[国会答弁]領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問答弁
- 日本の防衛
2025-12-25 10:00
防衛省は令和7(2025)年12月23日(火)、第219回国会臨時会)における閣議資料のうち、松原仁(まつばら・じん)衆議院議員が提出した「領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問に対する答弁書」を報道に公開した。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
令和7年12月11日提出
質問第162号
領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問主意書
提出者 松原仁
領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問主意書
欧州各地において、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができる無人航空機(以下「無人機」という。)を用いた、極めて危険性の高い挑発行為が頻発しているものと承知する。本年9月9日から10日にかけ、ロシア所属とみられる複数の無人機がポーランドの領空を侵犯し、同国は同盟国の支援の下、4機を撃墜した。当該領空侵犯事案について、ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、「第2次世界大戦以来、最も開戦に近づいた」と指摘した。また、ルーマニア政府は、本年9月14日、ロシア所属の無人機が領空を侵犯した旨を発表した。さらに、本年9月及び10月、ドイツ、デンマーク及びノルウェーの空港周辺で、複数の無人機が目撃されたことを理由に、空港が一時閉鎖される事態が発生した。
先に提出した「攻撃用無人機への対処に関する質問主意書」に対する答弁(内閣衆質217第332号)において、政府は、領空侵犯する無人機に対しては、正当防衛又は緊急避難に該当しない場合であっても武器を使用することができる旨の見解を示した。領空を侵犯した無人機は、他の航空機の安全な飛行を阻害する蓋然性が高い。よって、地上の国民の生命及び財産の保護並びに航空路を飛行する航空機の安全の確保のため、当該無人機に対しては、直ちに武器を使用して撃墜することを原則とすべきと考えるが、政府の見解如何。
右質問する。
答弁書
令和7年12月23日受領
答弁第162号
内閣衆質219第162号
令和7年12月23日
内閣総理大臣 高市早苗
衆議院議長 額賀福志郎殿
衆議院議員松原仁君提出領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出領空侵犯した無人機の撃墜に関する質問に対する答弁書
無人の航空機による領空侵犯が発生した際の我が国の対応については、個別具体的な状況にもよることから、一概にお答えすることは困難であるが、令和6年3月22日の参議院外交防衛委員会における田中防衛省統合幕僚監部総括官(当時)の「領空侵犯する無人機についてでございますが、例えば、そのまま放置すれば他の航空機の安全な飛行を阻害する可能性があるなど、我が国領域内の人の生命及び財産、又は航空路を飛行する航空機の安全の確保といった保護すべき法益のために必要と認める場合には、正当防衛又は緊急避難に該当しなくとも、自衛隊法第84条に規定する必要な措置として武器を使用することが許される」との答弁において示された考え方に変更はない。
(以上)
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