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V-22オスプレイ航空事故(10月27日、与那国島)の調査結果を陸自が発表

  • 日本の防衛

2024-11-15 12:05

 防衛省 陸上幕僚監部は令和6(2024)年11月14日(木)、10月27日(日)に沖縄県与那国駐屯地において発生したV-22の航空事故の調査結果を発表した。全文は下記の通り。

陸自V-22の航空事故の調査結果について

 令和6年10月27日(日)に沖縄県与那国駐屯地において発生した陸自V-22航空事故の調査結果についてお知らせするとともに、飛行再開の目途がつきましたので下記のとおりお知らせ致します。

1 事故の概要

(1)令和6年10月27日(日)、第1ヘリコプター団輸送航空隊第108飛行隊のV-22が、与那国駐屯地において、日米共同統合演習(KS25)での患者後送訓練のために、11時38分頃、ホバリングに移行し、上昇のための前進を開始した際、操縦士が予期しない高度低下が発生したため、離陸を中止し、周辺の平地に接地

(2)上記接地の直後に、再度航空機が上昇し、左右交互の揺れが発生したことで、左ナセルが地面に接触し、航空機は損壊

(3)搭乗員16名(民間人なし)全員は負傷なし

(4)当時の与那国駐屯地の気象は、晴天であり無風状態

2 事故調査要領等

(1)陸上幕僚副長を長とする航空事故調査委員会を設置(令和6年10月27日付)

(2)機体・構成品の破損状況の調査、フライトデータレコーダー(FDR)及びメンテナンスデータの解析、当該事故機の整備状況、関係者からの聞き取り等を実施

3 事故原因(調査結果)

(1)本調査の過程において、物的要因及び外的要因が本事故に関連がなく、FDR及びメンテナンスデータ等の分析から、人的要因に起因する事故であることを確認

(2)細部の調査結果は、下記のとおり

ア ホバリング前に作動させるエンジン出力関連の機能を作動させなかったこと(直前に計画の変更等があった中において、インテリム・パワー・スイッチ「ON」の失念)により、離陸に必要なエンジン出力の確保が困難な状況が生起して、上昇のための前進中に高度が低下したことで、離陸の中止及び離陸経路上の前方の障害物を回避し、平地への着陸を実施せざる得ない状況が生起

イ 航空機は、平地に一度接地したものの、その後の機長による地面付近での操作不良により、再度上昇するとともに、航空機の左右交互の揺れによる不安定な状態を発生させることが生起

ウ これらのことが事故の原因であると特定

4 再発防止策

(1)上昇のための前進中の高度低下(インテリム・パワー・スイッチ「ON」の失念)に対応するもの

ア インテリム・パワー・スイッチ「ON」の失念防止のためのマーキングの実施

イ 機長及び副操縦士によるホバリング移行前の操作手順の読み合わせに係る教育及び訓練の実施

ウ 任務の実情に即した様々な状況下でのシミュレーターを含む訓練の充実及び経験値の積み上げ

(2)航空機の左右交互の揺れによる不安定状態(機長による操作不良)に対応するもの

ア 離陸中における出力低下時の緊急操作の徹底

イ 緊急対処要領を含めた状況の特質を踏まえた具体的な計画の策定

ウ 計画策定段階からの指揮官による指導の実施

5 今後の予定

 令和6年11月14日(木)以降、今般の事故調査結果を踏まえ、再発防止策を徹底し、飛行を再開

(以上)

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