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【速報】ノースロップ・グラマン、技術協力シンポジウムで “BattleOne” のデモなどを実施

  • 特集

2024-5-23 22:28

米陸軍が導入を進める、ノースロップ・グラマン社の先進的防空システム「IBCS」。その威力をデモンストレーションする “BattleOne” (バトル・ワン)戦闘ビジョンが、防衛省関係者と報道陣に向け披露された。 “BattleOne” を展示したシンポジウムの風景を、速報でお届けする。井上孝司 INOUE Koji

 米国の防衛企業大手ノースロップ・グラマン社は5月22日(水)と23日(木)、東京・市ヶ谷で「技術協力シンポジウム」と題するイベントを開催した。「日本、アメリカ、その他の同盟諸国との間での緊密な協働の促進」「相互運用性と協力を可能とする先進技術に関する理解の促進」といった狙いを掲げている。

「技術協力シンポジウム」は、日米間の協働促進を企図している。 写真:井上孝司

 そこで、同社が擁する製品やシステムに関する展示・説明が行われたが、今回の目玉は “BattleOne” 戦闘ビジョンに関するデモンストレーションであろう。

“BattleOne” のデモンストレーションで最初に表示されたイメージ映像。陸・海・空・宇宙の各種アセットをネットワークで結んでいる様子を示しているが、居並ぶ参加者にそれぞれ異なる国旗がつけられている点に留意して欲しい。多国籍の連合作戦をも想定しているためである。 写真:井上孝司

“BattleOne” をひとことで説明するならば、ノースロップ・グラマンの統合戦闘指揮システムIBCS(Integrated Battle Command System)を頭脳として、そこに各種のセンサー(探知手段)やエフェクター(武器)を接続、すべての戦闘空間にまたがる一元的な指揮管制を実現しようという考え方だ。詳しい話は後日、取り上げる予定だ。

 このほか、会場の別室では、日本でニーズがあると考えられる、さまざまな製品に関する展示が行われた。以下の写真がそれらである。

“InSight” は、ネットワーク化に関わる製品のひとつ。F-35戦闘機向けの通信機器をベースにしており、さまざまな種類のデータリンクに対応して相互変換・相互中継を実現する。 写真:井上孝司
F-35戦闘機が搭載するセンサーで得た情報を、上空を飛行する無人機に載せた “InSight” を介して他の航空機に中継、データ共有を実現する戦闘空間のイメージ。 写真:井上孝司
MQ-4Cトライトン無人機は、RQ-4グローバルホーク高高度偵察無人機と共通する機体を使い、センサー機材を変えて海洋監視に対応させた機体。別のニュースにあるように今年5~10月、嘉手納基地に展開する。 写真:井上孝司
MQ-4Cは、可視光、赤外線、電波など、画面に示されるさまざまな手段を同時並行使用しながら、洋上の状況を把握する。 写真:井上孝司
GPI(Glide Phase Interceptor)は、極超音速滑空飛翔体の迎撃を企図した新型誘導弾の開発計画。日本が推進システムの分野で参画する、との政府間合意がまとまったばかりだ。完成したらイージス艦に載せることになっている。 写真:井上孝司
M-ACE(Mobile Acquisition Cueing and Effector)は、いわゆる「ドローン対策」システム。レーダーや電子光学センサーで飛来を探知、電波妨害を仕掛けて無力化を試みる。 写真:井上孝司
M-ACEではさらに、30mm機関砲による物理的な破壊も可能。この機関砲は地上目標にも使用できる。この模型ではトラックに載せているが、降ろして地上設置にもできる。 写真:井上孝司
30mm機関砲弾は、空中炸裂弾、近接信管付きの炸裂弾、誘導弾などの用意がある。ドローン対策なら近接信管付きの炸裂弾であろう。 写真:井上孝司
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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