荒井陸幕長が記者会見 カマンダグ26、南鳥島射撃訓練準備などに言及(6月9日)
- 日本の防衛
2026-6-12 09:00
陸上幕僚監部は令和8(2026)年6月9日(火)、公式サイトにおいて、同日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。
荒井陸上幕僚長からの発表事項は2点。カマンダグ26及びレゾリュート・ドラゴン26について発表が行われた後、記者との質疑応答が行われた。
陸幕長からの発表事項
カマンダグ26・レゾリュート・ドラゴン26への参加
幕僚長 :
本日、私から共同訓練に関し、2点、カマンダグ26及びレゾリュート・ドラゴン26について、お知らせをいたします。まず、6月15日から7月1日までの間、フィリピンにおいて、米海兵隊、フィリピン海兵隊等との実動訓練であるカマンダグ26に参加をいたします。本訓練では、第1空挺団や中央特殊武器防護隊等が参加し、空挺作戦に係る訓練、CBRN対処訓練等を実施し、これらの能力向上を図ります。
次に、6月20日から30日までの間、九州・沖縄県を中心とした自衛隊施設、在日米軍施設等において、米海兵隊との実動訓練であるレゾリュート・ドラゴン26を実施をいたします。本訓練では、西部方面隊等が訓練実施部隊となり、日米共同調整所の開設を含む指揮機関訓練及び島嶼防衛作戦を始めとする各種行動を演練し、日米の連携強化及び共同対処能力の向上を図ります。
陸上自衛隊は、これらの共同訓練を通じて、日米同盟及び同志国等との連携強化を図ってまいります。私からは以上です。
記者との質疑応答
レゾリュート・ドラゴン26とヴァリアント・シールド26の連携
記者 :
今おっしゃられたレゾリュート・ドラゴン、6月20日から30日まで、その後にアメリカインド太平洋軍主催の多国間演習ヴァリアント・シールド2026があると思うんですが、これ、それぞれ別個の訓練であると思うんですが、一部が相互に密接に連携していて、例えば奄美、鹿屋周辺で行われる共同統合対艦戦闘訓練といったように、一見バラバラにやっているようですけれども、陸幕長の目から見て、これはこういう点で連携があって重要だというところがあったら教えてください。
幕僚長 :
はい、お尋ねのありましたヴァリアント・シールド26との関係についてはですね、大きな関連性を、こういうふうに関係しているとか、というものについてはですね、運用上、あるいはその訓練上、相手国との関係もあるので、お答えを差し控えをさせていただきます。ただ、全般的にですね、このインド太平洋地域における各国との共同訓練についてはですね、できるだけ色々な関連性を持たしたりとか、というふうな流れはあるというふうに認識をしているところであります。
南鳥島での12式地対艦誘導弾射撃訓練の準備
記者 :
昨日、南鳥島での射撃場整備に向けて、12式地対艦ミサイルの発射機や無人偵察機をフェリーで運び出したと一部報道でありました。今回、射撃整備のための準備に向かっていると思うのですけれども、改めて南鳥島で射撃訓練を行う意義について陸幕長から教えてください。
幕僚長 :
はい、まずですね、今お尋ねのありました通り、陸上自衛隊では令和9年度以降、南鳥島から洋上に向けて地対艦誘導弾の射撃訓練を計画していることから、今年度については、この南鳥島における準備を行うため、関係する部隊等が昨日8日ですね、民間フェリーにて出航をしているところであります。
今般、南鳥島においては、今ご指摘のありました通り、来年度以降の射撃に向けて、射座等の整地、砲を置くところですね、地対艦誘導弾の装置を置くところ、これの整地。それから道路の整備等を予定しておりまして、12式地対艦誘導弾の演習弾射撃訓練を安全かつ確実に実施するための準備として実施をします。そして、実際に整備したこの射座等において装備品を実際に置いてみて、これがしっかりと射撃訓練に供するものかどうかとかですね、そういうものを確認をするということで実施をしているところであります。
この訓練の意義ですが、やはり、この地対艦誘導弾の射撃訓練というのは、なかなか国内ではできない、その国外で実施をしているところであります。やはり国外での射撃訓練と申しますと、例えば外国へ出す、あるいは帰ってくる時のための検疫等も含めてですね、やはり準備と時間がかかるということで、できるだけ国内で射撃ができるところを探しているところ、そこで自治体の方に説明をしてご理解を得て、令和9年度実施をするというところでありまして、やはり国内近傍で実施できる意義というのが一番大きいかなと思っております。
南鳥島射撃訓練と太平洋防衛強化との関係
記者 :
南鳥島での射撃訓練の実施については、太平洋防衛強化の一環という側面もあるのでしょうか。その点についても教えてください。
幕僚長 :
はい、繰り返しになりますが、今回の令和9年度以降実施をしたいというふうに計画している地対艦ミサイルの射撃訓練については、やはり国内に十分な訓練基盤がなく、国内で十分な訓練機会を確保するというものがですね、メインであります。今お尋ねのありました太平洋側における防衛、あるいは我が国の抑止力、対処力をどのように強化していくかということについてはですね、内局の整備計画局で設置をされました太平洋防衛構想室を中心に、陸に限らず自衛隊の必要な体制を検討しているというふうに認識をしております。その上でですね、装備品、それから部隊配置、基盤整備のそれぞれの観点からこれから検討されていくものと認識しておりますので、現時点でですね、今回のSSMの部隊、これの射撃訓練が太平洋防衛に直結するかどうかということについてはですね、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えをさせていただきたいと思います。繰り返しになりますが、令和9年度の射撃については、国内の訓練基盤の制約、これを克服して射撃練度の向上を図るためということが大きな目的であります。
南鳥島での訓練実施における課題
記者 :
訓練基盤の確保というのがメインの理由だということなんですけども、南鳥島の本土から2000kmも離れていて、かつ、なかなか訓練基盤の整備も難しい場所ではあると思うのですけども、南鳥島で今後射撃訓練をするまでの課題というか、乗り越えるべきハードルというものはどんなものが想定されるんでしょうか。
幕僚長 :
今、まさにですね、ご指摘いただいたところだと思います。約2000kmですかね、離れた孤島ということでですね、そこに対する移動とかですね、それから、これから今航行しておりますが、私が聞くところによりますと海象、天候によってはなかなか上陸のタイミングも難しいということで、その部分をどういうふうに克服していくかということであります。今後、これからの細部計画をしていきますが、余裕を持ったその訓練日程が組めるかとかですね、それから、そういうものを解消、自然相手ですので、そういうものを、どういうふうにできるだけ緩和できるかというのは大きな課題だと思っております。
総合火力演習の受け止めと安全管理への対応
記者 :
先日7日に行われました富士の総合火力演習についてお尋ねします。10式戦車ですね、事故があったが、最後ちょっと実弾なしということで射撃訓練なしで参加しました。その10式を今後出すかについては色々議論もあったような話を伺っていますが、そこを含めてですね、今回の総火演にこういう形で参加となったことについて、受け止め・ご感想をいただけますか。
幕僚長 :
はい、この市ヶ谷の記者の皆様にもですね、多数総火演のほうに、お越しいただいて、かつ色々な面で報道していただきまして、本当に感謝を申し上げたいと思っております。
その上で、ご質問がありましたこの総合火力演習の受け止めであります。今ご指摘のありましたとおり、4月の10式戦車の死傷事案後の総合火力演習ということで、様々な考慮要件、あるいは当面の安全施策ということをですね、防衛大臣、それから内部部局等とともにですね、手を打った上でですね、今回実施することになりました。やはりこの先般の事故を踏まえまして、安全管理には最大限万全を期した上で実施したものでありまして、所期の目的等に沿って終了したものと認識をしております。
その目的がそれで達成できたかということでありますが、繰り返しになりますが、本演習というものは自衛官、それから防衛大学校の学生、予備自衛官等に対し、普通科、機甲科、特科の火力、これを主体とする火力戦闘の実相ですね、実際に射撃をした時の火力の様相とか、そういうものをまとめて見るというような目的がメインでありましたが、この目的は十分達成をできたものと認識をしております。また本演習中においては、これまでの従来の装備品に加えまして、最新の装備品や、それから現在研究開発中の将来装備品の一部、これも展示を紹介しましたので、学生に対しては今の装備品、火力戦闘だけではなく、将来こういうものを考えているんだというところも十分示すことができたと思います。このような所期の目的に沿ってですね、終了したものと認識をしております。
陸上自衛隊といたしましては、これで気を緩めることなくですね、この訓練に関する隊員の安全確保、これを最優先としつつですね、我が国の防衛力の維持向上のために必要な訓練、そして国民の負託に応えられるような訓練、これをしっかりと実施をしていきたいと思っております。
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