三菱重工、災害時の救援物資輸送に無人機を実証導入 陸自訓練に参加
- 日本の防衛
2025-8-4 13:10
三菱重工は令和7(2025)年7月31日(木)、陸上自衛隊東部方面隊と自治体が7月17日に実施した首都直下地震を想定した実動訓練に参加したことを発表。開発中の中型無人機およびVTOL(垂直離着陸)型無人機を用いた物資輸送の実証を行った。
この取り組みは、民間と防衛の両用途を見据えた「デュアルユース」の無人機開発の一環。迅速かつ自動的な救援活動の可能性を広げるものとなっている。発表内容の全文は以下の通り。
開発中の無人機による災害発生時の救援物資輸送を実証陸上自衛隊東部方面隊が自治体などと連携して実施する実動訓練に参加
・民間・防衛用途の両方を考慮したデュアルユースの無人機を開発
・多様な活用が期待される中型無人機により、重量物の輸送を自動化
・長距離を高速で飛行可能なVTOL(垂直離着陸)型無人機により、医薬品の輸送を迅速化
三菱重工業は7月17日、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の参加要請に基づき、陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区など)で実施された、首都直下地震発生時の対処能力向上を目的とする実動訓練に参加しました。この訓練は、陸上自衛隊東部方面隊が自治体などと連携して実施。当社は、民間機セグメントが開発中の中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)および防衛・宇宙セグメントが開発中のVTOL(垂直離着陸)型無人機を活用して、孤立する被災者に救援物資を輸送する訓練を行いました。
中型無人機は、災害時の救援物資輸送や、離島・山間部への物流支援、送電鉄塔工事における資材運搬などの多様な用途を想定し開発しています。また、離陸・巡航時における耐風機能を高める物資の抱え込み機能、目的地で着陸することなくホバリング(停止飛行)状態からウィンチで物資を下ろす自動荷下ろし機能を有しています。今回の訓練では、救援物資の積載実証および飛行実証を行いました。今後は、衛星通信機能の搭載、ハイブリッド化(注)による航続距離の延長といった機能向上を進めていきます。
VTOL型無人機は、離島や航行中の船舶へ救援物資を迅速に届けることを想定し開発しています。1,000kmもの長距離を高速で飛行し、滑走路のない場所でも離着陸が可能です。今回の訓練では、VTOL型無人機の機動性と垂直離着陸能力を生かし、被災地に迅速に医薬品を届ける輸送実証を行いました。
三菱重工は引き続き民間・防衛用途の両方を考慮したデュアルユースの無人機開発を推進し、その活用を通して、さまざまな社会的課題の解決に取り組んでいきます。
(注)エンジンを用いて発電する方式


中型無人機 仕様
ペイロード(最大積載量):200kg
航続距離:15km(バッテリータイプ)
200km(開発中のハイブリッドタイプ)
機体寸法:全長約6m
動力:バッテリー/ハイブリッド(開発中)
運搬容易性:離発着地までトラックで運搬可能
実証試験のための追加装備:ウィンチを使った自動荷下ろしシステム、支援物資運搬コンテナ
VTOL型無人機 仕様
ペイロード(最大積載量):5kg
航続距離:1,000km
機体寸法:全長2.4m、主翼幅3.4m
動力:固定翼推進用:エンジン
マルチコプター用:電動モーター
(以上)
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