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防衛大臣が記者会見 イスラエル・イラン問題、無人機・AI活用などについて回答(6月17日)

  • 日本の防衛

2025-6-19 09:30

 令和7(2025)年6月17日(火)09時13分~09時23分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は防衛省A棟10階会見室において閣議後会見を行った。
 大臣からの発表事項はなく、記者との質疑応答が行われた。内容は以下のとおり。

大臣からの発表事項

 なし

記者との質疑応答

イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中東情勢について

記者
中東情勢に関して伺います。イスラエルとイランの攻撃の応酬が続き、攻撃対象がエネルギー施設や政府機関に拡大するなど交戦が激化しています。大臣は先週13日、在留邦人の安全確保の観点も踏まえ、情報収集等に最大限取り組むことなどを指示されました。収集した情報も踏まえ、邦人の国外退避のニーズがどの程度あるのかについての現状認識と、退避に向けた自衛隊機派遣の可能性、検討状況を教えてください。

大臣
現地時間でありますが、6月13日、イスラエルがイランの核関連施設等に対して攻撃を行い、そしてイランからもイスラエルに対して弾道ミサイル等による攻撃を行うなど、攻撃の応酬は今も続いており、双方に死傷者が発生しております。政府としましては、一連の攻撃に際し、イラン及びイスラエルの在留邦人に対して随時注意喚起を行うとともに安否確認を行ってきており、現時点において、邦人被害の情報には接しておりません。防衛省・自衛隊としても、13日、私から中東地域の在留邦人の安全を確保する観点も踏まえ、情報収集等に最大限取り組むこと、そして中東地域に派遣している隊員の安全確保を徹底をすること、との指示を発出をし、情報収集等に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。今後の自衛隊の活動については、現時点で予断をもってお答えすることは困難でありますが、引き続き、高い緊張感をもちつつ、外務省を始めとする関係省庁と緊密に連携をし、情勢の推移に応じて適切に対応してまいります。

無人機・AI活用の戦略等検討チームを防衛省内に新設との一部報道について

記者
防衛省内に、無人機やAIを活用した将来の戦闘方法などを検討するチームを新設したとの一部報道があります。事実関係と、どなたがトップに就いて、どのような議論を進めていくのか教えてください。また、無人機の活用方法や防衛産業に関する戦略、日米関係の課題について一体的に検討する方針等を決めたとの一部報道もありますが、この事実関係についても教えてください。

大臣
昨日、山形県の第6師団の神町駐屯地の視察をしたわけでございますが、既にですね、第一線部隊の普通科部隊においても、無人機とかですね、AIの機材等は導入をされておりまして、防衛省におきましては、複雑な安全保障環境を踏まえまして、現下の課題について対応をし、そして不断の検討を行うための対応を実施をしております。現時点におきましては、大臣官房長の下に、担当者を集めた内幕一体のチームを作ることといたしておりまして、4月28日に検討チームを作りました。具体的には、将来の戦い方の検討、そして日米関係上の課題、また、防衛産業戦略及び防衛装備移転推進の3つの課題を設定をし、それぞれの課題についてのチームを構築することとしており、順次、検討が行われるものと承知をしております。このチームの詳細につきましては、事務方にお問い合わせをいただきたいと思います。

安保関連の3文書の現在地と早期改定の必要性について

記者
安保関連の3文書についてお伺いします。自民党の木原稔安全保障調査会長は13日、自民党の会議で安保関連の3文書について、世界の情勢の変化によっては前倒しで計画を見直すことを視野に入れながら考えていかなければならないと述べ、改定に向けた早期の議論開始について言及しました。大臣は3文書の現在地について、どう評価されますでしょうか。また、現行の3文書が出来たときよりも安全保障環境が更に厳しさを増しているという指摘もございますけれども、早期改定の必要性について、どうお考えでしょうか、御見解をお願いいたします。

大臣
木原稔(きはら・みのる)自民党の安保調査会長が、関係者と先日防衛大臣室に来られまして、提言をいただきました。今回の御指摘の発言も承知をいたしております。戦略3文書に基づく防衛省の取組の状況について申し上げますと、この戦略3文書の最初の2年間に当たる令和5年度及び6年度において、スタンド・オフ防衛能力等の7本柱に基づきまして防衛力の抜本的強化を着実に進めてまいっております。そして最近では、例えば本年3月に統合作戦司令部が創設をされ、事態の推移、そして状況に応じた柔軟な防衛態勢をより一層迅速に構築をするということが可能となっております。現在、戦略の3年目となる令和7年度におきましても、引き続き、必要かつ十分な予算を確保しつつ各種取組を推進をしているほか、自衛官の処遇改善に係る関係閣僚会議で取りまとめられた基本方針に基づきまして、人的基盤の強化に係る施策に迅速に取り組んでまいっております。こうした我が国自身の努力に加えて、同盟国・同志国との協力・連携も推進をし、そして深化をしております。同盟国たる米国との間では、ヘグセス国防長官と防衛相会談を重ねまして、抑止力・対処力の強化に向けた議論を進めてきているほか、同志国との間では、5月末に開催されましたシャングリラ会合におきまして、OCEANの精神を提案をし、取組を進めていることといたしております。このように戦略3文書に基づく取組は、着実に進展をいたしております。その上で、防衛省としましては、国家安全保障戦略等に基づく防衛力の抜本的強化の取組、これは我が国を取りまく安全保障環境を踏まえて、必要な防衛力の内容を積み上げた上で行っているものでありまして、引き続き、これを着実に進めてまいる考えでございます。

記者
今のNHKさんの質問に関連なんですけれども、安保3文書について、直近では中国空母がですね、第2列島線を越えたり、またイランとイスラエルとかですね、かなり当時の策定状況とは状況が変わってきていると思うのですけれども、そのあたり前倒しではないとしてでもですね、改定を早める必要性みたいな、そういう御認識のところを改めて、大臣個人のお考えで構わないので、お聞きできますでしょうか。

大臣
基本的な方針は変わっておりません。現時点におきまして、3文書を前提にですね、整備を行っておりまして、現時点で前倒しで見直すという考えはありません。この国家安全保障戦略等に基づく防衛力の抜本的強化の取組、我が国を取り巻く安全保障環境を踏まえて、必要な防衛力の内容を積み上げた上で行っているものでありまして、一応5年計画の中の3年目にまいってきておりますので、引き続き、これを着実に進めてまいりたいと考えております。

(以上)

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