馬毛島の基地建設、12月の工事作業予定などを公表
- 日本の防衛
2024-12-5 10:55
防衛省 九州防衛局は令和6(2024)年12月2日(月)、ウェブサイトにおいて、12月および令和6年12月~令和7年3月に実施する自衛隊基地の工事作業と環境保全措置等の予定を公表した。あわせて施設整備状況の写真を公開した。
馬毛島は種子島(たねがしま)から西へ約10km離れた位置にあり、鹿児島県西之表市に属する。
南西諸島における自衛隊の活動・訓練拠点とするとともに、島嶼部に対する攻撃への対処拠点とするため、令和5(2023)年1月12日から自衛隊基地の建設が始まっている。建設される基地は、2本の滑走路、不整地着陸訓練施設、F-35B模擬艦艇発着艦訓練施設、陸上の訓練区域などを備えるものとなる。
12月には以下の工事と環境保全措置等が予定されている。各工事の詳細や、今後の工事予定については、記事末尾の九州防衛局の公表資料を参照されたい。
■馬毛島で建設中の施設とその区分
施設区分 | 施設区分内訳 | 施設説明 |
---|---|---|
飛行場施設 | 滑走路 | ― |
飛行場関連施設 | 駐機場等施設 | 自衛隊機及び米軍機が駐機等を行うためのスペース |
格納庫 | 航空機の整備・格納等を行うための施設 | |
飛行場支援施設等 | 管制塔、庁舎、通信局舎、飛行管理棟、補給倉庫、消防車庫、隊舎、食堂、浴場、厚生施設、体育館、運動場、構内道路、ユーティリティ施設等、基地の運用支援に必要となる施設及び隊員の宿泊等のための施設 | |
貯蔵関連施設 | 航空機燃料、船舶用燃料、車両用燃料等を貯蔵する燃料タンク、タンカーからの燃料を受け入れるたの施設、燃料配管等の燃料施設、本施設の運用や警備等に必要な火薬類を貯蔵するための火薬庫等の施設 | |
訓練施設 | 不整地着陸訓練施設及びF-35B模擬艦艇発着艦訓練施設 | |
港湾施設 | 係留施設等 | 本施設への人員、燃料、資機材等の海上輸送、艦艇の停泊及び補給等を目的とした係留施設等。具体的な内容は、防波堤、一般桟橋、燃料桟橋、消波堤防、接続施設等 |
揚陸施設 | 緊急時の揚陸、輸送、訓練等のための救難機やエアクッション艇等の揚陸施設 | |
仮設桟橋 | 施設整備に必要となる資機材等を搬出入するための仮設の桟橋 | |
仮設施設 | 仮設宿舎、仮設沈砂池、仮設プラント | ― |
月間工事作業予定
飛行場施設
【滑走路】
・伐採工事(伐採樹木のチップ化を含む)
・造成工事
飛行場関連施設
・一体として伐採工事(伐採樹木のチップ化を含む)、造成工事を行う他、以下の工事を実施。
【駐機場等施設】
・造成工事
【格納庫】
・造成工事
【飛行場支援施設等】
(管制塔)
・基礎工事 ・本体工事
(通信局舎)
・基礎工事
(飛行管理棟)
・本体工事
(ユーティリティ施設)
・造成工事
・基礎工事
【貯蔵関連施設】
(航空機燃料タンク)
・造成工事
・基礎工事
港湾施設
【係留施設等】
(防波堤)
・基礎捨石工事
・本体工事
(一般桟橋)
・本体工事
(燃料桟橋)
・本体工事
(消波堤防)
・本体工事
(接続施設)
・基礎捨石工事
・本体工事
【仮設桟橋】
・本体工事
仮設工事
・仮設宿舎工事
・仮設沈砂池工事
・仮設プラント工事
環境保全措置等予定
環境保全措置
・陸域動物(オカヤドカリ類等)移動
※オカヤドカリ類については、改変区域内のオカヤドカリ類を採捕し、改変区域外の海岸部に移動します。(林緑部や砂浜等)
事後調査(※1)
・陸域動物調査
※陸域動物の移動後の生息状況調査、改変区域周辺の池や河川の水生動物の生息状況・水質調査、ノスリの生息状況調査、シカの生息状況調査
・陸域植物調査
※陸域植物の移植後の生育状況調査、植物(重要な種)の生育状況調査、植生の状況調査
・海域動物調査
※サンゴ類の移植先での生息状況調査、底生動物の生息状況調査、底質(一般項目)調査、魚類の生息状況調査、潮間帯生物の生息状況調査、サンゴ類の生息被度・生息状況・分布範囲調査
・海域植物調査
※海藻草類の生育被度・生育状況・分布範囲調査
環境監視調査(※1)
・陸域/海域における水質調査
※濁度及び浮遊物質量の調査
(※1)
事後調査:事業の環境影響評価に係る選定項目としたもののうち、環境への影響の重大性に応じ、工事中及び供用後の環境の状態を把握するための調査
環境監視調査:事後調査の対象ではない項目について、事業の実施による周辺環境への影響の程度を把握し、その結果に基づいて適切な環境保全措置を講じることを目的に、工事中及び供用時に自主的に実施する調査
(※2)
大気質/騒音/振動調査については四半期に一度実施
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