フィンランドのICEYE、ギリシャの国家衛星宇宙プロジェクトにSAR衛星とデータを提供(9月11日)
- その他
2024-9-13 12:00
世界最大規模の合成開口レーダー(SAR)衛星コンステレーションを運用するフィンランドの企業・ICEYE(アイサイ)は令和6(2024)年9月11日(水)11時21分、現地時間9月8日にギリシャ国家衛星宇宙プロジェクトAxis 1.2に関する契約を締結したことを発表した。
Axis 1.2には、レーダー画像とICEYE製SAR衛星2基によるギリシャ観測システムの開発、およびそれらの打ち上げが含まれている。ギリシャは、ICEYEが運用するSAR衛星コンステレーションを利用することで、宇宙開発に関わる能力を構築するとともに、自然災害の検知や海上認識能力の向上などが見込まれる。
本件に関するプレスリリース(抄訳版)は以下の通り。
ICEYE、欧州宇宙機関と共同でギリシャの国家衛星宇宙プロジェクトにSAR衛星とデータを提供
ギリシャはSAR衛星とデータによって、関心領域を監視し、自然災害の検知と海上認識能力の向上を実現
フィンランド・ヘルシンキ - 2024年9月8日 - 合成開口レーダー(SAR)衛星による地球観測、永続的モニタリング、自然災害ソリューションの世界的リーダーであるICEYE(アイサイ、本社:フィンランド・ヘルシンキ、CEO&共同創設者:ラファル・モドルゼフスキ)は本日、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)とともに、ギリシャ宇宙機関(Greek Space Agency)およびギリシャのデジタル・ガバナンス省(Greek Ministry of Digital Governance)のギリシャ国家衛星宇宙プロジェクトAxis 1.2(レーダープログラム)に関する契約を締結したと発表しました。
Axis 1.2は、ギリシャのSAR宇宙セグメントをカバーしており、レーダー画像とICEYE製SAR衛星2基によるギリシャ観測システムの開発、およびそれらの打ち上げを含んでいます。ギリシャは主権衛星に加えて、ICEYEが運用する世界最大規模のSAR衛星コンステレーションを利用することができます。そのため、ギリシャは宇宙開発に関わる能力を構築するとともに、関心領域の監視を開始することができます。ICEYEは2018年以降、自社のコンステレーションおよび国際的な顧客向けに38基の衛星を打ち上げてきました。
ICEYEは、ギリシャ政府へのSAR画像の提供を直ちに開始する予定で、関連する関心分野を監視するためのアクセスも迅速に提供されます。今後、ICEYEの迅速な生産能力と予約された打ち上げスケジュールにより、衛星は今後何年にもわたって迅速に納入され打ち上げられる予定です。
ICEYEは、ギリシャの宇宙分野の成長を加速させるため、ギリシャでの存在感を高めており、衛星はギリシャに新たに開設されるICEYE社の新施設で組み立てられます。
ICEYEの最高経営責任者(CEO)兼共同設立者のラファル・モドルゼフスキ(Rafal Modrzewski)は次のように述べています。
「ICEYEは、ギリシャ政府の宇宙プログラムの構築に貢献できることを誇りに思います。ICEYEのSAR衛星とデータにより、ギリシャは関心領域を監視し、洪水や山火事、海上認識能力を含む安全保障のための国家の観測能力を向上させることができます。このプロジェクトはまた、衛星の製造・打ち上げから運用、そしてデータサービスまで、SAR衛星の能力を連続的にシームレスに提供するICEYEのユニークな能力を示すものでもあります。私たちは、ギリシャの宇宙産業と協力し、その成長を加速させることを非常に楽しみにしています。」
ギリシャのデジタル・ガバナンス省のディミトリス・パパステルギウ(Dimitris Papastergiou)大臣は次のように語っています。
「この重要なプロジェクトでICEYEと提携できることをうれしく思います。ICEYEが開発したSAR衛星は、これまでにない知見を我々に提供し、洪水などの自然災害に対する迅速な対応とより効果的な管理を可能にするでしょう。今回のICEYEとの提携は、市民の安全と幸福のために最先端の宇宙技術を活用するという私たちのコミットメントを示すものです。」
ギリシャのデジタル・ガバナンス省のコンスタンティノス・キラナキス(Konstantinos Kyranakis)副大臣は次のように語っています。
「今回の合意は、ギリシャの宇宙開発計画における重要、かつ大きな前進を意味しています。SAR衛星によるデータの力を利用することで、私たちは、陸上と海上の両方で、昼夜を問わず、どのような気象条件でも、重要な関心領域を監視し、保護する能力を大幅に向上させることができます。私たちは、このICEYEとのパートナーシップが、災害対応能力を強化するだけでなく、ギリシャの宇宙分野におけるイノベーションを促進すると確信しています。」
ギリシャのデジタル・ガバナンス省の通信・郵政担当事務局長であるコンスタンチノス・カランツァロス(Konstantinos Karantzalos)教授は次のように語っています。
「私たちは、アップストリームとダウンストリームの能力を大幅に強化する野心的な衛星プログラムを設計し、現在実行しています。本日、ESAとICEYEが主導するコンソーシアムとの間で締結されたこの契約により、私たちは非常に高解像度のレーダーに基づく物体検出と監視を含む、24時間365日のデュアルユースのリモートセンシング監視アプリケーションに重点を置くことになります。」
ESAで地球観測プログラム・ディレクターを務めるシモネッタ・チェリ(Simonetta Cheli)氏は次のように語っています。
「ギリシャのSARコンステレーションの開発がICEYEに委託されたことは、ESA(欧州宇宙機関)が加盟国の国家的イニシアティブを支援するための継続的なコミットメントの証であり、すべてのイニシアティブの相互利益を最大化するESAの独自の能力を示しています。これは、加盟国間での観測データの交換を統一的に行う枠組みを提供することによって実現されます。また、ICEYEのXバンドSAR観測能力をギリシャの国家衛星宇宙プロジェクトに組み込むことは、宇宙技術が地球上で即座に重要な利益をもたらす力強い例です。」
(以上)
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