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[国会答弁]陸上自衛隊のUSBメモリのウイルス感染に係る対応に関する質問と答弁(7月28日)

  • 日本の防衛

2026-7-29 12:56

 令和8(2026)年7月28日(火)、第221回国会(特別会)に提出された「陸上自衛隊のUSBメモリのウイルス感染に係る対応に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。
 その質問主意書と答弁書を以下に転載する。

質問主意書

質問第90号
令和8年7月16日提出
陸上自衛隊のUSBメモリのウイルス感染に係る対応に関する質問主意書
 右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。
提出者 羽田次郎
 令和8年6月26日付け及び7月1日付け日本経済新聞は、陸上自衛隊が中国系ウイルスに感染したUSBメモリを使い続けていた事案(以下「当該事案」という。)について報じた。同USBメモリは新品の段階でウイルスに感染していた可能性があったにもかかわらず、検品で排除できなかったとされている。また、同USBメモリは長期間使用され、当該事案の発覚後も陸上自衛隊内で周知が徹底されなかったとされている。我が国の防衛情報や安全保障上の情報を扱う組織において、当該事案が発生した事実は、国民に大きな不安を与えている。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 政府は当該事案をどのように受け止めているのか示されたい。
二 前記報道によれば、同USBメモリについて、新品の段階でウイルスに感染していた可能性があること、パソコンに導入されたセキュリティーソフトの設定で検査対象から外れていたこと、ウイルス検知後も調達経路等の原因究明が十分進まなかったこと、陸上自衛隊内で周知が徹底されなかったこと、長期間使用されたことなど多くの疑問点が残っているとされている。例示した5つの疑問点について、何が事実で何が未解明なのか、現時点での全容を示されたい。
三 当該事案に関する最大の問題は、ウイルス感染そのものではなく感染判明後の脆弱な危機管理体制だと考える。感染判明後、誰が、どの時点で、どこまで把握していたかそれぞれ示されたい。また、陸上自衛隊内で周知を徹底しなかった理由を示されたい。
四 政府としてどのような再発防止措置を講ずるのか示されたい。特に、今後の初動対応の在り方について政府の認識を示されたい。
五 近年、安全保障の世界では、サイバー攻撃だけではなくサプライチェーンリスクへの対応が極めて重要となっている。防衛装備品だけではなく記録媒体やUSBメモリなど周辺機器についても、調達段階から安全性を担保する仕組みは十分機能していたと認識しているのか、政府の見解を示されたい。
六 当該事案を受け、政府は周辺機器なども含めた防衛装備品等の調達基準を見直す考えがあるか示されたい。
七 これからは戦闘機やミサイルだけでなく、サイバー空間を含めた総合的な安全保障を構築しなければならない時代である。1つのUSBメモリや1台の端末から重大な情報漏えいにつながる可能性がある。そのため、問題を隠さず、原因を究明し、教訓を組織全体で共有するシステムが重要と考える。当該事案を教訓として政府全体のサイバー危機管理体制をどのように強化していくのか、政府の認識を示されたい。
 右質問する。

答弁書

参議院議員羽田次郎君提出陸上自衛隊のUSBメモリのウイルス感染に係る対応に関する質問に対する答弁書

一について

 防衛省陸上自衛隊中部方面総監部において、令和6年4月以降使用していた御指摘の「USBメモリ」にコンピュータ・ウイルスが含まれていることを令和7年2月に確認した事例(以下「本件事例」という。)については、「政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和7年度版)」(令和7年7月1日内閣官房国家サイバー統括室策定、令和8年6月12日一部改定。以下「ガイドライン」という。)の「基本対策事項」に準拠して作成された同省の内部規則(以下単に「内部規則」という。)が遵守されておらず、当該「USBメモリ」の使用に際し、コンピュータ・ウイルスの検査を実施し安全性を確認していなかったことは問題であったと考えている。なお、当該「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、同省において調査を行っているところである。

二について

 お尋ねの「新品の段階でウイルスに感染していた可能性があること」については、「新品の段階」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、防衛省において調査を行っているところである。お尋ねの「パソコンに導入されたセキュリティーソフトの設定で検査対象から外れていたこと」については、その具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事例については、内部規則が遵守されておらず、当該「USBメモリ」の使用に際し、コンピュータ・ウイルスの検査を実施し安全性を確認していなかった。お尋ねの「ウイルス検知後も調達経路等の原因究明が十分進まなかったこと」については、「調達経路等の原因究明」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事例については、内部規則が遵守されておらず、当該「USBメモリ」の使用に際し、コンピュータ・ウイルスの検査を実施し安全性を確認していなかったことは問題であったと考えており、また、当該「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、同省において調査を行っているところである。お尋ねの「陸上自衛隊内で周知が徹底されなかったこと」については、当該「USBメモリ」にコンピュータ・ウイルスが含まれていることを確認した令和7年2月、陸上幕僚監部により、本件事例の概要及びコンピュータ・ウイルスの検査の必要性に関して、陸上自衛隊の部隊等に周知されている。お尋ねの「長期間使用されたこと」については、「長期間」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、当該「USBメモリ」は、同省陸上自衛隊中部方面総監部において、令和6年4月から令和7年2月まで使用されていたものである。

三について

 お尋ねの「周知を徹底しなかった」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」にコンピュータ・ウイルスが含まれていることを確認した令和7年2月、陸上幕僚監部により、内部規則に基づき本件事例について陸上幕僚長まで報告が行われており、また、本件事例の概要及びコンピュータ・ウイルスの検査の必要性に関して陸上自衛隊の部隊等に周知されていた。

四について

 前段のお尋ねについては、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、防衛省において調査を行っているところであるが、本件事例については、内部規則が遵守されておらず、当該「USBメモリ」の使用に際し、コンピュータ・ウイルスの検査を実施し安全性を確認していなかったことは問題であったと考えており、同省において、その再発防止のため、当該検査の実施を徹底したところである。また、後段のお尋ねについては、お尋ねの「特に、今後の初動対応の在り方」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。なお、当該「USBメモリ」にコンピュータ・ウイルスが含まれていることを確認した令和7年2月、陸上幕僚監部により、内部規則に基づき本件事例について陸上幕僚長まで報告が行われており、また、本件事例の概要及びコンピュータ・ウイルスの検査の必要性に関して陸上自衛隊の部隊等に周知されていた。

五について

 ガイドラインにおいて、「開発・製造過程において悪意ある機能が組み込まれる懸念が払拭できない機器等、及びサプライチェーン・リスクに係る懸念が払拭できない企業の機器等を調達しないことが求められる。」とされていること等を踏まえ、各府省庁等は御指摘の「記録媒体やUSBメモリなど周辺機器」を含む機器等の調達に係るサイバーセキュリティ対策を定め、これに基づき必要な措置を講ずることとしており、各府省庁等において必要な対応がされていると考えているところ、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、防衛省において調査を行っているところであり、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、当該調査の結果を踏まえ、必要な対応を検討してまいりたい。

六について

 お尋ねの「周辺機器なども含めた防衛装備品等」及び「調達基準」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、防衛省において調査を行っているところであり、当該調査の結果を踏まえ、必要な対応を検討してまいりたい。

七について

 お尋ねの「サイバー危機管理体制」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、ガイドラインにおいて、各府省庁等は「情報セキュリティインシデントの原因を調査するとともに再発防止策を検討し、」「再発防止策を実施するために必要な措置」を講じ、得られた教訓を当該府省庁等において共有することとしているところ、本件事例に係る御指摘の「USBメモリ」の取得までの経緯については、現在、防衛省において調査を行っているところであり、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、当該調査の結果を踏まえ、必要な対応を検討してまいりたい。
(以上)

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