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防衛省報道官の記者会見 T-4練習機の墜落事故などに関する質問に回答(5月20日)

  • 日本の防衛

2025-5-23 07:25

 令和7(2025)年5月20日(火)16時00分~16時21分、安居院公仁(あぐいん・きみひと)報道官は、防衛省A棟10階記者会見室において報道官会見を行った。
 報道官からの発表事項はなく、以下のとおり記者との質疑応答が行われた。

記者との質疑応答

5月14日に発生したT-4練習機の墜落事故について

記者
 T-4練習機の墜落の関係でお尋ねします。これまで捜索活動において発見されたもの、いくつか紹介していただいているのですけれども、新たに見つかったもので御紹介していただけるものがあれば教えてください。

報道官
 5月14日に発生いたしました、航空自衛隊のT-4練習機の墜落につきましては、依然として、搭乗員2名が行方不明でございまして、警察・消防とともに、現在も現場周辺の捜索活動を行っているところでございます。
 既に防衛大臣からお答えさせていただいているように、これまでに、座席シートの一部らしきもの、それからエンジンと推測されるもの、それから機体らしきもの、それからタイヤなどを確認したところでございます。これら以外にも、捜索活動において、回収したり、水中で目視確認したりしたものがございますが、今後の事故調査にも影響を及ぼしかねないため、現時点で新たに公表できる内容についてはございません。
 また、16日の捜索活動におきまして、搭乗員と思われる体の一部を発見及び収容いたしまして、航空自衛隊小牧基地に搬送いたしました。現在、関係機関と所要の確認を行っているところでございまして、これ以上の詳細については、お答えを差し控えさせていただきます。
 また、本日の自衛隊の部隊の活動状況でございますけれども、人員約700名、航空機2機態勢をもって、地上、水上及び水中の捜索活動を実施しておりまして、引き続き、捜索活動に全力を尽くしてまいります。

記者
 関連して、現場での空自の広報の方等の対応によりますと、なかなか捜索が難航しているというふうにも伺っています。原因としては、農業用のため池なので、泥だという話もあるんですけれども、実際に報告で上がってきている捜索が難航している理由というのはどのように分析されているのでしょうか。

報道官
 現地での捜索が難航しているとの報告は特に上がってきておりません。先ほどお伝えしたとおりでございますけれども、人員約700名、航空機2機態勢をもって、地上、水上及び水中の捜索活動を実施しておりまして、引き続き、捜索活動に全力を尽くしてまいります。
 他方、入鹿池の水中捜索におきまして、泥が確認されていることは事実でございますけれども、そのこと自体が捜索活動を難航させているとは認識していません。

記者
 関連で、今自衛隊の捜索拠点は、入鹿池周辺の地元の博物館の明治村を借りる形で使われているかと思います。明治村は21日まで捜索活動の対応のため休業というふうになっていますけれども、今後まだ捜索も続くと思いますが、その調整はどのようになっているのか。自衛隊の捜索拠点を、例えば移動するとすれば、検討されている場所などがありましたら教えてください。

報道官
 現在、博物館明治村の方に御協力いただきまして、自衛隊の捜索活動の拠点を設置しておりますが、5月22日以降の活動拠点については、引き続き調整中でございます。

国際防衛・安全保障展示会「DSEI JAPAN」について

記者
 明日から始まる「DSEI JAPAN」なんですけれども、こちら実行委員会が主催ということになっているんですけれども、「DSEI JAPAN」のホームページにはですね、その実行委員会がどういう団体なのか、どういう組織なのかっていうのが全く掲載されていないんですよ。実行委員会のホームページ自体は、もちろん存在しないんですよね。西元次官らがやってらっしゃるって話は聞くんですけれども、具体的にそういう話が全くない中で、防衛省とか警察庁とか、経産省が後援しているっていうと、かなり不透明な印象を受けるんですけれども、これいかがでしょうか。

報道官
 お尋ねのDSEIの件でございますけれども、こちらに資料がございませんので、担当課の方にお問い合わせいただければと思います。

記者
 その関連なんですけれども、実は某ミリタリー雑誌の編集長からパスが出なかったと。何でという話になるわけですけれども、防衛省も警察庁も海保も取材している雑誌が何でパスが出ないのかと、それじゃパスが出ないってどういう基準で決めているのかと、前回の「DSEI JAPAN」ではですね、ある業者さんが全く入れなかったと、別に自衛隊、防衛省、海保、警察に納入している普通の業者さんで、例えば、入札妨害したとかね、収賄したとかそういう不祥事があるわけでもないけれども、何で入れなかったのか、その取引先のアメリカの出店社が頼んでも、それは許可されなかったと。
 なんでそういうことなのっていうと、危なくて取材の予定を組んだりとか、ビジターとしての行く予定が組めないし、例えば、ホテル取って入れなかったら、これキャンセルですからね。そういう責任の所在はどこにあるのかっていうと、元々やってるクラリオンというイギリスの会社なのか、「DSEI JAPAN」なのかという、そういう責任の所在すら分からないっていう状態なんですよ。
 こういうのはやっぱりその公的な官公庁が後援しているイベントでね、大変問題だと思うんですけれども、それはどういうふうにお考えでしょうか。

報道官
 今、お尋ねのありました入門の許可等々については、私のところでは承知しておりませんので、事務局等々にお問い合わせをいただければと思っております。問題意識はよく分かりました。

T-4墜落事故の賠償や重大性などについて

記者
 T-4の関連に戻ってしまって恐縮なんですけれども、今日の大臣の朝の会見で、水質調査に関して、19日に契約を結んだというような御発言がありまして、他にですね、周辺施設への補償であったりとか、地元への対応などについて、現時点で他に検討しているものなどがありましたら教えていただきたいというのが1点とですね、もう1点、今回の事故、住宅密集地や観光施設の近くで墜落したっていう点について、海上に墜落する事故とは重大性が異なるなど、何か受け止めがありましたら教えていただきたいと思います。

報道官
 まず補償の話でございますけれども、今般の事故によりまして、損害を被った方に対する賠償につきましては、まず所要の調査を行った上で、関係法令に基づいて適切に対応していく考えでございます。
 それから、海上に墜落する事故とは重大性が異なるのではという御質問でございましたけれども、今般の事故原因につきましては、現在調査中ではございますが、一般に自衛隊機の事故は、それぞれの背景それから事情が異なるものでございますので、一概に比較することは困難であることを御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、飛行の安全を確保して航空機を運用することは当然の大前提でございまして、引き続き、今般の事故原因の究明を進めるとともに、安全管理の一層の徹底を図り、同種の事故再発防止に取り組んでいく所存でございます。

C-17大型輸送機に関する中谷防衛大臣の発言について

記者
 3月14日の大臣の会見での発言に関しては、しつこく聞いていきますけれども、これは全く問題がないというお答えを事務方の方からいただいてるんですよ。
 大臣の件の発言がですね、事実もう既にアメリカではC-17は製造を中止でですね、部品も含めて全く調達ができていない状態にあると聞いておりますというお話なんですけれども、これって中学生レベルの常識があれば、飛行機の消耗品造ってなくて、運用できるわけないじゃないか、これ自明の理だと思うんですけれども、なんでこれが訂正できない、またこの聞いておりますって、これ誰に聞いたんですか。これは空幕の関係者、例えば空幕長なのか、誰に聞いたんでしょう。

報道官
 御指摘の件は3月14日と18日の大臣会見と承知しておりますが、会見における中谷大臣の発言を整理させていただければ、C-17につきましては製造してないと承知している。運用中のC-17の維持整備に必要な部品を調達することはあると認識しているとの趣旨を述べたものと考えております。
 いずれにいたしましても、御指摘の細部につきましては、担当課の方にお問い合わせしていただければと思います。

記者
 すみません、担当の方に聞いても、同じ話しか出てこないわけですね。14日の発言はそれで、18日の発言というのは、確認してみます、聞いたのは新しいものを造る上において、部品の供給を行っていないという話を聞いております。これは前回を踏襲してるわけですよね。
 対して、次の後段の発言では、当然メンテナンスというのは必要ですからね、現在の航空機調達に支障がないような程度の部品の調達というのはあると思います。これ、相反するお話されてるんですよ。
 これどっちを信用しなきゃいけないか、仮に後段の方の発言を採用するのであれば、それは14日の発言、これ間違ってましたよねというお話だと思うんですけれども、何でこんなシンプルな、単にこれは間違いでしたと言えば済む話を、なんで謝ったら死ぬみたいな感じで認められないんでしょうか。

報道官
 繰り返しになり申し訳ございませんが、中谷防衛大臣の発言を整理すれば、C-17は製造、新造されていないと承知しておりますし、運用中のC-17の維持整備に必要な部品を調達することはあると認識しているとの趣旨を述べたものと考えております。
 いずれにいたしましても、御指摘の細部については、担当課の方にお問い合わせいただければと思います。

記者
 これ、そのロジックが通用するんであれば、南スーダンの日報の時も、稲田さんも当時の陸幕長も、そんな日報は存在しないと言ったんですよ当初、後でしますと言ったわけですね。結局それは嘘ついてたんだっていうことで、稲田さんと陸幕長、これ辞任されたわけですよね。同じロジックだったら、これ辞任する必要ないじゃないですか。だって言い換えたんだもん。初めないって言ったけど、あるって私言ったじゃない。なんで、防衛大臣とか幕僚長が辞任する必要がある。これは同じロジックですよ。違いますか。

報道官
 御指摘の細部につきましては、担当課の方にお問い合わせください。

記者
 すみません、これ下衆の勘繰りかもしれないすけれども、14日の発言をですね、フジテレビの政治部のですね、鈴木記者と朝日新聞の田嶋記者がね、これそのまま引用して記事にしちゃってるんですよ。だから認めちゃうと、この記事自体がやっぱり信用性が低かったということになって、記者クラブとの関係で認められないってことなんじゃないすか。常識的に考えれば、これさっきも言ったように、中学生レベルで分かるロジックですよね。それを現場の記者が分からない。しかも、普通、記者がそういう記事を書いても、デスクが突き返しますよね。デスクが通しても、普通、整理とか校閲で突き返しますよね。少なくとも2、30年前の朝日新聞の校閲だったら、これ返してますよ。そういう話をね、そのまま記事にしちゃう。飛行機がね、その部品がなくても飛べるんだみたいな話をね、記事にしちゃう人たちが記者クラブ多いんじゃないですか。この件に関して記者クラブから防衛省にその発言違うんじゃないかっていう問い合わせ、いってないんですよね。
 でも、今回のT-4に関しては、大臣の発言が遺体をもの扱いしたと言って、詰め寄って、それで大臣が会見をもう1回開くことになったじゃないですか。僕はこの会見のログを読む限りでは、大臣の発言というのは、あくまで遺体かどうかが確認できないよ、らしきものだよというニュアンスで発言されてるわけで、別に遺体を侮辱するとかね、死んだ隊員に対して侮辱をするというようなね、そういうニュアンスは感じられないんですけれども、はっきり言えば、それはどう考える、感じるかとお気持ちレベルじゃないですか。お気持ちレベルの話に関しては、会見をもう1回やる。でも、事実関係で明らかにおかしい点に関しては、記者クラブは何も言わないし、防衛省の方も、いやそんなことありません、あれは発言は間違ってませんって言う。そういうこと言ってると、国民の信用を失うんじゃないですか。いかがでしょう。

報道官
 まず、御指摘の各社の報道につきましては、大変恐縮でございますが、各社に問い合わせをしていただければと思います。それから、5月16日の夕方の大臣の会見につきましては、まず搭乗員と思われる体の一部を発見及び収容した旨の公表の際に、発見時の状況が過度にあからさまにならないように、当初の搭乗員らしきものとの婉曲的な表現を用いましたが、より分かりやすい表現に修正いたしました。また、御遺体という発言につきましても、搭乗員と思われる体の一部が正しい表現でございまして、御遺体との表現は事実と異なることは撤回させていただいたところでございます。
 以上の発言訂正につきまして、その趣旨を丁寧に説明することを目的に、防衛省が判断いたしまして、改めて記者会見を行ったものでございますので、御理解いただければと思います。

記者
 それは分かるんですけれども、明らかに事実誤認の発言は訂正しない理由は何なんでしょう。だから、さっきも言ったように、その理屈が通じるんだったら、日報事件で稲田さんは辞任する必要はなかったわけです。ないって言ったけどあるっていう、後で分かった、その発言は二つでセットなんだから問題ないんじゃないかって話になるんじゃないですか。

報道官
 御指摘の記者会見における発言の訂正につきましては、事実関係等を総合的に判断して行ってまいりたいと思っております。

記者クラブや大臣会見の問題点について

記者
 関連して、記者クラブの問題でお伺いしたいのですけれども、そういう問題をね、記者クラブの方々、お気持ちの問題を大事なことだと言ってらっしゃるんですけれども、その一方でね、例えば毎日新聞は2年前の陸自の銃撃事件の時に、あたかも自衛隊がね、既存の病院の患者のね、手術をね、キャンセルさせて、自分のとこの隊員の手当てを手術優先させたみたいな記事書いてるわけですよ。これって、よく読めばそれはそうじゃないと分かるのだけれども、非常に印象を受けますよねっていう記事を書いてるわけですよ。
 そういう人たちがね、その大臣の発言の、はっきり言えば、僕から見ればどうでもいい話をね、それは感じる人はいろいろいるでしょうけれども、事実か事実じゃないかって話ではない話をあんまり問題にするっていうのはどういうことかっていう問題と、あと逆にですね、大臣の会見で、ずっとこれ防衛省でやってらっしゃると思うのですけれども、事前に記者が質問を提出して、官僚がその回答を書いて、大臣が読み上げる、こういうのを世界中でやってるとこ日本しか僕ないと思うんですけれども、これ普通で当然の記者会見の在り方だと思われますか。
 そういう事前に問題を提出して、それを官僚が書いて、それを読み上げるだけ。逆に言うと、その大臣がそういう、その生で受け答えをすれば当然ね、言い間違いをするとか、至らない発言ってあるかもしれないけれども、それはあんまりこう針小棒大で騒ぎ立てるとね、全部初めからもう回答はね、質問は全部書面で出してください。それを読み上げて回答しますっていうのが一番安全になってしまうんじゃないかと。
 それって逆に、今後中谷さんがどうこう言うつもりはありませんけれども、大臣会見が非常に不活性化するんじゃないですか。それはもう幕僚長の会見も同じだと思うんですけれども、そういう危険性はないですか。

報道官
 御指摘の事前に質問をいただくということにつきましては、今この場で言及することは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊としては、適切な情報発信に努めてまいりたいと思っております。

T-4練習機の後継機や稼働率について

記者
 T-4に関して言うと、そもそも論で言うと、T-4をかなりもう、採用されてから長い年月が経っていて、ずっと後継機種の問題が出ては消えて、放置されてきたと、結果として、そのフライトレコーダーも積んでいないような有様で、かなり飛べる機会も減っていると、稼働率もすごく落ちていると、これらの稼働率を公開するというような意思が防衛省はございますでしょうか。

報道官
 すみません、もう一度お願いします。

記者
 稼働率をどの程度、例えばその稼働率が30%なのか、60%なのかとかっていう話をですね、公開するという、例えばアメリカではそういうことを公開しているのですけれども、逆に言うと、そういうことを今までずっと手のうちは明かさないと言って公開してこなかったわけですけれども、そういうことを公開することがね、秘密保持とかっていうよりも、国民に自衛隊の現状を知らせるという意味ではね、利益があることではないでしょうか。どうでしょうか。

報道官
 まず、現時点におきまして、T-4練習機の後継機の具体的な取得計画につきましては決定しておりませんが、防衛力整備計画については、中等練習機の後継機及び関連するシステムの整備などを実施することとしておりまして、現在防衛省において取得の在り方を含めまして、パイロットの最適な育成の在り方を検討しているところでございます。
 重要なことは、運用上の要求を満たす機体を取得することでございますので、これからの航空自衛隊の練習機に求められる機能・性能を実現するとともに、競争力のある防衛産業の構築という観点も踏まえまして、後継機の検討を深めていく考えでございます。

記者
 今後、自衛隊機の稼働率、自衛隊に限らず主要装備の稼働率に関して、公開していくというようなお考えはないということでよろしいでしょうか。

報道官
 詳細につきましては、担当課の方にお問い合わせください。

(以上)

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