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中谷防衛大臣が記者会見 豪政府への護衛艦の提案、オスプレイなどについて回答(11月25日)

  • 日本の防衛

2024-12-3 08:51

 令和6年11月29日(金)09時50分~10時05分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、国会議事堂本館内閣議室前で記者会見を行った。
 内容は、以下の通り。

大臣からの発表事項

 オーストラリア政府が、先日25日、次期の汎用フリゲートの候補を日本とドイツの2か国に絞り込みをし、最終候補の1つとして、我が国の「もがみ」型護衛艦の能力向上型である令和6年度型護衛艦を決定をいたしました。
 本件については、我が国の優れた技術が結集した装備品に対する高い信頼と評価の表れであると受け止めておりまして、大変嬉しく思っております。今後、仮に我が国が選定された場合には、令和6年度型護衛艦をベースに、オーストラリアと共同開発・生産をした完成品などをオーストラリアへ移転をするということになります。
 このため、今後最終的にパートナーに選定をされ、移転が実現できるように、昨日28日に公表したとおり、27日に開催した国家安全保障会議(NSC)において、防衛装備移転三原則の適用案件について議論を行い、オーストラリアの次期汎用フリゲートの共同開発・生産に関して、本件移転について、海外移転を認め得る案件に該当するということを確認をいたしました。
 本件につきましては、日豪の連携を更に深めるだけではなくて、共同開発・生産を通じまして、我が国艦艇の能力向上に資するものであり、我が国の安全保障上極めて意義があるものと考えております。
 「もがみ」型護衛艦については、私も先日横須賀で実際に視察をいたしました。大変信頼性の高い武器システムを搭載をしつつ、自動化、省人化によりまして、従来艦より大幅に少ない乗員数で運用可能な能力を持つ艦艇であります。さらに、高効率で安全性が高く、ステルス性に優れたプラットフォームを採用しておりまして、能力向上型の令和6年度型の護衛艦についても、オーストラリア海軍の要求の高いレベルにおきます、満足をできるものだと確信をいたしております。
 引き続き最終選定に向けた良い提案ができますように、関係省庁としっかり連携をし、官民一体となって取り組んでいきたいと思っております。

記者との質疑応答

オーストラリアに提案する次期汎用フリゲートについて

記者 :冒頭発言ありました、オーストラリアの共同開発については、過去に共同開発に参入した際に、反省や教訓をどのように生かしていこうと考えられているか、今後どのように進められていくか考えをお聞かせください。

大臣 :本件は、私が前回防衛大臣の在任中のことでありまして、2015年から2016年にかけてオーストラリア政府が実施した将来潜水艦の選定プロセスにおいて「そうりゅう」型潜水艦をベースとした提案を行いましたが、オーストラリア政府は、2016年にフランスのDCNS社のものを選定をいたしました。
 当時のオーストラリア政府の具体的な評価につきましては、我が国の能力に関わるためにお答えができませんけれども、一般的に、潜水艦の運用方法は国ごとに異なっておりまして、オーストラリアが選考しましたフランス企業の提案が、このオーストラリアの運用ニーズに最も適合しているために選定をされたのではないかなと考えております。
 防衛省としましては、こうした経験も踏まえて、関係省庁及び関係企業と密接に連携をしつつ、相手方のニーズに加えて、調達事情、政治情勢等について積極的に情報収集を行い、それらを十分に理解をした上で、提案を行っていく考えであります。
 今般のオーストラリアの次期汎用フリゲートにおきましては、引き続き最終選定に向けた良い提案ができますように関係省庁としっかり連携をし、官民一体となって取り組んでまいりたいと考えております。

特定秘密保護法について

記者 :来月で施行から10年となる特定秘密保護法について伺います。最近、国際共同開発の大型案件が増えて、装備庁と米国のDIUとの連携も強化されています。これも秘密法の効果も一要素と言えますでしょうか。またこうした情勢の中で特定秘密を扱う民間の方も増えていくとみられています。防衛省としてどのようなことに心掛けていかれるでしょうか。

大臣 :これは平成26年の12月に施行された特定秘密保護法でありますが、これの国会審議におきましては、私が筆頭理事になりまして、非常に与野党でそれぞれ提案もいただきながらですね、修正を重ねて、衆参で成立した法案でございます。
 この特定秘密保護法に基づいて、防衛省におきましても、特定秘密の指定、保護、適性評価の実施など、法律の適正な運用に努めてまいりました。これは緊迫化する国際情勢の下で国民の命を守り抜くためには、情報の持つ役割というのが極めて重要でありまして、特定秘密保護法によって、我が国の情報保全制度の信頼性、これが高まりました。そして、国際共同研究・開発の分野も含めて、同盟国・同志国等との情報の共有、これが一層円滑化になるとともに、核心に迫る情報が得られるようになったというふうに評価をしております。また、民間への適用に当たりましては、従来から防衛省では、従業者の方々のプライバシーへの配慮、そして情報管理など、関係規則に基づいて適切に運用してきております。
 防衛省としましては、今後とも従業者の方々の御理解を得つつ、特定秘密保護法に規定する要件に従いながら、適切に対応していく考えであります。

オスプレイのインテリム・パワー機能、事故などについて

記者 :AP通信は、オスプレイのインテリム・パワー機能について、部品を摩耗させる可能性があるため、海兵隊や製造メーカーが頻繁な使用を推奨していないと報道しました。一方、陸自ではオスプレイ離着陸させる際、必ずこの機能を使用すると承知しております。防衛省の今後の対応を教えてください。

大臣 :陸上自衛隊のV-22オスプレイにつきましては、米側からですね、提供されました操縦マニュアルで、その離陸時には、必ずインテリム・パワー・スイッチをオンにすることとされておりまして、頻繁な使用、これを推奨していないとの指摘は当たりません。そういう認識をしております。また、インテリム・パワー機能が部品を摩耗させる可能性があるということについては、現時点において、米側からそういった情報提供、これはございません。
 いずれにしましても、防衛省としては、オスプレイの安全性につきましては、これまでも累次の機会に確認をしており、問題はないと考えておりますが、引き続き、オスプレイの運用に当たりましては、飛行の安全の徹底を図ってまいりたいと思います。

記者 :オスプレイに関連してなのですけれども、先日、米国内で、ホワイトハウスの職員が乗っていたオスプレイが緊急着陸してですね、エンジンから出火していたというような目撃証言もあるようなのですけれども、この事故に関してですね、機材自体の不具合だったりとか、そういったものは米側のプログラムオフィス等から何か連絡や情報提供はありますでしょうか。

大臣 :本件は日本の国外の事案に関する報道でありますが、まずは、米側に対してですね、本件についての情報提供を求めているところでございます。また、現時点におきまして、米側から部品の不具合などのことに関する連絡はありません。
 いずれにしましても、オスプレイの国内における飛行運用に際しましては、飛行の安全確保、これが最優先であることを日米間のあらゆるレベルで確認をしております。引き続き、地元の皆さんに十分配慮をし、最大限の安全対策をとるように日米で協力をし、安全確保に万全を期してまいります。
 これにつきまして、一般論として申し上げれば、航空機について事故の発生に関係するような部品の不具合が判明した場合は、製造企業や政府のプログラムオフィスから不具合に関する連絡が来ております。しかし、現時点においては、そのような連絡は来ておりません。
 防衛省といたしましては、この安全性につきまして、この安全性が確保されるということが最優先であることを、飛行の運用に関しての前提としておりますので、今後、日米間のあらゆるレベルで確認をし、引き続き、地元の皆さんに十分配慮をして、最大限の安全対策をとるように日米間で協力して、安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

記者 :米軍のオスプレイが鹿児島屋久島沖に墜落してから今日で1年になりますが、住民の不安が払しょくされたとお考えでしょうか。またオスプレイに対する安全性の認識についてお願いします。

大臣 :この事故におきましては、米側の殉職された8名の方々にですね、改めて深く哀悼の意を表しますとともにですね、心から御冥福をお祈り申し上げたいというふうに思っております。また、この件につきまして、地元の皆様方に大変御心配もおかけしているわけでありますけれども、これについて日米によってですね、捜索・救難活動に当たりまして、屋久島町の地元の皆様に大変御支援・御協力もいただきましたこと、ここに改めてですね、この点に感謝を申し上げます。
 その上で、当時の事故の調査報告書によりますと、まず、ギアボックスの不具合、また操縦士の意思決定が事故の原因とされておりまして、事故に対応した各種の安全対策を講じるということで、安全に運用を行うということが可能であります。本件につきましては、当時の木原防衛大臣がですね、ラップ在日米軍司令官に飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うように要請をいたしておりまして、その後この報告書が公表されたということでございます。さらに米側からはですね、飛行の安全に関わる構造上の欠陥がないということに変わりがない旨の説明を受けておりまして、防衛省といたしましては、米側の評価、これは妥当なものだと考えております。
 これからは、防衛省としては、今後ともオスプレイの飛行安全性については、累次の機会に確認をしてきておりまして、問題はないと考えておりますが、引き続き、地元の皆様に十分配慮して、安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。

陸自八戸駐屯地で隊員が行方不明になった件

記者 :27日夜に、陸上自衛隊の八戸駐屯地の隊員が一時不明になった事件が、事件というかありましたけれども、そこでの八戸駐屯地からの経緯だったり、なぜ演習場で見つかったのか、また再発防止策について御報告がありましたら教えていただきたいです。

大臣 :まず、無事ですね、発見をされて、生命等に異常はないということでございますので、その辺は安心をしております。私も以前、陸自の小隊長をやっておりましたけれども、やっぱりこういうことにつきましては、それぞれのですね、色々な事情があって起こり得るものでありまして、現在、地元の陸上自衛隊において、本件についての原因や、また再発防止については検討しているところでございます。

(以上)

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