木原防衛大臣、日米防衛相会談後の臨時記者会見(7月29日)
- 防衛省関連
2024-7-31 12:12
令和6(2024)年7月29日(月)14時29分から、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、防衛省においてオースティン米国防長官との会談後の臨時記者会見を行った。
内容は、以下のとおり。
大臣からの発表事項
大臣 :日米防衛相会談について申し上げます。
本日13時15分から約50分間、オースティン国防長官と会談を実施しました。本日の会談では、昨日の日米「2+2」の議論を踏まえつつ、各種取組について細部の議論を行いました。
日米それぞれの指揮・統制枠組みの向上は、同盟の現代化を進める上での重要課題です。日米「2+2」で公表された在日米軍司令部の再構成に係る米側の取組について、米国内での検討状況について説明がありました。今後、日米で作業部会を設置し、2国間の調整要領や連携強化について議論を深めていくことで一致しております。
その他、我が国が進めるスタンド・オフ防衛能力の早期獲得について、オースティン長官より力強い後押しがあり、引き続き、日米協力の下での反撃能力の効果的な運用を含め議論していくことで合意しております。
最後に、在日米軍の戦術戦闘機の更新や米軍再編の着実な実施など、各種案件の細部を議論し、今後の方向性を確認いたしました。日米「2+2」及び本日の会談の成果を踏まえ、引き続き、オースティン長官とともに、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化及びインド太平洋地域の平和と安定に向けて日米防衛協力の取組を加速させてまいります。
記者との質疑応答
在日米軍司令部の再構成などについて
記者 :日米の指揮・統制枠組みの向上に関して、アメリカは在日米軍の再編を年末までをめどに進めるとの報道もありますけれども、今日の会談で、再編時期のめどであったり、新たな統合軍司令部の規模や司令部の場所など具体的なやり取りがあったのであれば、教えていただけますでしょうか。
大臣 :昨日の日米「2+2」において、米国は、在日米軍をインド太平洋軍司令官隷下の統合軍司令部として再構成する意図を表明しました。これを受けて、日米間で作業部会(ワーキンググループ)を設置し、自衛隊の統合作戦司令部(JJOC)と米軍のカウンターパート関係等について議論を進めていくことで一致をしたところです。
本日の先ほどの会談では、この在日米軍司令部の再構成に係る米側の取組について、改めて、米国内での検討状況について説明がありました。本件は、自衛隊の統合作戦司令部の設置も踏まえまして、日米間においても、平時及び緊急事態における相互運用性及び日米間の共同活動に係る協力の深化を促進するため、オースティン長官の指示の下、米国防省で検討されたものと承知しており、防衛省としても歓迎をしているところです。その上で、在日米軍の再構成のタイムラインであったり、その具体的内容については、今後、日米間で作業部会を設置し、米側との検討作業をしっかりと進めていきたいとの考えであります。
記者 :日米の指揮統制枠組みに関してですが、その見直しに関して、米軍との一体化が進むのではないかと懸念する声がありますけれども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
大臣 :日米それぞれの指揮・統制枠組みの向上に関連して、自衛隊が米軍と一体化するのではないかという、今の御質問のようにですね、お尋ねがございます。有事の際に自衛隊が米軍の指揮下に入るのではないかという、そういう趣旨でもあろうかと思いますが、従来からですね、この点についてはですね、御懸念には及ばないという旨を国会等でも説明してきているところです。
日米間で様々な能力の発揮のため、緊密な連携を図るということは当然ではありますが、自衛隊の統合作戦司令部設置や在日米軍の再構成後も、自衛隊による全ての活動というのは、主権国家である我が国の主体的な判断の下で、日本国憲法、あるいは国内法令等に従って行われるということ、また、自衛隊及び米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動すること、これらにですね、何ら変更はございません。
ペトリオット・ミサイルの対米輸出について
記者 :防衛省は昨日、空自が保有していた地対空ミサイルシステム、パトリオットの一部をアメリカに移転する契約を結んだと発表しました。去年12月に防衛装備移転三原則の運用指針が改正されてから、初めての完成品のライセンスバックの案件になるかと思いますけれども、大臣の受け止めをお願いいたします。
大臣 :昨日7月28日ですね、航空自衛隊が保有するペトリオット・ミサイルを米軍へ売却することについて、契約を締結したということを発表いたしました。
昨年の12月の防衛装備移転三原則の運用指針の改正後、本件につきましては、完成品のライセンス生産の移転として、初めて国家安全保障会議において、海外移転を認め得る案件に該当することが確認されたものでございまして、また、日米同盟においても重要な案件であるところ、米側との売買契約の締結という形で、具体的な進捗に至ったということは、意義深いことだと思っております。今般の移転でありますが、我が国の安全保障及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与するものであるところ、引き続き、防衛装備移転の推進というものを取り組んでまいりたいと思っています。
(以上)
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