報道官による4月19日の記者会見
- 防衛省関連
2024-4-19 16:18
令和6(2024)年4月19日(金)夕方、防衛省A棟10階会見室において報道官による記者会見があり、記者からの質問に対する質疑応答が行われた。
記者との質疑応答
記者 :一部報道によると、木原大臣は来月上旬にもアメリカのハワイを訪問し、オースティン国防長官と会談する方向とのことです。事実関係を教えてもらえますか。もし会談が行われるようでしたら、どういったことが議題になりますでしょうか。
報道官 :報道については、私ども承知をしているところでございますけれども、木原防衛大臣のハワイへの訪問につきましては、現時点で具体的に決まっているものはございません。したがいまして、議題などにつきましてもお答えすることは現時点では困難でございます。
その上であえて申し上げますけれども、我が国を取り巻きます安全保障環境が大変厳しさを増す中におきまして、あらゆる機会を捉えまして、木原防衛大臣と米側のカウンターパートでございますオースティン国防長官が、直接会談する機会を持つということは、日米同盟を一層強固にしていく上で極めて重要であると、私どもは考えているところでございまして、このことは、この機会に改めて強調しておきたいと、このように考えているところでございます。
記者 :本日イランで複数回の爆発音があり、イスラエルがイランへ報復をしたとの報道があります。防衛省として把握している事実関係と、自衛隊機によるイランからの邦人輸送の必要性について現時点の認識を教えてください。
報道官 :現地時間の本日、イスラエルがイラン国内に対して攻撃を行ったとの報道、あるいはイラン中部のイスファハンに所在します空港施設の近傍などにおいて、爆発があったとの報道については、私どもとしても承知をしているところでございます。防衛省といたしましては、関連する動向につきまして高い関心を持って情勢を注視し、また情報の収集・分析に当たっているところでございますけれども、事柄の性質上、大変恐縮でございますけれども、個々の具体的な情報の内容につきましては、この場でお答えすることが困難であることを御理解いただきたいというふうに思います。
私どもが現時点で承知している限りにおきましては、イスラエル政府は、本件に関する関与を認めているとは承知をしておりません。おりませんけれども、いずれにいたしましても、日本政府といたしましては、現在の中東情勢を深く懸念しているところでございまして、事態のエスカレーションに繋がるいかなる行動につきましても、強く非難いたします。防衛省・自衛隊といたしましては、引き続き現地情勢を注視しつつ、情報収集・分析に全力を挙げてまいりたいと、このように考えているところでございます。
後段でございます、イランからの邦人の輸送というお尋ね、御指摘でございますけれども、政府全体といたしまして、現在緊張感を持って邦人の安全確保に万全を期す、そういうことで努めているところでございます。防衛省・自衛隊といたしましても、外務省を始めといたします関係省庁と緊密に連携をとっているところでございまして、情勢の推移に応じまして、適切に対応していく、今はそういう段階であろうかと考えているところでございます。
記者 :嘉手納基地で本日ありましたパラシュート降下訓練について、関連して伺います。木原大臣は今朝の会見で、嘉手納基地でのパラシュート訓練について、定期的に行われる訓練ではないと説明されましたが、定期的に行われる訓練の定義と、例えば、どのような訓練が定期的に当たるのか教えてください。
報道官 :文言の定義というお尋ねでございますけれども、お尋ねの定期的に行われる訓練という言葉でございますけれども、これは法令用語等ではございません。したがいまして、厳密な定義があるわけではございませんし、厳密な定義に基づいて、厳密な使用を行っている言葉でもないというふうに理解をしているところでございますけれども、この定期的という言葉につきましては、一般に辞書など引きましたらお分かりいただけますように、ある定められた時期ごとに行われる様といったものを意味する言葉であると承知をしておりまして、私どももこうした日本語の一般的な意味において使っていると、こういう言葉でございます。これまでも嘉手納で訓練が行われることが判明いたしまして、米側から必要な説明、あるいは情報提供を受けた場合に、こうした一般的な言葉の意味も勘案しながら、個別具体的にその都度判断してきていると、こういうものでございます。
その上で、今回の嘉手納飛行場におけますパラシュート降下訓練について申し上げれば、米側からは、今回のパラシュート降下訓練、基本は伊江島補助飛行場で行うことが基本であるし、現在も伊江島補助飛行場で実施できる訓練を実施しているところであるとした上で、伊江島の滑走路が使用できない状況下において、嘉手納を使用せざるを得ない訓練であるという説明があったところでございます。これに加えまして、言葉の定義に関わるところだと思いますけれども、米軍の降下作戦に係る資格を部隊の要員に付与、あるいは維持させる所要、ニーズが発生した場合に限って行う訓練であるということ。更に、そうした意味で嘉手納で定期的に行われる訓練ではなく、嘉手納で定期的に行うことで常態化を図る意図で行うものでもないという説明を受けているところでございます。こうしたことから、防衛省といたしましては、今回の訓練は、定期的に行うものではないという認識をしているということでございます。
記者 :関連して伺います。沖縄県は、伊江島でできない期間は県外国外でパラシュート降下訓練を行うように要請していますが、米側に対して県外国外での実施を交渉できないのでしょうか。できないとすればその理由を教えてください。
報道官 :お尋ねの点でございますけれども、米側からの説明によりますと、嘉手納飛行場でパラシュート降下訓練を実施する必要がある部隊というのは、有事やあるいは災害時を含む緊急時におきます展開、そして捜索・救難を任務の一つとしておると、この性格上一般的な部隊よりも高い即応態勢を取る必要があるということが、説明受けているところでございます。そして加えまして、厳しい安保環境の下で、こうした部隊が沖縄以外の場所に所在することによって即応態勢の低下を招くことは、回避しなければならないこと、こういった説明もございまして、結論といたしまして、基本的に沖縄で訓練を実施する必要があるとの説明を防衛省として受けているところでございます。
防衛省といたしましても、すべての訓練を県外で実施することはなかなか難しい面もあり、伊江島補助飛行場で実施できないものについては、嘉手納で実施せざるを得ない状況にあるものと理解をしているところでございます。
その上でということになりますけれども、SACO最終報告やこれまでの日米間の共通認識に基づきまして、例外的な場合に該当するものと防衛省において判断させていただきます限りにおきまして、嘉手納でパラシュート降下訓練が行われることはやむを得ないものだというふうに、私どもは考えておるところでございまして、現時点におきまして、米側に対し、県外、あるいは国外での実施を求める考えというものはないところでございます。
記者 :話題変わりまして、フィリピンとの関係について伺いたいんですけれども、日本は防衛装備移転ですとか、共同訓練を通じてフィリピンとの防衛協力を進めているかと思います。一方、フィリピンは中国とスプラトリー諸島をめぐったりして対立している中で、今後両国の対立がエスカレートすることも考えられます。この対立に日本が巻き込まれるのではないかという懸念も一部ありますけれども、防衛省としての認識を伺ってもよろしいでしょうか。
報道官 :我が国を取り巻く安全保障環境、大変厳しいものではございますが、こういったことを考えますと、我が国といたしまして、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンの下で同盟国、そして同志国等と連携いたしまして、地域の平和と安定を確保していくということは、我が国の安全保障にとりましても、死活的に重要だというふうに防衛省としては認識をしております。その上で、南シナ海をめぐる問題でございますけれども、地域の平和と安定に直結いたします問題でございまして、さらに申し上げれば、我が国を含みます国際社会の正当な関心事項でもございます。我が国といたしましては、南シナ海におけます力による一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対するという立場でございます。
こうしたことを改めて申し上げた上で、一方でですね、我が国といたしましては、特定の国を対象とした防衛政策をとっているわけではございません。フィリピンは同じ米国の同盟国でもございますし、法の支配といった基本的な原則、あるいは価値といったものを有する戦略的なパートナーでございます。こういった観点から、フィリピンとの防衛協力を今鋭意進めているところでございます。こうしたフィリピンを含みます同志国等との関係強化というものは、地域、あるいは国際社会の平和と安定をむしろそれに資するものであるというふうに、私どもは認識しているところでございまして、引き続きフィリピンをはじめ、諸外国、同志国との関係強化、努めてまいりたいと考えているところでございます。
記者 :陸自のオスプレイの関連で伺います。本日、佐賀県の目達原駐屯地、九州に留め置かれておいた機体の飛行が再開していると思います。防衛省としての受け止めと、本日の作業の状況、今後のスケジュールについて御教授ください。加えて、近くオスプレイがこれで14機の体制に戻ると思うんですけれども、水陸機動団との連携を含めて、その意義についてまた改めて伺います。
報道官 :まず、陸自オスプレイの飛行再開についてまず事実関係のお尋ねについてお答えいたします。目達原駐屯地及び高遊原分屯地に駐機されております陸自オスプレイにつきましては、木更津駐屯地で練度を回復いたしました操縦士によりまして、本日、目達原駐屯地の機体につきましては、10時30分頃から、それから高遊原分屯地の機体につきましては10時頃から、各駐屯地等の周辺空域におきまして飛行を実施したところでございます。
また、目達原駐屯地に駐機されております機体につきましては、天候等の関係もございますが、早ければ明日以降、整備の効率化の観点から、高遊原分屯地に移動させる予定にしておるところでございます。
こうして高遊原分屯地に2機集まるわけでございますけれども、これらの機体につきましては、明日以降、天候によるところはございますけれども、明日以降、木更津駐屯地に帰隊、部隊に帰るという意味でございますが、帰隊するために必要な確認を行うために、1日から2日間の間、高遊原分屯地の周辺空域で更なる飛行を実施する予定を立てておるところでございます。この飛行によりまして、整備等の所要が確認されなかった機体から順次というところになると思いますけれども、木更津駐屯地に帰隊、部隊に帰るという意味でございますが、帰隊させる考えでございまして、その時期はなかなか天候との関係もございますので申し上げるのは難しゅうございますけれども、最短で申し上げれば来週月曜日、4月22日以降になるだろうというふうに考えているところでございます。
それから受け止めということでございますけれども、防衛省といたしましては、繰り返し申し上げておりますけれども、今回の米軍の事故が、地域の方々に大きな不安を与えるものであったことを重く受け止めているところでございます。陸自オスプレイの運用再開に当たりましても、当然のことでございますけれども、飛行の安全確保が最優先でございます。引き続き、安全確保に万全を尽くしてまいりたいというふうに考えているところでございます。また、地元の皆様の御不安、あるいは御懸念の払しょくというのも大変大切でございますので、引き続き関係自治体の皆様に対しまして、丁寧な御説明、あるいは情報提供ということに心掛けていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
それから、陸自オスプレイの意義、特に水陸機動団との関係ということでございます。改めてのお尋ねでございますので、改めて御答弁させていただきますけれども、陸自オスプレイはですね、固定翼機のように速い順航速度、それから長い航続距離を有するとともに、高高度を飛行可能といった高い性能も有する機体でございます。我が国の島嶼防衛能力を強化する上で、私ども防衛省としては不可欠な装備品だと考えているところでございます。特に、我が国島嶼部への侵攻があった場合に、速やかに上陸し、奪回し、確保するための本格的な水陸両用戦を担います水陸機動団、この水陸機動団を迅速に島嶼部に輸送する上では、欠くべからざる装備品であると、このように考えているところでございます。こうしたオスプレイの能力を最大限発揮するために、水陸機動団との連携をしっかりと図った上で、我が国の島嶼防衛能力の強化にしっかりと努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
記者 :中東関連ですが、情勢の変化に応じてうまく対応していくのは当然のことなんですけれども、邦人輸送の関係で、現在国内待機している輸送機を現地に前進待機させるお考え、必要性というのをどのようにお考えでしょうか。
報道官 :これは正に情勢の変化に応じて対応すべきことでございますので、現在まだ、現地の情勢等をしっかり見極める段階でございますので、現時点で予断をもって申し上げることは控えたいと考えております。政府全体、高い緊張感をもって邦人の安全確保に全力を尽くすつもりでございますので、そうした中で関係省庁と連携しながら、今後しかるべき考慮を経て決定されるべき問題だろうと考えております。
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