小泉防衛大臣が臨時記者会見 愛知の三菱重工業、プロドローン本社視察、DICASの課題など(5月20日)
- 日本の防衛
2026-5-22 10:30
令和8(2026)年5月20日(水)16時06分~16時17分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、株式会社プロドローン本社 R&D Centerにおいて、三菱重工業株式会社及び株式会社プロドローン本社視察後の臨時会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
本日、アメリカのグラス大使と三菱重工業を訪問し、PAC-3MSEとSM-3ブロックⅡAの生産現場を共に視察いたしました。その後、こちら、プロドローン社を訪問し、ドローンの生産現場を視察させていただきました。この視察中に沖縄本島近海を震源とする地震が発生し、鹿児島県与論町で最大震度5強の強い揺れを観測しました。地震発生後、速やかに秘書官を通じて被害情報を早急に把握することなどについて指示をしました。これを受け、各部隊等において情報収集を行うとともに、第12普通科連隊、そして鹿児島地方協力本部から鹿児島県庁に連絡員を派遣しました。引き続き、状況はよく情報収集などをしたいと思います。さて、厳しさを増す安全保障環境の中、必要な誘導弾の確保は日米両国にとって喫緊の課題だと認識しています。先日のDICAS2.0において、PAC-3MSEの共同生産の生産力強化に資する具体的方策の検討の加速や、SM-3ブロックⅡAの生産量を約4倍に増加させるための検討の加速について合意したところであり、今回のグラス大使との三菱重工の視察は、両国の協力関係や具体的な検討を深めるためのいい機会だったと考えています。また、プロドローン社では、レベル4の飛行が可能となる第一種型式認証を来月取得予定だと伺いました。構成部品を含めた準国産ドローンの開発、関連部品メーカーも巻き込んだ量産体制の構築といった、非常に先進的な取組についてお話をお伺いするとともに、その生産現場を視察させていただきました。これまで、日本のドローン企業の課題として、我が国に侵略してくる敵に対する攻撃用のものがないということがありましたが、今日プロドローン社において、開発が完了したとの話を伺い、機体を見せていただきました。世界一無人アセットを駆使する組織へ変革を支えることができる、国内生産・技術基盤の在り方についての検討を深める素晴らしい機会だと考えていますし、今般、日本政策投資銀行(DBJ)おいて、国際条約で禁止される非人道的兵器を除き、武器や武器関連製品の事業に対する投資の制限が撤廃されたということは、昨日の私の記者会見でも報告をさせていただきましたが、こちらプロドローン社においても既にDBJとの話し合いもされているということで、進めている政策は早速この防衛産業の後押しにつながっていることも実感でき、私としては大変心強く感じました。防衛産業は、国民の命を守ることに直接つながる高い公共性を有する産業であること、また、国民生活にも役立つ新技術を生み出すことも含め、民生分野への波及効果等を通じて、我が国の経済成長にも寄与し得る産業であることといった、正しい理解を広げていくことが重要であると考えています。防衛省として、引き続き、後押しとなるような情報発信をしっかりと行ってまいりたいと思います。そして、DBJに限らず、他の金融機関や投資機関においても、スタートアップの防衛分野への参入や防衛産業の強化を後押しをしていただきたいと、お願いをしたいと思います。今回の視察を踏まえ、引き続き、ミサイルの共同開発・共同生産に係る取組や、無人アセットの国内生産・技術基盤の構築に向けた取組を進め、我が国の防衛力の強化にしっかりと取り組んでいきたいと思います。私からは以上です。
記者との質疑応答
国産ドローン開発・デュアルユース推進の狙いと重要性、日本の防衛産業の展望について
記者 :
国産ドローンの開発製造を推進する狙いと重要性、ドローンのようなデュアル産業を振興する意義について伺います。また、今回の視察を通じて、国産ドローンメーカーに期待する役割について教えてください。あわせて武器輸出が事実上解禁された今、日本の防衛産業はどのような姿を目指すべきだとお考えでしょうか。お願いいたします。
大臣 :
東京新聞・中日新聞さんということですから、まずこのお膝元の東京新聞ではない、中日新聞エリアということで言わせていただければ、この愛知県が防衛産業、そして国産ドローンの生産基盤の大事なエリアとして、これから大きく育っていくようなそんな期待を感じる視察になりました。是非、東京新聞・中日新聞さんにおいても後押しをいただきたいというふうに思います。今、ロシアによるウクライナ侵略でも、この無人機の大量の運用、そして、これに伝統的な砲弾やミサイルなどを組み合わせた大規模な複合攻撃が展開されるといった、新しい戦い方が出現しています。我が国においても、人的損耗の極限、そして長時間連続運用、非対称的な優勢の獲得を可能とする無人アセット防衛能力の強化は我が国の喫緊の課題であり、早期に実戦的な運用能力を獲得する必要があると考えています。その強化に当たっては、安価かつ高性能な機体を必要十分な量を取得することに加え、安定的な調達や状況に応じた迅速な改修や整備が可能な体制を構築することが、長期戦に備えて抑止力を強化する観点からも重要です。このような体制を構築するためには、無人機の生産・技術基盤が国内に存在することが不可欠であると考えており、国産ドローンメーカーには、こうした基盤の一翼を担っていただきたいと考えています。またデュアルユース産業を振興する意義についてでありますが、もはや民生用の技術と安全保障用の技術の区別が難しい時代となった中で、防衛と民生のデュアルユースの領域の拡大が今盛んに見られています。無人アセットを始めとするこうした分野においては、防衛分野の技術が民生分野で活用されることスピンオフや、民生分野の技術が防衛分野で活用されることスピンオンが多く、両分野の間の境界線を越えて、我が国の産業の更なる発展を後押しをしていくことが重要です。こうした意義を踏まえながら、経産省などと緊密に連携をして、防衛生産・技術基盤の強化を進めていく考えです。今後の日本の防衛産業が目指す姿でありますが、今日は三菱重工そしてプロドローン、今までのプライムと、そして新たな防衛産業を担うスタートアップ、この2つの存在が協力をし合いながら、そしてまた独自の強みを生かして、これからの日本を支える新たなプレーヤーとして活躍されることを私は感じることができたので、防衛省としてもしっかりとプライム、そしてまたスタートアップを後押しをして、日本の中で生産基盤・技術基盤が外資、外国企業に依存度が高いと、こういったことから脱して、自前でしっかりとその能力を持つことができるような将来像に向かって確かな歩みを踏み始めたというふうに感じています。
無人アセットとサプライチェーンの強化、課題について
記者 :
去年農水省で取材させていただきました、よろしくお願いします。部品も含めたドローンの国産化を目指す上で、サプライチェーンをどう強化していくのか、費用対効果、これをどうクリアしていくのか、さらに国産ドローンですね、防衛大臣として、防衛面でどう活用していきたいのか、そのあたりお聞かせください。
大臣 :
農水大臣の時もお世話になりました。CBCさんにも是非、御地元ですから、この愛知県で生まれている防衛産業の新たな息吹を後押しをしていただきたいというふうに思います。この無人アセット、サプライチェーンの強化など課題については、やはり今世界の中で100万機、そしてアメリカは複数年、2、3年で100万機の調達、ロシアやウクライナは年間で500万から700万、これぐらいのスケールで調達をしていて、もはや世界の中で見られる新しい戦い方に、我々日本は新しい守り方を考えなければいけないわけです。その新しい守り方という観点からも、国産ドローンをいかに持てるかということは重要であって、その国産ドローンを大量に運用していく、その基盤のためには民生も含めてドローンを当たり前に活用していく、そのような社会をどうやって作っていくかということもあわせて、サプライチェーンを強靱にするためには必要なことだと思っています。今日我々の目の前には多種多様なドローンが置かれていますけれども、この防災面にしても、そしてまた物流面にしても、そして防衛面にしても、今プラットフォームは共通化されていて、その様々な用途に合わせて積むものを変えていけば、まさにデュアルユースといったように、民生としても、そして防衛面でも活用可能な、こういったことをどんどん後押ししていくことを、民間任せではなくて、国が後押しをする必要があると考えています。防衛省としては、そういった後押しにつながるように、経産省と一緒になってロードマップなどを作り、これからしっかりと国も前面に出て応援をしていく、そういったメッセージを民間の皆さんにも、また自治体の皆さんも含めて、様々な方に届けて、結果、裾野の広い産業を作って、サプライチェーンがより強くなることを確かなものにしていきたいと、そういうふうに思います。
迎撃ミサイル製造を担う三菱重工の視察とDICASの課題について
記者 :
冒頭発言ありました三菱重工の視察についてお伺いします。今年4月のDICASでですね、SM-3ブロックⅡAの生産量を約4倍に増加させる具体的な方策を確認し、更なる加速と拡大の方向、可能性を見積もるというふうに合意しています。同迎撃ミサイルの製造を担う同社を視察されてですね、課題をどのように認識されましたでしょうか。また、今後の増産に向けてどのように取り組むお考えか教えてください。
大臣 :
三菱重工さんでは、私とグラス大使で視察をさせていただいて、今お話のあったようなDICASで合意された認識の一致を見たようなことも含めて、両国に課題はありますから、その課題を私とグラス大使で同時に確認をしたり、そしてまた、お互いに認識を共有し、また深める、そんないい機会になりました。これから、その課題をしっかりと持ち帰って、どのように我々が今の厳しい安全保障環境のために、必要なこの生産力をつけることができるか、この課題を解決するために検討を加速をさせたいというふうに思っています。また、この今日見たものだけでなくて、日米の間には様々な案件がありますから、一つ一つのミクロな案件だけを見ずにですね、しっかりと戦略的な発想で全体を見ながら、お互いのコミュニケーションを深めていくという必要性も感じています。そういったことも含めて、今日グラス大使とは、移動時間だけでも合わせて2時間以上、一緒に相当深い、幅広い案件についてコミュニケーションをとることができましたので、早速その中で、お互い持ち帰るべきことを確認し合ったので、しっかりうちのチームとも共有しながら、更なる検討加速をさせたいと思っています。
(以上)
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