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[国会答弁]能登半島地震時における孤立集落へのドローン配送の事実関係についての国会答弁

  • 日本の防衛

2025-6-3 12:30

 防衛省は令和7(2025)年5月30日(金)、同日付けの「能登半島地震時における孤立集落へのドローン配送の事実関係に関する質問に対する答弁書」について以下のように閣議資料を公表した。

 これは、第217回国会(常会)において、5月19日(月)に浜田 聡(はまだ・さとし)参議院議員が提出した質問主意書に対する答弁書であり、質問主意書によると令和6年能登半島地震で実施された孤立集落への薬のドローン配送に当たり、自衛隊が特定事業者に利益供与をした疑いがあるとしている。
 中にはドローン事業者が複数加盟する「一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(以下、JUIDA)」の参与で元陸将補である嶋本 学(しまもと・まなぶ)氏による自衛隊への働きかけの有無についての質問も含まれている。

 質問主意書及び答弁書を以下に転載する。

能登半島地震時における孤立集落へのドローン配送の事実関係に関する質問主意書

質問主意書 資料出典:防衛省
質問主意書 資料出典:防衛省
質問主意書 資料出典:防衛省
質問主意書 資料出典:防衛省
質問主意書 資料出典:防衛省

参議院議員浜田聡君提出能登半島地震時における孤立集落へのドローン配送の事実関係に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「JUIDAの能登半島における活動」に関し、「自治体」から「何らかの要請があって行われた」か否かについては、政府としてお答えする立場にない。また、御指摘の「自衛隊など」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、令和六年能登半島地震に当たり、防衛省・自衛隊においては、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十三条に基づき、災害派遣活動を適切に実施しており、「JUIDA」との間でも必要な被害情報等を共有していたが、これまでのところ、具体的な要請については確認できなかった。

二について

 御指摘の「利益供与」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねにお答えすることは困難であるが、一についてでお答えしたとおり、令和六年能登半島地震に当たり、防衛省・自衛隊においては、自衛隊法第八十三条に基づき、災害派遣活動を適切に実施している。

三について

 民間事業者が管理するウェブサイトの記載内容について、政府として逐一お答えすることは差し控えたいが、一についてでお答えしたとおり、令和六年能登半島地震に当たり、防衛省・自衛隊においては、自衛隊法第八十三条に基づき、災害派遣活動を適切に実施している。

四について

 民間事業者が管理するウェブサイトの記載内容を前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたいが、一についてでお答えしたとおり、令和六年能登半島地震に当たり、防衛省・自衛隊においては、自衛隊法第八十三条に基づき、災害派遣活動を適切に実施しており、具体的には、関係省庁や関係自治体等と緊密に連携し、現地の状況に応じて自衛隊の航空機、車両、小型無人機等の輸送手段を適時適切に判断しながら、物資輸送を行ったものである。

五の1及び3について

 御指摘の「西保コミュニティーセンター等の災害時の避難所や支援物資拠点にドローンで物資を届ける際、物資を届けるドローンの着陸場所の安全確保のためにあらかじめ誘導員が派遣されていること」については、これまでのところ、確定的に「政府が把握している内容」はなく、また、民間事業者における活動であり、政府として見解を述べることは差し控えたい。

五の2について

 御指摘の「誘導員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第百三十二条の八十五第一項各号及び第百三十二条の八十六第二項各号の規定に基づき、同法第百三十二条の八十五第一項各号に掲げる空域で無人航空機を飛行させる場合又は同法第百三十二条の八十六第二項各号に掲げる方法によらずに無人航空機を飛行させる場合にあっては、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であって国土交通大臣の許可又は承認を受けた場合等を除いて、飛行に当たって補助者の配置等の立入管理措置を講ずる必要があることとされているが、同法第百三十二条の九十二の規定により、都道府県警察その他の者が捜索、救助その他の緊急性がある目的のために行う無人航空機の飛行については、同法第百三十二条の八十五第一項及び第百三十二条の八十六第二項の規定は適用しないこととされている。

(以上)

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