掃海艇「うくしま」で火災発生、消火作業を実施するも沈没(11月10、11日)
- 日本の防衛
2024-11-12 09:05
令和6(2024)年11月10日(日)、海上自衛隊の掃海艇「うくしま」で火災が発生した。海上幕僚監部は、同日14時から11日(月)13時15分にかけて4回にわたり関連情報を出し、10日夜には緊急の記者会見を開いた。
11月12日(火)朝の時点で、掃海艇「うくしま」の乗員1名が行方不明であり、捜索が続けられている。
報道に提供されたリリース情報はこちらのとおり。
掃海艇「うくしま」における火災事象について
令和6年11月10日 14:00 海上幕僚監部
掃海艇「うくしま」において、火災が発生しましたので、お知らせします。
1 日時
令和6年11月10日(日)午前9時40分頃
2 所属
第43掃海隊(母港:下関基地隊
3 場所
福岡宗像市所在の大島北方約2.3㎞の海上
4 事案の概要
令和6年11月10日(日)午前9時40分頃、福岡宗像市所在の大島北方約2.3㎞の海上を航行中の「うくしま」艇内において火災を認め消火作業を実施中
5 被害の状況
確認中
6 その他
「うくしま」から福岡海上保安部に通報済
(以上)
掃海艇「うくしま」における火災事象について(第2報)
令和6年11月10日 18:30 海上幕僚監部
1 消火活動の状況について
(1)掃海艇「うくしま」艇内で午前9時40分頃に発生した火災は午後1時59分頃、一旦は消し止められたがその後再燃
(2)自艇での消火が困難となったことから午後3時43分に投錨し、消火活動継続中
2 乗員の状況について
(1)掃海艇「うくしま」乗員1名(下記)の所在が確認できていない。
3等海曹古賀辰徳(こがたつのり)(33歳)
(2)別の乗員1名が負傷しており、同負傷者を福岡県古賀市東医療センターに搬送し診断の結果、生命に別状はない。
(3)その他の乗員は、現在消火活動の支援等にあたっている掃海艇「とよしま」に避難
3 その他 本日午後3時30分に海上幕僚監部監察官を委員長とする事故調査委員会を設置
(以上)
掃海艇「うくしま」における火災事象について(第3報)
令和6年11月11日 07:30 海上幕僚監部
1 掃海艇「うくしま」の状況について
(1)掃海艇「うくしま」は、午前0時5分頃、錨泊した付近の海域において、艦尾側が水没し、艦首を海面から出した状態で転覆、火災は鎮火した。
(2)午前7時00分現在、掃海艇「うくしま」は、艦首の一部が海面から出ている状態が維持されており、火勢・発煙は確認できない。
2 今後の予定
海上保安庁と連携しつつ、現場海域の浮遊物及び油の流出状況等を警戒するとともに、行方不明者の捜索・救助のため、潜水捜索の実施について調整
(以上)
掃海艇「うくしま」における火災事象について(第4報)
令和6年11月11日 13:15 海上幕僚監部
掃海艇「うくしま」は、午前8時34分頃、錨泊した付近の海域において沈没した。
(以上)
掃海艇「うくしま」は、「すがしま」型掃海艇の6番艇にあたる。「すがしま」型は12隻が建造されたが2隻が退役しており、3番艇 MSC6830「つのしま」、4番艇 MSC684「なおしま」、5番艇 MSC685「とよしま」、6番艇 MSC686「うくしま」、7番艇 MSC687「いずしま」、8番艇 MSC688「あいしま」、9番艇 MSC689「あおしま」、10番艇 MSC690「みやじま」、11番艇 MSC691「ししじま」、12番艇 MSC692「くろしま」の10隻が現役にあった。
【用語解説】
→掃海艇「すがしま」型
→掃海艇
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- 馬毛島の基地建設、12月の工事作業予定などを公表
- 人事発令 8月1日付け、1佐職人事(陸自191名、海自56名、空自34名)
- 陸上自衛隊員の懲戒処分を発表 部下隊員に対する適切な業務管理を怠ったため(12月5日)
- 《特集》5つの艦種で構成される海自の主力艦 基礎から分かる「護衛艦」概論
- 「防衛産業参入促進展 2024 in TOKYO」が東京・市ヶ谷で開催(12月2・3日)