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内倉統合幕僚長が定例会見 令和7年の統幕の活動を振り返り、安全保障環境や自然災害などに言及(12月18日)

  • 日本の防衛

2025-12-22 11:05

 防衛省 統合幕僚監部は令和7(2025)年12月18日(木)、内倉浩昭(うちくら・ひろあき)統合幕僚長が同日に行った定例会見の概要を以下のように公表した。

統合幕僚長-定例会見にて 12月18日(木)

 本日が今年最後の会見となりますので、今年一年の統幕の活動の振り返りをさせていただきたいと思います。

 まず、世界情勢に目を向けますと、国際秩序が揺らぎ、不安定要因が交錯しております。また、「大国間競争」と呼ばれる戦略的競争と経済面での相互依存、この二つが併存する複雑な国際関係が浮き彫りになりました。
 我が国を取り巻く安全保障環境も、かつてない厳しさと複雑さに直面しております。その一例として、中国による周辺海空域における活動の拡大・活発化、ロシアによる北方領土を含む活発な活動の継続、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射が確認されています。更には、我が国周辺での中国とロシアの連携強化、ウクライナ侵略を通じたロシアと北朝鮮の連携強化も確認されています。
 また、先週、青森県東方沖で発生した強い地震と北海道・三陸沖後発地震注意情報にみられるように、地震、台風、線状降水帯による大雨、林野火災など、多様な自然災害が発生し、防衛力の抜本的な強化に加え、災害対応を含めた複合的なリスク対応能力の重要性を認識させられる一年となりました。

 こうした中、3月に統合作戦司令部が創設され、陸、海、空に加えサイバー、宇宙領域を含めて、平素から一元的に運用できる体制が整えられ、領域横断作戦能力を高める基盤が築かれました。発足以降の約9カ月間、情報収集、警戒監視などの任務に万全を期すことはもとより、自然災害等に即応し、実効的な統合運用を実践し続け、「常設の統合司令部」の意義・重要性を結果で示してくれました。
 統合幕僚監部におきましても「統合運用体制の最適化と実効性向上」を目標に掲げ、“I”(アイ)で始まる五つの柱、Integration(一体化)、Interoperability(相互運用性)、Inter-connectivity(連結性)、Intensity(強度)、そしてInnovation(変革)これらを常に意識し、率先して行動することで、我が国の防衛、地域の平和と安定、さらには望ましい安全保障環境の創出に資するため、私、幕僚長レベルから担当者一人ひとりに至るまで、重層的にその任務を果たしてまいりました。

 統合幕僚監部は、来年も統合作戦司令部と一体となり、統合運用体制の最適化と実効性の向上を図りながら、安全保障の諸課題に冷静かつ毅然と向き合い、国民の皆様の負託にお応えできるように力を尽くしてまいります。
 併せて、同盟国、同志国と一層の連携を図りながら、我が国の平和と安全、そして自由で開かれたインド太平洋の実現に寄与してまいります。

(以上)

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