航空自衛隊、隊員の大切にすべき価値観「コア・バリュー」を発表(7月11日)
- 日本の防衛
2025-7-15 12:00
航空自衛隊は令和7(2025)年7月11日(金)、隊員の「考え方」「働き方」の基礎となる価値観を明文化するための「コア・バリュー(大切にすべき価値観)」を制定したことを発表した。
内容は以下のとおり。
コア・バリュー(大切にすべき価値観)の制定について
航空自衛隊は、隊員の「考え方」「働き方」の基礎となる価値観を明文化するため、「コア・バリュー(大切にすべき価値観)」を制定しました。誠実、即応、挑戦という3つのバリューを通じ、隊員一丸となり使命の完遂に努めてまいります。

【解説】
1 コア・バリュー制定の背景
隊員は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、エアマンシップを発揮して任務の完遂に努め、もって国民の負託に応える必要がある。創隊70周年という節目に際し、改めて我々の使命に向き合うとともに、70年の歴史とこれからの未来を俯瞰(ふかん)する視点からエアマンシップの中核となる本質的価値観を整理し、コア・バリューとして制定した。隊員それぞれが各バリューを理解し、実践していくことを通じて、強さと優しさを兼ね備えた組織を造り、もって使命の完遂に資することを望む。
2 各項目の解説
(1)誠実
隊員は皆、空の守りと宇宙空間の安定利用を担うプロフェッショナルであり、平素及び有事における我々の働きは国家の存立を全うし国民を守るために欠くことができないものである。たとえ命の危険が伴ったとしても、我々は一身の利害を超越し職務遂行に当たらねばならない。このことは、決して変わることのない実力組織の本質といえる。
そのような責務を担う我々にとって、その精神的要素の最も本質的なものは、隊員一人ひとりが任務に正しく真心をもって向き合っていく姿勢にあり、その体するところである「誠実」こそ、隊員が保持すべき価値観の第一に掲げられるべきものである。
(2)即応
我々は、1958年に開始した対領空侵犯措置において実に3万回以上もの緊急発進を行うとともに、東日本大震災など幾多の災害や事故に際しては迅速な救援活動を行い、我が国の主権と国民の生命・財産を守り抜いてきた。
我々がその真価を発揮するには、航空防衛力の持つ即応性、機動性といった独特の性質を最大限に発揮することが重要であり、そのため先人たちは、常にあらゆる事態に備え、速やかに対応してきた。その姿勢が体するところの「即応」は、我々がしっかりと継承し、変わらない価値観として発展させるべきものである。
(3)挑戦
宇宙領域は文字どおり無限に広がるフロンティアであり、従来領域にあっても新たな技術の活用など、誰も直面したことのない課題に対し我々は果敢に取り組んでいく。我々は今後も絶え間なく、技術の進歩とこれに付随する諸課題に挑み続けていかなければならない。
このように、未来に向かって我々が体現していくべき価値は、不確実なものに対しても力強く立ち向かっていく姿勢にあり、その体するところである「挑戦」こそ、隊員が保持していくべき価値観である。
【普及のためのロゴ】
コア・バリュー(大切にすべき価値観)を広く普及するため、下図のとおりロゴマークを制定する。

(解説)
背景は、制服の色をモチーフにした濃紺を基調とし、水平線をイメージした円弧を下部に配することで黎(れい)明を示すとともに、広大な宇宙空間と太陽光に照らされ輝く大気圏を想起させ、我々の活動領域を示唆するものである。図柄は、帽章の図を中央に配置し、これを取り囲むように三つのバリューを示す三つの円弧を描くことで、三つのバリューが常に我々と共にあり、任務遂行を支えていることを示している。
(以上)
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