小泉防衛大臣が記者会見 政府系金融機関による防衛産業への投資制限撤廃など(5月19日)
- 日本の防衛
2026-5-21 09:09
令和8(2026)年5月19日(火)08時52分~09時01分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項
日本政策投資銀行(DBJ)による防衛分野投資制限撤廃
大臣 :
今日は冒頭2件あります。まず1件目でありますが、先日から国会等において、繰り返し申し上げてきたところですが、これまでにスタートアップ、ベンチャーキャピタル、インキュベーター、また防衛産業の方々との意見交換を重ねる中で、一部の政府系金融機関において、武器や武器関連製品の事業に対する投資に制限を設けているため、そのような機関から出資を受けたベンチャーキャピタルも、防衛分野に投資できない状況が生じているといった課題があると聞いておりました。
こうした声を受けて、今般、日本政策投資銀行(DBJ)において、国際条約で禁止される非人道兵器を除き、武器や武器関連製品の事業に対する投資の制限が撤廃されました。これは、我が国のスタートアップによる防衛分野への参入や、防衛産業の強化を後押しするものです。こうした取組が行われず、国内の投資家が防衛関連事業への投資に躊躇する状況が続けば、防衛関連の投資案件を担うのは外資系のみになり、防衛イノベーション・エコシステムの構築に影響が生じる懸念もありました。防衛大臣としてこの決定を歓迎するとともに、民間の声も踏まえ、迅速に御対応頂いたDBJの皆様に、心より感謝申し上げます。
防衛産業については、防衛事業を行うことで企業の評判が下がり、他の事業にも悪影響が出るといったレピュテーションリスクが依然として語られるなど、否定的な意見や見方もみられますが、こうした状況は変えなければなりません。防衛産業は、国民の命を守ることに直接つながる高い公共性を有する産業であること、また、国民生活にも役立つ新技術を生み出すことも含め、民生分野への波及効果等を通じて、我が国の経済成長にも寄与し得る産業であることといった、正しい理解を広げていくことが重要であると考えており、防衛省として、引き続き、情報発信を行ってまいります。他の金融機関や投資機関においても、スタートアップの防衛分野への参入や防衛産業の強化の後押しを、是非お願いしたいと思います。
5月20日の三菱重工業、プロドローン社視察予定
大臣 :
2件目でありますが、明日5月の20日、愛知県の三菱重工業とプロドローン社を訪問し、現場の取組について説明を受けるとともに、施設や製造の状況を視察する予定です。そのうち、三菱重工業の視察には、アメリカのグラス大使も同行される予定です。三菱重工業の視察は、ペトリオットミサイルの能力向上型PAC-3 MSEの生産力強化に資する具体的方策について、日米での検討を加速することを目的の1つとしております。厳しさを増す安全保障環境の中、日米が防衛産業協力を推進することで、サプライチェーンや開発・生産・維持整備基盤を相互に補完・強化していくことが重要であり、今回の視察は、両国の協力を深める良い機会になると考えています。
そして、プロドローン社は、航空法における第二種型式認証を取得した機体を開発・製造されており、今後、有人地帯での補助者なし、目視外飛行、いわゆるレベル4の飛行が可能となる第一種型式認証の取得に挑戦されるなど、無人航空機の分野での先進的な取組を行っていると承知をしています。私としては今、急速にこのラピッド・イノベーション・サイクルが回っているような無人機の世界で、日本が追いつくために、また世界一無人アセットを駆使する組織へと変革をするために、この防衛産業の現場の皆さんがどのような課題を感じておられるか、率直にお話をお伺いをすることを期待をしています。冒頭は今日は2件、以上です。
記者との質疑応答
陸上総隊演習(南西)と宮古島での日米共同訓練
記者 :
17日から始まった「陸上総隊演習」について伺います。今回、米軍が参加していますが、これまで日米共同訓練で米軍が参加していた石垣・与那国と違って、今回、宮古島で米軍が参加した理由について教えてください。同じ「陸上総隊演習」で、石垣駐屯地で88式地対艦誘導弾の展開訓練をする狙いは何でしょうか、教えてください。
大臣 :
お尋ねについては「陸上総隊演習(南西)」において、日米共同調整に係る能力向上を図る訓練を実施するに当たり、訓練目的の達成、参加部隊の状況、南西地域における日米共同調整所の開設実績等を総合的に検討し、宮古島駐屯地内において、日米共同の指揮所訓練を実施することとしたものです。
また、88式地対艦誘導弾は、我が国に侵攻してくる敵の艦艇に対処することを目的に、部隊配備・運用されているものです。こうした装備品の石垣駐屯地など南西地域への機動展開は、抑止力・対処力の実効性の向上を図り、あらゆる事態に対応するために重要なことであり、今後とも必要な訓練を着実に行ってまいります。
特定利用港湾(石垣港・平良港)の攻撃リスクについて
記者 :
今回の「陸上総隊演習」で、特定利用港湾に指定されている石垣港と宮古島の平良港が使用されています。これまでは純粋な民間港でしたが、自衛隊の訓練などで使用されることで、有事の際に敵国から軍民両用の港として認識され、攻撃対象になる恐れがあります。このリスクについて大臣としてどう評価しているかお聞かせください。
大臣 :
総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の取組においては、自衛隊・海上保安庁が平素から必要な空港・港湾を円滑に利用できるよう、これまで全国で24空港・33港湾を特定利用空港・港湾とし、民生利用を主としつつ、円滑な利用に資する整備を実施してきています。
その上で、自衛隊・海上保安庁は、これまでも特定利用空港・港湾の取組の開始以前から、石垣港、平良港といった民間の港湾を利用してきており、特定利用港湾となった後も、自衛隊・海上保安庁による平素の利用が大きく変化するわけではなく、そのことのみによって攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは考えておりません。むしろ、自衛隊・海上保安庁の航空機・船舶が、必要な空港・港湾を平素から円滑に利用できるように、政府全体として取り組むことは、我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力や、実際に対応するための対処力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、ひいては我が国、国民の安全につながるものだと考えております。
公務員の予備自衛官兼業特例法案について
記者 :
法案についてお伺いします。今日の衆議院本会議で、公務員が予備自衛官として活動しやすくする特例を設ける法案が採決される予定です。改めてなのですが、今の日本の防衛にとっての予備自衛官の重要性と、それから公務員による予備自のこの活動を容易にするメリットについて極めて大臣のお考えをお聞かせください。
大臣 :
予備自衛官・即応予備自衛官は、有事や災害に際しては、自衛官となって防衛力を急速に増強する役割を担う重要な存在です。このような予備自衛官等の職務の重要性から、今回の予備自衛官等兼業特例法案では、国家公務員・地方公務員が予備自衛官等の兼業を行う場合において、予備自衛官等になるときに、訓練や災害等の招集に応じることを含め、承認を受けることができるようにすること、承認を受けた職員が招集に応じている期間は、本来の職務専念義務を免除すること、訓練招集に応じた期間の本務の給与は減額しないことといった、国家公務員法などの特例を設けることといたしました。
本法律案により、予備自衛官等が招集される場合の各種手続きの簡易迅速化が図られるとともに、勤務時間を割いて招集に応じる場合も、職務専念義務が免除されることで、より招集に応じやすい環境が整備されるものと考えております。防衛省としては、本法律案を含め、予備自衛官等が招集に応じやすくなるような施策を着実に進め、その継続的・安定的な確保に努めてまいります。
嘉手納基地旧海軍駐機場問題の進捗
記者 :
米軍嘉手納基地の旧海軍駐機場で騒音や悪臭の問題が発生している件について、小泉大臣は金曜日の記者会見でスピード感を持って米側と協議を進め、早期解決を図るよう事務方に指示をしたと説明いたしました。米側との調整についてその後の進捗を教えてください。
大臣 :
先週金曜日の記者会見でも御説明したとおり、旧海軍駐機場の使用に係る問題について、スピード感を持ってアメリカ側との協議を進め、早期解決を図るよう、私から事務方に指示しており、アメリカ側とのやり取りの細部は、相手方との関係もあるためお答えを差し控えますが、しっかりと協議を行っているところです。防衛省としては、いかにして地元の皆様の御負担を軽減し、バランスを保っていくか、引き続きこのための知恵を絞って努力し続けてまいりたいと思います。
(以上)
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