小泉防衛大臣が記者会見 沖縄での県知事、基地関連市町村首長などとの意見交換について言及(1月8日)
- 日本の防衛
2026-1-13 10:13
令和8(2026)年1月8日(木)19時00分~19時11分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、沖縄県庁1階ロビーにおいて臨時会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
本日は昨日に引き続き、基地関連市町村の皆様と意見交換をさせていただき、アメリカ軍基地をはじめとする防衛施設をめぐる諸問題について、合計11市町村の首長の皆様から直接私がお伺いをし、率直な御意見、様々な御要望等をいただきました。私からは、いただいた御要望をしっかり受け止め、基地負担の軽減が目に見える形で図られるよう、全力で取り組むことをお伝えしたところです。
特に、昨日は渡久地名護市長と久辺三区長の皆様に対し、地元において米軍機の離発着による騒音が問題となっているLZフェニックスについて、その閉鎖に向けて調整中である旨、お伝えしました。本件は、これまでも名護市から繰り返し御要請をいただいてきたものであります。引き続き、地元の皆様の声、思いにしっかりと応えられるよう、その実現に向けて更に努力していきます。
そして、先ほど玉城沖縄県知事と会談いたしました。玉城知事からは、基地に関する諸問題についての要望書を受け取った上で、PFOS等を巡る問題をはじめ、様々な問題について意見交換をさせていただいたところです。
今回の沖縄本島への訪問で、現場で実情を確認し、地元の皆様と現場の隊員の声を聞き、改めて沖縄の基地負担の軽減に向けて全力で取り組みつつ、南西防衛体制の強化についてもしっかりと進めていく。この両輪の取り組みを進める決意を強くしました。引き続き、防衛大臣としての職責をしっかりと果たしてまいります。
記者との質疑応答
中国軍機によるレーダー照射事案、厳しいスクランブル任務を担う隊員たちとの対話について
記者 :
本日、航空自衛隊那覇基地の視察の中で、先月、中国軍の戦闘機からレーダー照射を受けた隊員と面会をされたということですが、隊員の話の中で印象に残っていることや、あるいは中国側のこうした挑発行為に対して、自衛隊が対処する上で重要だとお考えのことを教えてください。
大臣 :
本日の部隊視察においては、先月発生した中国軍機による自衛隊機に対するレーダー照射事案で、実際に約30分間にわたり断続的にレーダー照射を受け、緊張が強いられる状況においても、冷静に任務を遂行したパイロット、そしてそのパイロットを支え続けた地上クルーとも懇談をしました。
隊員からは、当時の状況やそのときの思いについて直接話を伺い、私からはそのような状況においても冷静かつ毅然と任務を遂行してくれたことに感謝を伝えるとともに、これからも国民の命と平和な暮らし、そしてその基盤となる我が国の領土・領海・領空を守り抜くために任務に励んでほしいと激励をしました。
なお、私から隊員にどういったことを望むかと、世の中に届けたいことは何かありますかと、そういった問いかけもしました。そして、その隊員から言われたことは、やはり今、年間で約400回スクランブルをやっていますが、このスクランブルの隊員にとっての負荷、そして、それが与える心身ともに対する疲労・負担は、やはり大きなものなので、この当たり前になっているようなスクランブルを当たり前に思わないで、どれだけ今厳しい安全保障環境の中で、日々、24時間365日任務遂行しているかという、その一端でも世の中の皆さんに伝えてもらえたら、理解してもらえたらと、そういった思いを聞きまして、改めてその隊員の一人一人の崇高な任務を御理解いただかなければいけないし、私はその後、その隊員の御家族とも会いました。お子さんとも会いました。やはり家族やお子さんに対して、心無い抗議活動での声なども防衛大臣としては黙っているわけにはいきませんから、そういったことについても、引き続き、今日は関係団体の皆さんにも新たな声もいただきましたから、一つ一つですね。そういった心無い声に対しては、私自らもこのようなことを世の中の皆さんに共有をしていただいて、そういった心無い方ではなくて、応援の声がより自衛隊に対して、家族に対しても、広がっていくような社会に変えていかなければいけないと、その思いを新たにしたところであります。
心から誇りに思います。
沖縄における自衛隊への抗議活動などについてどう考えるか
記者 :
今の発言とも関連するのですけれども、沖縄における自衛隊への抗議活動に対して、大臣は今おっしゃったように、心ない声であるとか、過度な抗議活動などと繰り返し表現し批判されています。沖縄において自衛隊に対して抗議活動がなされる背景には、先の大戦で凄惨な地上戦が繰り広げられた記憶が背景にあります。そのため、市民の抗議活動を批判するのではなく、自衛隊の活動に対して丁寧に理解を求めていくことが必要だと考えていますが、大臣は沖縄で自衛隊に対する抗議活動が起きる背景についてはどのように理解されているか伺います。
大臣 :
防衛省・自衛隊の様々な活動については、国民の皆様の中にも様々な御意見があると承知しており、反対の立場も含め、こうした御意見を持ち、それを表明すること自体を否定するものではありません。
また沖縄は、先の大戦末期において県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われ、軍民合わせて20万人もの多くの尊い命が奪われるなど、筆舌に尽くし難い苦難を経験されたと認識しています。
その上で、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、私が今回の出張でも出会った現場で活動する自衛隊員一人一人は、国民の命と平和な暮らしを守るために、また地域社会、国民と自衛隊相互の信頼をより一層深めるために、日夜様々な活動に懸命に取り組んできていることもまた事実であります。
こうした中で、今日隊員の皆さんの活動や家族を支える協力団体の方々から聞いた新たな声でありますが、昨年1月、那覇市の市立小学校で予定されていた航空自衛隊の音楽隊の演奏が、軍事的象徴が教育現場に持ち込まれるなどという反対によって、直前で中止になったことを聞きました。この小学校は、自衛隊員のお子さんも通われている学校であったと聞いています。私としては、こういった実情を聞いて、そして関係団体の皆さんから、こういった現実があるということを大臣から世の中に、そしてメディアの皆さんにも共有してもらいたいと。そういったことを受けて、このように今日はお話をさせていただいております。
また、平和な島に迷彩服はいらないとか、観光の島に自衛隊はいらないという心無い言葉が自衛隊員に向けられているとも聞いています。しかし、その平和を守るためには、自衛隊が不可欠であり、また観光が成り立つのは、自衛隊が24時間365日態勢で我が国周辺海空域の警戒監視をしているからに他なりません。また、平和な島、観光の島にも、いつ災害が起きるか分かりません。災害が起きたときに、人命救助や物資輸送を行うのもまた、迷彩服を着た自衛隊員であります。私が先頭に立ちまして、こうした理解を広めていくための情報発信を、引き続き、強化をしていきたいと思います。
玉城沖縄県知事との面会について
記者 :
就任後初めての沖縄本島訪問、玉城知事との面会となりました。冒頭御紹介ございましたが、改めて大臣から知事へ伝達したこと。また、知事から大臣への要望などやり取りがありましたら教えてください。また、改めて沖縄の基地負担軽減にどう取り組むか。自身の在任中で実現したいことや、従来の向き合い方から何か新しく変えたいことがあれば教えてください。
大臣 :
今回防衛大臣に就任して初めて玉城デニー沖縄県知事とお会いし、意見交換をさせていただきました。
知事からは、アメリカ軍基地に関する諸問題や沖縄県における防衛省・自衛隊の取り組み、そして、北谷浄水場の粒状活性炭の更新費用の補助をはじめとするPFOS等に関する問題などについて様々な御要望がありました。
防衛省からは、基地負担軽減に当たっては、嘉手納以南の土地の返還に必要な施設事業を着実に進めていくとともに、基地に関わる諸問題の解決に向けて努力を尽くすこと。また、沖縄県民の皆様を含む国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、南西地域の防衛体制と日米同盟の抑止力・対処力の強化をしっかりと進めていくこと。これをお伝えさせていただきました。
なお、北谷浄水場の粒状活性炭の更新については、令和元年度から5年度にかけて、同浄水場の設備改良事業に対し、防衛省が補助をするに当たり、当時から維持管理については、制度上補助対象とならない旨を沖縄防衛局から沖縄県に伝えております。その上で、県としては、そのことを御承知いただいた上で、当該事業を実施してきたと認識していますので、本日もその経緯に触れつつ、補助対象とすることは困難であることを改めてお伝えしました。
基地負担軽減に関しては、昨年11月に普天間飛行場代替施設における大浦湾側の埋め立て工事が開始されましたが、目に見える形での米軍再編をしっかり進めていくことが、防衛大臣としての私の職責であると認識しています。
また、沖縄基地負担軽減担当大臣である木原官房長官は元防衛大臣ですので、木原長官と協力しつつ、政府一体となって沖縄の基地負担軽減が目に見える形で図られるよう全力で取り組んでまいりたいと思います。
新しい取り組み、何かやりたいかということでありますが、私は就任以降、隊員一人一人のことだけではなくて、その家族の状況についても、毎回のように触れているのは、先ほど申し上げたような自衛隊員だけではなくて、その家族に対する心無いような声も、私は現実としてまだ一部ある中で、そういったことを変えていきたいという思いから申し上げていますし、視察をする度に各部隊で隊員とその御家族との時間を設けていること。協力団体との時間を積極的に設けて、その皆さんが求めることを率直にお話をいただいて、それをこのような機会で世の中にも届けるような情報発信についての新たな取組みは、これからも続けていきたいと思いますし、昨日今日の沖縄訪問で、改めてやらなければいけないと。そして隊員の皆さんからも隊員の皆さん一人一人が言えない日々の訓練がいかに過酷で、そして国防の任務がいかに崇高か。こういったことも私は積極的に伝えていきたいと思います。
(以上)
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