海上幕僚長が記者会見 インドネシア出張の報告や海自の改編など(2月17日)
- 日本の防衛
2026-2-20 10:15
防衛省 海上幕僚監部は令和8(2026)年2月17日(火)、同日13時30分~13時42分に防衛省A棟10階会見室において行われた齋藤聡(さいとう・あきら)海上幕僚長の記者会見の要旨を以下のように発表した。
海幕長定例記者会見要旨
海幕長 :
本日、私から1件、インドネシア出張について発表します。2月4日から7日の間、インドネシア海軍からの公式招待に応じ、同国を訪問し、シャフリィ国防大臣を表敬訪問するとともにアリ海軍参謀長と意見交換を行いました。また、インドネシア海軍基地等を訪れ、艦艇部隊等を研修しました。
現地での会談では、相互の地域情勢について認識を共有し、当方からインド太平洋の重要な海上交通路を守るインドネシア海軍の貢献に敬意を表するとともに、海軍種間の連携を強化し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協働することを確認しました。以上です。
インドネシア海軍とのやり取りについて
記者 :
インドネシア海軍について、以前にも日本の護衛艦を視察したり、一部報道によりますと日本の護衛艦の輸出に関心を示していると報じられていますけれども、そういった関連でも何かやり取りといいますか、質問とかありましたでしょうか。
海幕長 :
今質問にあったように、アリ海軍参謀長については、私の訪問前に日本に来られております。その際にも、意見交換あるいは部隊研修等行っています。また、今回は昨年11月にインドネシアと日本の防衛相会談によって様々な議論がなされ、防衛面での連携をスピード感を持ってこれまでにない高みに築き上げていくということも話されております。
そういったものを受けて、今回(海上幕僚長として)10年ぶりの訪問でしたけれども、先ほど申しましたとおり、様々な意見交換あるいはインドネシア海軍の部隊を訪問することによって関係性を構築できたのではないかと思っております。今後も様々な分野で関係構築をする基盤ができたものと考えております。以上です。
海上自衛隊の改編について
記者 :
来月予定されている海自の改編について伺います。この狙いには、即応態勢の強化や任務別再編による効率化などがあると思いますが、その一方で群数が3つに減り、それにより冗長性が低下するのではないかと、部隊、群の数が減ることで、代替、余裕、バックアップなどの余地が少なくなって、そしてギリギリで回す体制になることによって、戦力に余裕がなくなる状態になるのではないかと課題を挙げる海自OBの方もいるのですが、海幕長としては懸念についてどのようにお思いですか。
海幕長 :
おっしゃるとおり、現在4個護衛隊群があり、それが今後は3個水上隊群※1に変更になります。数が減るのはそこだけでありますが、護衛艦の数あるいは人の数については概ね現在の状況に引き続いての状況ですので、群の数だけをもって、それで冗長性が低下するということはありません。ただし、冗長性が低下しないように我々は努めていきたいと思っております。
具体的には、4個護衛隊群が3個水上隊群※1になるということで、群の中の隻数が増えますので、その隻数の中で修理があったり、海外派遣があったり、練成段階があったりしていますので、群司令が面倒を見る艦というのは逆に増えるという状況で、そういった面では冗長性が低下するというということには当てはまらないと思っております。
記者 :
そのほかの課題として、艦の数が増えるということで、フォースプロバイダーですか、指揮系統変更による一時的な混乱というものも、そういう懸念はまったくないということでしょうか。
海幕長 :
はい。フォースプロバイダーというのは部隊を鍛え上げていく、ユーザーはそれを使うということで、自衛艦隊司令官あるいは地方総監がユーザーと位置付けられて来ましたし、今後も海上戦闘では自衛艦隊司令官、あるいは災害派遣の時に部隊を使うフォースユーザーとしては地方総監というところで、違いはありませんし、プロバイダーとしては護衛艦隊※2司令官が水上艦隊についてしっかりと面倒を見るという構図は変わりませんので、フォースユーザー、プロバイダーの観点からまったく変更はありません。
護衛艦「いずも」、「かが」の改修について
記者 :
護衛艦「いずも」、「かが」の改修の関係で1点お尋ねいたします。昨年ですね、航空自衛隊のF-35Bに先駆ける形でですね、アメリカ、それからイギリスのF-35Bの発着艦する様子の映像、画像が公開されております。振り返りますと、平和安全法制に基づく他国軍の後方支援についてですね、一般論として改修後の「いずも」、「かが」でも発着艦する米軍機への給油ですとか、整備などは可能だというふうに説明されております。
現在ですね、まさに米・英のF-35Bが発着艦をする経験を積み重ねていると私は考えているんですけれども、その経験値を基にですね、同じようにF-35Bを運用する航空軍との、固い言葉で言えば相互運用性と言うのでしょうか、連携をより強化するための後方支援のあり方、あるいは要領について、何か調査なり研究なり行われているのでしょうか。
あるいは、私は今、他国軍の話を申し上げたのですけれども、そういったことは航空自衛隊のF-35Bの艦上運用する場合と変わらない面、変わる面もあるのかもしれないですが、そういった航空自衛隊のF-35Bの艦上運用が固まっていく中で解決されていくようなものなのでしょうか。ちょっとイメージがつかめないものですから、お尋ねします。
海幕長 :
法的にはですね、一定の条件下では、他国軍等に対する役務の提供が可能となっております。過去に大臣の答弁としても、平和安全法制の定める要件を満たして、さらに国益に照らして主体的に判断した結果、着艦した機体に対する給油や整備等を実施することは、一般論としては考えられるというふうに述べられてますので、今指摘されたとおりであります。
一方で、我々の「いずも」とか「かが」の改修というのは、航空自衛隊のF-35Bの艦上運用を可能にするために、そしてその運用能力の向上を目指すために行っているものであります。先日、新田原で部隊が新編されました。航空幕僚長等が参加して、海自からも、「いずも」、「かが」を持っている護衛艦隊司令官の伍賀海将が新編行事に参加したところでありますけども、まずは空自さんのF-35Bについては今からいろいろやらないとけないと。
その期間「いずも」、「かが」については改修してある状況ですから、先ほど言われたとおり、イギリスやアメリカのF-35Bが来て1回訓練をやってそのノウハウを蓄積しているところです。そのノウハウについては、必ずや空自さんのF-35Bが着艦して運用する際には、素地になるし、活用できるものとして整理しております。
ただ、その細部については運用に関わることですので、ここでは控えたいと思いますし、イギリス、アメリカの件についても控えたいと思いますが、確実にそのノウハウは蓄積しておりますので、空自のF-35Bの艦上運用の際には、参考になるものと思っております。
記者 :
まさに空自のF-35Bの運用の参考になる情報だと思うのですが、それは将来的には、そういった他国軍の相互運用性を高める素地にもなると考えて良いでしょうか。
海幕長 :
おっしゃるとおりだと思います。相互運用性の向上に必ずや資すると思っております。
記者 :
それはやはり、まずは航空自衛隊のF-35Bの艦上運用、まずそこをきっちり固めた上でのお話になるというふうに考えて良いでしょうか。
海幕長 :
はい。我が国の防衛の観点から、急ぐところはそこだと思っております。併せて付随的に、そういった能力も同時に培われる。同じ機体ですので。若干の違いはあるかもしれませんけど大きな方向性としては違うということはなく、その方向性については身につくものと思っております。
※1:「水上隊群」を「水上戦群」に訂正 ※2:「護衛艦隊」を「水上艦隊」に訂正
(以上)
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