IHIら3社、GCAP向けエンジン実証機の地上試験へ向けた進捗を報告(7月21日)
- 日本の防衛
2026-7-22 18:09
株式会社IHIは令和8(2026)年7月21日(火)、「GCAPコンソーシアム、エンジン実証機の地上試験に向け前進」と題したプレスリリースを以下のように発表した。
GCAPコンソーシアム、エンジン実証機の地上試験に向け前進
IHI、ロールス・ロイス社(英国)、アビオ・エアロ社(イタリア)の3社で構成されるコンソーシアムは、GCAP(※1:グローバル戦闘航空プログラム)向けエンジン実証機の地上試験に向けた開発を着実に進めています。3社は共通のビジョンのもと、世界最高水準の次世代戦闘機を支える革新的なエンジンシステムの実現を目指して連携を推進しています。今後も協力体制を一層強化し、重要な技術マイルストーンを着実に達成することで、将来の安全保障を支える技術基盤の構築に取り組んでまいります。
次世代エンジンシステム開発が新たな段階へ
3か国によるパートナーシップは、コンソーシアムとしての協力関係をさらに深化させ、国や企業の枠を超えた国際共同開発体制へと発展しています。英国レディングにはコンソーシアム3社による共同開発拠点「コラボレーションハブ」を開設しました。このハブは、GCAP Agency(※2)やエッジウィング社(※3)とのより緊密な連携を推進する中核拠点であるとともに、コンソーシアムによる長期的なコミットメントと、信頼・協力関係に基づく国際パートナーシップを象徴する場となります。
技術開発も着実に進展しています。一連の設計レビューを経て、新機軸エンジン実証機の設計は最終承認に向けた段階に入り、各構成部品の製造も順調に進んでいます。これまでに100件を超えるサブスケール試験を完了し、エンジン実証機の地上試験に向けた準備も着実に進んでいます。この地上試験では、GCAP向けエンジンシステム全体の設計・開発に必要となる重要なデータを取得する予定です。
エンジン実証機は、革新的な技術とそれらを統合したアーキテクチャの成熟度を実証するとともに、プログラム全体の技術的リスクを低減する上で重要な役割を担います。また、設計プロセスや各種ツール、開発手法の検証・改善を通じて、GCAPにおける設計・開発期間の短縮にも貢献します。
各社のコメント
アビオ・エアロ社 防衛事業本部 ゼネラルマネージャー Edoardo Curti氏
3社がエンジン実証機の開発で達成した今回の成果は、次世代戦闘機に求められる性能を実現し、お客さまの変化するニーズに応えていくという共通の目標に向けた重要なマイルストーンです。GCAPのもと、ロールス・ロイス社およびIHIとの協力関係をさらに強化し、長期にわたる強固なパートナーシップの礎を築いていけることを誇りに思います。
ロールス・ロイス社 将来戦闘機ディレクター Phil Townley氏
私たちが開発しているのは、単に推力を生み出すエンジンではありません。次世代のセンサーや兵器システムが求める、これまでにない大規模な電力需要と熱負荷に対応できる空飛ぶ発電所を実現しようとしています。アビオ・エアロ社およびIHIと3か国で一つのチームとして取り組むことで、国や産業の垣根を越え、この革新的な技術を迅速に実現していきます。
IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 主席技監 中村則之
この国際的な枠組みのもと、IHIが培ってきた最先端エンジン技術と、アビオ・エアロ社およびロールス・ロイス社の卓越した技術力を融合し、将来の戦闘機の中核となる次世代エンジンシステムの実現に取り組んでいます。国や企業の枠を超えた信頼と共創のネットワークを築きながら、この長期にわたる挑戦を通じて、防衛航空エンジン産業の発展に貢献するとともに、新たな事業機会の創出、人材育成、さらなる国際パートナーシップの強化につなげてまいります。
経済成長の原動力:人材スキルと産業の強化
本コンソーシアムは、3か国における経済成長と高度専門人材の育成に貢献していきます。現在、GCAPには世界で約9,000人が従事しており、パートナー各国では次世代を担う人材の育成にも継続的に取り組んでいます。
※1 GCAP (Global Combat Air Programme)
日本とイギリス、イタリアによる第6世代戦闘機共同開発プログラム。
※2 GCAP Agency
GCAPにおいて、日本とイギリス、イタリアの3か国政府が設立した国際機関。
※3 エッジウィング社
GCAPの機体を開発するBAE Systems社(英)、レオナルド社(伊)、日本のJAIEC(日本航空機産業振興株式会社)からなる合弁会社。
(以上)
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