中谷防衛大臣、海自横須賀での基地視察と韓国艦隊歓迎行事後の臨時記者会見(11月7日)
- 日本の防衛
2024-11-8 19:53
令和6(2024)年11月7日(木)16時08分~16時20分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、海上自衛隊横須賀地区逸見岸壁において、同基地視察と韓国海軍合同巡航訓練戦団の入港歓迎行事参加後の臨時会見を行った。
内容は、以下のとおり。
発表事項
大臣 :本日、海上自衛隊の横須賀地区、並びに在日米海軍の横須賀基地を視察をいたしました。ここ横須賀は、海上自衛隊の主力部隊、また司令部の多くが所在をしておりまして、更に、米インド太平洋軍の主力である第7艦隊、ここが配置をされている所でありまして、正に、我が国防衛の要であり、ひいては、地域の平和と安全に極めて重要な地区であり役割を果たしているということを確認をさせていただきました。
今回の視察では、こうした最前線を担う隊員が、非常に高い緊張感を持ちながら、任務に精励する姿を、間近で確認をすることができました。 特に、装備が大変近代化をされて、能力が向上をしている。こうした装備をしっかりと操作をしている隊員を見まして、非常に誇りを感じました。そして、この変化に対応していけるようにですね、任務が達成できますように、そして、誇りと名誉を持って隊員が働ける環境をしっかり作っていかなければならないということを感じさせていただきました。
そして、韓国、この海軍の練習艦隊の入港歓迎行事にも参加をいたしました。練習艦隊の日本寄港は6年ぶりでありまして、日韓防衛協力、また、交流の強化に寄与するものといたしまして、心から歓迎をいたします。地域を取り巻く安全保障環境がより一層厳しさを増している中で、引き続き、様々な分野で、日米、日米韓、そして日韓、この防衛協力、そして交流を強化してまいりたいというふうに思います。
質疑応答
横須賀基地視察の意義
記者 :横須賀基地を訪問された意義とですね、今回一日中視察されたわけですが、改めて御所感をお聞かせください。
大臣 :何と言っても横須賀は、海上自衛隊の主力部隊が所在をしておりますし、米海軍の第7艦隊、これが配置されているということで、正に、日本の防衛の要の場所であると、そして、ひいては地域の平和と安定にですね、極めて重要な役割を果たす所であるという観点で視察をいたしました。
そして、改めてこの現状を確認をするとともに、隊員の皆さんが非常に高い使命感と、そして緊張感を持ってですね、任務に精励する姿を間近で確認することができました。防衛の本質は、力であります。強くなること、そして、これからも司令部、総監を核心に全隊員が一致結束をしてですね、一人一人が名誉と誇りを持って任務を達成をしていけるようにですね、大臣としては、この環境整備や、また防衛政策の完成にですね、万全を挙げてまいりたいというふうに思います。
そして、今回の視察に併せて、韓国海軍、これの練習艦隊の入港歓迎行事に参加したということは、日韓防衛協力、そして交流の進捗を直接確認することができまして、大変有意義であったというふうに思います。
日韓の安保連携へ向けた意気込み
記者 :大臣先ほどもですね、韓国の練習艦隊に乗艦されての御到埠でありましたけれども、改めまして、日韓の安保連携の意義についてとですね、韓国を訪問されての国防相会談の予定や、訪韓への意気込みについてもあわせて伺います。
大臣 :本日ですね、韓国海軍の練習艦隊の歓迎行事に参加をいたしました。そして、実際、揚陸艦の「マラド」に乗艦をいたしました。
非常に新しい装備、能力を持った中でですね、非常に参考になりましたけれども、韓国の海軍の関係者と懇談もいたしました。非常にその内容につきましては、日韓の防衛協力、これを進めていこう、そして交流や訓練もですね、続けて強化をしていこうというような意思は、正に日韓共通したものであるということを実感をいたしました。
そして、最近、北朝鮮から弾道ミサイルの発射をはじめですね、地域の厳しい安全保障環境、また、グローバルな課題に対応するために、日韓の安全保障・防衛協力、これはこれまで以上に重要性を増すものであると、そして、今後様々な分野において日韓防衛協力・交流を強化すべくですね、韓国側と緊密に意思疎通を図っていきたいというふうに思います。
お尋ねの訪韓の計画につきましては、現時点で決定したものではありませんが、できるだけ早い時期に実現できるように、韓国側と調整していきたいというふうに考えております。
記者 :昨日、日韓での2016年以来6年ぶりにレーダー照射問題以降、初めての2か国での訓練を行ったと先ほど発表がございました。これについて大臣の受け止めと、今後、日韓の部隊間協力をどのように行っていくお考えかお聞かせください。
大臣 :日韓協力の必要性につきましては、先日の10月31日にですね、ICBM級のミサイルが発射され、それに続いて一昨日の5日にも、複数の弾道ミサイルが発射をされました。非常に地域の安全保障環境が厳しさを増している中でですね、やはり日韓、そして日米韓、これの連携というのは、ますます重要になってきております。
日韓の間では、本年、既に3回防衛大臣会談を実施をしておりまして、先月の10月に、私の就任直後にですね、キム・ヨンヒョン韓国の国防部長官とテレビ会談を実施するなど、当局間で連携が強化をされているわけでございます。
そのような中で、海上自衛隊の練習艦の「はたかぜ」、これが、韓国海軍の揚陸艦の「マラド」、また揚陸艦の「チョンジャボン」、そして補給艦の「デチョン」とともに、戦術運動を実施をいたしました。海上自衛隊の戦術技量の向上と、韓国海軍との友好親善及び相互理解の増進を図りました。こうした部隊レベルの訓練からですね、様々なレベルの分野において、戦略的な利益を共有する韓国との連携を強化して、引き続き、日韓・日米韓の防衛協力・交流を推進してまいりたいというふうに思っております。
オーストラリアへの「もがみ」型護衛艦に関する情報提供
記者 :別件で伺います。大臣、先ほど後ろにあります海上自衛隊の「もがみ」型の護衛艦を視察されました。この護衛艦をめぐっては、オーストラリア政府が進める新型艦導入計画で、日本が情報提供を行っているということです。今後、日本政府としてどのようにこれについてアピールしていくお考えでしょうか。また、オーストラリアをめぐっては、過去に潜水艦建造計画に参入できなかったという過去、経緯もございます。この時の教訓をどのように活かされるのかについてもお考えをお聞かせください。
大臣 :これは、オーストラリア政府がですね、次期汎用のフリゲートの候補の1つとして、海上自衛隊の「もがみ」型の護衛艦を挙げているものだというふうに承知をいたしておりますが、日本とオーストラリアの間では平素から緊密にやり取りをしてきておりまして、その中で、必要に応じて豪州に対して情報提供、これは行っております。
その上でですね、今回の豪州の計画に関しましては、現時点で政府として決定をしたという方針はなくて、今後の対応について予断をもってお答えするということは差し控えさせていただきたいと思います。
また、御指摘の2015年から2016年にかけて、オーストラリア政府が潜水艦の選定において、我が国の「そうりゅう」型の潜水艦をベースとした提案を行いましたが、結局、豪州政府はフランスの企業の提案を採用したということでございます。したがいまして、これまで装備品の海外移転に向けた取組に得られた結果・経験も含めまして、相手側のニーズというものをよく確認をしつつ、移転を実現できるようにですね、取り組んでいきたいなというふうに思っております。
トランプ次期大統領就任後の日米同盟の行方
記者 :アメリカの大統領選挙についてお伺いします。トランプ前大統領が勝利し、バイデン政権から安全保障政策が大きく変化することが予想されます。日米同盟に与える影響と、今後、新政権とどのように向き合って同盟をどのように強化されていくお考えかお聞かせください。
大臣 :アメリカの大統領選につきましては、従来からですね、大変高い関心を持って注視をしてまいりましたけれども、昨日、トランプ候補がですね、当選確実という情勢を受けまして、石破総理からトランプ次期大統領に対して祝意を述べられたということは承知をいたしております。
この日米同盟の強化というのは、石破政権の外交・安全保障の最優先事項でありまして、我が国及び国際社会を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中でですね、日米同盟の重要性はますます高くなってきておりまして、防衛省といたしましては、トランプ次期大統領も含めて、次期政権との間で強固な信頼、そして協力関係、これを構築をし、引き続き日米同盟の抑止力と対処力の強化に向けまして、具体的な成果に繋げられるようにですね、努力をしていきたいと考えております。
(以上)
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