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イラン・中東情勢が悪化 日本政府が邦人らの退避を実施、帰国を支援(3月13日、14日のまとめ)

  • 日本の防衛

2026-3-15 14:00

 令和8(2026)年2月28日(土)に発生した米国とイスラエルによるイラン攻撃およびイランによる中東諸国への報復攻撃を受けて、日本政府はイランおよび中東在留日本人の安全を確保するための措置や事態の沈静化に向けた取り組みを進めている。

 3月13日(金)、14日(土)に公式サイトで発表された、主な動きについて以下にまとめて転載する。

〔内容〕
▪カタールからの陸路による邦人の出国支援(3回目)
▪アラブ首長国連邦、オマーンから邦人ら乗せたチャーター機が出国(2回目)
▪イラク、クウェート、バーレーン、カタール、サウジアラビアから邦人ら乗せたチャーター機が出発、到着(3回目)
▪小泉防衛大臣、茂木外務大臣、内倉統合幕僚長の記者会見
※上から下へ時系列順

カタール国からの陸路による邦人の出国支援(3回目)の実施について

 3月13日午前1時37分(現地時間12日午後7時37分)、カタール国の首都ドーハからの邦人62名が、サウジアラビア王国の首都リヤドに陸路(バス)で出国し、無事到着しました。

 この出国は、在カタール日本国大使館および在サウジアラビア日本国大使館の支援によるものです。外務省の海外緊急展開チーム(ERT)要員4名並びに在クウェート日本国大使館及び在ウズベキスタン日本国大使館の医務官2名も、この出国支援の実施に当たりました。

 政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期してまいります。

アラブ首長国連邦及びオマーン国から出国した邦人等のためのチャーター機の到着(2回目)について

1 3月13日午前9時22分、アラブ首長国連邦(UAE)及びオマーン国からの出国を希望する方々を乗せたオマーンの首都マスカットを出発していた日本政府手配のチャーター機が、羽田空港に到着しました。

2 これは、UAEに滞在する方々のうち希望される方々を陸路でオマーンに輸送した上で、日本政府としてチャーター機を手配し、オマーンに滞在する方々のうち希望される方々とともに、東京まで空路で輸送したものです。なお、外務省の海外緊急展開チーム(ERT)要員5名も、この出国支援の実施に当たりました。

3 同機には、邦人等42名に加え、余席に、海外における自国民保護に関する相互協力の観点から、韓国の方4名も含む合計46名が搭乗しました。

4 政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

小泉進次郎 防衛大臣記 者会見(3月13日 10:22~10:31)

画像出典:記者会見動画

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は別の記事にまとめます。

質疑応答 ホルムズ海峡の状況、中東地域への自衛隊派遣

記者:
 イラン情勢に関して2点伺います。ホルムズ海峡でイランが機雷の敷設を始めたとの報道もありますが、防衛省として把握している事実関係を教えてください。
 2点目ですが、防衛省・自衛隊内では、中東地域への自衛隊の派遣に関して、想定される事態や法的整合性などのシミュレーションは行っているのかどうかについて教えてください。

防衛大臣:
 まず1点目ですけれども、本件に関する報道は承知していますが、政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢については、重大な関心を持って情報収集を続けているところです。
 また、政府における議論の状況等についてお答えすることは差し控えますが、あくまで一般論として申し上げれば、我が国及び国民の皆様の平和と安全、そして繁栄を確保するため、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう、万全を期していくことは当然です。
 いずれにせよ、政府としては、事態の早期沈静化に向けて、国際社会とともに連携し、対応に万全を期してまいります。

質疑応答 G7各国による船舶護衛の検討

記者:
 イラン情勢をめぐってですね、G7の議長国フランスが、先日のオンライン首脳会談を受けて声明を発表しまして、航行の自由の回復に向けて各国が協力していくことで合意しています。また安全上の条件が整った際に、船舶の護衛ができるかの検討を始めたとしていますが、現時点での日本政府として、どういった法的裏付けで船舶の護衛が考えられるのか。また、そういった現在の検討状況について伺います。

防衛大臣:
 3月11日に実施された、中東情勢に関するG7オンライン首脳会議において、ホルムズ海峡を含む海上輸送路の安全確保を含め、様々な議論が行われ、また、御指摘の発表は議長国であるフランスの判断として行われたものだと承知をしています。
 その上で、日本政府として、ホルムズ海峡をめぐる情勢について重大な関心を持って鋭意情報収集を行ってきていますが、自衛隊の派遣については何ら決まっていません。
 いずれにせよ、現在最も重要なことは、事態の早期沈静化です。我が国として、国際社会とも連携し、引き続き、必要なあらゆる努力を行う中で、我が国及び国民の皆様の平和と安全、そして繁栄を確保するため、いかなる事態に対しても対応できるよう、万全を期してまいります。

茂木敏充 外務大臣 会見記録(3月13日 12時01分)

茂木外務大臣会見の様子 画像出典:記者会見動画

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は記事最下段のリンク先をご覧ください。

冒頭発言 中東情勢を受けた邦人の出国支援

【外務大臣】
 まず、中東情勢を受けた邦人の出国支援についてであります。
 今朝、通算5便目となりますマスカットからの政府チャーター機が、羽田に到着いたしました。これで、これまでに、882名の方々が、東京に到着をしたことになります。さらに、今日の夜には、6便目がリヤドを出発する予定であります。外務省として、引き続き、緊張感を持って、日々変わる現地情勢を注視しながら、邦人の保護、また、邦人のニーズを含めて、必要なあらゆる対応をとっていく考えであります。

イラン情勢 イラン小学校空爆

【記者】
 米国とイスラエルのイラン攻撃について伺います。ニューヨーク・タイムズは、児童ら160人以上が死亡したイラン南部の小学校へのミサイル攻撃について、誤爆だったと米軍が判断したと報じました。古いデータによる標的選定で、多数の子どもが犠牲になった可能性が高くなっていますが、トランプ政権への批判が出ています。日本政府として本事案の受け止めをお願いします。

【外務大臣】
 御指摘の報道は承知しておりますが、報道の一つ一つに、これまでもそうでしたが、コメントすることは差し控えたいと思っております。
 そして、これも繰り返して申しあげていることでありますが、何よりも大切なことは、事態の早期沈静化を図っていくことであると考えておりまして、我が国としても、国際社会とも連携しながら、引き続き、あらゆる外交努力、これに努めていきたいと考えております。

内倉統合幕僚長 記者会見 3月13日14:00~14:12

会見の様子 画像出典:記者会見動画

※イラン、中東関係の話題のみ抜粋します。記者会見の全文は別の記事にまとめます。

質疑応答 中東情勢を踏まえ、日タイ演習「コブラ・ゴールド」の成果

記者:
 冒頭発言の「コブラ・ゴールド」について伺います。今成果を教えていただいたのですが、こういった中東情勢も踏まえてもう少し成果を詳しく教えてください。

統幕長:
 本訓練での具体的な成果について3点申し上げます。まず、1点目は、自衛隊の統合運用能力の維持・向上です。具体的には、自衛隊が主導した在外邦人等保護措置・輸送訓練のほか、タイ及び米国主導の指揮所訓練、落下傘降下訓練、人道支援・災害救援活動、建設活動など、多くの訓練・活動に参加しまして、これまで培ってきた能力を発揮するとともに、各分野における統合運用能力を維持・向上することができました。

 2点目は、外務省との連携の強化です。具体的には、ウタパオ海軍基地において行われた在外邦人等保護措置・輸送訓練では、外務省の訓練参加者とともに、一連の状況下で演練しました。このような訓練を通じ、必要な手続等について外務省と連携し、認識を共有しておくことは、いざという時に円滑かつ迅速に任務を遂行するために必要であり、今まさにその連携が発揮されているところであります。

 3点目は、参加各国との連携強化です。具体的には、建設活動ではタイ及び米軍とともに、小学校内に多目的施設を建設しました。参加した陸自施設科隊員の高い技術力と作業規律は、タイ及び米軍並びに現地住民との信頼関係構築に大きく寄与したと考えております。また、人道支援・災害救援活動におきましては、台風災害発生時の国際緊急援助活動における多国間調整業務及び医療援助について訓練しており、各国との連携強化を図ることができました。以上3点です。

質疑応答 邦人輸送のためモルディブ待機のKC-767の状況

記者:
 邦人輸送に絡んでもう1点お伺いいたします。現在モルディブでKC-767が前線待機している状況だと思います。政府チャーター機のバックアップ的な意味合いが強いと認識しているのですが、現在チャーター機の退避が順調に進んでいる状況もある中で、いつ頃まで派遣するかなども含めて今後の見通しについて教えてください。

統幕長:
 まず、私自身も先程、午後のニュースでチャーター機が無事に本邦に帰ってくるシーンを見ました。順調に、そして安全に運航されたことについて一国民としましても大変安堵しているところであります。
 現時点では、万が一、邦人等の輸送が必要となった場合、迅速に対応できるよう、念のためモルディブで待機態勢を取っているところです。今後の待機期間を含めたオペレーションの具体的内容については、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
 いずれにしましても、自衛隊としましては、現地の情勢や邦人の状況を踏まえつつ、外務省をはじめ、関係省庁と緊密に連携し、邦人の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

質疑応答 自衛隊が取りうる対応

記者:
 イラン情勢について、お尋ねします。昨日、イラン新指導者のモジタバ・ハメネイー氏が声明を出し、徹底抗戦の姿勢を示すとともに、ホルムズ海峡の封鎖を継続する方向性も示しました。イラン情勢が長期化する恐れが高まっていますが、自衛隊が今後取りうる対応等を含めて、どのように見られていますか、また、アメリカの戦力が中東に集中することで、東アジアの安全保障環境に与える影響について、どのように考えていますか。

統幕長:
 イラン情勢についてのお尋ねでありますが、先週も申し上げましたが、現在の中東情勢の悪化は、私自身、深刻に懸念しており、事態の早期鎮静化が重要であると考えております。
 今後、どのように展開するかについては、予断をもって私自身が申し述べるのは、控えたいと思います。
 いずれにせよ、自衛隊は、関係省庁及び関係国と緊密に連携し、情報収集に努め、中東地域で活動する部隊等の安全確保を図りつつ、適切に対応してまいります。
 また、我が国周辺、そしてこのインド太平洋地域におきましても、カウンタパートであるアメリカ本土においては、ダン・ケイン統合参謀本部議長そして、パパロ司令官等々と緊密に連携を取りながら、日米において、この地域で盤石の態勢を維持してまいりたい、このように考えております。

記者:
 ホルムズ海峡の近くでは、他国の民間船に対する攻撃などが相次いでいて、先日、商船三井のコンテナ船も、原因は分かりませんが、損傷したという事案がありました。仮に日本の民間の船が攻撃された場合に、自衛隊としてどういう動きが想定されるのか、お答えできる範囲で教えてください。

統幕長:
 お尋ねの事例については、承知しております。しかし、後半部分の自衛隊の今後の活動については、仮定の質問ですので、現時点では、回答を控えたいと思います。

質疑応答 モルディブ待機のKC-767の態勢、増強の必要性

記者:
 モルディブに待機している輸送部隊というのは、現在は邦人退避のための訓練を重ねている状況になるのでしょうか。

統幕長:
 現在、KC-767、そして、その運航に係る約30名の隊員は、万が一邦人等の輸送が必要となった場合、迅速に対応できるよう、念のためモルディブで待機態勢を取っている所であります。お尋ねのありました訓練を行った場合、その途中にいざという事があった場合、あるいは訓練を行うことによって飛行機にトラブル等があった場合について、課された任務を遂行できませんので、しっかりと待機を取っているというところになります。

記者:
 現状として1機派遣されているわけですけれども、イラン情勢がかなり緊迫化しておりますが、追加で機体を出す必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

統幕長:
 お尋ねの件につきましては、冒頭で幹事社の方からご質問ありましたとおり、チャーター便が順調に円滑に運行されておりますので、それについては非常に安堵しているところであります。また、何機運航するかにつきましては、いつに外務省さんからの依頼に応じて、そして、そのニーズに応じて機種・機数を決めることとなっておりますので、現時点ではご指摘のような追加という事については考えておりません。

イラク共和国、クウェート国、バーレーン王国、カタール国及びサウジアラビア王国からの出国を希望する邦人等のためのチャーター機の出発(3回目)について

 3月13日午後8時58分(現地時間同日午後2時58分)イラク共和国、クウェート国、バーレーン王国、カタール国及びサウジアラビア王国からの出国を希望する邦人等を乗せた日本政府手配のチャーター機が、サウジアラビアの首都リヤドを出発しました。

 同機は、日本時間3月14日7時頃に、成田国際空港に到着予定です。

イラク共和国、クウェート国、バーレーン王国、カタール国及びサウジアラビア王国からの出国を希望する邦人等のためのチャーター機の到着(3回目)について

 3月14日午前7時13分、イラク共和国、クウェート国、バーレーン王国、カタール国及びサウジアラビア王国からの出国を希望する方々を乗せてサウジアラビアの首都リヤドを出発していた日本政府手配のチャーター機が、成田国際空港に到着しました。

 これは、現地の国際空港の閉鎖により出国が困難な状況となっているイラク、クウェート、バーレーン及びカタールに滞在する方々のうち希望される方々を陸路(バス)でサウジアラビアに輸送した上で、日本政府としてチャーター機を手配し、サウジアラビアに滞在する方々のうち希望される方々とともに、東京まで空路で輸送したものです。なお、外務省の海外緊急展開チーム(ERT)要員4名も、この出国支援の実施に当たりました。

 同機には、邦人等に加え、海外における自国民等の保護に関する相互協力の観点から、余席に台湾の方々2名を含む、合計222人が搭乗しました。

 政府としては、今後も、状況の推移を見極めながら、邦人保護に万全を期していきます。

(以上)

(参考)イラン・中東地域からの邦人等輸送 関連地図
地図作成:編集部
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