酒井海上幕僚長、辞任の言葉
- 防衛省関連
2024-7-12 13:55
令和6(2024)年7月12日(金)、海上自衛隊は公式サイトにおいて、幕僚長の職を辞する酒井良(さかい・りょう)海将の言葉を公開した。
全文はこちらの通り。
海上幕僚長ご挨拶
このたび令和6年7月19日をもちまして、海上幕僚長の職を辞し、海上自衛隊を退官することとなりました。
我が国を取り巻く極めて厳しい安全保障環境の最中にあって、我が国の防衛等の任務遂行のため海上自衛隊の隊員が昼夜を分かたず警戒監視や海賊対処行動等の様々な活動に愚直に取り組んでいる一方、秘密保全に関する不適切な取り扱いや手当の不正受給等、国民の期待と信頼を大きく損なう不祥事を生起させたことに対しまして、海上幕僚長としてその責任を痛感しており、心から深くお詫びを申し上げます。
海上自衛隊の今般の様々な事案が、防衛力の抜本的強化という政府方針に影響を与えることがあってはならず、また海上自衛隊の活動にこれ以上の支障を来すことがないよう海上自衛隊として新たな態勢で問題の解決を図ることが求められております。
また、本年4月には部隊訓練中に2機のヘリコプター墜落事故を生起させ、8名の優秀な隊員を亡くしたことは海上自衛隊にとって極めて大きな損失であり、また痛恨の極みであります。二度とこのような事故を起こすことがないよう再発防止策を徹底するとともに、安全対策を講じながら着実に訓練飛行を再開し、隊員の安全を確保しつつ海上自衛隊の任務遂行に取り組んでいくことが必要と考えております。
在任中、公私にわたり格別のご厚情を賜りました皆様に心から御礼申し上げます。今後、新たな海上幕僚長の舵取りの下、いかなる厳しい環境に直面しようとも、海上自衛隊は我が国の防衛、地域の安全保障環境の安定化、世界の海の平和のため力強く航行して参りますので、新態勢での海上自衛隊の活動に対して変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
皆様方の益々のご活躍を祈念申し上げ、御礼と離任のご挨拶とさせて頂きます。
令和6年7月12日
なお、本挨拶文の掲載をもちまして離任に伴う挨拶状の送付に代えさせて頂きますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
第35代 海上幕僚長 海将 酒井 良
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