュート・ドラゴン26についてはですね、この先島諸島において災害対処の訓練というのを実施をいたします。九州本土等においてはですね、陸上自衛隊のオスプレイ等の活用を含めたこの災害関係の訓練を十分実施してきたところでありますが、先島諸島においては、まだ十分な実績がないということで、今般実施をするものであります。
 今ご指摘がありました通りですね、普天間基地を経由して先島諸島での訓練に臨むということでありますが、やはり航空機の運用、あるいは我々の部隊の運用もですが、色々な活動基盤、この災害対応にしてもですね、そういうものを色々な条件で、あるいは色々な場所を使ってというのはですね、これは先島諸島、あるいは沖縄、あるいは米軍等に関わらずですね、我々日本全国でですね、そのような基盤というものを色々なところで訓練をするという意義は十分あると思っております。

一時中止していた実弾射撃訓練の再開について

記者
 陸上自衛隊日出生台演習場の関係でちょっとお伺いさせてください。昨日からですね、日出生台演習場の方で、一時中止していた戦車の事故を受けて中止していた実弾射撃訓練が一部の戦車を除く形で再開されました。取材すると地元の住民からは不安の声であったり、畜産農家からは訓練スケジュールの変更で、演習場内で採草、草をとられているかと思うのですけれども、それに影響が出るのではないかというような心配の声があがっております。
 訓練の再開や安全管理、住民への配慮などについて陸幕長の思いがあれば、お伺いできればと思います。

陸幕長
 はい、今般ですね、10式戦車の主砲、戦車砲を除く射撃、あるいは戦車が走る、走行等に係る訓練、それから10式戦車以外の火器、たとえば155mmりゅう弾砲や16式機動戦闘車等に係る射撃訓練に関する準備が整ったことを受けてですね、昨日以降、日出生台演習場での射撃を再開したと報告を受けております。
 今、ご指摘のありましたような、地元の方々の採草等への影響等、そういうものについてはですね、今、直接私報告を受けておりませんが、いずれにせよ、この演習場の使用、それから周辺の地元の方々との関係というものはですね、極めて大事な要素でありますので、たとえば演習場の使用の変更とか、あるいは中止とかですね、そういうものについては、今まで通り丁寧にご説明をしてご理解をいただく努力、これを続けていきたいと思っております。

戦車事故の調査終了の見通しについて

記者
 関連してなんですけども、先週からも話題にはあがっておりますが、戦車事故の調査終了の見通し等については、今のところどういった状況でしょうか。

陸幕長
 はい、事故調査委員会については、西部方面総監部、それから第8師団等ですね、これを中心に委員会を実施しております。また関係の企業等のご協力を得ているところでありますが、やはり、このような重大な事故ということでですね、時期というものはですね、予断をもってお答えすることはなかなかできませんが、やはり確実にしつつですね、やはり早い段階でですね、色々なことが分かればいいかということで、私の方も確認しているところであります。

日出生台演習場での90式戦車による射撃訓練再開の見通しについて

記者
 最後に日出生台演習場で90式戦車を使った射撃訓練というのは、今現在予定といいますか、再開の見通しみたいなものはございますでしょうか

陸幕長
 はい、90式戦車による日出生台演習場における射撃というのはですね、現時点で計画というものはないというふうに認識しております。

(以上)

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