荒井陸上幕僚長が記者会見 マルウェア検知のUSBメモリは隊員の持ち込みと確認(9月15日)
- 日本の防衛
2026-9-17 16:00
令和8(2026)年9月15日(火)、荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長は定例記者会見を行った。
陸幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下の通り。
幕僚長からの発表事項
本日は私から1点、陸上自衛隊中部方面総監部において、令和6年4月以降使用していたUSBメモリにマルウェアが含まれていることを令和7年2月に検知した事例があったところ、その取得経緯の調査結果などについてお知らせをいたします。
まず、USBメモリの取得経緯に関する調査を実施した結果、当該USBメモリは中部方面総監部が正規の手続きを経て調達した物品ではなく、当時所属していた隊員が持ち込んだものであることを確認をいたしました。また、石川県によるUSBメモリの提供については、その事実がないことを確認をいたしました。
本事案を受けた再発防止策について、USBメモリの取得に関して2点。1点目については、可搬型記憶媒体の調達に際しては関係規則の内容を理解した上で取得プロセスを明らかにし、サプライチェーンリスク対策を徹底をすること。取得に関する2点目は、可搬型記憶媒体の納入に際しては入手先を可搬記憶媒体管理簿に記載し、不適切なUSBメモリが混入しないよう管理を徹底することです。
次に、USBメモリの使用に関して2点。1点目については、関係規則に基づき可搬記憶媒体を使用する場合は、毎回コンピューターウイルス等の感染がないことを確実に確認をすること。2点目については、情報システムの換装の機会を捉えて、可搬記憶媒体を使用する必要がない情報システムの構築を促進するなど、可搬記憶媒体の使用を最小限とするよう徹底することです。
陸上自衛隊としては、関係規則が遵守されていなかったことは大変遺憾であり、同種の事案を二度と起こさないよう、再発防止に全力で取り組んでまいります。
私からは以上です。
記者との質疑応答
USBメモリのマルウェア事案と他部隊の状況
記者 :
今、冒頭でもお話しいただきました陸自のUSBメモリのマルウェア検知案件についてお尋ねします。中部方面総監部では聞き取りなどの調査を行ったということですけれども、今回と同様の事例が他の部隊など広く陸上自衛隊内でなかったのかどうかを改めて調査するお考えがあるか伺いします。
幕僚長 :
はい、本件の発生を受け、USBメモリの管理状況及びウイルスチェックの実施状況について、各部隊に対し必要な点検及び確認を実施をいたしました。その結果、まずこの本件と同様のウイルス感染事案は確認をされておりません。
また、今回の調査においては、中部方面総監部において正規の手続きを経ていないUSBメモリが確認されたところですが、中部方面総監部以外の部隊における同様の事案の有無については、今回の調査結果を踏まえ、必要な対応を検討してまいります。
いずれにしましても、本件を踏まえ、可搬記憶媒体の取得にあたっては、取得プロセスの明確化やサプライチェーンリスク対策を徹底するとともに、使用に際しては毎回のウイルスチェック、陸上自衛隊として再徹底をしているところであります。
需品の予算とAMV患者輸送型の仕様
記者 :
先ほどの件でお尋ねしたいことが1つあるんですけども、最近需品に関する予算があまりない、以前からなかったんですけど、需品に関する予算がない、USBメモリの先ほどのお話も私物を持ち込んだという話なんですけども、結構こう工具であるとか衣類であるとか、私物がないと仕事ができないみたいな状況があるという感じだと思うんですけども。今年、来年もですね、結構需品かつかつですって話、取材するとあちこちで聞くんですよ。そういう必要なものを、正面装備だけではなく需品を充実させるというようなことも必要ではないかというのが1つ。
本題の方に入らせていただきますと、野戦救急車、AMVの野戦救急車型が来年度で3台調達という話がありますけれど、これは非常に30年以上、陸自に野戦救急車がないっていう話をしてきたんですけども、導入自体は結構だと思うんですが、ユーロサトリでパトリア社を取材してきた人間に聞くとですね、担架が4台入る、なんでこんなのっていう印象があるわけです。つまり、現代の装甲野戦救急車で担架を4台入れるところはない、なぜかというと片方2台で片方は座らせるタイプだという感じなんですね。なぜかというと、脳とか胸部、頭を怪我した場合に寝せない、つまり寝せてしまうと自分の血で溺れたり、脳を圧迫して死んでしまうっていうのがあるんで、寝せないで座らせて移送するって話があるんです。
そういう話をパトリアとかストレッチャー、これプレステムっていう会社のストレッチャー使っているかと思うんですけども、彼らも提案したらしいんだけども、いやいや、今の陸自の装甲車じゃなくて、ソフトスキンが4台用のストレッチャーなんで、それに合わせるんだと。ところが今、非常に頭部、胸部の怪我がウクライナなんかでも増えてるわけです、ドローンの攻撃で。そうすると、非常に時代に即してないもの、このままいってしまうんじゃないかという恐れがあると思うんですが、いかがでしょうか。
幕僚長 :
はい、まず第1点目の私物が多いのではないかとか、需品の予算関係の件については、私もですね、この私物ができるだけ使わないようにという指導をしておりますし、その需品自体の予算のうんぬんかんぬんのところは、細部確認をして、どのような企業の皆様がコメントを持っているかというのは、不断の確認をしていきたいというふうに思っています。
後段の質問の、AMV、患者輸送型の取得についてはですね、今ご指摘ありましたとおり、担架あるいは野外生命維持セットを搭載できる仕様にした患者輸送型の装輪装甲車3両、これを概算要求しているところであります。最新のですね、例えばご指摘のあったようなウクライナの戦訓に応ずるその野外衛生、野外救急、そして、それに伴う装備品のあり方等についてもですね、不断の情報収集と、それから調整あるいは検討を含めてですね、それをやっていきたいというふうに思っているところでございます。
正規の手続きを経ていないUSBメモリの調査
記者 :
USBメモリの関連で幹事社質問へのお答えの中のところでちょっと再確認させていただければと思うんですが、今回、中部方面総監部以外で同様に正式な手続きを経ずUSBメモリやこの可搬記憶媒体を使っていたという同種事案のものについては、今回の調査結果を踏まえ、必要な対応を検討をしてまいりますと教えていただいたと思うんですけど、要するに正規の手続きを経ずに私物を部隊で使っていたという事案自体は、調査の結果、他のところでもあったということなんでしょうか。
幕僚長 :
もう一度正確にお話をしますと、今のご指摘のあったようなですね、正規の手続きを経ていないUSBメモリ、これが今回確認をされましたので、中部方面総監部以外の部隊等でも、そういうものがないかというのは、今回改めて対応、それから調査等していきたいというふうに思っています。
記者 :
現時点ではまだ調査しなくてもいいから、この私物を使ってる事案がないかどうかというのは、改めて聞き取りをしていくということなんでしょうか。
幕僚長 :
そこもちょっと正確にお話をさせていただきますと、基本的には、私物というのはですね、そこの部分は関係規則とかそういうもので律しておりまして、今現在ほぼそういう事例というのはありませんので、私物という事例はないんですけど、今回はあくまでその正規の手続きを経ていないUSB、それを私物とは我々は認識してないんですけど、正規の手続きを経ていないものが他にしっかり混じっていないかというのは、中部方面総監部以外でもしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
記者 :
その正規の手続きを経ていない状態で調達した物品と私物の違いというのはどういうところにあるんでしょうか。
幕僚長 :
正規の手続きを経ていない、陸上自衛隊におけるそのUSBメモリの調達に関しては、補給処から部隊に交付する方法、それから部隊において調達をする方法があります。部隊において調達する場合には、関係規則等に定められた調達の要求、それから関係法令に基づく、その契約行為と契約、そして納品ですね、入札等された物品を入札すると、結果納品された、これを所要の手続きと申します。
これが今回は、正規の手続きが経ていなかったということでですね、そういうものがないかということで確認、一般的にその私物と言われるものについては、本当に例えば自分で買ったものとか、自宅で使ってるようなものとか、そういうものは「持ち込むな」、「使わない」っていう部分については徹底されてますので、我々ここは今回私物とは認識をしておりません。
記者 :
今回のこの調査結果、この当該事案のUSBメモリの取得経緯を調査した結果、これは私物ではなかったというふうに結論付けたとういことなんでしょうか。今の話からすると
幕僚長 :
今回の調査において、このUSBメモリというものについては、繰り返しになりますが、中部方面総監部が正規の手続きを経て取得した物品ではないと、そして当時の中部方面総監部に所属していた隊員が持ち込んだものであることを確認をしております。従いまして、この正規の手続きを経ていないという部分ですね、我々は認識をしています。
いずれにせよ、中部方面総監部以外でもそこの部分は、この取得手続きを経ていないものがあるかないかというのは調査をしてまいりたいと思っております。
記者 :
ちょっとまとめますと、今後調査していくのは、私物を使ってるかどうかを調査するんじゃなくて、先ほど教えていただいたプロセスを踏まずに調達したものを部隊で使っていないかどうかを調査。
幕僚長 :
改めてしっかりと確認をしていきたいと思っております。
記者 :
その調査はいつ頃までに終えて、いつ頃までに公表されるとか、そういう目途は今のところどうでしょうか。
幕僚長 :
その調査要領等については現在検討中ですので、予断をもってですね、いつ頃まで終わるとか、そういうものはちょっと今確定的なことは申し上げられませんが、事案の性質に鑑み早急に実施をしたいと思っております。
USBメモリの入手経路に関する調査
記者 :
先ほどから話題になっておりますUSBの件なんですけれども、本日事務方のレクいただきましたけれども、入手経路についてこれで一端調査打ち切りということで、なぜ持ち込まれたものが、非正規ルートで持ち込まれたものが物品登録を通ってしまったのか、あるいは、その詳細について、その入手経路の詳細について、かなり不明であるというお答えが大半だったんですけども、こういった状態について調査は十分に尽くされてるのかについて、どんなふうにお考えでしょうか。
幕僚長 :
中部方面総監部においては、調達関係書類の点検、それから関係者からの聞き取り、関係者の使用するシステムのログ等をですね、念入りに調査しましたが、当該部隊の隊員がですね、当該USBメモリをどのように入手したかについて、事実関係を特定するには至りませんでした。
一方ですね、これらの調査からこのUSBが正規の手続きを経て調達されたものではないということは確認をされておりますので、まずこの点についてですね、しっかりと対策を講じ、再発防止に努めてまいりたいと思います。なお、入手経路に関するその調査の状況の詳細及び今後の確認の必要性については、事柄の性質上、お答えを差し控えをさせていただきます。
陸自隊員による訴訟と組織の対応
記者 :
陸自の隊員による訴訟が最近多いかと思うんですけど、その件についてちょっとお尋ねしたいんですが、もちろん個々のケースに関して幕僚長がご発言できないというのは承知してるんですけども、全般的に言ってですね、非常に例えば去年、結審した自殺した隊員の方の家族が起こした裁判ですと、嘘の情報を自衛隊書いてきたと、証言をしたと。例えば本人が辞めたいのに辞めさせなくて、本人はその家族に対する仕送りが辛くなって死んだみたいな話をしたりとかですね。あとは、今年裁判始まったレンジャーで死亡した隊員さんの家族も、結局自衛隊の対応が悪くなければ訴訟まで起こさなかったというふうにおっしゃっているわけですね。
もう1つあるのが、今まさに裁判をやっている中村俊太郎という1等陸尉の方が北部方面隊にいるんですけども、難聴で自衛隊の方に問題があると裁判を起こされているんですけども、いずれも関係者に話を聞いたり関係資料を読んでみると、非常に自衛隊側の対応が悪い、さっき言ったように嘘をついたり、捏造をする、書類を出してくる、いわゆる「のり弁」全部真っ黒に塗ってくる、別にこれは秘密でも何でもないものを、「のり弁」にする、というようなことがあって、非常にあの遺族、本人、かなり不信感を持たれてる。
こういうことをやってらっしゃると、いわゆる新隊員のリクルートにもマイナスだと思うし、組織として、たとえばその訴えられたときにその嘘をついたりとか、隠蔽したりした人間に対して厳しい処罰をしていないから、みんな安易にこう組織防衛に走るんじゃないかと思うんですけども、その個々のケースに関してはお尋ねしませんが、全体的にそういう陸自としての対処の仕方が問題ないかということはどうお考えでしょうか。
幕僚長 :
はい、係争の案件ですね、今おそらくいくつかの係争の案件を総じてお話をされたと思いますので、その1つ1つ、あるいはその全体に対してですね、お答えする、あるいはコメントというのは差し控えをさせていただきますが、いずれにせよ、隊員の訴訟に関わらずですね、隊員の服務指導とかあるいは、健全な隊員を育成するという観点からですね、服務指導、それから様々な指導については不断の見直しをいたしますし、至らない面があればそれは組織としてしっかりと自省をしていくというのが姿勢であります。
記者 :
今の難聴のケースなんですけども、これあの、よく隊員さんから聞くとですね、「耳が聞こえなくなってから一人前だ」みたいな、そういう認識があったりする。例えば特科であるとか機甲科であると、耳が少し聞こえなくなってぐらいが初めて「お前一人前になったね」みたいなそういう認識がまずあるっていうことと、あと耳栓なんかが、あんまり支給されてこなかった、あっても昔入ってきたのは民間で使用するものを使用してしまった、つまりそれはいわゆる掘削工事なんかで使うやつで、いわゆる自衛隊で使うような戦車の中であるとか、火砲を打ったときの対応してないとか、とういものを使ったりとか、倉庫で寝てるとか、そういう話が聞くんですけども、そういう裁判が起きた時に、やはり自分たちがやってきたことが適正だったかどうかという、これ見直しも必要かと思うんですけども、陸幕長、どうお考えでしょうか。
幕僚長 :
その難聴のケースの訴訟事案、それから個別の耳栓に関する、その聞かれたコメント等についてですね、1つ1つその背景等を私掌握をしておりませんので、それについてはコメントはいたしませんが、いずれにせよ、繰り返しになりますが、陸上自衛隊の組織として、隊員、健全な隊員を育成する、そういう観点からですね、指導、あるいは不断の施策の見直し、これは実施をしていきたいと思っております。
USBメモリ事案の事実関係の説明とブリーフィング
記者 :
先ほど12時30分から行われました陸自USBメモリの問題のブリーフィングの件で伺いです。正規の手続きを経ずに隊員が持ち込んだ経緯などの事実関係について、事柄の性質上、今後の対応の必要を理由にお答えをできないというふうに説明が繰り返されました。調査が終了してるにもかかわらず、事実関係について説明ができない理由はなんでしょうか。また、事柄の性質上、今後の対応の必要性という言葉の意味についても教えてください。
幕僚長 :
はい、今後の対応についてはですね、この当該USBメモリの取得の件にかかる調査は終了したところです。関係者の責任の有無についても必要な確認を行っているところでありまして、それに関しては適切に対応するということで、じ後、我々の組織としての人的な部分ですね、その管理責任とか、そういうものの責任についても、じ後対応していかなければなりません。
その観点から、今ご質問、ご指摘のあったような調査の詳細を公表した場合、これから実施をする予定のですね、関係者への責任の有無に関する検討などに影響を及ぼす恐れがあるということ、それからやはりこのUSBメモリ、あるいはシステムに関わる事項ですので、その詳細を全てですね、公表することができないということについては、ご理解をいただければというふうに思っております。
記者 :
責任の有無について、これから処分を含めて検討されてると思うんですけども、それについて他の各幕の同様の調査でも同じような段階で公表、最終報告をしているものが多々ありまして、その場合、しっかりとした事実関係の説明をしています。調査報告ということは、事実関係についてはある程度認定しているから行われると思うんで、それにもかかわらず、今回しっかりとした事実関係の説明がなされなかったという点については、どうお考えでしょうか。
幕僚長 :
はい、関係者の責任の有無についてはですね、今後の必要な確認を詳細に行った上で、判明した事実関係に基づき適切に対応してまいりたいと思っております。また、この当該隊員や関係者に対する措置については、判明した事実関係に基づき関係規則等に従って適切に判断してまいりますが、処分の公表についても、その内容等を踏まえ、関係規則等に基づき適切に対応してまいりたいと思っております。
記者 :
質問の趣旨が伝わりにくかったと思うんですけども、今回、調査結果の報告を最終としてやられている以上は、事実関係はしっかり固まっているものかと思うんですが、なぜそこに関して説明がしっかりできないのかなというのが、我々として問題意識があります。
幕僚長 :
はい、繰り返しになりますが、一定のこの調査というものについては終了をしております。繰り返しになりますが、やはり今後、その組織としてのその管理責任とか、そういうものについて、進行していきますので、これに影響を及ぼす可能性がある場合もありますので、この部分については公表を差し控えさせていただきたいと思っております。
その上で、これも繰り返しになりますが、関係者の、もし処分のある場合については、その部分は関係規則に則っておりますが、その公表についても、その関係規則とか、そういうものに基づいて、できる部分できない部分あると思いますので、その時点で判断をしてまいりたいと思っております。
記者 :
関連して、本日12時30分からのブリーフィングが直前に急遽設定されまして、次の海幕長会見があるからという理由で、十分な質疑の時間が取られないままブリーフィングが打ち切りとなりました。こうした時間設定の仕方になったのはなぜなんでしょうか。陸自は国民に対してしっかりした説明責任を果たす姿勢があるのかどうかという点にも疑念を抱かざるを得ないですけども、その点についてはいかがでしょうか。
幕僚長 :
はい、記者の皆様方に対するレクの時間等については、事務的に様々な予定等を確認しながら広報室の方で組んでいると思いますので、細部については広報室の方にお話をいただければと思っております。ただ、その内容、そのスケジュール的なものが、細部公表できるか、お話できるかというものについても、調整願えればと思っております。
記者 :
最後にこちらとしては、事実関係のしっかりした解明及び説明がない限り、再発防止策の実効性を持たないと思うので、そこはしっかりやっていただきたいなと思います。
幕僚長 :
はい、わかりました。
ウクライナ戦争の教訓とドローンを意識した訓練
記者 :
年末の安保三文書改訂に向けて、ウクライナ戦争が陸自さんに影響を与えそうな教訓についてちょっと伺いたいのですが、今ウクライナの戦場ですと、ドローンによって、常に陸上にいる部隊が上空から見られるようになりました。そのため、部隊を集めたり、車両を止めたり、指揮所を固定したりすると、見つかってすぐに攻撃を受ける、そんな状況になっていると聞いています。
そうすると、これまでの陸自さんの訓練とか演習とは違ってドローンを意識した、上空から常に見られていて、すぐに攻撃を受けるかもしれない、集中していたらダメだ、素早く迅速に移動してというような訓練はすでにされているんでしょうか。新しい戦い方っていうんですかね、陸自さんの訓練の現場で、それともまだそんなにウクライナ戦争のドローンのことはちょっとまだ違うって感じなんでしょうか。いかがでしょうか。
幕僚長 :
はい、今ご指摘がありましたとおり、我々の組織については、諸外国等で起きる紛争、あるいは戦争と言われるものの教訓というのはですね、不断に収集をしておりますし、分析もしておりますし、諸外国ともいろいろな情報交換というのを実施をしているところであります。
まさに今お話のあったようなウクライナの戦争を例にとれば、このドローンの脅威とか、あるいは近年の衛星によって地上が常に見られているというような状況の中で、どのようにこの陸上部隊が行動するか、どうしたらいいのかっていう問題認識を強く持っておりまして、取り入れられるところからですね、その教訓を取り入れて部隊の訓練等に反映しているところであります。
細部、部隊がどのような行動をしているのかとかですね、そういうところについては差し控えさせていただきますが、陸上自衛隊についても十分この最近の教訓等を踏まえて、色々な訓練、演習、施策、それから装備の導入、これを実施しているところであります。
USBメモリ事案の受け止めと規則違反の可能性
記者 :
USBメモリの関係で、2点お伺いします。6月頃の記者会見でも出てたかと思うんですけれども、改めて約10か月にわたって、マルウェアに感染した恐れのあるUSBが隊務で使われていたということに関する受け止めを改めて教えていただきたいのが先ず1点。再発防止の中で「関係規則の内容を踏まえて」ということだと思うんですけれども、関係者の処分等もこれからかもしれませんが、現段階で考えうる規則とか内規とか、どういった違反事項があるというふうに、現在の調査結果のところまででは、どういった違反があった可能性があるというふうになっているのでしょうか。この2点、まずお願いします。
幕僚長 :
はい、まず後ろの方の質問からですね。今後、関係者の処分、必要な場合に実施をしていきますが、関係規則に照らし合わせて、ということでですね、予断を持ってですね、具体的にどこの部分に違反してとか、そういうものは申し上げるのを差し控えさせていただきますが、今日のレク、それから私の方もお話をさせていただいたこの正規の手続きを経て取得していないという部分は、当然重視をして見ていく形になると思っています。
それから、入手をしてから10か月ほどこういう状態だったということについてはですね、そのウイルスに感染してる影響がなかったとかそういうものはありますけど、やはり関係規則に基づいてしっかりウィルスチェックをするとか、そういう基本的な部分、あるいは基礎的な部分が欠けていた部分については反省をいたしまして、今後ともウイルスチェックをしっかりしたり、それから今回先ほどご質問のあったような、今回、調査で明らかになったような部分の対応をしっかりとやっていきたいと思っております。
ブリュネ・タカモリ26での小型攻撃用UAVの飛行
記者 :
少し話は変わって、9月2日に、ブリュネ・タカモリ26のですね、王城寺原演習場でDrone40の公開に伺わせていただいたんですけれども、訓練の演習の流れの中ではうまく飛行をしなかったことがございました。その後のデモのところでも、思っているような動きを空中でしなかったというのを我々も見させていただいて、いざ実戦となった場合に少し不安と言いますか、どういうふうに実際のところ電波とかいろんなトラブルがあるとは思うんですが、大変なことにならないかという心配が少し生まれています。現場でも聞いたんですけれども、お答えできる範囲で、うまく飛ばなかったところの原因と、練度のところはさらに上げていかなければいけないと感じているのですが、その辺り、どのようにお考えかありましたら教えてください。
幕僚長 :
まず、今回のブリュネ・タカモリ26の、我々としてはですね、この目玉という言い方が適切かどうか分かりませんが、その1つとして、小型攻撃用UAVⅠ型を使用した訓練というものを公表してまいりましたし、実際に訓練の中でも使う、あるいは、その展示をしようということでありましたが、今ご指摘のあったとおり、計画通り飛行ができませんでした。各種事情によりタイミングが合わなかったことから、視察時の飛行を取り止めております。今回、計画通り飛行しなかったことについてはですね、教訓事項の1つとして受けております。
要因的なものという観点で言うとですね、本機材というのは来年度から部隊へ整備される装備であり、またドローンというのは、取り巻く技術とか運用環境というのは日々急速に変化をしているということですね、我々のところでもこの不慣れなところだったり、あるいは試行錯誤・模索をしながらとかですね、そういう部分があるというのはこれは事実です。その上でですね、やはりこのドローンというものについて、このような新たな装備品についてですね、訓練を通じて課題を把握し、その改善につなげていくことが重要であると考えております。
以前のように、あるいは大きい装備品のように、しっかりと完成品を、安全も法令も、練度も試験も全て完了して部隊に渡すという装備品も大事なんですが、やはりこのドローンとか新しい戦い方関連の部分についてはですね、やはりある程度運用しながら試行錯誤しながら、トライアンドエラーみたいなものを繰り返しながらですね、運用していきたいというふうに思っているところであります。
その一環でですね、今回の小型攻撃用UAV、今年2月に落札したばかりのものですが、やはりこのタイミングで使っていくんだろうという決心をして、今回使って、結果的に皆さんの前で披露できなかった部分もあるんですが、やはりこのドローン等の技術については、そういうものを繰り返しながら使っていきたいと思っております。ただし、安全管理とか、それから法令に違反しないかとか、そういうものについては、そういう段階のものだとしても十分留意をしながら実施をしていきたいというふうに思っております。
総火演のドローン、10式戦車、新編部隊と充足率
記者 :
3つほどあるんですけど、まず第1に、今年の総火演で撮影を外部の業者に委託したかと思うんですけども、撮影に使われたドローンが中国製のDJI社の製品だったと。米国もそうですけども、我が国も中国製のドローンを排除していこうというようなところがあってですね、それが委託した企業であっても、それを総火演という陸自のイベントで使うのが問題なかったのか、そういう意識がなかったのかということがまず1つと、あとは来年度の予算で、10式戦車と16式機動戦闘車が入っていないのですが、これらはもう調達が完了してしまったのでしょうか。
もう1つは、昨今新しい部隊が結構できております。15旅団が師団にアップグレードされたりとかですね、ドローンとかサイバーとか新しい部隊や部署が結構できてるんですけど、では現在の部隊がそれで小さくなるかというと、畳んだ部隊がまずないわけです。そうすると、既存の部隊の中から人間を持っていって合わせているのであれば、その部隊の充足率が下がりますよね。これは例えばダウンサイジングするとか、そういう考えというのはございますでしょうか。
幕僚長 :
はい、まず第1点目の、総合火力演習時に使ったドローン、それが中国製うんぬんかんぬんについてですね、後ほど、確認をして回答をしたいと思います。
それから、10式戦車についてはですね、今回の概算要求には今のところ見送っておりますが、これは今年4月の10式戦車の死傷事故、これを受けてですね、事故調査もやっているところでありますので、見送っているところであります。
最後の新編部隊を作っている中で、畳んだ部隊ですね、そういうものが、バランスはどうなのかというふうに私、理解をいたしましたが、基本的に低充足の問題を解消すべく、そういうふうにバランスを取ったりとか、低充足な部隊が出ないように工夫していきたいと思っております。まさにこの三文書の中で様々な議論をしておりますので、そういうこの充足の問題については大きな課題だと思っておりますので、しっかりと検討してまいりたいと思っております。
音楽隊の体制
記者 :
先程ちょっと言い忘れたんですけども、陸自は世界で一番、まあ自衛隊は軍隊ではないですけれども、軍隊で一番軍楽隊が多い、どこのその駐屯地に行っても軍楽隊があるというような話を聞くんですけども、この充足率が下がっている中で、例えばいわゆる軍楽、まあ音楽隊を少し減らしていこうとか、そういうことは検討されてることはあるんでしょうか。
幕僚長 :
音楽隊についてはですね、隊員の士気向上、あるいは部外広報等も含めて、極めて重要な地位を占めております。これを減らす減らさないという検討についてはですね、三文書の、陸上自衛隊の全般の体制の中でですね、検討していくことですので、ここの時点ではコメントは差し控えをさせていただきます。
記者クラブ以外のメディアへのレクチャー
記者 :
最後に1点だけ、先程USBに関してはレクチャーがあったというお話があるんですけども、これ、こういうレクチャーがですね、基本的には記者クラブの皆さんだけが対象になってるかと思うんです。我々あの外国のメディアの人間であるとかフリーランスの人間は、通常、陸自に限らず各幕がやってるレクチャーに呼ばれないんですね。これ何か法的なこう理由があってそういうことをやっているんでしょうか、それとも何か別に理由があるんでしょうか。
幕僚長 :
その件についてですね、私、細部の状況、それから規則があるかないかも含めてですね、ちょっと承知をしていないところがありますので、これは後ほど、広報室の方から回答をさせます。
現地情報隊の情報収集をめぐる報道
記者 :
話変わりますが、陸自の現地情報隊について、調査対象者の信条やプライバシー情報を本人の同意なく収集しているとの報道があります。改めて、こうした情報収集をしていたのか教えてください。
幕僚長 :
はい、まず報道、それからおそらくその報道の前提となっているその文書に基づくご質問だと思っております。陸上自衛隊として公表した文書ではありませんし、また、その出所、それから真正性を確認できないためですね、当該文書の内容を前提としたお答えは差し控えをさせていただきます。
その上で、今回の報道を受けまして、現地情報隊の活動について事実関係の確認を行いましたが、現時点で不適切な活動を行ったことは確認をされておりません。
記者 :
関連しまして、先程の、公表していない文書であり真正性が確認できない情報だという話なんですけども、そもそもこう報道に出ているような内容の部分に関連する文章について、現在保管していて検証できる状況なんでしょうか。つまり、調査ができるような状況なんでしょうか。
幕僚長 :
はい、現地情報隊についてはですね、その皆様ご承知のとおり、自衛隊が海外に派遣される際に、部隊の任務遂行及び安全確保に必要な現地の情報収集を行う部隊です。あくまで海外での任務に必要な情報を収集する任務の部隊であり、一般市民の私的な情報を収集することを目的とした活動は行っておりません。
その上でですね、繰り返しになりますが、この報道の前提となっている文書についてのご質問については、お答えを差し控えをさせていただきます。
記者 :
その答えを差し控える理由について、あの、つまり文書が今、現在無いので、検証ができないであるとか、そういった事情があるのでしょうか。
幕僚長 :
報道の前提となる文書についてはですね、陸上自衛隊として公表した文書ではありませんので、その関連のご質問についてはですね、やはりその出所、真正性を確認できないため、当該文書の内容を前提としたお答えについては、差し控えをさせていただきます。
記者 :
現時点で不適切な行為は確認されていないということですが、今後、また調査を継続するおつもりがあるのか、もう既に調査自体は、つまり現地情報隊への調査自体はもう終わっていて、問題がないというような結論に至ったのか教えてください。
幕僚長 :
今回の報道を受けてですね、事実確認というものについては、陸上幕僚監部として実施をしております。その上で、現時点では不適切な活動を行ったこととかは確認をされておりません。ということでですね、一定の結論はでております。
他方ですね、以前も申しましたが、この陸上自衛隊については、この現地情報隊に限らず、不断に隊務の見直しというのは常に実施をしておりますし、必要な指導というのはですね、これは、いつでも、随時、どこの部隊、どこの機関でも実施をしていく、というのが基本的な姿勢であります。
記者 :
現地情報隊については、PKOによる部隊派遣が10年近く途絶えていたりする事情もあって、その現地情報隊の活動についての存在意義について疑問視するような声もあるかと思いますが、その点について、陸幕長の受け止め如何でしょうか。
幕僚長 :
はい、今のご質問についてはですね、報道にあったような内容ではないかというふうに思っておりますが、部隊派遣等はありませんが、この国連のPKO活動等に関してですね、司令部要員等は常続的に派遣をしておりますので、この現地情報隊の任務、それから、そういう部分ですね、全く意味がないとか意義を失ったというふうには考えておりません。
10式戦車の概算要求見送り
記者 :
先程、今年の概算要求で10式戦車の購入を見送ったというお話があったかと思うんですが、従来でしたらどの程度購入をする予定であったとか、昨年の実績等もしありましたら教えていただけますでしょうか。
幕僚長 :
はい、10式戦車の取得についてはですね、現在4月21日の事故を受けてですね、事故調査継続中であることを総合的に勘案してですね、計上をしておりません。今後についてはですね、この事故の調査結果に踏まえて適切に判断してまいりますが、昨年までの10式戦車の取得の状況、概算要求の状況等については、後程、広報室から回答をさせます。
(以上)
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