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馬毛島の自衛隊施設整備について 西之表市と第14回目の協議の場を開催

  • 防衛省関連

2024-6-17 05:21

 防衛省は令和6(2024)年6月14日(金)18時00分、同日、鹿児島県西之表(にしのおもて)市役所において、馬毛島(まげしま)における自衛隊施設の整備について、市との間で第14回となる協議の場を開催したと発表した。

 協議の場で使用した「自衛隊施設整備における環境保全措置等について(防衛省)」と題する資料を公表し、「引き続き、この協議の場も活用しながら、自衛隊施設の整備に対する市民の方々の期待の声に応えるとともに、不安の解消に努めてまいりたい」とした。

 資料の内容は以下のとおり。

馬毛島の自衛隊施設整備における環境保全措置等について

 馬毛島における自衛隊施設の整備に際しては、施設整備開始前に公表した環境影響評価書に記載されている環境保全措置等を適切に講じながら、工事を進めています。これまで実施してきた措置等について、具体例を挙げて御説明します。

環境保全措置等を徹底するための取組

 環境保全を万全なものとするためには、工事関係者1人1人に対し、環境保全措置の内容を周知徹底することが重要と考えています。
 このような考えの下、工事の進捗状況に応じ、工事受注者に対して配慮すべき動物や植物の周知を含む、環境保全措置等の内容について説明会を実施しています。
 【過去の開催実績と次回予定】・令和5年1月18日・令和5年12月12日・令和5年11月29日・令和6年6月(予定)
 また、馬毛島に初めて入島する工事関係者に対しては、都度説明を実施し、環境保全措置等の周知徹底を図っています。

これまで実施した環境保全措置等の一例

<オカヤドカリ類への対策>
 改変区域内のオカヤドカリ類を採捕し、改変区域外の海岸部(生息に適していると考えられる海岸付近の林縁部や砂浜等)に移動しています。
 オカヤドカリ類については、海岸部の改変区域の周囲に侵入防止柵を設置しています。

ムラサキオカヤドカリ
進入防止の仮設柵設置の状況

<大気質・騒音・振動>
 令和5年2月、4月、8月、10月、令和6年1月に、西之表市街地の資機材運搬車両走行ルート沿い2か所で約1週間、二酸化窒素、浮遊粒子状物資、二酸化硫黄の調査を行いました。調査の結果、環境省の定める「二酸化窒素に係る環境基準」及び「大気の汚染に係る環境基準」における、1日当たりの基準値を下回っていることを確認しています。
 また、令和5年2月、4月、8月、10月、令和6年1月に西之表市を含む種子島内の資機材運搬車両走行ルート沿いの住宅地近傍5か所で、平日及び休日のそれぞれ1日、自動車騒音及び道路交通振動の測定を行いました。測定の結果、全ての地点で環境省の定める「騒音に係る環境基準」及び「振動規制法に基づく要請限度」における基準値を下回っていることを確認しています。

<濁水対策>
 工事エリア内に仮設沈砂池を設置し、仮設沈砂池に溜まった水を、濁水処理施設を通すことにより、浮遊物質量(SS)が環境省の定める「水質汚濁に係る環境基準」における水道1級(河川)の基準値である、25mg/L以下になるように処理した上で、排水しています。また、可能な限り浮遊物質量を低減するよう、仮設沈砂池の排砂や濁水処理施設の定期的なメンテナンスも行っています。
 改変後は、植生吹付等により裸地面を保護し、濁水の流出を抑制しています。
 これらの措置に加え、雨量の増加が予想される梅雨の時期や台風の接近が見込まれる際には、土嚢等を設置することにより、濁水が工事エリア外に流出しないよう、万全の対策を講じています。

<馬毛島のニホンジカの個体数調査>
 馬毛島のニホンジカ個体数について、比較的開けた場所での目視調査と、樹林内等に設置したセンサーカメラを用いた調査の2種類の調査を行っています。
 令和5年度に実施した調査結果を分析したところ、島内には現時点で1000~1200個体程度が生息していると推定しました。
 この推定手法は、環境影響評価書において、専門家の意見も踏まえた上で採用しているものであり、今般の推定結果についても、専門家の確認を経ています。

<ミサゴへの対策>
 ミサゴの営巣地付近に、注意を喚起するための看板を設置しています。
 海岸部で繁殖するミサゴについては、工事直前に踏査を行い、繁殖が確認された場合は、繁殖が終了するまでは営巣箇所周辺を避けるように、看板を設置するなどして繁殖期の車両や人の立ち入りの制限に努めています。
 ミサゴの繁殖状況を確認するため定点調査を行っています。

 引き続き、環境影響評価書に記載された環境保全措置等を適切に実施しながら、地元自治体と緊密に連携の上、施設整備を進めてまいります。

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