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高市総理がマクロン仏大統領と会談、日仏のさらなる連携深化を確認、日仏共同声明に署名(4月1日)

  • 日本の防衛

2026-4-6 11:12

 外務省は令和8(2026)年4月1日(水)に行われた高市早苗(たかいち・さなえ)内閣総理大臣とエマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領との日仏首脳会談、署名式、共同記者発表及びワーキング・ディナーについて、以下のように公表した。

写真提供:内閣広報室

日仏首脳会談及びワーキング・ディナー

 4月1日、午後6時00分から約2時間10分間、高市早苗内閣総理大臣は、公式実務訪問賓客として訪日中のエマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領(H.E. Mr. Emmanuel Macron, President of the French Republic)と日仏首脳会談を行い、続いて、日仏首脳共同声明の署名式、共同記者発表及びワーキング・ディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭発言

(1)冒頭、高市総理大臣から、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は密接に関連しており、安全保障環境が厳しさを増す国際情勢において、同志国との連携が一層重要になっている旨述べた上で、日本と価値や原則を共有する「特別なパートナー」であり、また太平洋に領土を有するインド太平洋国家でもあるフランスとの間で、安全保障、防衛及び経済安全保障などの分野で戦略的連携を更に強化したい旨述べました。
(2)これに対し、マクロン大統領から、様々な分野で日仏協力は大きく進展しており、高市総理と共に両国関係を一層強化していくとともに、本年フランスが議長国を務めるG7の枠組みでも緊密に連携していきたい旨の発言がありました。

2 二国間関係

(1)両首脳は、安全保障環境の変化が加速度を増す中、外務・防衛閣僚会合「2+2」が開催され、両国の安全保障・防衛協力の深化を示す機会となったことを歓迎しました。
(2)両首脳は、グローバルなサプライチェーンに影響を及ぼし得る重要鉱物等の輸出規制について深刻な懸念を共有するとともに、重要鉱物サプライチェーンの強靱化を始め、経済安全保障分野における戦略的な協力を一層強化することで一致しました。
(3)両首脳は、両国閣僚の参加を得て日仏科学技術協力合同委員会が開催されたことを歓迎し、今後も科学技術分野において戦略的に連携していくことを確認しました。また、AIやデュアルユースを含む先端技術分野の協力を深化させ、AIに関するハイレベル対話の立ち上げやAIサミットの日本開催に向けて協力していくことを確認しました。さらに、日仏間のイノベーション・スタートアップ分野での連携を強化することで一致しました。
(4)両首脳は、原子力分野においては、高速炉開発、核燃料サイクルの推進等に加え、フュージョンエネルギーに関する協力を強化していくことを確認しました。
(5)両首脳は、宇宙分野で日仏両国間の協力が幅広く進展していることを歓迎し、民間セクター間の協力の重要性を確認しました。
(6)両首脳は、文化面では、2028年の日仏外交関係樹立170周年を見据え、記念行事の準備に向けた作業部会を設置したことを歓迎し、文化交流を一層発展させていくことを確認しました。

3 地域情勢

(1)両首脳は、中国、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応を始めとするインド太平洋情勢について意見交換し、インド太平洋国家である日仏両国が引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
(2)現下の喫緊の課題であるイラン情勢を含む中東情勢について、両首脳は、ホルムズ海峡における航行の安全の確保の重要性を確認するとともに、重要物資の安定供給や事態の早期沈静化に向け、引き続き緊密に意思疎通していくことで一致しました。
(3)ウクライナ情勢について、両首脳は、ウクライナ支援を推進していくとともに、ウクライナにおける公正かつ永続的な平和の実現に向けて連携していくことで一致しました。

写真提供:内閣広報室
写真提供:内閣広報室

日仏首脳共同声明―「特別なパートナーシップ」の深化・強化―2026年4月1日

 日本国政府の招待により、エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領は、2026年3月31日から4月2日まで日本を公式訪問した。2026年4月1日、高市早苗内閣総理大臣とエマニュエル・マクロン大統領は東京で首脳会談を実施した。両首脳は、共通の価値及び原則を共有する日本とフランスが、「特別なパートナーシップ」の下での日仏協力のロードマップ(2023-2027年)を着実に実施してきたことを歓迎し、共通の利益に基づき、協力を更に発展させていく意向を表明した。

 両首脳は、最も高いレベルでの継続的で定期的な対話の重要性を認識し、相互理解と連携を深めるために、継続的に意思疎通していく決意を再確認した。両首脳は、法の支配、多国間主義、基本的自由、民主主義、人権及び紛争の平和的解決に基づく、自由で開かれた国際秩序を堅持する必要性を強調した。両首脳は、志を同じくするパートナーと共に地域的及び国際的な課題に取り組む上で、両国が果たす重要な役割を強調した。

 両首脳は、特に日・EUハイレベル経済対話を通じて、経済・貿易分野における協力を維持及び深化させることの重要性を強調し、2025年の日・EU競争力アライアンスの立上げを歓迎した。両首脳は、自由で、公正な、開かれた、ルールに基づく貿易を支援し、サプライチェーンの強靱性を強化するため、EUと「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」との間でより緊密に協力していくことの戦略的重要性を強調した。

 長きにわたる友情と協力を象徴する節目を前に、両首脳は、2028年の日仏外交関係樹立170周年を祝うことへの期待を表明した。両首脳は、日仏のG7議長国としての優先課題が一致していることも歓迎し、フランスが議長国を務める来たるG7エビアン・サミットの成功の確保に向けた支援と協力へのコミットメントを改めて確認した。

1 インド太平洋における協力

 両首脳は、2026年に10周年を迎えた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の重要性を再確認し、安定的で繁栄した地域環境の重要性を強調した。両首脳は、インド太平洋国家としての共通のアイデンティティを認識し、連携を強化して、両国それぞれのインド太平洋戦略を実施していくことにコミットしている。両首脳は、安定的で主権が尊重され強靱なインド太平洋という共通のビジョンを共有している。

 両首脳は、日本とフランスが平和と安全へのコミットメントを共にしていることを確認した。これを受け、両首脳は、安全保障・防衛協力を更に強化することで一致し、航行の自由及び上空飛行の自由の堅持並びに国際法の尊重へのコミットメントを再確認した。両首脳は、威圧及び不安定化を招く活動への反対を想起し、地球規模の挑戦に取り組むための主権的パートナーシップの構築を推進した。

 インド太平洋地域における戦略的な交流と実践的な協力を促進する観点から、両首脳は、日仏インド太平洋作業部会を含む定期協議を通じて、インド太平洋地域における共同プロジェクトを拡大することの重要性を確認した。また、両首脳は、太平洋島嶼国とのエンゲージメントを強化することを確認し、同地域の持続可能な開発と強靱性を後押しする上での、太平洋・島サミット(PALM)プロセス及びフランス・太平洋サミットの重要性を認識した。両首脳は、それぞれの開発機関であるフランス開発庁(AFD)と国際協力機構(JICA)との間で、インド太平洋全域における環境保全、生物多様性保全及び気候変動に対する強靱性の強化に向けた共同の取組を補完する枠組みである、更新された協力覚書への署名を歓迎した。

 両首脳は、2026年11月25日及び26日に開催予定のグローバル・ポート・セーフティ(GPS)と横浜港との共同訓練プロジェクトの署名を歓迎し、マクロン大統領は、フランスとスリランカが共同で設立した海洋研究地域センター(RCMS)との協力に日本が関心を示したことを歓迎した。これらのイニシアティブは、いずれも地域の海上安全保障の強化を目的としている。

2 二国間協力

(1)安全保障・防衛協力
 両首脳は、両国それぞれの防衛戦略及び国家安全保障戦略について意見を交換した。また、4月1日に開催された外務・防衛閣僚会合(「2+2」)及びその成果を歓迎した。

 両首脳は、日本の防衛省とフランスの軍事・退役軍人省が署名した日仏防衛ロードマップを歓迎した。また、両国の協力と相互運用性を強化するための、防衛装備及び技術協力の推進や、共同訓練、演習及び寄港を含む人材交流の積極的な実施を歓迎した。2026年度中の「航空宇宙自衛隊」への改編を見据え、両首脳は、防衛宇宙分野における協力・調整の促進を目的として、2026年7月頃から、自衛隊員を仏宇宙コマンド(CDE)に連絡官として派遣する計画を歓迎した。

 両首脳は、インド太平洋地域におけるフランスの訓練ミッションや、フランス本土及びフランスの海外領土への日本側の訓練展開を含む、相互展開支援を引き続き強化することを望んでいる。

 また、両首脳は、インド太平洋地域の平和と安定に積極的に貢献する意向を再確認した。

 両首脳は、海・空・陸・宇宙の全領域における数多くの演習や交流によって特徴付けられる、両国間のパートナーシップの戦略的縦深性を称賛した。また、相互運用性を促進することで、両国空軍種間の協力を更に強化する機会を歓迎した。

 高市総理大臣は、欧州連合(EU)及び北大西洋条約機構(NATO)におけるフランスの役割の重要性を認識した。両首脳は、EUを通じて、特に2024年に公表された日・EU安全保障・防衛パートナーシップ及び日・EU防衛産業対話を通じて、また、NATOを通じて、特に2023年にビリニュスで署名された日・NATO国別適合パートナーシップ計画(ITPP)、2024年にワシントンで作成されたNATO・IP4(インド太平洋パートナー)フラッグシップ・プロジェクト及び日・NATO防衛装備・産業対話などを通じて、政治・安全保障分野での協力を更に発展及び強化させることで一致した。

 両首脳は、4月3日にパリで開催されるテロ対策に関する二国間協力に関する二国間対話を歓迎した。

(2)経済安全保障・エネルギー安全保障
 両首脳は、自由で公正な経済秩序の確保及び両国の戦略的自律性の強化に向けた協力の両国にとっての重要性を強調した。両首脳は、あらゆる形態の経済的威圧、過剰生産及び市場の歪曲をもたらす非市場的政策及び慣行の利用、並びにグローバル・サプライチェーンに重大な悪影響を及ぼし得る、特に重要鉱物及びその派生品に対する輸出規制に深刻な懸念を表明した。両首脳は、輸出管理措置を講じるいかなる場合にも、厳密に定義され、差別的でなく、国際法及び国際慣行に従っていることを確保することの重要性を改めて強調した。両首脳は、特にエネルギー及び重要鉱物を含む戦略物資のサプライチェーン強靱性の戦略的重要性を認識した。

 両首脳はまた、経済安全保障及びサプライチェーンの強靱性を強化し、重要技術を保護することにより中流及び下流の産業の競争力を維持・強化し、経済的威圧、並びに非市場的政策及び慣行に対処するために、日仏経済安全保障作業部会を通じた協力及びG7を通じたものを含む志を同じくするパートナーとの協力を強化することにコミットした。

 両首脳は、ITER計画やJT-60SA計画などフュージョンエネルギー分野を含め、この分野の重要性を共有していることを強調した、原子力エネルギー協力に関する日仏共同声明の発出を歓迎した。

 両首脳は、2026年4月1日に日本の経済産業省とフランスの経済・財務及び産業・エネルギー・デジタル主権省が署名した重要鉱物に関するロードマップを歓迎した。両首脳は、このロードマップに基づき、両国の産業部門のステークホルダーが参画する共同プロジェクトを引き続き発展させ、進行中のカレマグ・レアアース・プロジェクトにおける協力など、両国の産業にとって不可欠な重要鉱物のサプライチェーンの多角化及び安全性に貢献していくことを確認した。

 さらに両首脳は、フランスが最近参加したRISE(強靱で包摂的なサプライチェーンの強化)パートナーシップを通じて、鉱物資源が豊富な低・中所得国がクリーンエネルギー製品のグローバル・サプライチェーンにおいてより大きな役割を果たせるように支援するとのコミットメントを再確認した。

(3)経済・科学技術協力
 両首脳は、二国間の貿易・投資関係及び科学技術協力を加速させることの重要性を認識した。両首脳は、2026年3月31日に開催された第11回日仏科学技術協力合同委員会の成果を歓迎した。同委員会は関係閣僚の強力な支持を得た。両首脳は、量子技術、人工知能(AI)、保健、農業などの分野における日仏科学技術協力を更に強化することで一致した。また、フランス国立科学研究センター(CNRS)による、九州大学及び名古屋大学と2つの新たな国際共同研究所の設立を通じた、日本における活動の展開を歓迎した。

 両首脳は、AI、量子技術、宇宙技術などのデュアル・ユース技術を含む先端技術分野における協力を深化させることが、二国間の貿易・投資の促進、共同研究プロジェクト及び研究者交流の推進、産業界とスタートアップとのマッチング支援などを通じて、イノベーションを推進し、持続可能な経済成長を実現する上で、戦略的に重要であることを再確認した。両首脳は、更なる科学協力への道を開く、ホライズン・ヨーロッパへの日本の準参加の予定を歓迎し、両国の研究助成機関によるトップ研究者の連携促進に向けた取組を支持する意向を示した。両首脳は、2026年4月1日に日本の経済産業大臣とフランスの経済・財務及び産業・エネルギー・デジタル主権大臣が発表した「日仏スタートアップ・イノベーション協力に関する共同声明」【P】を歓迎し、更なる連携への期待を表明した。

 両首脳は、広島AIプロセスを含む、安全、安心で信頼できる持続可能なAIのための国際的なガバナンス及びエコシステムを促進する重要性を再確認した。この文脈において、両首脳は、特にG7仏議長年における両国間の連携強化を歓迎した。また、両首脳は、両国のイノベーション・エコシステム間の連携強化及びグローバル・サウスとの協働によるAIエコシステム共創の取組強化へのコミットメントを再確認した。両首脳は、日仏AI分野の協力に関する共同声明の枠組みの下で協力を加速させていくことにコミットした。両首脳は、G7仏議長国の優先課題に従い、適切な政策手段を通じて、オンライン上の未成年者の保護を推進することの重要性を認識した。

 マクロン大統領は、高市総理大臣が、できる限り早期に日本でAIサミットを開催したいと発表したことを歓迎した。両首脳は、その実現に向けて緊密に協力することで一致した。

 宇宙空間の戦略性及び競争性の高まりを踏まえ、両首脳は、2026年1月15日に開催された第4回日仏包括的宇宙対話などを通じた両国間の緊密な協力を歓迎した。両首脳は、特にスペースデブリの抑制・低減手段を通じた宇宙活動の長期的な持続可能性への取組の緊急性を再確認し、国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)及びG7を含む国際場裡におけるルール作りにおいて緊密に協力していくことで一致した。また、両首脳は、宇宙状況把握(SSA)分野における多国間の調整が急務であることを再確認した。さらに、両首脳は、全球測位衛星システム・準天頂衛星システム(GNSS/QZSS)の活用に関するベストプラクティスの交換が引き続き重要であることで一致した。加えて、両首脳は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)との間で、宇宙活動のあらゆる分野、特に宇宙探査・科学、宇宙輸送、地球観測及び宇宙活動の長期的な持続可能性における協力を加速させることの重要性を認識した。両首脳は、両国の宇宙エコシステム間の産業パートナーシップが継続的に発展していることを歓迎した。マクロン大統領は、2026年にフランスが主催する国際宇宙サミットへの日本のハイレベルの参加を招請した。同サミットは、日本との緊密な調整の下で準備される予定である。

 また、両首脳は、民間セクターのイニシアティブによる経済的な協力の進展を歓迎した。

(4)文化、教育、人的交流
 両首脳は、特に、2027年のパリ日本文化会館(MCJP)開館30周年及び関西日仏学館設立100周年、2028年の日仏外交関係樹立170周年及び2029年のパリ国際大学都市日本館100周年を控え、関係省庁・機関による取組を通じて、文化・学術・知的交流を引き続き発展させていくことの重要性を確認した。両首脳は、関係省庁・政府機関による日仏外交関係樹立170周年作業部会の設置を歓迎した。これらの記念行事は、フランスと日本の密接かつ永続的な絆を強調するものである。

 両首脳は、アニメ、マンガ、ゲーム、音楽、映画などのコンテンツ産業が、経済交流の強化や、特に若年層における人的交流の強化に果たす重要な役割を強調し、この分野における協力を強化することを確認した。

 また、両首脳は、フランス出版協会が2028年のパリ・ブックフェスティバルにおいて日本を主賓国とすることを提案したこと、また日本書籍出版協会が同フェスティバルへの参加を決定したことを歓迎した。

 両首脳は、2026年に開催される第79回カンヌ国際映画祭に際して開催されるマルシェ・デュ・フィルムにおいて、日本が主賓国に選ばれたことを歓迎した。

 また、両首脳は、シャンボール城と松本城の姉妹提携、フランス国立映画映像センター(CNC)と映像産業振興機構(VIPO)とのパートナーシップ、フランス視聴覚・デジタル通信規制局(Arcom)とコンテンツ海外流通促進機構(CODA)との海賊版対策協力、マンガ・ウェブトゥーンに関する海賊版対策協議会とCODAとの協力、及び現代芸術分野におけるサンキャトル・パリと六本木アートナイトのパートナーシップという、関連プロジェクトを通じて進展している文化協力の状況を歓迎した。

 両首脳は、文化創造産業、文化遺産、博物館、工芸といった共通の関心分野における長年の絆を強化するため、日仏間の文化協力に関する合同対話を、2025年10月の第1回対話以降も定期的に開催し続けることを確認した。

 両首脳は、GREEN×EXPO 2027の成功に向け緊密に協力する意向で一致し、高市総理大臣は、GREEN×EXPO 2027への参加へのフランスの関心を歓迎した。

 両首脳は、2026年10月にカンヌで第9回日仏自治体交流会議が開催されることを歓迎した。両首脳は、自治体間交流を促進する取組を支援していく。

 両首脳は、特にSTEM分野において、両国間の学生及び研究者、特にキャリア初期段階にある人材の交流を促進する意向を再確認した。

3 地球規模課題

 両首脳は、本年フランスが議長国を務めるG7を含む国際的な枠組みを通じて、テロ対策及び薬物密輸を含む組織犯罪との戦いにコミットすることを改めて表明した。また、両首脳は、昨年の日仏テロ対策協議立上げと、4月に開催予定の第2回協議を歓迎した。両首脳は、マネー・ローンダリング、テロ資金供与、大量破壊兵器の拡散金融及び薬物密輸との戦いにおける協力を強化することで一致した。これには、5月にフランスで開催される第5回テロ資金対策閣僚会議(NoMoneyforTerror)の成功の確保及び、金融活動作業部会(FATF)の活動の支援が含まれる。

 両首脳は、ハイブリッド脅威や新興技術への対応など、新たな協力分野を発展させていくことで一致した。この観点から、両首脳は、サイバー脅威に対抗するためには同志国との協力が不可欠であることを確認した。両首脳は、サイバー空間における責任ある国家行動を推進するため、国際場裡における取組の調整を継続することで一致した。また、両首脳は、パル・マル・プロセスにおいて、規制のない商業的サイバー侵入能力の拡散に対処するために協力していくことで一致した。さらに、両首脳は、日仏サイバー協議を通じた協力強化へのコミットメントを確認した。両首脳は、関連国家当局間や研究機関間の協力を通じたものを含め、誤情報、偽情報、ハイブリッド干渉への対策に関する交流の強化で一致した。

 両首脳は、国際機関が正統性及び代表性を維持することを確保するため、グローバル・ガバナンスの重要性、特に国連の機能強化の重要性で一致した。両首脳は、国連安全保障理事会(安保理)改革の緊急の必要性を再確認し、加盟国の過半数の支持を反映した、安保理の常任理事国及び非常任理事国の双方の拡大を含む統合モデルの作成を求めた。フランスは、日本を含むG4及びアフリカ2か国の安保理常任理事国入りに対する確固たる支持を改めて表明した。

 両首脳は、「核兵器のない世界」という究極の目標に向けた共通のコミットメントを改めて表明し、来る2026年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議の文脈におけるものも含め、現在の安全保障環境を反映した軍備管理・軍縮に関する協力の強化を確認した。

 両首脳は、フランスが議長国を務める本年のG7を含む多国間フォーラムにおいて、幅広い課題、特にグローバル・インバランス、国際的なパートナーシップ、債務の透明性、並びに、重要鉱物サプライチェーンの強靱性強化を含む経済安全保障、保健及びデジタルにおいて、緊密に連携していくというコミットメントを改めて表明した。

 両首脳は、継続的で世界的なマクロ経済の不均衡が、国際金融システムの脆弱性の一因であることで一致した。両首脳は、対外不均衡に対処し、均衡のとれた持続可能な成長を促進し、金融の安定性を保全するため、G7やその他の多国間フォーラムにおける国際的な対話と政策協調を強化することの重要性で一致した。

 特に、両首脳は、互恵的な国際的パートナーシップ、説明責任の強化、援助の分散・断片化の解消、ドナーベースの拡大、民間及び国内資金動員に焦点を当て、乳幼児期の子どもの発達、栄養、保健、極度の貧困といった中心的な開発課題に対する連帯を確保する、グローバルなパートナーシップと連帯のアーキテクチャの改革にコミットしている。両首脳は、OECD開発援助委員会の重要性を強調し、同委員会の発展の文脈において緊密に協力していくことで一致した。

 両首脳は、環境、気候及び生物多様性に関する課題へのコミットメントを強調した。マクロン大統領は、2025年6月にニースで開催された第3回国連海洋会議(UNOC3)への日本の参加に謝意を表明し、2025年12月の日本による国連公海等生物多様性協定(BBNJ協定)への加入を歓迎した。ニューカレドニアにおける科学・イノベーション・水中観測所プロジェクトにおける、海洋研究開発機構(JAMSTEC)とフランス海洋開発研究所(Ifremer)との協力は、南太平洋におけるこれらの課題に対する両国のコミットメントを証明した。

 両首脳は、プラスチックのライフサイクル全体に対処し、プラスチック汚染を終わらせるための、野心的な、法的拘束力のある国際文書(条約)の採択を引き続き提唱していくことにコミットした。また、両首脳は、違法・無報告・無規制(IUU)漁業と闘うためのイニシアティブへの支持を改めて表明した。

 気候変動、生物多様性の損失及び汚染という3つの危機に関し、両首脳は、これらに対処するための二国間及び多国間協力の強化へのコミットメントを改めて表明した。両首脳は、気候及び環境対策の基盤としての科学の中心的役割を強調し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間の科学及び政策プラットフォーム(IPBES)、化学物質、廃棄物及び汚染に関する政府間科学・政策パネル(ISP-CWP)の活動への支持を再確認した。また、両首脳は、世界全体の平均気温の上昇を1.5度に制限するためのパリ協定及び昆明・モントリオール生物多様性枠組の効果的な実施へのコミットメントを再確認した。両首脳は、2030年までに森林減少及び土壌劣化を食い止め、その傾向を逆転させるための共同の取組を含め、海洋、土壌、森林などの炭素吸収源の保護及び回復へのコミットメントを再確認した。両首脳は、適応に関する国際協力の強化を推進すること、温室効果ガスについて低排出型であり、気候に対して強靱である発展に向けた方針に資金の流れを適合させること、また、気候変動に対して強靱な開発と仙台防災枠組みに沿った災害リスク軽減に関する国際協力を推進することへのコミットメントを再確認した。

 両首脳は、日本とフランスが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成、世界保健機関(WHO)が調整するグローバル・ヘルス・アーキテクチャーの改革支援、薬剤耐性を含む感染症や非感染性疾患と闘うためのワンヘルス・アプローチの効果的な運用促進、保健システムの強化、財保連携及びグローバル・ヘルス・モニタリング・ネットワークの促進など、グローバルヘルス支援において主導的な役割を果たしてきたことで一致した。両首脳は、この分野における二国間の協力及び連携を更に強化する意向を共有し、グローバルヘルスに関する日仏共同声明の発表を歓迎した。両首脳は、2026年5月にG7Cancer議長国がフランスから日本へ引き継がれることを歓迎した。

4 地域情勢

(1)アジア
 両首脳は、東シナ海及び南シナ海の情勢に対する深刻な懸念を改めて表明し、緊張を高め、地域の安定及び国際法を損なう、力又は威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに強く反対した。

 両首脳は、国連海洋法条約(UNCLOS)に従った航行及び上空飛行の自由の堅持並びに紛争の平和的解決の重要性を再確認した。両首脳は、UNCLOSの普遍的かつ統一的な性格を改めて強調し、海洋におけるあらゆる活動を規律する法的枠組みを規定する上での同条約の重要な役割を再確認した。また、2016年の南シナ海に関する比中仲裁判断が最終的かつ紛争当事国を法的に拘束するものであることを改めて表明した。両首脳は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、建設的な対話を通じた両岸問題の平和的解決を促した。

 両首脳は、北朝鮮が核・弾道ミサイル計画を拡大していく意図を改めて表明したことに深い懸念を表明し、関連する安保理決議に従った北朝鮮の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な非核化に対するコミットメントを再確認した。両首脳は、暗号資産窃取や北朝鮮IT労働者の活動を含む北朝鮮の悪意あるサイバー活動及びロシアとの軍事協力の拡大に対する深刻な懸念及びこれらに共に対処する必要性を表明した。両首脳は、拉致問題の即時解決を北朝鮮に強く求めた。

 両首脳は、ASEAN主導の地域的枠組みを通じたものを含め、インド太平洋地域の平和と安定を促進してきたASEANの重要性を再確認した。また両首脳は、ASEAN中心性及び一体性並びに特にその優先協力4分野に沿ったプロジェクト及び活動を通じたインド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)の主流化及び実施に対する揺るぎない支持を強調した。両首脳は、平和で安定し、繁栄した地域を維持するため、ASEANとの協力を強化するとのコミットメントを改めて表明した。

(2)ウクライナ、ロシア
 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略が、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であるとの認識を共有した。両首脳は、自らの領土一体性及び生存する権利を守るウクライナ並びにウクライナの自由、主権及び独立への、日本とフランスの揺るぎない支持を再確認した。また、両首脳は、ウクライナに対し強固かつ信頼できる安全の保証を提供するという有志連合の下でのコミットメントを支持した。両首脳は、ウクライナ国民への人道支援及び援助を継続するとともに、ロシアに対する制裁を強化するという両国のコミットメントを再確認した。また、両首脳は、ウクライナの独立、主権及び領土一体性を尊重した、公正かつ永続的な平和をウクライナにもたらすため、引き続き協力していく決意を新たにした。

(3)中東
 両首脳は中東情勢について協議した。両首脳は、イランが決して核兵器を保有してはならないことを想起し、対話を通じて本問題を解決することの重要性を強調した。

 両首脳は、死傷者や物的損害の質的・地理的な拡大及びエネルギーの安定供給への重大な影響を含め、同地域における情勢の悪化に対し、極めて強い懸念を表明した。また、両首脳は、事態の早期の沈静化をもたらすための外交努力を継続することが極めて重要であることを再確認した。

 この観点から、両首脳は、ペルシャ湾における非武装商船に対するイランによる攻撃、近隣諸国の石油及びガス施設を含む民間インフラへの攻撃及びホルムズ海峡を通過する民間船舶の安全な航行を脅かすイランの試みを直ちに停止するよう強く求めた。また、両首脳は、ホルムズ海峡の安全な航行を確保するための適切な取組に貢献する用意があることを表明した。この文脈において、両首脳は、2026年3月19日に発表されたホルムズ海峡に関する首脳共同声明を想起した。

 レバノンに関し、両首脳は、レバノン国民が自ら望まない戦争に更に巻き込まれることを避けるため、これ以上のエスカレーションを防ぎ、政治的解決を支持するという決意を表明した。両首脳は、主権を強化するためのレバノン政府の決定に対する支持を再確認し、イスラエルに対してレバノンの領土一体性を尊重するよう求めた。

 両首脳は、関連する安保理決議及びニューヨーク宣言に従って、包括的で公正かつ永続的な平和と二国家解決の実現に向けたコミットメントを再確認した。また、ガザ地区全域において、国連、国連機関及び国際機関を通じたものを含め、国際人道法に従った、迅速、安全かつ妨げのない持続的な人道支援の大規模な提供が必要であることを強調した。両首脳は、パレスチナの民間人に対する入植者による暴力の激増に対して深刻な懸念を表明し、国際法違反であるヨルダン川西岸地区における入植活動を含むあらゆる一方的な行為に反対した。

(4)アフリカ
 両首脳は、アフリカ大陸、特にスーダン及び大湖地域で続く暴力の影響について、深刻な懸念を改めて表明した。また、両首脳は、全ての当事者に対する誠意を持って和平プロセスに参加することへの呼びかけ、平和と安定を確保するための外交的努力への支持及び過去のコミットメントの完全な履行を再確認した。さらに、両首脳は、人間の安全保障の確保などを通じて、紛争の根本原因及び要因に対処することの重要性を強調した。両首脳は、アフリカの開発における民間セクターの関与を深めるために協働していく決意を表明した。この観点から、両首脳は、2025年8月に横浜で開催された、日本、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会が共催したTICAD9の成功裏の開催、及び2026年5月にナイロビにおいてフランスとケニアが共同議長を務めるアフリカ・フォワード・サミットが開催予定であることを歓迎した。

5 結語

 最後に、両首脳は「特別なパートナーシップ」の下で達成された進展を歓迎し、これを更に深化及び強化するとともに、平和で安定し、繁栄する国際社会に向けて緊密に協力していくという決意を再確認した。

高市早苗 日本国内閣総理大臣

エマニュエル・マクロン フランス共和国大統領

(参考1)日仏首脳共同声明(和文(PDF)
(参考2)日仏原子力協力に関する共同声明(和文(PDF)
(参考3)日仏AI分野の協力に関する首脳共同声明(和文(PDF)
(参考4)グローバルヘルスに関する日仏共同声明(和文(PDF)

(以上)

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