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木原防衛大臣、5月3日ハワイでの臨時会見 日米豪比防衛相会談うけて

  • 防衛省関連

2024-5-3 15:51

 令和6(2024)年5月2日(木)現地時間20時34分~20時50分(日本時間3日15時34分〜15時50分)、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、米国ハワイにあるシェラトンワイキキホテル2階において記者会見を行った。
 日米豪比各国防衛相との会談後の臨時会見ということで、大臣からの発表事項ののち、記者との質疑応答が行われた。

大臣からの発表事項

大臣 :今回のハワイ出張について、まず冒頭申し上げます。日米豪比については、先ほどの会見でお話したということですので、それ以外の日米防衛相会談、日米豪防衛相会談、そして日豪防衛相会談についてお話します。

 まず、本日11時53分から12時37分までの約45分間、日米防衛相会談を実施しました。会談では、日米首脳会談で確認された、同盟の抑止力・対処力に向けた戦略的イニシアティブの実現に向けた取組について、議論を行いました。具体的には、両国の指揮・統制枠組みの向上、DICAS(日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議)を通じた日米間の装備協力の深化、拡大抑止などについて、今後の取組の方向性について率直に意見を交わしました。また、普天間飛行場の辺野古移設及び返還を含む米軍再編計画の着実な進展のため、引き続き緊密に協力していくことで一致しました。

 次に、本日13時から14時までの約1時間、日米豪防衛相会談を実施しました。会談では、日米豪の戦略が整合していることを確認した上で、3か国間の更なる相互運用性の向上や協力の深化に向けて密接に連携していくことで合意しました。その具体的な取組として、日米豪共同のF-35戦闘機訓練を各国において実施することなどで一致しました。また、会談において、3か国の大臣が「研究、開発、試験及び評価プロジェクトに関する日米豪取決め」、いわゆる「RDT&Eアレンジメント」に署名をし、先進技術などに関する協議を進めていくことで合意をしました。

 最後に、本日17時35分から18時05分までの約30分間、日豪防衛相会談を実施しました。会談では、安全保障環境認識や戦略の方向性が日豪間で軌を一にしていることを確認し、日豪防衛協力の実効性を高めるための取組について議論をしました。具体的には、我が国の反撃能力と豪州の長距離精密打撃能力の協力を進めることや、運用協力・共同訓練の深化について議論しました。また、私から豪州が主催する太平洋島嶼国地域における多国間不発弾処理事業に、オーストラリア国防省から防衛省へ派遣中の職員などをオブザーバー派遣することを伝え、地域における連携を引き続き強化することで一致をしました。本日の各会談、また、明日も予定されている日比防衛相会談の成果を踏まえて、米国、豪州、フィリピンとの2国間・多国間協力の更なる強化に取り組んでまいります。

記者との質疑応答

記者 :2問伺わせていただきます。1問目ですが、まずは4か国会談について、改めて伺います。大臣、共同会見でも初めてこの会見ができたことが意義があるとおっしゃっていましたが、この枠組みを今後定例化させたいという考えが大臣にはおありでしょうか。

大臣 :現下の安全保障環境を鑑みると、日米豪比の4か国が共通の課題について連携を深めることは極めて重要であると考えておりまして、日米豪比で防衛相会談を実施することには大きな意義があるというふうに考えています。その上で、今後の予定については、相手国とも調整する必要があるために、現時点で具体的にお示しできるものはありませんけれども、私としては、防衛相会談を含め、日米豪比による協力の機会を追求して、共通の課題について連携を深めていきたいと思っております。

記者 :2問目、また4か国会談なんですが、お話できる範囲で結構なんですが、会談の中で大臣から3か国に対して何か新しい提案をされましたでしょうか。また逆に、3か国から新しい提案があったかどうか教えてください。

大臣 :まず、フィリピンとの間では、これまで様々な分野で防衛協力を強化してまいりました。例えば、人道支援・災害救援や艦船整備に関する能力構築、そして日本製の警戒管制レーダーのフィリピン移転やまたOSAを通じて、沿岸監視レーダーシステムの供与といった取組を実施してきました。我が国としては、こうしたフィリピンへの支援について米豪と協力して取り組む重要性を強調し、そして理解を得たところであります。また、他国からは4か国の部隊での活動の機会を増加させたり、4か国の部隊が連携して運用できるような仕組みを検討していく必要性などが示されたところです。今回の会談での議論を踏まえて日米豪比の4か国での協力を更に進化させ、共に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、取り組んでいくことになります。

記者 :日米豪のF-35の共同訓練についてお伺いします。実施の意義とですね、実施の形態が持ち回りでの定例的な実施だとか、形態がもし決まってるものがあれば教えてください。現段階でもし決まっていればですね。

大臣 :まず、米国及び豪州との間では、相互運用性の向上及び協力の深化に向けて引き続き3か国間の訓練活動を拡大することで合意をしました。その具体的な取組の一つとして、3か国のF-35戦闘機による共同訓練を日米豪各国で実施することとしました。具体的にはですね、2025年には、米国で行うコープノース及び日本で行う武士道ガーディアン、2026年には豪州で行うピッチブラックを対象に今後詳細を検討していくことになります。日米豪が共通して保有するF-35戦闘機が参加する3か国共同訓練をそれぞれの国で実施することによって、相互運用性の向上に加えて、地域における抑止力の向上に寄与するということが期待されるのではないでしょうか。

記者 :今、大臣がおっしゃいました日豪の部分で伺います。それは日本の反撃能力とオーストラリアの長距離精密打撃能力の部分で協力を進めるというふうにおっしゃいましたが、その部分について、もうちょっと具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか。

大臣 :我が国は、スタンドオフ防衛能力等を活用した反撃能力を保有することとしておりますが、豪州もですね、いわゆる長距離精密打撃能力の取得というのを進めております。2022年12月の日豪「2+2」等においても、これらの能力に関する協力の強化というのはお互いに確認をしているところです。日豪防衛当局間では、協力の在り方について様々な協議を行っており、この点については現時点でですね、内容をお答えするということは、相手のこともあって差し控えたいと思いますが、防衛省としては今般の日豪防衛相会談において、具体的な協力の方向性を検討することを改めて確認をしたことも踏まえて、日豪間でその協議を速やかに進めていくと、そういう考えであります。

記者 :日米豪3か国の会談の方で1点伺います。冒頭、大臣の方からですね、いわゆる「RDT&Eアレンジメント」に署名して、先進技術などで協力をこれから進めていくというお話がありましたけれども、例えば具体的に何か想定しているターゲットというか対象があるのか、例えば、無人機とかですね、今の時点で何かお考えがあればお聞かせください。

大臣 :4月の日米首脳会談でも強調されたとおり、日米豪の3か国協力は先進技術分野においても重要性を増しているところ、新たに3か国間の防衛大臣会合で今回、研究、開発、試験及び評価プロジェクトに関するアメリカ合衆国国防総省とオーストラリア国防省と日本防衛省との間の取決めというですね、長いので「RDT&Eアレンジメント」というふうにこれから言いますが、これにですね、揃って署名をいたしました。この取決めについては、既に日米間そして日豪間で同様の取組をそれぞれバイでは署名済みだったんですが、今般は日米豪3か国間での共同事業にもその内容を拡大したものでありまして、日米豪での共同事業の迅速な実施に寄与することを期待しております。具体的にということでしたけれども、日米豪の間では、無人航空システムや、航空機複合材を有望な分野として、視野に入れつつ、様々な協力の可能性について意見交換を行っておりますが、現時点で共同研究として開始することに合意した事業ということではございません。その上で、今般新たに署名した取決めを基に、先進技術分野で協力の深化に向けて実務者間の議論を加速していくことになります。

記者 :日米の方でちょっと1点伺いたいんですけれども、今日の日本の一部報道で、大臣のインタビューで拡大抑止、大臣も日米の中で拡大抑止について触れたとおっしゃられていたんですが、そのインタビューの中で拡大抑止について、閣僚級で協議体を作りたいという報道があったんですけれども、それについて今日の会談で出たのか、それとも今後どういうスケジューリングを想定されているのか、そこのところについて教えてください。

大臣 :現実に核兵器が存在しているということを踏まえたときに、我が国が安全を確保するというためには、我が国自身の防衛力の抜本的強化はもちろんのこと、加えて、米軍の核戦力や通常戦力を含めた拡大抑止が不可欠であります。会談ではオースティン長官から日本に対する核を含めた米国の拡大抑止のコミットメントは揺るぎないものである旨をですね、改めて述べられました。その上で、先月のですね、D.C.の日米首脳会談において、そのまま読みますと、「日米の防衛力(*)によって増進される米国の拡大抑止を引き続き強化するとの決定的な重要性を改めて確認し、2国間協力を更に強化していく」、というふうにされていることを踏まえて、次回の日米の「2+2」の機会を捉えてですね、その拡大抑止について、閣僚級で議論を深めることで一致したということになります。

記者 :今、事務方同士で協議体があると思うんですけれども、それを格上げして閣僚級でやるのか、それとも、次の「2+2」で閣僚同士で拡大抑止についてお話をされる、これはどちらのイメージが近いんでしょうか。

大臣 :あくまでもこれは、今回合意したことですので、次の「2+2」においてですね、これまでやっていなかった閣僚級において、議論を深めていこうということで一致したということです。

(*):大臣発言中、日米の防衛力(誤)を日本の防衛力(正)に修正

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