小泉防衛大臣が記者会見 へグセス米戦争長官との電話会談や中国軍機のレーダー照射事案について(12月12日)
- 日本の防衛
2025-12-16 10:47
令和7(2025)年12月12日(金)08時38分~08時43分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、国会議事堂本館閣議室前において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
本日6時頃から約40分間、アメリカのへグセス戦争長官との電話会談を実施いたしました。12月6日に沖縄本島南東の公海上空で発生した、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射という危険行為や、それに続く中国、ロシアの共同飛行を含め、急速に厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障情勢について率直な意見交換を行いました。
私からは、我が国として、我が国周辺海空域における警戒監視活動を引き続き粛々と実施し、いかなる不測の事態にも冷静かつ毅然に対応していく旨を述べた上で、へグセス長官との間で、中国の行動は地域の平和と安定に資するものではなく、地域において緊張を高めるいかなる行為についても、深刻な懸念を表明するとともに、日米間で緊密に意思疎通し、連携していくことで一致いたしました。
また、年明けにヘグセス長官と対面での会談を行うべく、必要な調整を進めることで一致いたしました。今後とも、へグセス長官との緊密な連携を通じて、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化してまいります。
記者との質疑応答
中国軍機によるレーダー照射事案について
記者 :
レーダー照射問題についてお伺いします。10日の大臣の御発言に対し中国側は、日本側は事前通告を受けていなかったと主張していたが、今は事前通告を受け取っていたと認めている。矛盾している。などと主張しています。中国側の反応に対する大臣の受け止めと、今、冒頭でもありましたが、へグセス長官やイタリアの国防相、NATOのルッテ事務総長との電話会談を重ねていらっしゃいますが、改めて国際社会にですね、どのように訴えていくお考えかお聞かせ下さい。
大臣 :
私は一貫して、中国側から、ノータムや航行警報を含め、どのような空域において訓練を行うのか、といった具体的な情報はもたらされていなかったということを説明してきており、事前通報の説明について「矛盾している」との中国側の主張は当たりません。また、訓練に関する事前通報の有無にかかわらず、我が国の領空の保全と国民の生命財産を守るため、領空侵犯のおそれがあると認められた場合には、戦闘機を緊急発進させて対応することは当然のことです。
いずれにせよ、本件における問題の本質は、我が方が対領空侵犯措置を適切に行う中において、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったこと。これが本質であります。これは明らかに、航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為であります。
今般の事案について、我が国政府の立場について各国の理解を得ることは極めて重要であり、これまで、御指摘のイタリアのクロセット国防大臣やNATOのルッテ事務総長とビデオ会談を行ったほか、先ほど申し上げたように、アメリカのヘグセス長官とも意見交換を電話で行ったところであります。
国際社会に対しては、我が国の立場や考えを適時適切に説明・発信していくとともに、中国側に対しては、再発防止を厳重に求めていきたいと思います。同時に、これは繰り返し申し上げておりますが、先般の日中防衛相会談で私から董軍国防部長に対して伝えたとおり、日中間では、具体的かつ困難な懸案から目を背けず、むしろ懸案があるからこそ、率直な議論と意思疎通を粘り強く重ねることが必要不可欠であります。
防衛省としては、我が国周辺海空域における警戒監視活動に万全を期していくとともに、引き続き、防衛当局間においても、しっかりと意思疎通をしてまいりたいと思います。
記者 :
レーダーの関連で伺います。中国側は音声を出してきていますけれども、先日の自民党の会合などではエビデンスをですね、時系列で整理して、国際社会に発信すべきというような主張も出てきています。大臣、防衛省として、日本側としてデータであったり、音声データ、物的証拠を出していくお考えというのはあるのでしょうか。
大臣 :
これは必要な情報提供・情報開示は適時適切に行うのは当然のことだと思います。そして、それを今やっております。本事案の発生以来、自衛隊の運用に支障を生じないことを確認した上で、適時適切に情報を開示しながら、中国側の主張への反論も含め、我が国の立場を丁寧に発信してきています。また、国際社会に対しても広く我が国の立場を発信する観点から、英語での発信にも力を入れており、10日の私の臨時会見のやり取りは、当日中に英訳をして発信をいたしました。
そしてまた今、様々あちらが音声などを公開しているという話がありましたが、最初の質問でお答えをしたとおり、今回のレーダー照射事案、このことについての問題の本質というのは、やはり中国側が約30分間にわたって断続的なレーダー照射を行ったこと、ここがやはり国民の皆さんにも事の本質、この問題の本質は何なのかということを決してずらされることなく、一貫して説明をすることの必要性を感じています。ですので、それについて決して何が今回の問題の本質なのかということについての、必要な情報提供・情報開示が大事なのではないかなと思っております。
記者 :
冒頭に発言がありましたけれども、へグセス長官との年明けの対面での会談というのは大臣が訪米するという理解でよろしいでしょうか。
大臣 :
そうです。
(以上)
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