米国キャンプ・デービッドで1年ぶりの日米韓首脳会合 3か国の協力が進展(8月18日)
- 防衛省関連
2024-8-20 12:12
首相官邸と外務省は、令和6(2024)年8月18日(日)、米国キャンプ・デービッドを訪問中の岸田文雄(きしだ・ふみお)内閣総理大臣が、ジョセフ・バイデン米国大統領および尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領とおこなった日米韓首脳会合とその成果について発表した。
首相官邸は昨年以来の3か国の協力進展を記念した首脳共同声明を伝え、外務省は今年の会合の内容と、会合終了後における「キャンプ・デービッド原則」、「日米韓首脳共同声明」「日本、米国及び韓国間の協議するとのコミットメント」の発出を伝えている。
それぞれの全文はこちらのとおり。
キャンプ・デービッドにおける日米韓首脳会合1周年に関する首脳共同声明(首相官邸)
8月18日(日)、岸田文雄内閣総理大臣は、昨年8月18日に米国キャンプ・デービッドで行われた日米韓首脳会合から1周年の機会に、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America) 及び尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領(H.E. Mr. YOON Suk Yeol, President of the Republic of Korea)と共に、これまでの日米韓協力の進展を記念する日米韓首脳共同声明を以下のとおり発出しました。
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我々、日米韓3か国の首脳は、歴史的な首脳会合から1年間での3か国協力の大きな進展を記念する。日米韓首脳会合の精神は、引き続き我々の考えを導き、我々がキャンプ・デービッドにおいて確立した原則は我々の類いまれな協力に向けたロードマップとなる。我々は、地域そして世界の安全と繁栄を増進させるという共通の目標を達成するために共に取り組んでいる。
我々は、共通の利益及び安全保障に影響を及ぼす地域の課題、挑発及び脅威に関する協議へのコミットメントを堅持する。我々は、強固な日米同盟及び米韓同盟に支えられた安全保障協力の強化、共通の経済的・技術的な優先事項の整合性の深化、グローバル・ヘルス・イニシアティブに関する連携の強化、そして3か国間の揺るぎない人的つながりの更なる拡大へのコミットメントを新たにする。過去1年間で、我々は、インド太平洋及びそれを超えた地域における優先事項についての緊密な協議及び連携を通じてこれら共通の目的に対する我々の確固たるコミットメントを示してきた。
我々は複数領域における3か国訓練である「フリーダム・エッジ」の第1回目の実施、新たな日米韓3か国安全保障協力枠組みへの署名並びにサイバー犯罪及びその他の不法な手段を通じて大量破壊兵器計画のための収入を生み出す北朝鮮による取組への対抗に焦点を当てた日米韓ワーキンググループによる進展を含む、3か国協力の成果を祝する。我々は、インド太平洋の平和と安定を維持すると決意しており、引き続き共通のビジョンをそろえ、世界の最も大きな課題に立ち向かう用意がある。我々は、日米韓協力が今日の課題に立ち向かうために不可欠であり、繁栄した将来のための土台をつくるとの揺るぎない信念を有している。
(以上)
日米韓首脳会合及びワーキング・ランチ(外務省)
現地時間8月18日(金曜日)午前11時30分頃(日本時間19日(土曜日)午前0時30分頃)から、米国キャンプ・デービッドを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)及び尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領(H.E. Mr. YOON Suk Yeol, President of the Republic of Korea)との間で、日米韓首脳会合(約60分間)及び少人数のワーキング・ランチ(約60分間)を行ったところ、概要は以下のとおりです。
なお、会合終了後、「キャンプ・デービッド原則」、「日米韓首脳共同声明」及び「日本、米国及び韓国間の協議するとのコミットメント」が発出されました。
1
冒頭、岸田総理大臣から、米国ハワイ州マウイ島における山火事による被害にお見舞いを述べ、また、尹大統領の御尊父の御逝去に際する哀悼の意を表明しました。そして、数多くの歴史的な会談の舞台となってきたキャンプ・デービッドへのバイデン大統領の招待に感謝するとともに、尹大統領とお会いでき嬉しい旨述べました。
2
三か国の首脳は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持するため、盤石なそれぞれの二国間関係を礎としつつ、本日の会合を契機として、『日米韓パートナーシップの新時代』を宣言しました。さらに、日米同盟及び米韓同盟の戦略的連携を強化し、日米韓の安全保障協力を新たな高みへと引き上げることで一致しました。
3
バイデン大統領は、日本及び韓国の防衛に対する米国の拡大抑止のコミットメントは強固であり、米国のあらゆる種類の能力によって裏打ちされていることを再確認しました。その上で、三か国の首脳は、北朝鮮による弾道ミサイル発射は、国際社会の平和と安全を脅かすものであるとして強く非難するとともに、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化に向けたコミットメントを再確認しました。三か国の首脳は、地域の抑止力・対処力の強化、国連安保理決議の完全な履行の確保において引き続き緊密に連携することを確認するとともに、2024年には日米韓三か国が揃う国連安保理で緊密に連携していくことで一致しました。また、北朝鮮との対話の道が開かれていることについても認識を共有しました。さらに、岸田総理大臣から、拉致問題についてバイデン大統領及び尹大統領から一貫した支持を得ていることに改めて謝意を表明しました。
4
また、三か国の首脳は、日米韓協力の戦略的重要性を踏まえ、力による一方的な現状変更の試みやウクライナ情勢を含む地域情勢について意見交換を行うとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた、特にASEAN諸国及び太平洋島嶼国との協力における連携についても意見交換を行いました。さらに、重要・新興技術協力やサプライチェーン強靭化を含む経済安全保障分野等における連携強化についても意見交換を行い、日米韓の協力の裾野を一層拡大していくことで一致しました。
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