ノースロップ・グラマン社、統合指揮システムIBCS一式を米陸軍に初納入
- 防衛省関連
2024-6-20 12:12
令和6(2024)年6月18日(日本時間)、米国のノースロップ・グラマン社は、統合戦闘指揮システムIBCSのフルセットを米陸軍に初納入した。
ノースロップ・グラマン社が開発したIBCSは、戦闘空間の各地に点在する軍事衛星、防空レーダー、射撃指揮レーダー、対空ミサイル、通信装置、作戦航空機、司令部機能などを連携し、まとめあげて有機的で柔軟な戦術を可能にするシステムである。日本への導入も提案されている。
IBCSフルセットの陸軍への初納入についてのリリースはこちらのとおり。
ノースロップ・グラマン、IBCSの最初のフルセットを米陸軍に納入
2024年6月17日、ノースロップ・グラマン社(NYSE:NOC)は統合戦闘指揮システム(IBCS)の交戦作戦センター(EOC)と統合火器管制ネットワーク(IFCN)リレーを米陸軍に初納入しました。昨年12月に納入された統合協働環境システム(ICE:Integrated Collaborative Environment)と共に、これらのIBCSを構成するシステムの納入によって、低率初期生産(LRIP)契約のもとでの最初のIBCSのフルセットの納入が完了したことになります。
• フルセットの納入が完了したことによって、陸軍はIBCSの配備態勢に必要な訓練を実施できるようになります。IBCSは比類のないマルチドメイン統合を強力に推進する最先端の指揮統制システムです。
• EOCには戦闘管理ソフトウェア、通信システム、処理能力が備わっており、それによりIBCSのオペレーターは戦闘計画の立案と戦闘を行うことができます。
• IFCNリレーはIBCSの通信を担い、IBCSに統合された各種センサーと兵器のインターフェイスとして機能します。
• 今年5月に陸軍はノースロップ・グラマンとIBCSの全規模量産(FRP)契約を締結しました。1億4,500万ドル(約229億円)のこの2024年度のFRP契約によって、革命的な指揮統制システムであるIBCSの生産と配備が進展し、米軍部隊をサポートすることになります。
専門家のコメント:
ノースロップ・グラマン社コンバットシステムズ・ミッションレディネス部門バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーであるレベッカ・トロゾーンは次のように述べています。「今やIBCSは戦闘部隊に戦闘空間での決定のための時間的余裕をもたらす準備が整いました。それによって将来の様々な脅威に先んじることができるのです。ノースロップ・グラマンはテストと配備に向けて引き渡しのスピードを上げてIBCSが速やかに米軍部隊に届くべくコミットを行っています。IBCSによって部隊は防空ミサイル防衛の近代化をリードすることができるのです。」
IBCSの詳細:
今回のEOCとIFCNリレーの納入は、昨年12月の統合協働環境システム(ICE:Integrated Collaborative Environment)の納入に続くもので、これまでに陸軍は13基のICEを受領しています。これらフルセット装備は2025年に予定されているIBCSのフル運用試験・評価(OT&E)に向けての準備をサポートすることになります。
先般締結されたIBCSのFRP契約は非常に重要なマイルストーンであり、また数多く行われてきた防空ミサイル防衛のテストにおいて、IBCSが成功の実績を積み重ねてきたことの反映でもあります。これらのテストは、ぺトリオット、低層防空ミサイル防衛センサー(LTAMDS)、間接火力防護能力(IFPC)をはじめとして様々なセンサーとシューターを統合して実施されました。またこの契約はノースロップ・グラマンが陸軍にLRIPでの生産を通してIBCSの構成システムを順調に納入してきたことの反映でもあります。
IBCSは、製造元、軍種やドメインに制約されず戦闘空間において現在利用可能なアセットだけでなく、将来のアセットも連接する革命的な指揮・統制システムです。オープンでモジュール化された、スケーラブルなIBCSのアーキテクチャを通してデータを融合することによって、行動を取ることを可能にする戦闘空間の完全な単一ピクチャを生成し、IBCSは戦闘部隊がこれまで有したことのない能力をもたらします。シューターを最適化する十分な情報に基づいた迅速な決定が可能になります。この能力によって、戦闘部隊には敵を撃破する最適な対処方法を決定するための時間的余裕がもたらされます。IBCSは米陸軍の防空ミサイル防衛の近代化戦略の中核であり、現在ポーランドに配備されています。IBCSはマルチ・ドメイン化、多国化する未来にとって中核的な要素となります。
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