[国会答弁]自民党大会での陸上自衛官の歌唱が政治的行為でないとした責任の所在に関する質問と答弁(5月26日)
- 日本の防衛
2026-5-28 09:34
令和8(2026)年5月26日(火)、第221回国会(特別会)に提出された「自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱が政治的行為に該当しないと判断した責任の所在に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
質問第46号
令和8年5月15日提出
自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱が政治的行為に該当しないと判断した責任の所在に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。
提出者 石垣のりこ
陸上自衛隊中央音楽隊に所属する陸上自衛官が、第93回自由民主党大会に出席し、制服を着用した上で国歌を歌唱した(以下「当該行為」という。)。私は、「自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱と政治的中立性等に関する質問主意書」(第221回国会質問第35号)において、当該行為と自衛隊法(昭和29年法律第165号)第61条第1項の関係について質問した。政府は、これに対する答弁(内閣参質222第35号。以下「答弁35号」という。)において、「御指摘の「当該行為」(略)は、同条第1項各号に掲げる政治的行為に該当するとは認められず、法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないと防衛省において確認したものである。」と答弁した。
また、私は、「自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱及び陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の同行に関する質問主意書」(第221回国会質問第40号)において、「上官である当該副隊長と部下である当該自衛官が第93回自由民主党大会に関与すること問題ない。と判断した理由を示されたい。」と質問した。政府は、これに対する答弁(内閣参質222第40号。以下「答弁40号」という。)において、「防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者が、自衛隊法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないことを確認した」と答弁した。
政治的行為に該当するかを確認した主体は、答弁35号では「防衛省」、答弁40号では「防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者」とされている。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 答弁40号における「防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者」の役職、所属部署及び職務内容を具体的に示されたい。また、当該行為が政治的行為に該当するか確認した担当者の上位の役職者による決裁又は供覧は行われたか示されたい。特に、大臣、副大臣及び大臣政務官による決裁又は供覧は行われたか示されたい。あわせて、決裁文書、協議記録、電子メールその他の記録が存在するか示されたい。
二 前記1の決裁又は供覧が行われていない場合、当該担当者限りの判断を防衛省の公式見解としたことになると思料するが、政府の認識を示されたい。また、一般論として、政府は、ある行為の違法性の判断を担当者限りで行うことがあるか示されたい。判断することがある場合、当該担当者による判断をもって、防衛省又は政府の公式見解として取り扱うことが妥当と考えるか、政府の認識を示されたい。
三 小泉進次郎防衛大臣は、令和8年4月16日の衆議院本会議において、「私を含む幹部への報告や、関係部署の情報共有について反省すべき点があった」と答弁しているが、「反省すべき点」の内容を具体的に示されたい。
四 小泉防衛大臣は、令和8年4月17日の記者会見において、「仮に情報が上がっていれば、別の判断もあり得たと考えています。」と発言しているが、「別の判断」の内容を具体的に示されたい。特に、当該行為を容認しないことを含むか示されたい。
五 前記三の答弁における「私を含む幹部への報告や、関係部署の情報共有」が適切に行われなかったことについて、服務上の問題があったと考えるか、政府の認識を示されたい。問題があったと考える場合、関係者の処分を行うか示されたい。処分を行わない場合、その理由を具体的に示されたい。
右質問する。
答弁書
参議院議員石垣のりこ君提出自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱が政治的行為に該当しないと判断した責任の所在に関する質問に対する答弁書
一について
防衛省人事教育局の担当者については、同局服務管理官付服務制度企画室員であり、同省の職員の懲戒、服務及び規律に関する事務等を担当している。
また、陸上幕僚監部の担当者については、同幕僚監部人事教育部人事教育計画課服務室員であり、陸上自衛隊の職員の分限、懲戒、服務及び規律に関する事務等を担当している。
お尋ねの「決裁又は供覧」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「当該行為」が自衛隊法(昭和29年法律第165号。以下「法」という。)第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないことを確認する過程において、同局においては、「担当者の上位の役職者」に報告しておらず、同幕僚監部においては、陸上幕僚長に報告しており、また、防衛大臣、防衛副大臣及び防衛大臣政務官は、「当該行為」に関する報告を受けていない。
お尋ねの「決裁文書、協議記録、電子メールその他の記録が存在するか」については、現在精査中であり、現時点でお答えすることは困難である。
二について
前段のお尋ねについては、御指摘の「決裁又は供覧」及び「当該担当者限りの判断を防衛省の公式見解としたこと」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、先の答弁書(令和8年4月28日内閣参質222第35号) 二についてにおいては、「法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないと防衛省において確認したものである。」とお答えし、先の答弁書(令和8年5月12日内閣参質222第40号) 十についてにおいては、「党大会の前に防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者が、自衛隊法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないことを確認した」とより詳細にお答えしたものである。
中段及び後段のお尋ねについては、お尋ねの「ある行為の違法性の判断を担当者限りで行うこと」及び「防衛省又は政府の公式見解として取り扱うこと」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないため、一概にお答えすることは困難である。
三について
お尋ねについては、令和8年4月16日の衆議院本会議において、小泉防衛大臣が「今回の歌唱に関しては、私が事前に報告を受けていなかったように、私を含む幹部への報告や、関係部署の情報共有について反省すべき点があったと考えており、自衛隊の活動に対する国民の理解を得る観点からも、今後は、幹部への報告や、関係部署の情報共有を徹底してまいります。」と答弁しているとおりである。
四について
お尋ねについては、令和8年4月17日の記者会見において、小泉防衛大臣が「一般論として申し上げれば、政党の行事への自衛官の参加は、個別具体的に判断されるべきものであることから、仮に情報が上がっていれば、別の判断もあり得たと考えています。」と述べたとおりであり、お尋ねの「別の判断」については、特定の判断を前提として述べたものではない。
五について
お尋ねの「服務上の問題があった」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「私を含む幹部への報告や、関係部署の情報共有」については、法第46条第1項各号の処分事由に該当するとは考えていない。
(以上)
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